L03地区のわけあり指揮官(凍結)   作:ランパ我聞

21 / 29
日常編やるぞぉ(白目)

ところでこういう時ってどう動かせばいいかわからなくなりません?

8/16 タイトル抜けてたので修正


何事も最後は人の手による話

 ヘリアントスとの通信による協議からさらに数日が経ち、『L06地区の復旧作業が本格的に始まった』と言った話を、二日ほど前から連絡要員としてL06地区に送った第3部隊から通信で報告を受けたその日、私は執務室で復旧作業を任せていたネゲヴからの1つの報告を聞いていた。

 

『指揮官、頼まれていた道路の復旧だけど今しがた終わったわ』

 

「ご苦労、戻ったら休むようにみんなにもそう伝えてくれネゲヴ」

 

『了解、しっかり伝えておくわ指揮官』

 

 山岳の中腹に位置する場所に設営されている基地の特性上、L03地区にはこの山岳基地のほかに人工物はほとんど見受けられない。元々放棄されていた軍事基地だったこともあるが、山岳と言った生活圏を構築するには不向きな地形や大規模輸送にあまり向かない山道、何より早急に拠点としての体裁を整えることを急かした結果、他の地区に存在する居住区や商業区と言ったものは一旦保留となり、基地としての機能に特化させるに至ったのが現在のL03地区であった。

 

 そういった事情からここL03地区では陸路でL06地区やほかの地区へ出向く形で、L03地区宛に輸送されている物資や食料を補充している。その輸送に欠かせない唯一の陸路が先日の戦闘によって使用不能となっていた。幸か不幸か道路自体は路装されていなかった(・・・・・・・・・)ので埋め戻しのみで対応できた。とは言えただ埋めるだけでは地盤に不安が残るのでニーマム(Nemeum)の装甲やら破壊されたトーチカの一部を一緒に埋め込むなどして強度を確保していたりする。余談ではあるがこのニーマムの装甲は、NTW-20(ダネル)の発案でたまに遮蔽物として使い、敵の攻撃から身を隠しつつ狙撃する時に使われたりするときがある。先日の戦闘においても使用されてはいたが、攻撃が防衛陣地の方へ集中していたためにほぼ無傷だったとか。

 

 あとこの埋め直しの作業は彼女達に任せているが、やむを得ず人力で作業してもらっていた。元々重機等はL03地区だけに限らずL区画内にいくつか存在するが、元々の数が少ないことやL06地区の復旧作業に回されているため使える台数がなかったこと。さらに言うならばそれらの重機を扱えたAEK-999(バルソク)が今現在この地区の外に出ているため扱える人物がいないのも理由であったりする。

 

「ところで、アレの回収作業はどうなっている?」

 

『埋め立て作業中に研究員が到着して回収していったわ。ついでに損耗していたバルソクと9A-91(副官殿)も行かせておいたわ』

 

「戻ってくるまでは第2部隊の指揮をしといてくれ、副官はしばらく交代制で明日はM590にさせるつもりだからそう言っておいてくれ」

 

『了解よ指揮官、スペシャリストの私に任せておきなさい…通信終了』

 

 ネゲヴとの通信を終え、ふといつもなら9A-91が座っているはずの副官席にへと視線をむけた。普段なら9A-91がいるその席にはOts-14(グローザ)が座っているが、彼女は今省電力(休眠)状態にあるため机に身体を預ける姿勢で寝てしまっていた。しかし彼女のこの光景はいつものことなので、さほど気にはせずに残っている期限が近くなった書類の整理へと意識を戻す。

 しかしこの時、I.O.Pの研究員たちが回収していったアレ――便宜上Manticore(マンティコア)L型が、運び込まれたS地区であんなことになろうとはこの時の私は想像もしていなかったのであった。

 

 

 

 

 

 

 省電力モードによる休眠状態、ヒトで言うところのまどろみ(・・・・)の中からゆっくりと意識が浮かび上がる感覚を認識したグローザはゆっくりと瞼を開ける。完全に切り替わっていない為か、グローザの視界は焦点が合わずぼやけていた。それでも目を少し動かせばそのはっきりとしない視界に見覚えのある輪郭が視界に入り、自分がどこにいるかを理解した。

 

 (執務室…それもこの位置から指揮官が見えるなら副官席か……)

 

 そう言えば今は9A-91()はいないのかと考えたグローザは一瞬だけ副官業務のことを思い浮かべたが、指揮官の様子を見た限りでは手伝わなくても問題なく終われそうであったことと何より自身のこの様子ではまた休眠状態になり余計な手間をかけさせるだけだと判断したため即座にその考えを切り捨てる。戦術人形としてどうなのかと思われるかもしれないが、そうせざるを得ない(・・・・・・・・・)理由があるのはL03地区の戦術人形(彼女達)及び指揮官が知っているのでグローザは気にもしない。

 

 そもそもグローザを含む第1部隊の面々はL03地区に与えられている任務の都合上、他の人形達とは違う製造処置を受けていた。その際に既存のシステムとの不具合を起こした結果、第1部隊の面々は何かしらの個性(異常)が生じていた。各々が違った個性が浮き出る中、グローザには任務や食事といった行動以外は常に省電力(休眠)状態になってしまうものであった。

 そこまで考えた時に浮き上がっていた意識がまた沈み始めていることにグローザは気付いた。

 

 (難儀ね…次に指揮官とゆっくりお話しできるのはいつかしら…)

 

 いつの間にか焦点の合っていた視界が自身の意思と関係なく閉じられていき、あれこれと考えていた思考は一つ一つ零れるように無意識へと沈んでいくのを感じるグローザ。この感覚には慣れてしまった筈なのにいつもこの状態に不安を感じている自分がいたのか、それとも目を開けていた自分に気付いてくれなかった指揮官への当てつけから出たのか…。

 

 「…お…すみ…指…か…」

 

 「おやすみ、いい夢をグローザ」

 

 そんな言葉とともにグローザは再びまどろみ(・・・・)の中へと落ちていき、その意識を完全に無意識へと落としていく。辛うじて聞こえた自身に向けられた言葉に満足感を浮かべながら。




最近充電器の接続が悪いのか充電異常で停止するのはやめてほしい(半ギレ)

ちなみに埋め立て作業は人力(戦術人形)で4日ほどかかった模様
ダミー使えばもっと短縮されるけど警備も考えると全部作業に回せないからねシカタナイネ

ここのグローザはヘタしなくてもG11並に寝ます。もしくはそれ以上寝ます。

なおManticore L型に関しては『設定集 L区画編』に軽く記載しておりますのでそちらへどうぞ、L06地区についても近日中に加筆予定です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。