「絶対18人必要なわけ?」
霊夢がパワプロと矢部に問いかける。
「うーん、無理矢理やれば少人数でも出来るかもしれないけど……、甲子園を満足させることはできないんじゃないかな?」
「どうしたらいいのよ? 矢部!」
「ええええええ!? オイラに言われても困るでやんす……」
「とりあえず、9人集めるのよ。霊夢!」
紫が口元を扇子で隠したまま霊夢に促す。
「紫、あんた人の話聞いてた? 野球やるには最低18人はいるのよ?」
「ちゃんと聞いてるわよ。大丈夫、相手チームはきっと甲子園が用意してくれるわ。甲子園に野球選手は集まるものだから……。ウチが9人集めて甲子園に行けば試合はできると思うわ」
「また、胡散臭いことを言ってるわね……。本当は今回もアンタが首謀者なんじゃないの?」
「残念ながら違うわ。さっきも言ったでしょう? あの甲子園は博麗結界にダメージを与えている。さっさと片付けてほしいのよ」
「……何にしても人数集めをしないといけないわね……。まずはあいつに声をかけるか」
「霊夢さん、誰か参加してくれそうな人がいるの?」
「ええ。腐れ縁ってやつね。……そろそろ異変の匂いを嗅ぎつけてやってくるんじゃないかしら……。……噂をすればなんとやら、ね」
霊夢は上空に向かって指をさす。パワプロたちが視線をむけると、そこには何か飛行しているものがある。飛行物はどんどんこちらに近づいてくる。……少女だ。ほうきに乗った少女が神社に向かって飛んでくる。ほうきにまたがったどこか古典的な魔女っぽい白黒の服装を着た少女は声を上げた。
「おーい、霊夢! 大変なんだぜ!? ってええ!? お前もそんな体になっちまったのか!?」
神社に到着するや否や霊夢の二頭身になった体を確認する。どうやら、白黒の少女も通常の体型からパワプロたちと同じ二頭身の体になってしまったらしい。
「魔理沙……、あんたも異変の影響を受けてしまったみたいね」
「ああ。気付いたらこんな体になっちまってたんだぜ。まさか、お前もとはな」
「うおおおおおおでやんすぅうううう! 魔女っ子でやんす! しかも美少女でやんす! これは宅急便的展開が予想されるでやんす! オイラも眼鏡男子だし……でやんす!」
「おい、霊夢。なんだよこの気持ち悪い生き物は……」
「ガーン! でやんす……」
「せめて、人間扱いしてあげてよ……。彼は矢部明雄。そしてオレはパワプロ。外の世界から来たパワフル高校野球部の部員だ!」
「外の世界から来た? 私の知る外の人間とかなり姿形が違うんだぜ」
「霊夢さんが言うには並行世界? とかいうところから来たんじゃないかって言われたよ」
「並行世界ねえ……。霊夢、こいつらをぶっ飛ばしたら異変が治まるんじゃないか?」
「私もそう思ったんだけどね、どうやらことはそう単純じゃないみたいなのよ」
「君たち、二人とも僕らをボコるつもりだったのか?」
「当たり前じゃない」
「当たり前だろ」
「…………」
パワプロはあまりにも好戦的な巫女と魔女を前に絶句するのであった。