いちばん小さな大魔王! 外伝:が〜るずあふぇくしょん!!   作:コントラポストは全てを解決する

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お待たせ☆


PartDrei 赤蘭フォーチュンシアター

 紅葉が色づき、心地よい日々が続く秋の日。

 庭の紅葉の葉が落ち始め、ほうきが地を擦る音が聞こえる美竹家でのこと。

 ひょんな事から蘭の日記を見つけてしまった俺は、絶対零度の視線を持つ蘭の前で正座をさせられていた。

 

「いや違うんですよ蘭様。これはなんと言うか不可抗力と言いまして……」

「うっさい」

「はい……」

 

 蘭の記憶が書かれた本。これを読まずにいられるかと、冊子を開いてしまったのが運の尽き。

 普段の蘭からは考えられない程の可愛いらしい丸文字で、幼稚園から今までの積もりに積もった俺への愛がこれでもかと詰まっていた。

 更に驚くべきはこの日記──

 

「どこまで読んだ?」

「……俺と蘭の子供が生まれるところまで」

「ッ!」

「待って蘭!痛い!痛いから蹴らないで!」

 

 俺と蘭の将来まで書いてあるのだ。

 官能小説を思わせるベッドシーンでは、思い出すだけでマイサンがスタンドアップしそうなえちえちぃプレイが書いてあった。そのうちチ〇コもがれそう。

 

 ──嗚呼……日記を読む前の平和な時間に戻りたい。

 

 知らぬが仏とはこの事かと、俺は後悔を胸に抱く。

 

「最悪……ほんと最悪……」

 

 この世の終わりを悟った顔で、蘭がクッションを抱いてうずくまった。

 過去の事も未来の事も、俺とのイチャラブを綴っただけの本だが、蘭にとってはトップシークレットだったのだろう。モカ達と喧嘩したとき並に落ち込んでいる。

 

「悪かった。勝手に日記読んじまって」

「……撫でて」

「はいよ」

 

 俺の正座の上に頭を乗っけて来た蘭を撫でる。どうやら膝枕と撫でのセットで示談してくれるらしい。

 

「……やっぱり引いた?」

 

 傷心修復の最中の蘭が、恐る恐る尋ねて来る。

 

「何が?」

「あたしがあんなの書いてたこと」

「いんや別に。日記の一冊や二冊、誰でも書くだろ」

 

 驚きもしたし読んだ事への後悔もある。ただ内容については特別引くような物ではないと思う。

 

「誰だってそう言う妄想はするよ。俺だってするし」

「……どんな?」

「え、聞くの?」

 

 野郎の妄想なんて聞いて誰が得するのだろうかと思ったが、蘭が話せと目で訴えかけて来たので話す事にする。きっと、あたしの見たんだからお前のも聞かせろとかそう言う感じだろう。

 

「まあでも、大体蘭と同じだよ。結婚して子供作って、一人立ちしたらまた二人の時間を一緒に過ごしてさ。ちょっと田舎の街に一戸建て持ちたいなーなんて事も考えてる」

「エロ要素皆無じゃん」

「ド直球で言わない」

 

 蘭にデコピンをするとキッと睨まれる。見ず知らずの人なら怖気付くだろうが、十数年一緒にいる俺からすれば可愛い猫の威嚇程度にしか効果を発揮していない。

 

「ま、人の性癖にどうこう言うつもりはないけどさ、一徹百発チャレンジだけは無理だからな?俺が持たん」

「……じゃあ、半分で我慢する」

「一回保体の教科書見直してこい」

 

 五十発とか男のタンク&タンクの容量過剰評価しすぎじゃないだろうか。と言うかこの娘、引かれないと分かった瞬間グイグイ来おる。

 保険掛けてからとか策士だなこいつ。

 取り敢えず高校生カップルがする会話ではない。

 

「ったく、昔は手を繋ぐだけで照れてた純情な子だったのに」

「竜介のために勉強した」

「勉強してなお、あの案が出てくる事に驚きだよ。モカにバレたら恥かくぞ?」

「モカはもっと凄いの書いてる」

 

 まさかの共犯。

 もっと凄いのとか言われると逆に気になってしまう。きっと見ないだろうが。

 蘭の話を聞いてて思ったが、もしやアフグロのメンツは全員そう言うの書いてるだろうか?

 

「なあ、蘭とモカ以外にもそう言うの書いてる奴いるのか?」

「巴は知らないけど、ひまりとつぐみは書いてる」

 

 ひまりは何となくだがピュアッピュアな物を書いてる気がする。あのカロリー乳行き娘にドロドロしたのは無理だ。

 

「ひまりは良いけど、つぐみはどんなの書くんだ?やっぱりひまりと似たような感じか?」

「まあそんな感じ──」

「ああやっぱr」

「と見せかけてドぎついSMモノ書いてる」

 

 あの娘、やはり堕天していたか。

 誰だよ喫茶店のステータスノーマルとか天使ツグリエルとか言ったやつ。俺だよ。

 頭が痛くなってきたのでつぐみの事は一旦忘れる事にする。

 

「まあ、蘭以外にも書いてるやつがいるなら、そこまで恥ずかしがる必要はないだろ。何なら今度皆で朗読会でもするか?」

 

 官能小説の朗読会とか意味不明だが、アフグロ内ブームなら仕方ないだろう。

 

「それか皆でなにか作るとか」

「つぐみもモカもひまりも、竜介にバレたら自殺モノだって言ってたけど」

「あ、そうなの?」

 

 そんな極秘裏に行われていた物なのかと一瞬呑気に考えた俺だが──

 

「……たった今俺にバラしちゃったけど良いのか?」

「…………あっ」

 

 蘭が口を滑らせた事に危機感を抱いた。

 

「今の話は無かった事にしよっか」

 

 俺の提案に蘭が首を縦に振る。

 これで仮にバレたら、蘭は罰、俺は記憶消去のために皆から襲われるだろう。

 運命共同体の業は深い。

 

「いざとなったら巴にかくまって貰うか」

「だね」

 

 ラーメン姉貴の安心感は半端無い。

 

「……巴に彼氏が出来たら面白そうだよな」

「どうなるんだろうね」

 

 巴は姉御系なので、やはり恋人は弟キャラか弟子キャラになるだろう。

 

「亭主関白気取りそうだけど、巴って面倒見良いからな……意外とザ・漢って感じの人とも気が合いそうだ」

「あたしは竜介みたいな人が似合いそうだなって思うけど」

「つまり浮気をしろと──」

 

 言いかけた所で鳩尾に頭突きを貰った。

 

「冗談だから……」

 

 痛みに耐えながら弁解を申し上げたが、蘭は頬を膨らませて顔を逸らしてしまった。

 これは俺がいけなかったのだろうか。なんとなく蘭の自爆のような気がする。

 

「おーい、蘭ー」

 

 試しに声をかけてみるが反応はない。

 

「おーい……」

 

 やはり反応はない。屍の様だ。

 仕方がないので手元にあった蘭の日記(未来予定付)のページを捲る。

 これならさすがに反応してくれるだろうと思い、テキトーに選んだページを読み上げる──

 

「『20XX年6月2日けっこんしょ──』」

「ッ!」

 

 再び鳩尾に頭突きが入った。だが、気合で耐えた。

 

「6月最初に籍入れて一日経ってからやる事に気遣いを感じるな。別に待たなくても良いぞ?俺は蘭のペースに合わせるから」

「~~~ッ!!!」

 

 日記のページをパラパラと捲りながら、真下から来る蘭のパンチをかわす。

 チラっと蘭を見ると、顔を真っ赤にしながら涙目になっている姿が見えた。可愛い。

 

「口利いてくれる気になった?」

「竜介のバカ……」

「はいはい。俺は馬鹿ですよ」

 

 日記の件はさっき落ち着いた筈だが、さすがに音読に耐えるメンタルは持ち合わせていなかったらしい。

 俺が日記を返すと、蘭はそれを大事そうに抱えた。

 何となくその仕草が可愛く見えたので頭を撫でておこうと思う。

 大好きな撫でをしてもなお蘭の機嫌は斜めのままだ。久しぶりにツンツンしている蘭を見た気がする。

 

「蘭は何しても可愛いな」

「……褒めたって許してあげないからね」

「えー竜介君ショック〜。およよ〜」

 

 必殺モカ戦法。これをやると蘭はだいたいの事を許してくれる。

 特有のおっとりとした口調から放たれるモカパワーが蘭のツン度を抑えてくれるのだ。

 端的に言うと、蘭モカはガチ。

 

「このまま蘭に捨てられちゃうんだ〜」

 

 およよおよよと啜り泣く真似をしてみると、蘭がそわそわしだした。やはりモカ戦法の効果は大きい。

 このまま蘭に捨てられると言い続ければ……

 

「やばい、なんかほんとに涙出てきた」

「え?」

 

 自爆した。

 涙が蘭の顔に落ちそうだったので急いで顔を逸らす。

 

「え、えっと……はい、ティッシュ」

「おう、サンキュ……」

 

 ズズーっと鼻水を啜り、涙を拭く。

 なんてみっともない姿だろうか。軽く5回死ねると思う。

 俺のメンタルはボロボロだ。

 

「ほ、ほら……泣かないで……。あたしは竜介の事捨てたりしないから」

「ほんとか……?」

「ほんとだって。ほら、竜介とあたしは運命共同体?なんでしょ?」

 

 そう言えばそうだった。

 卑屈になる理由などなかった様だ。

 

「悪い。騒がせた」

「別に良いよ。その……あたしも大人げなかった……」

「じゃあ、お相子だな」

「そうだね」

 

 蘭がクスッと笑った。ほんの少しだけ大人に見えたのは俺の気の所為だろうか。

 いや、きっと蘭も成長しているのであろう。

 だとすれば、俺も置いて行かれないよう成長しなければ。

 

「今度新しい料理のメニューでも考えるか……」

「急にどうしたの?」

「いんや別に。俺に必要になっただけだ」

「……つまり、どう言う事?」

 

 俺と蘭は運命共同体。

 離れる事など決してないのだ。

 だから、一緒の速度で成長していく。

 

「──つまりは、そう言う事だ」

 

 ___

 

 

「……って言う劇をやりたいんですよ。ほのぼのの中にあるシみる話的な。それでですね、なんか蘭の部屋を再現出来るセットってないかなーと思いまして。なんかありませんか?薫先輩」

「一応出来ない事はないが、その前に竜介……」

「何でしょう?」

 

 羽丘の演劇部部室にて、久しぶりに演劇をやろうと脚本を持って薫先輩の元に訪れた。

 

「君の膝の上にいる子猫ちゃんは……」

「ああ、気にしないでください。いつもの幼児退行(こと)なんで」

 

 ついでに蘭(昼寝中)もセットである。

 

「君達はいつも一緒にいるね」

「まあ、俺と蘭は運命融合体ですから」

「……融合体?どう言う意味なんだい?」

 

 俺と蘭は運命融合体。

 二人で一つの運命()を辿るのだ。

 蘭が笑えば、俺も笑う。

 俺が泣けば、蘭も泣く。

 

「蘭のしたい事は俺がしたい事。俺のしたい事も蘭のしたい事って意味です」

「うーむ……中々難しい話だね……」

「まあ、つまり──」

 

 相思相愛。一蓮托生。

 時が進み、忙しない程に変わってゆく環境の中で、いつまでも変わらない俺と蘭のいつも通り。

 

「──そう言う事です。あ、涎垂れてる。写真撮っとこ」

「なんか締まらないね……」

 

 つまり蘭は可愛い。そう言う事だ。

 




喫茶店のステータスノーマルとか二つ名感やばい。裏の仕事してそう(チャオ)あと俺だよの後に(プライムロォォグ)って入れるか入れないかで五分悩んだ。
官能小説の朗読会は今年のパワーワード大賞取れると思う。あとタンク&タンク(意味深)
下ネタ書いててクッソ楽しかったから今度ほんへにも入れる。

他にも色々言いたい事あったけど取り敢えず一言──蘭モカはガチ。
放課後アフターグロウタイムに入った教室で行われる蘭モカ純情イチャラブ百合ックス──
を偶然目撃してしまったつぐみが何かいけない感情を抱き、次の日にモカを速効NTR。更に翌日事情を知った蘭に詰めよられるがくっ殺状態にして即落ち二コマ。二人を快楽堕ちさせ可愛い僕を手にした悪堕ちつぐみちゃんによる喜びと悦びの青春百合ストーリー、快楽堕天魔王ツグリエルを次回作にします(大嘘)

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