決闘者のハイスクール   作:豆肉

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そろそろ4巻あたりに入らなければ。それで書き方を試行錯誤


二十二話

今、兵藤一誠は人生で最悪の状況にいた。敵はものの数分で森を焦土に変えるほどの力を持っている。正面からでまず勝てない。一緒にいた仲間とははぐれ、敵を倒すすべもない。なんとか敵の攻撃を逃れても敵の攻撃により空いた穴に身をひそめ打開策を必死に考えるしかなかった。だが一誠は頭がきれる方ではない。さらに周りの状況を確かめようにも視界は土煙で遮られ、音も爆音で掻き消される。味方を呼ぼうにも現状では不可能。あちらこちらで鳴っている爆音のみが仲間の生存を確かめる唯一のものとなっていた。ふと自分の周りを影が覆う。同時にブワァッ!と強風が吹き周りの土煙が突き飛ばされる。土煙がはれ、影の正体が見えた。それは白く、星のように輝く龍だった。

 

「クソッ……!」

 

思わず悪態が出る。こうなった以上戦うほかないが勝ち目はないことは明白。しかし頭上の龍に狙いを定められたのだ、逃げることはできない。

 

『どうする相棒?』

 

左手に装着された神器から声が発せたれた。

 

「やるしかねぇだろっ!」

『あぁ!それでこそだ!!』

 

覚悟を決め、拳をきつく握りしめる。

 

「行くぞ!ドライグ!」

『Explosion!!』

『「ウオオオオオオオオ!!」』

 

咆哮と共に龍へ向かい飛び立つ。時を同じくして彼の仲間たちも各自、敵との戦いを繰り広げていた。

 

 

ガキンッ! 剣どうしがぶつかり合い火花が散る。

 

「くぅッ……!」

 

力は相手の方が上だったらしく佑斗は怯み、若干だが後ずさる。そして敵の剣士はその隙を見逃すほど甘くはなかった。一瞬にして間合いを詰められる。剣士は詰め寄った勢いのまま剣を横薙ぎに振るう。佑斗は避けることもできず剣で斬撃を受けてしまった。ピシッと佑斗の聖魔剣にひびがはいる。それでもなお剣士の剣は止まることなく、振りぬくと同時に佑斗は吹き飛ばされてしまう。

 

「ッ!」

 

何とか着地しすぐに剣を構えなおす。だが敵の姿は既になかった。

 

「またか……」

 

悔しさで歯噛みをする。また相手の姿を見失ってしまった。あの敵と戦い始めてからこのような状況は4回目だ。恐らくこちらに立て直すチャンスを与えているのだろう。これは佑斗にとって屈辱でしかなかった。剣士としてお前は未熟だと言われているようなきがしてならないのだ。

ちらりと自分の剣を見る。先ほどつけられたヒビは修復していない。修復するほどの余裕が残ってないのだ。この聖魔剣は最近、禁手化によって手に入れた力だ。そのため長くは出していられない。その上相手は自分より技量は上、さらに持っている剣も恐らく聖魔剣と同等のものだろう。あの敵が持っている剣は戦いが始まる前に剣士の主人が渡していたものだ。本当に彼の力は底が知れない。

ジャリッ。後ろから砂を踏みしめる音が聞こえた。佑斗は剣を構え後ろを振り向く。息を大きく吸い気を吸い、剣を握りしめる。

 

「ハァッ!」

 

全力地を蹴り敵へと剣を振るう。佑斗と剣士の戦い、5ラウンド目が始まった。

 

 

速い、強い。現状の小猫は防戦一方だった。敵は何故か丸いサングラスと白いスカーフをつけた人型、おそらくロボットだろう。見た目はそこまで強そうはなかったため、対峙した瞬間は少し拍子抜けした。あの先輩のことだからもっとえげつないものを出していると思ったのだ。しかしその認識はすぐに正されることになる。敵のロボットが構えと思った瞬間、目の前に拳があった。瞬時に身をかがめる。頭上拳が通過する。その拳はジェット機を彷彿とさせつほどのものだった。あの先輩は一体何を考えているのだろうか。殺す気かと大声で怒鳴りたくなるが我慢し後ろに飛び退く。相手の方はすでに構えなおしており、こちらを待っているようだ。悔しくもあるが、あのまま追撃されるよりかはいい。大きく深呼吸をし構える。おそらく今の実力ではあのロボットに勝つことはできない。だがせめて、一方的な敗北ではなく一矢向いてやろう。

 

 

「まさか、私が天使に剣を向ける日が来るとな……」

 

ゼノヴィアが対峙している敵、それは紛うこと無き天使だ。ゼノヴィアは今対峙している天使を見たことはない。だがそれでも確信していた。あれは天使であると。それは以前の彼女の元上司てあるガブリエルと同質、同等レベルの神聖を感じ取ったからだ。

 

「ふふっ……彼も意地悪だな」

 

元教会の聖職者である者に天使を差し向けるなど、これが意地悪でなくてなんなのか。だがゼノヴィアはこれは彼が与えた試練だと勝手に受け取った。

 

「なるほど、俺と愛を育みたければこれぐらい乗り越えてみせろということだな!!」

 

実際は違い、ゼノヴィアに天使が当たったのただの偶然である。だが勘違いではあるがゼノヴィアのモチベーションがあがったのだから結果的にはよかったのだろう。

 

 

 

そして、それらのモンスターの主人である草間浩次は―

 

「ハァ……ハァッ……ウェッ……ァ」

 

疲労困憊だった。汗だくで地面に倒れこみ肩で息をしている。意識を保ってるのがやっとの状況だ。周りには最近発売した栄養ドリンク、1本飲めば3日間寝ないで働けるという売り文句の『余裕3徹くん ウコン配合』の空き瓶が5本ぐらい転がっている。

 

「くっそぉ……やっぱり無理があったか」

 

現在召喚しているモンスターは4体、『スターダスト・ドラゴン』『カオス・ソルジャー‐開闢の使者‐』『ジャンク・ウォリアー』『大天使クリスティア』どれもレベル5を超える上級モンスターで内3体はレベル8だ。そのうえ召喚までにも多くの魔法やモンスターの召喚をおこなっており、結果としてスタミナ切れで死にかけているというわけだ。リアス先輩に特訓のことを話し、頼み込みグレモリー家の敷地を借りたところ、あまりの大きさにテンションあがって調子のったのがいけなかった。

ドゴンッ! 後方で爆音が鳴り響く。爆音なんてさっきから鳴りっぱなしだからと注意しなかったのがまずかった。爆発によって打ち上げられた頭一個分ほどの石がこちらに飛んでくるのを気づくことができず―

 

「ガッ……ウボァー」

 

石は頭に直撃し奇妙な断末魔と共に浩次は意識を手放した。

 

 

 

 

「おーい、生きてるか?」

 

目を覚ますとイッセーが目の前で手を振っていた。

 

「あぁ生きてるよ」

 

ゆっくりと体を起こし周りを見ているとほかの皆も俺の周りに集まっていた。

 

「突然敵が消えたから何かあったかと思って戻ってきだけれど、大丈夫だったかい?」

 

佑斗が心配そうに顔を覗いてくる。というか顔が近い。顔が近い。

 

「大丈夫だ。ただのスタミナ切れだから心配するな」

 

ふと目線を下げると目の前にちょこんと座っていた小猫ちゃんと目があった。

 

「……あまり無茶をしないでください」

「あ、あぁ。気を付けるよ」

 

心配そうに上目づかいで見てくるもんだから少しドキッとしてしまった。いやいやいや俺はこんなことで揺らぐ男じゃない。

 

「小猫の言う通りだ。ところで小猫、そこのポジションは私であるべきではないかと思うんだが?」

「……何を言ってるんですか?」

「何をバカなことを言ってんだ」

 

ゼノヴィアがわけのわからないことを口走り突っ込みを受ける。まぁとにかくだ。今後はもう少し特訓で使うモンスターを考えないとな。そのためには皆の意見を聞いておく必要がある。

 

「それで、俺のモンスターと戦った感想は?」

「正直キツイね。ただ、いい経験にはなったよ」

「……確かに経験にはなりましたけど、悔しいですが戦いになりませんでした」

「まぁなかなかの試練だったな」

「というか浩次、俺だけきつくなかったか?なんで龍なんだ?死ぬかと思ったぞ!?」

 

なるほどね。いい経験にはなったけど相手にするにはきつすぎたってのが全員の共通意見か。となると俺のスタミナも考えて、次回からはレベル最大6位にした方がいいかな。それと個々の戦闘スタイルを考えて戦わせる相手も考えよう。

 

「OK、そんじゃ次回からはもう少しモンスターのレベルを下げる方向でいいか?」

 

それを聞き少しだけみんなの表情が曇った。実質、お前らはまだ弱いって言ったの変わらないしな。

 

「仕方かないね」

「……わかりました」

 

佑斗と小猫ちゃんは少し残念、というか悔しそうな顔だ。

 

「まぁすぐに今日の相手と戦えるぐらいになってみせるさ」

 

ゼノヴィアは相変わらずポジティブ。いいことだと思う。

 

「いやでも、正直今日と同じレベルのばっかりだったら命がいくつあっても足りないからな」

「言っとくけどイッセーはこれからも同レベルのと戦ってもらうからな」

 

イッセーの顔が一気に青ざめる。

 

「なんで俺だけ!?あれみたいなのと戦うなんてもう無理だぞ!?」

「落ち着けよ。ちゃんとした理由があるんだって」

『今日戦った奴に宿っていた力と関係があるのか?』

 

突然、イッセーの神器が喋り出した。少しびっくりした。というか気づいていたのか。

 

「あーっと。まぁそうだな」

「宿っていた力?なんだそれ?」

 

イッセーは理解してないようで頭上に疑問符を浮かべている。

 

「俺の神器の中に6体の特殊なドラゴンがいてな。まぁその6体は赤き竜ってのにつながりがあるドラゴンで、あれだ、お前の神器って赤い龍がもとになってるんだろ?だからそこら辺のつながりでいい影響及ぼさないかなぁってことだ」

「お、おう」

 

相変わらずの説明のへたっぷりのせいでイッセーはよく理解できなかったらしい。

 

『同族と戦っていれば感化されて俺の力が覚醒するんじゃないかってことだ』

「あぁ!なるほど!」

 

イッセーが納得してしまったけどなんか違う。いや、結構違う。

 

「いや、結構違う気がする」

『いいんだ。こいつにはこれくらいわかりやすいほうがいい』

 

パートナーに対してひどいいようだな、この神器。

 

『それにお前の感もあながち間違ってないだろう。今日の戦いの途中、あの白い龍から微量だが力が流れ込んできたのを感じた』

「へぇー、そうだったのか」

 

なんだろう。素直に感心しているイッセーを見てるとなんだかアホっぽく見えてしまう。

 

「まぁそういうことだ。お前にはその6体のドラゴンとローテーションで戦ってもらう」

「おう!わかったぜ!」

 

元気だけはいいんだがなぁ……。このあと俺の体力が理由で特訓は終わった。後日、敷地を焦土にされた先輩に俺が折檻をくらったのは別の話。

 

 

 

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