決闘者のハイスクール   作:豆肉

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いろいろ試行錯誤


第十四話

俺は背中の刺青のことを聞くため精霊界に来ていた。

凄い人はすぐに見つかった。

 

「こんにちは」

「よぉ」

 

凄い人はこちらを見ると少し微笑んだ。

なんでかはしらないが機嫌がいいようだ。

 

「背中の絵のことを聞きに来たんだろう?」

 

驚いたな、御見通しってわけか。

まぁそちらのほうが話が早くて助かる。

 

「この刺青、ラーを出したことと関係あるんですか?」

「あぁ」

 

凄い人は肯定をしそのまま刺青のことを話し始めた。

 

「その刺青はある石版を写したものなんだが、今はそのことはいいだろう。簡単いえばその刺青はヒエラティックテキストを唱える代わりをしている」

 

ヒエラティックテキスト、恐らく俺の背中とカードに記されているヒエラティックの文のことだろう。

 

 

「本来、神を従えるにはカードに記されているヒエラティックテキストを唱えなければならない。だが、浩次はヒエラティックを読むことはできない。そのため、詠唱の代わりにヒエラティックテキストを体に刻むことで呪文を唱えなくても良いようになっている。」

 

なるほど。そう言われるとヒエラティックを読めない俺が神を従えることができたこと自体がおかしかったんだ。まぁいちいち詠唱しなくてもいいだけ楽だし、よかったのかもしれない。というか、やっぱり凄いなこの人。

何でも知ってるってわけじゃなっさそうだけど俺よりこの神器のことに詳しいことは確かだ。

そういえば、もう一つ聞きたいことがあったんだった。

 

「この刺青、一時的でもいいので消すこととかできませんかね?」

 

普段出てるだけならいいんだが、もう少ししたら水泳の授業が始まる。

そのときにこんな目立つ刺青があると困るのだ。

 

「……無理だ」

 

バッサリと言われた。前に溜めがあったから本当にないのだろう。どうするマジで困ったぞ。俺が悩んでると凄い人が何か思いついたように顔を上げる

 

「魔法なら消すことはできないが隠すことはできるかもしれない」

 

魔法、なるほどその手があったか。なんでいままで気づかなかったんだろう。

それなら話が早い、魔法使い族……『ブラック・マジシャン』あたりに聞きに行こう。

 

「ありがとうございました。それじゃ俺は行きますね」

 

凄い人に別れを告げブラックマジシャンのところに行こうとしたら凄い人に止められた。

 

「待て、それは浩次の先輩たちにやってもらうといい」

「……なぜに?」

 

確かに先輩たち、特に朱乃さんあたりならできそうだけど。

朱乃さんには2つも借りがあるし、その上『何でもします』という約束までしてある。これ以上何か頼むのは気が引ける。それに1回だけならともかく何回かけてもらわないといけなくなるだろうし。凄い人が呆れたような顔をし口を開いた

 

「浩次、お前はもっと仲間を頼った方がいい」

 

俺の心の中を読んだかのようなアドバイスだ。そういや朱乃さんに俺は顔に出やすいとかいわれたっけなぁ。

……あと『仲間を頼れ』とも。

 

「わかりました。そうします」

 

それをきき凄い人は満足そうにうなずた。

頼らなかったことで前回、悲しませてしまったしね。

 

「それでいい。それと俺やこの世界にいるモンスター達も浩次の仲間だ。いつでも頼ってくれ」

 

凄い人はそういって去っていってしまった。あの人いつも何かしらいうと勝手に行っちゃうんだよな。まぁ言ってくれたことはうれしいのだが。

 

「仲間、か」

 

声に出してもどうもピンとこない。

よく聞くところだと仲間とは支え合う関係、助け合う関係。

相互関係の上に成り立つ関係。

……こういうことじゃないんだろうなぁ。

理屈とかじゃなくて、もっと感情的なことなんだろう。やめやめ時間の無駄だ。

無理やり思考を打ち止め精霊界がでる。

明日、部室に行ったら朱乃さんに相談してみよう。

どうやって借りを返そうかなぁ……

 

~~~~

 

リアス先輩の一言により今日の部活はイッセー宅でやることになった。

初めは俺の家でやる予定だったらしいが俺が断固拒否した。

これ以上母さんや妹を混乱させるわけにはいかない。

正直に言うといろいろメンドそうだからだ。

そんで今、イッセーのアルバムを見て笑っているとこ。

なぜか解説役にイッセーの母親がいるけど、まぁいいか。

 

「で、こっちがイッセーの小学生の時」

 

イッセー母が写真を指さしながら当時の思い出などを語ってくれている。

なかなか面白いもんだ。とりあえず弱みゲットだ。

 

「全裸かよ、元気だなぁ」

 

こういう時、煽ってしまいたくなる性分なのだ許してくれなくてもいいけどリアクションはいいのくれよ。

 

「見るなぁ!」

 

イッセーがジタバタと暴れアルバムを隠そうとするが佑斗がそれを抑えている。

いやはや楽しいねェ。

 

「そう、じゃぁ浩次のアルバムも出しましょうか」

「!?」

 

え、どういうこと?

なんして俺のアルバムなんぞ持ってんですか?

というか「じゃぁ」って何のつながりもないじゃないですか!

 

「Hey!リアス先輩マジで勘弁してくれないですかね。というかそれをどこで?」

 

焦って止めようとするが。

リアス先輩はニヤニヤとしていて聞く耳持たない。

 

「あら、イッセーだけ恥ずかしい思いをさせるのは不公平でしょう?あと、このアルバムは美鈴から借りたの」

 

美鈴とは俺の従姉である。

というか何やっちゃってくれてんだ美鈴!?

何時の間にアルバムを貸し出すほど仲良くなっていたんだ……

こうなったら実力行使だ!

 

「させるかぁ!」

 

俺がアルバムに手を伸ばそうとするとイッセーが妨害してきた。

 

「邪魔だ!」

「お前も俺と同じ目にあえ!」

 

こいつっ!だがお前だけで俺は止められない!

ガッ 誰かが俺の肩をつかむ。

 

「僕も見たいな」

 

振り返るとニッコリと笑顔を浮かた佑斗がいた。

なんてこった。お前そんなんだからホモ疑惑が浮上するんだよ。

俺らがしばらく暴れていると佑斗がピタッと止まった。何事かと視線の先を追ってみると写真があった。

 

「なんだこの写真」

 

写真を拾い上げてみると幼いイッセーと男の子とその父親が並んで映っている写真だった。

 

「この写真がどうかしたのか?」

 

横からイッセーが聞いてくる。

佑斗は写真の父親が持っている剣を指さした。

 

「これ、見覚えは?」

 

そう聞いた佑斗の雰囲気はいつもと違っていた。

なんだか嫌な感じだ。

 

「すまん、ガキの頃で覚えてないや」

 

イッセーがそういうと佑斗は少し残念そうな顔をした。それより気になったのが目が憎悪に満ちていたことだ。この写真に写っている剣に何か因縁でもあるのだろうか。聞くべきか迷うが、一応聞いておこう。

 

「その剣、何かあるのか」

「このは聖剣だよ」

 

本当に嫌な感じだ。

 

~~~~

 

球技大会が近付いてきた。俺たちもオカルト研究部として大会に出る。

球技大会の種目は野球やらサッカーやらほとんどの球技がある。ただし出る種目は自分たちでは選べないという不親切設計。そんでプライドの高いリアス部長はどれになっても負けないようにすべての種目を練習すると言い出した。そんで今は野球、ノックの練習をしている。のだが、先日イッセー宅であの写真を見てから佑斗の様子がおかしい。

 

「次、佑斗いくわよ!」

 

リアス先輩がボールを飛ばす。

が、佑斗は呆けておりボールが頭に直撃する。

最近ずっとこんな感じだ。

結構な頻度で呆けている。痴呆になったというわけでもあるまいに。

 

「木場!シャキッとしろ!」

 

イッセーの大声で佑斗はやっとボールが来たことに気づきボールを拾いに行く。

本当に大丈夫だろうかアイツ……

佑斗がこうなった心当たりと言えばイッセー宅で見た写真に写っていた聖剣。

あの時の様子から見て聖剣で何かされたというわけではなく、聖剣そのものに何らかの因縁があるのだろう。

 

「佑斗、ボーッとし過ぎよ?アナタらしくもない」

「すいません」

 

佑斗は先輩に注意され素直に謝る。

だが、俺から見た佑斗は心ここに有らずといった感じだ。

このままではまずいだろう。リアス先輩は勝負ごとで手を抜くことを許さないだろうし、佑斗と喧嘩とかしなければいいのだが。

あっ先輩がまた野球の指南書を読み始めた。ほんと負けず嫌いだな。

 

「浩次君、ご存知ですか?」

 

朱乃さんが話しかけてきた。

 

「なにをです?」

「部長ったら最近、恋愛マニュアル本をよくよんでいるんですよ」

「へー」

 

ふ~ん、まぁリアス先輩もやっぱり女子だし恋愛に興味があるのだろう。

もしかしたら意中の相手がいるのかもしれないだとしたら先輩の御眼鏡にかなうやつか、少し気になるな。

 

「興味ありますか?」

 

ニコニコしながら聞いてくる。

なんだか楽しそうだ。何がそんなに面白いのだろう。

 

「興味はありますが、やめときます。馬にけられたくないんでね」

 

人の恋愛事情に自ら首を突っ込むのはポリシーに反する。

先輩も興味本位できかれたらいやかもしれないしな。

 

「あら、そうですか。残念ですわ。」

 

そうは言っているが朱乃さんは楽しそうニコニコしている。

それから悪戯っぽい笑みにかわり俺に質問してきた。

 

「浩次君は恋愛に興味はないんですか?」

 

恋愛か……

そういえば誰かに恋をしたということがないな。寂しい青春だ。彼女はほしいかと言われれば、まぁほしい。俺も男子なんだし。

 

「人並みにはありますよ。彼女だってできれば欲しいし」

 

それを聞くと朱乃さんの笑みが深くなった。

なんだか「かかったなアホがッ!」とでもいいそうだ。

 

「なら私が―」

「さぁ!練習を始めるわよ!」

 

朱乃さんの声を遮り、リアス先輩が練習の再開を告げる。

 

「浩次!いくわよ!」

「え、はい」

 

なんでいきなり俺なのだろう順番では小猫ちゃんだろうに。

まぁグダグダ言ってもしょうがないしやりますか。

 

~~~~~

 

次の日、昼休みに部室に集合するということで俺は部室に向かっていた。

イッセーとアーシアちゃんも一緒だ。

部室に入ると、俺たち以外の部員は全員そろっていた。

そして何故かソファーに生徒会長が座っていた。

その後ろには生徒会メンバーが立っている。

生徒会がこんなところに何の用だろうか……

摘発か?見るからに怪しいこの部活を査定しに来たのか?

……いや、違う。こいつら人間じゃない。

敵意はないっぽいが、この前の焼き鳥みたいな連中かもしれない。

だとしたら……神器を出す準備をしておくか。

 

「なんだ、リアス先輩、もしかして俺たちのことをこいつらに話してないんですか?まぁ同じ悪魔なのに気づかない方がおかしいんだけどさ」

 

後ろに立っていた男子生徒が小馬鹿にしたような口調で言ってくる。

イッセーとアーシアちゃんはオカルト研究部以外に悪魔がいたことに驚愕している様子だ。

この学校、悪魔率が高すぎるんじゃないだろうか。

 

「サジ、彼らは悪魔になって日が浅いわ、だからこの反応も当然よ。」

 

生徒会長がフォローをいれてきてくれる。

敵ではないのか、それとも俺たちを下に見ているだけなのか……

構えていると朱乃さんが説明してくる。

 

「支取蒼那さまの真実のお名前はソーナ・シトリー、上級悪魔シトリー家の次期当主様ですわ」

 

上級悪魔、となるとレーティングゲームの申し込みだろうか。

そんなことを考えてると朱乃先輩が追加で説明をしてくる。

 

「それと、この学園はグレモリー家が実権を握ってますが、昼の学校は生徒会、つまりシトリー家に支配を一任しております。だから敵ではないですよ」

 

そう言い朱乃さんはニッコリと笑いかけてくる。

警戒を解けってことか。とりあえず従おう、俺のせいで関係が険悪になったなんてことがあったら冗談じゃ済まされない。

俺が警戒を解くと後ろのさっき小馬鹿にしてきた男子が再び口を開いた。

 

「そんなに怖がらなくていいぜ、俺たちは学園を守るのが仕事だ襲ったりなんかしないさ。おっと自己紹介がまだだったな俺は匙元士郎。2年で『兵士』だ」

「おおっ!同学年で同じ『兵士』」

 

イッセーが嬉しそうに声を上げる。だが匙のほうはため息をついた。

 

「俺としては変態3人組のお前と一緒にされたくないんだがな」

「な、なんだと!?」

 

失礼な奴だ。歩み寄ろうとしている奴にこの態度とは。

 

「失礼すぎるぜ匙とやら。まさに医者が匙を投げるレベルだ」

 

ここは軽いジョークで煽っておこう。

 

「あ?やるか?こう見えても俺は駒4つ消費の『兵士』だ。お前みたいな1つ消費の雑魚になんぞ負けるかよ」

 

えらい自信だな。井の中の蛙大海を知らずってとこだな。

それにしても駒4つ消費……イッセーの半分くらいってとこか。

ということは何らかの能力があるのか、神器持ちかだな。

 

「サジ、お止めなさい。ここに来たのは新しく下僕にした悪魔を紹介し合うためです。それに」

 

生徒会長いったん言葉を区切り俺の方を見てくる。

 

「今のあなたではフェニックス家の三男を倒した浩次君には勝てません」

「こいつがフェニックスを!?だってこいつ駒一つ消費ですよ!?」

 

驚いた様子でこっちを見てくる。

まぁ強そうには見えんだろうが、そこまで驚くことだろうか。

 

「そう、私も気になっていたんです。リアス、どうやって彼ほどの人を『兵士』の駒一つで下僕にしたの?」

 

生徒会長がリアス先輩に向き直り聞く。

そういえば俺もそのことは気になっていた。

自分を過大評価するつもりはないが俺の神器は強力だ。駒一つというのはどうも腑に落ちない。

 

「私もなぜ一つで済んだのかは分からないわ。ただ心当たりがあるとすれば浩次を下僕にしようとした時、彼の神器が光って一枚のカードが積み重なっているとこから別の所に入っていったってことぐらいね」

 

つまりはカードが勝手に発動して墓地に送られたってことだろう。

しかし宣言もなく発動するなんて……

俺が悩んでいると生徒会長がこんどはこちらに質問をしてきた。

 

「浩次君。それについて何か心当たりは?」

 

心当たりか。

恐らくそのカードにより一時的に俺の価値を下げられたということなのだろう。

となると発動したのはレベルを下げることのできるカードだ。

 

「リアス先輩、その時のカードどんなのだったか覚えてます?」

「そうね……海の上に水で満たされた大地みたいなのが浮いててそこから水が下に流れている絵が描いてあったわ」

 

海の上に浮いている水で満たされた大地、流れ落ちる水……もしかして……

神器を発動し一枚のカードを出現させ先輩に見せる。

 

「もしかしてこれですか?」

 

見せたカードは『下降潮流』。

自分フィールド上にいる表側表示のモンスター一体のレベルを1~3までの任意のレベルに変えることができるカードだ。

 

「そう、それよ!」

 

どうやらこれであっているようだ。

すると生徒会長がカードについて質問し来た。

 

「そのカード、どんな効果があるのですか?」

「俺が操るモンスターにはレベルというものがあって、本来このカードはそのレベルを変えるカードなんですが。その時は俺のレベル、つまり価値を下げたんだと思います」

「……そんなことができるのですか?」

「さぁ?でもこれ以外は考えられません」

 

生徒会長は驚いた様子だが、すぐに何か考え始めた。

すると今まで黙っていた匙が声を上げた。

 

「そんなもんインチキじゃねェか!つまりやろうと思えば自分より実力が圧倒的に上の相手だろうと本人の同意さえあれば下僕にできるって事だろ!?」

「あら?私がそんなことをすると思っているのかしら?」

 

匙の発言にリアス先輩が難色を示した。

顔は笑っているように見えるが雰囲気で怒っていることがわかる。匙はそれを見て速攻謝り黙ってしまった。そうこうしているうちに生徒会長が考えることをやめ俺たちに向き直った。

 

「いろいろ気になることもありますが、今日はこのあたりで失礼します。イッセーくん、アルジェントさん、そして浩次君。これからよろしくお願いします。匙とも仲良くしてあげてください」

「えぇ、よろしくお願いします」

 

そう言って頭を下げる。

イッセーたちも同じようにしている。匙の方は終始俺の方に敵意を向けていたが。

マジで礼儀がなってねぇ野郎だな。

 

 




『下降潮流』
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、
1から3までの任意のレベルを宣言して発動できる。
選択したモンスターのレベルは宣言したレベルとなる。
《だいたいレベル1でリアス先輩の『兵士』1つ分の価値とします》
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