L03地区のわけあり指揮官(凍結)   作:ランパ我聞

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9は謙虚な数字、ハッキリわかんだね(目逸らし)

誰か作者のために文章力とやる気を分けておくれ…


流湿咆山 その9

 一時はどうなるかと思ったが意外となんとかなるものだ。

 

 私はそう思いながら目の前で倒れ伏している上級人形ハイエンドのアルケミストを見やる。当のアルケミストは第1部隊の銃撃によりあちこちを損傷していたが、どうやら意識はまだあったらしい。こちらに今にでも殺せそうな視線を向けていた。

 

 上級人形(ハイエンド)『アルケミスト』、嗜虐的な思考を持ち、搭載されたテレポート機能と両腕に装備された近接武器による攻撃を主にした戦闘を得意とする。文面に起こせば『何だこのふざけた仕様は』と思うが、実際のところはテレポートを使うのにエネルギーを食う上に連続で使用すれば装置の冷却時間(・・・・)が必要になる。さらに言ってしまえば機能を使う場合かなりのメモリを座標等の計算に使うこともわかっている。つまりは意識外からの攻撃に弱いということはわかっていた(・・・・・・)ので、今回はそこを利用させてもらった。

 

 私が所属していた時の鉄血工造では各種人形の仕様書がよく配布されていた。危険意識を持たせるための処置らしかったが、そう言った場合(・・・・・・・)は警備部署が担当することになっていた。今思えば貧乏くじを引かされていたのだなと他人事のように(・・・・・・・)思うがそれはそれ。そもそも自分が辞める時期に稼働状態に入っていたハイエンドで見かけたのはエージェントぐらい………思考が逸れたそうだったのでアルケミストの方に意識を戻す。損傷して動けないとはいえ、これから行うこと(・・・・・・・・)を考えれば十分脅威であることは変わりないので両脇に待機していたOTs-14(グローザ)OTs-12(ティス)に目配せをする。半年以上も一緒に行動しているためか二人はその目配せだけで意を組んでくれたらしい。アルケミストへと近づいていくと、動きを封じるように取り押さえる。

 

 

「くっ、離しやがれ…ッ!?」

 

 

 流石にアルケミストも抵抗をするが思った通り損傷でうまく動かせないらしい。もっとも動かせたとしても振り解けるか(・・・・・・)は別なのだが…いや普通は抑え込むのも難しい(・・・・・・・・・)のだったか?

 

 

「…いい加減にしてくださいっ」

 

「グァ…ッ!?」

 

 

 そうこうしていると上から降りてきたのであろう9A-91がアルケミストの頭を掴んで強かに床にたたきつけていた。……何やってるんですか9A-91さん?

 

 

「そうやって暴れて指揮官の手を煩わせないでくださいそもそもあなたたちが攻めてこなければ指揮官があんな目に合わなくて済んだんですむしろなんでここに侵攻してきたのですか無意味だと思わなかったんですかだいたい…」

 

 

「9A-91、ステイ」

 

「はい、指揮官♪」

 

 

 アルケミストの頭を床に圧し付けながら呪詛のような何か(だと思いたい)を言葉にしている9A-91に呼びかけると満面の笑みをこちらに向けて最後のとどめと言わんばかりにアルケミストの頭を床にたたきつけてこちらに寄ってくる。その様子に第1部隊の面々は「またか」といった顔でこちらを見ていた。私は悪くないはずなんだが……。

 

 

「ぁー…私なら大丈夫だよ9A-91、かすり傷程度だから…ね?」

 

「でも…いえ、指揮官がそういうなら……」

 

 

 9A-91にそう話しかけると彼女は何か言いたげだったが、飲み込んでくれたのかそれ以上は言ってこなかった。そうやってアルケミストへの注意をそらしていたのがいけなかったのだろう。

 

 

「…鼠がぁ!!」

 

「おぉ、まだ動けたの…!?」

 

「指揮官、そっちに!」

 

 

 ティスとSR-3MP(ヴィーフリ)の声でアルケミストのいた方を見れば、グローザとティスに抑えられていたアルケミストが一瞬のうちにこちらへと距離を詰めて来ていた。何故とも思ったが、二人を見てみるとどうやら振り解かれたわけではないらしい。抑えていた時とほぼ変わらない姿勢(・・・・・・・・・)で武器を構えようとしていたからだ。どうやら自身のテレポート機能を使って抜け出したようだ。即座に持っていた『ナガンM1895』を構えるが、アルケミストはすでに損傷した腕を体ごと投げだすようにこちらへ突き出していた。

 

「(回避…も間に合いそうにないな……)」

 

 迫りくるアルケミストを見て指揮官はそう判断する。万が一避けたところでアルケミストはもう一度テレポートをして追ってくるだろう。恐らく冷却時間も無視してでも仕留めに来るだろう。そんな予感がしたから、あえて指揮官はその場にとどまった(・・・・・・・・・)。その様子をどう視たのかアルケミストは勝ち誇ったかのように口元を大きくゆがめていく。

 しかし、それは突き刺さるはずだった全体重が乗っている(・・・・・・・・・)であろうアルケミストの腕が直前で止められる(・・・・・・・・)までであった。

 

 

「…なん……!?」

 

「…指揮官に触れないで!!」

 

「ガハッ!?」

 

 

 アルケミストの突進に割り込んでアルケミストの腕を掴んで止めた(・・・・・・)9A-91はそう叫ぶとともにアルケミストを思いっきり蹴り飛ばした(・・・・・・)。その一撃がとどめとなったのか定かではないが幾度か床を転がって行ったアルケミストはぐったりとして動くことはなかった。

 

 損傷しているとは言え、全体重が乗せられたハイエンドの一撃を普通の戦術人形(・・・・・・・)が止められるわけがない。しかし彼女達第1部隊は上に無理を言って(・・・・・・)『ダミーネットワーク』といったシステムなどに割いていたリソースを使い、処理能力の向上や戦闘能力の向上を施してもらっている。そのため普通の戦術人形にある『連携機能』は失われたが、身体能力などは鉄血のハイエンド並に近いものとなっていた。

 

 無論そのカスタマイズに合わせて彼女たちの素体もある程度強化されているが限界はある。その証拠に9A-91は先程アルケミストの攻撃を掴み止めた腕を損傷していた。

 

 

「すまない9A-91…まだけるか?」

 

「大丈夫です、指揮官のためならこのくらい…」

 

 

 『ダミー人形』を持たない第1部隊はこういった損傷によって大幅に戦力を削がれてしまうことが多い。戦闘能力が高くても無敵ではないのだ。9A-91の損傷を見てこれ以上は長居出来ないと判断した指揮官は、弾き飛ばされていたVSSを拾うとすぐにアルケミストへ近づき、首筋にある接続口に持っていた端末を繋げ急ぎ作業を始める。

 

「……接続……システム…バックドア・・・・・・構築…くそっ、やっぱり駄目か」

 

 指揮官が端末を使い何かの作業をしばらくしていたが、端末の画面に『SIGNAL LOST』と表示されるとともに端末が映していた『アルケミスト』のデータが次々と閉じられていく。おそらくこの『アルケミスト』のデータを鉄血のメインサーバー(・・・・・・・)へと送っているのだろう。そう判断した指揮官は現時点までに接続できたデータを端末に移し込み、端末を接続口から引き抜いた後、その接続口へ別の端末を差し込み情報プログラム(・・・・・・・)を起動した。端末の画面に『COMPLETE』の文字が浮かび上がったのを確認すると第1部隊全員に見えるようにハンドサインを送る。

 

「(状況終了…撤退する)」

 

 ハンドサインを見た第1部隊の面々は即座に行動を開始する。

 グローザとティスが先行し教会入口の安全確保へ、9A-91が指揮官のそばで警戒しヴィーフリとコンデンターが殿をといった感じである。

 

「…待ちなさい、トリースタ・ソルディティ…いえ、ツニーティス・ランドマッシ指揮官と言うべきかしら?」

 

 しかし指揮官と第1部隊の面々はそう呼びかけられた声に一斉に振り向くことになる。振り向いた先には割れた窓の下にもたれかかる一人の人影がいた。身体のあちこちに傷を受けており、特に右目は縦に裂傷が走っておりその役割をはたしていなかった。そして左脚を斬りとばされているのか断面を覗かせているが、そこから見えるのは自律人形じみたものだった。

 

「…私の名は……まぁ今はいいでしょう、どうかしらL03地区の指揮官さま」

 

 ――私と取引をしてみませんこと…?――

 

 そう言ってその人影――鉄血のハイエンドが1体、イントゥルーダーは不敵に笑みを浮かべてこちらを見つめていた。




私の最近の流行は絶唱系ミュージカルアクションアニメ、それを見ているときの私は特別な存在(適合者)なのだと、若者ながら夢想するのです。


ハイ、駄文申し訳ありませんでした…。


(初めて3000字超えたなぁ…)
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