車を走らせること約三十分、道のりの半分ほど走ったところで一旦コンビニに寄って休憩をする。
「霊夢、休憩するけど何か飲みたいものとかある?」
「私はお茶でいいわ」
「じゃあ買ってくるからちょっと待っててな」
俺は車を降りて店の中へ入る。
霊夢のお茶と自分用のコーヒーを持ってレジへ向かう。
「いらっしゃいませ〜ってあれ?カズマ君じゃない♪」
「あれ?ミホちゃん!?どうしてここに居るの?」
「私まだ大学生なのよ、今は時間ある時にここでバイトしてるの」
「そうだったんだね」
レジで話してる女の子は高校の同級生のミホちゃん。クラスの高嶺の花で男子からの人気は学年一と呼ばれるほどの美少女だ。
今はこの近くの大学に通っていて寮生活をしているようだ。
「カズマ君は確か高校卒業してから何してるのかみんな知らないって言ってたから元気かなって思ってたんだけど元気そうで良かった♪」
「あぁ、そう言えば高校以降あまり同級生とも会ってないからね」
「暇な時また連絡してね〜♪バイトないと私暇だからさ」
「うん、分かったよ」
買い物を済ませてミホちゃんと別れ車に乗り込む。
「ちょっと時間かかってたわね」
「あぁ、高校の同級生に会ってな、ちょっと話してたんだわ」
「カズマって意外と顔広いわよね」
「まぁ、高校の同級生とか結構いたし今の仕事関係でも交友は広くなったからなぁ」
「そう言えば霊夢は今歳っていくつなんだ?」
「私は十五歳よ」
「え!?そんなにおれと歳離れてたの!?てっきりもう二十歳くらいだと思ってたのに」
「あら、そんなに驚くことかしら?」
「いや、こっちの世界ではその歳だとまだ中学生と同じなんだぞ?ある意味俺って犯罪者‥‥」
「そうなの?」
「と、とりあえず霊夢、今は歳を誤魔化して二十歳って言っててくれな。じゃないと俺捕まっちゃうから」
「分かったわ」
俺はめちゃくちゃ動揺していた。まさか霊夢が中学生と同じ歳だったとは、でも歳を言わなければ童顔でもれっきとした大人の女性と何ら遜色ないよな。あぁ、頼む神様、どうかこのまま何事もなく無事に霊夢の帰る方法が見つかるようにしてくれ!
俺は今神に祈るしか出来なかった。
なんだかんだで車を走らせてようやく目的地の遊園地に到着した。
霊夢は車を降りて遊園地を見ていたがその目はなんだか子供のように輝いていた。
「遊園地って凄い広いのね!なんかみんな楽しそうだし面白そうなのがたくさん!カズマ早く行こう!」
「そんなにはしゃがなくても遊園地は逃げないぞ〜ってはしゃぐなって言う方が難しいか」
こうして俺と霊夢は遊園地へと入っていく。
パンフレットを入口でもらいそれを見ながら霊夢にどこから回るか相談する。
「このジェットコースターっていうのに乗ってみたい!」
「よし、じゃあ早速行くか〜」
ジェットコースター乗り場に行くと意外と並んでる人は少なくすぐにでも乗れそうだった。
「案外すんなり乗れそうだな」
「ワクワクするわね♪」
ものの数分で順番が来たので二人で並んで搭乗する。
安全バーが降りてきていよいよ発進だ。
絶叫マシンに乗るのは意外と久しぶりだがそんなに怖くは感じなかった。霊夢も結構楽しんでたようで怖がる様子もなかった。
「あ〜楽しかった〜♪結構スピード出るものなのね〜」
「初めてで怖くないってのも凄いな」
「あら、これくらいなら幻想郷にいた時の私の移動スピードより遅いくらいよ?」
「おいおい、霊夢どんな移動の仕方してたんだよ」
「私は飛んで移動してたわよ」
「へぇ〜飛んでたんだ〜ってふぁ!?」
飛ぶってどゆこと!?幻想郷って飛ぶのは日常茶飯事なのか!?
そんなんできるならライト兄弟がやり遂げた飛行機制作の意味ねぇじゃん。
最早常識というものは当てはまらないのだと俺は悟った。
「ねぇ、それよりも次行こうよ」
「そうだな、それじゃぁ次は‥‥」
こうして俺と霊夢は様々なアトラクションに乗りたくさん笑って楽しんだ。
そんなこんなで時間はお昼を回りお腹もすく時間なる。
「お腹すいてきたな」
「そうね、どうしよっか」
「あのレストランに行こう。色々あるし美味しいって評判なんだよ」
「じゃあそこにしましょ♪」
俺と霊夢は次にレストランへと向かった。
中へ入るとなんともオシャレな雰囲気のお店でメニューも盛りだくさんだった。
「初めてこんな感じのお店入ったかも」
「そうか、霊夢はこっち来てからあまり経ってないから無理もないな」
「でも好きかも、なんだかワクワクするって言うんだろうね楽しい気持ちになれるから」
「霊夢の年頃ならそう思って当然だろ、こっちじゃ当たり前のようなものだし」
「そうなのね」
こうして霊夢と話をしながらゆっくりとランチを済ませ再び外へとくり出す。
やはり遊園地というものは楽しいもので並んでいても退屈になることはなく終始霊夢も笑顔だった。
そして楽しい時は過ぎるのが早いもので他のアトラクションを回っているうちにすっかりと日は傾いていた。
「すっかり夕方になっちまったな」
「そうね、でも沢山遊べたから良かったかな♪」
「そりゃ良かったよ、俺も久しぶりに楽しめたし」
「連れてきてくれてありがとうカズマ」
「礼には及ばないよ、さぁそろそろ帰ろうか」
「えぇ、そうね」
こうして俺と霊夢の楽しい一日は終わり帰路に着いた。
遊び疲れたのか霊夢は帰り道すやすやと眠っていた。俺はその姿を見てホッとした。
「ふぅ、霊夢が楽しそうで良かったよ。俺も少しだけ昔を思い出せたかもな」
ぼそっと呟きながら車を走らせる。その夜は一日を思い返しながら眠りについた。