【本編完結】冥き宿星に光の道標   作:アメリカ兎

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第六八幕 アイドルのお仕事

 

 ──用意された野外ステージの壇上より、演奏を終えた『Pastel*Palettes』が手を振る。それだけで観衆が沸き立つ。

 いつものように、練習通りに。セッティングに始まり、衣装に袖を通してからのMCによる宣伝から、ほとんどぶっつけ本番同様の生中継によるライブ配信。その後ろで雷鳴が鳴り響いていたような気がするが、何があっても歌い通すと日菜は自信満々に言っていた。

 そうする以外に、自分たちに何が出来ただろう。そうする以外に、あの人のために何をしてやれただろう。寝不足の疲れは若さでカバー、彩も歌い終えてから、汗を流しながら笑顔で観客に手を振っていた。

 

『みんなー、ありがとー! 突然の野外ライブだったのに、本当にありがとう!』

『あはは、元々予定されていたロケが急遽中止になっちゃったからね』

『ちょっと日菜ちゃん、それは言わないでよー』

 日菜の声に、観客達からも笑顔を向けられる。──此処に集まった人達は、何も知らないのだろう。

 昨日起きた出来事を。

 今日、何処かで起きている出来事を。

 今、この瞬間にも命を賭して戦いに臨んでいる人の存在を。

 こうして歌って、踊って、アイドルとして皆に笑顔を届けていられるのもあの人が身を挺して守っている平和の上に成り立っていることを。それは、どれだけ幸せなことなのだろう。少し前までは自分達も同じはずだったのに。

 何も知らず、笑っていられたはずの日常があって。

 何も知らず、友達と過ごせた毎日があって。

 その裏で、何も知らず──戦っている人がいた。

 彩が、思わずマイク越しに口にしようとしたのを、日菜が止めた。千聖も静かに目配せをして首を横に振る。それは、いけないことだ。駄目だと、言っている。

 自分の存在が表沙汰になることは、絶対に避けなければならない。例え、報われなくても。それは、今ある平和を全て崩すことに他ならないのだから。それをエヌラスは知っている、兼定も知っていた。だから、何も言わなかった。暗黙のルールであると言わんばかりに、少女たちに突きつけられた大人の自己都合による一方的な了承。

 何も言わず、ファーストフード店に昼食を買いに来た時。あの人はどんな戦いを前にしていたんだろう。

 何も言わず、自分をトラブルから助けてくれた時。あの人はどんな悩みを抱えていたのか。思いを馳せれば馳せるほどに、胸が苦しくなる。

 何も知らないみんなに、なんて言葉で伝えよう。何も知らない人達に、私達の言葉でなんて言えばいいんだろう。

 それを、声にしようとして──何も言えなくなった。

 無性に悔しくなった。何も出来ない、何も言えない自分に。

 無性に悲しくなった。誰も手を差し伸べないあの人に、人知れず消えた兼定さんに申し訳が立たなくなって。

 思わず、涙が出そうになる自分に寄り添う千聖ちゃん達の優しい嘘が響く。

 

『こら、駄目よ彩ちゃん。泣いたりしちゃ。ライブの成功が嬉しいのは分かるけど』

『そうですよー。帰るまでがライブです』

『でもこうして此処で野外ライブができたのも皆さんのおかげです! 本当にありがとうございます! これからも『Pastel*Palettes』を宜しくおねがいします!』

 イヴちゃんの言葉に、会場からは拍手喝采の嵐。声援を受けながら、壇上から降りる。段幕の裏で、彩は自分でも分からないほど悔しくて、泣きたくて堪らなかった。

 シシオウさんは言っていた──いい時代か、と、その言葉の意味がわからなかった。どうしてそんなことを聞くのだろうと思っていた。だけど、今なら分かる気がする。

 誰もが、自分の夢を追える。

 誰もが、危険に身を晒すこと無く、平和で平穏で安寧に豊かに暮らしている。

 きっと“生温い”と言うだろう。苛烈で、熾烈で、血で血を洗う毎日を過ごしてきたの人達にとって。だけど、笑っていた。ならば良し、と胸を張って笑ったのだ。

 そんな時代が来ることを夢見て、それが現実のものとなった。だから笑っていた。争うことを知らない時代を、主に代わって一目見ることができた。たったそれだけで彼らの日々は華やかな彩りにあふれていたのだ──。

 きっと、満足しただろう。後悔なんてなかったはずだ。だけどそれは、散っていった付喪神達の一身上の都合。

 まだ、ひとり。散ることもなく、許されない人が残っている。

 

 ライブを終えて、マネージャーやスタッフ達が労いの言葉をかけてくれた。いつものように、優しい声で。だけどどこか業務的な声色をしている。

 予定が大幅に遅れ、帰りの新幹線で日中には事務所に戻りたいのだろう。また自分達が目を盗んで逃げ出したりしないように常に目を光らせていた。確かに、日菜の計画で半ば逃亡同然の所業をしたのは事実だ。だけどそれも大切な友達のため。そこは百歩譲ってスタッフ達も理解している。そんな無茶が押し通るのも、一度限りだ。

 衣装を着替えて支度を整えたら、後は案内に従って新幹線に乗って帰るだけ──いつものように学校に通って、事務所でレッスンの毎日。たまにバイトをしたり、友達と笑ったり、宿題に頭を悩ませたりする私達の日常がある。

 このまま、何もせずに戻れば、きっと……待ち望んでいた非日常から抜け出せる。なのに、それが本当に正しいことなのかわからない。

 

「あの──!」

 自分でも、驚くくらいの声で。荷物を抱えながらスタッフ達を引き止めていた。

 きっと、自分が言わなくても誰かが言ったかも知れない。

 

「あ、えっ……と──帰り。戻りの新幹線、何時からですか?」

 それは、そんなに時間の余裕がない。とんぼ返りもいいところだ。どうやらライブの開演から既に手を回していたらしい。大人たちの余裕というやつだ。悠々自適に観光名所を巡り歩いている暇はないらしい。それは、またの機会に。それは、撮影や今回を切っ掛けに声が掛かったら、と何処か諦めを含めた声で言い聞かせられる。

 これ以上の厄介事は御免だ、とでも言いたげに。トラブルに見舞われたくない心が明け透けに読み取れる。リスクを考えれば当然だ。当たり前だ。それが普通なのだ──。

 まかり間違っても、自分の命を秤に掛けて投げ出してはいけないものだ。

 だけど、止めなかった。エヌラスさんも、兼定さんも。絶対に、見捨てなかった。

 千聖ちゃんを助けに行くと言った。男に二言はない、なんてよく聞くけれども。有限実行する人に出会ったことはなかった。

 遠征ロケの護衛を勤める、何事もなければただの観光だったはずの契約。日菜ちゃんのちょっとしたわがままだったはずなのに、断ってしまえばいいのに。

 これ以上は付き合いきれないと()()()()()()()()()()()()()──こうして、五人が揃ってまたステージの上に立つことができたのは、あの二人が戦ってくれたおかげだ。

 

「彩ちゃん……?」

「席、どれくらいありますか! あと、一人分くらい──!」

 涙がこみ上げてくる。きっと、あの人は戻ってこない。自分達が迎えに行かないと帰ってこない気がした。

 何を言いたいのか、スタッフ達も汲み取りたくはないのだろう。

 

「ふたり、分じゃなくても──いいですから……!!」

 あんなに笑っていたのに。

 あんなに楽しそうにはしゃいでいたのに。

 あんなにも二人で笑って、怒って、肩を叩いて、仲が良かったのに……今はもう、そこに居ない人がいる。

 立ち止まって、溢れ出す涙を拭う。だって、おかしいのだから。自分の大切な人を守ってもらって。友達を助けてもらって。なのに失ってばかりの人に、何もしてあげられないのなんて。

 

「おねがいします……! おねがいですから、あのひとも……一緒に……!」

 

 ──涙で顔を歪める彩の言葉に、スタッフ達の間に同情と困惑が広がる。そうしたいのは山々だが、芸能界に身を置く以上は割り切らなければならない時もある。スキャンダルを抱え込みたくもない。今後の活動に支障をきたす可能性だってある。そうなれば『Pastel*Palettes』だってどうなるかわからない。

 そんな彩を見かねて、日菜が腰に手を当てて深く息を吐き出した。

 

「あたし達が来る時ってちゃんと人数分の席を用意していたんですよね? じゃあ帰りも同じ人数じゃないとおかしくないですか?」

 それは……、その通りだが。誰も座らない席を取っても仕方ない。それに無料でもない、公共の移動手段だ。

 

「じゃあ、あたしの分がなくてもへーきですよね。観光していこーっと♪」

「えっ、ちょっと日菜ちゃん!? 本気で言っているの!?」

「ん? 帰りの新幹線は自腹で出せばいい話でしょ? 一人減っても二人減っても問題ないんじゃない? 何があっても自己責任で!」

「そんな無茶が通ると思ったら大間違いよ」

「じゃあ千聖ちゃんはどうして此処にいるの? 無茶を通してくれた人がいたからだよね」

「それとこれとは……」

「それに──()()()()を助けに行かなかった人達のことは、あたし忘れないから」

「それは、事務所の人達も事情があって……」

「事情があったら自分を見殺しにされてもいいの? それで納得がいく? 殺されてたかもしれなかったのに」

「……、日菜ちゃん。お願いだから」

「結果オーライかもしれないけど、どう転んでたかも分からなかったんだよ? 終わりよければ万事よし? 一人、足りないのに本当に満足いく結果? これ」

 千聖だって、納得いかないのは同じ。それはこの場にいる全員がそうだ。彩も、イヴも、麻弥だって放っておけない。

 

「ライブが成功して、ファンのみんなも、お客さんもみんな笑顔で。ハイ終わりで帰ってもいいこと無いよ?」

「私もそう思います。エヌラスさんも連れて帰らないと、そんなの駄目です! ブシドーに反します! カネサダさんも、コテツさんも言ってました! 士道不覚悟は切腹です!」

「千聖ちゃんは先に戻ってていいよ。あたしとイヴちゃんだけでも観光していくから、ねー」

「はい! 観光しながらエヌラスさんを探します!」

 あくまでも、前提として。滅多に来る機会のない土地の観光。エヌラスを連れ戻すのは二の次。

 日菜の言い分に、流石に業を煮やしたのか言いくるめようとするが──今回の件で完全に自分達の命綱を握られてしまっていた。

 

「どうしても、連れ戻すっていうならいいよ? 何が起きたか、事細かく暴露するから」

「でも、その話を信じる人がいるんですかね……?」

「日本じゃなくてもいいんだよ?」

「と、いいますと?」

「例えばー……うーん、そうだなー……あ、未確認飛行物体に戦闘機撃墜されたアメリカとか! きっと探していると思うんだよね、()()()()()!」

 ──オカルトの被害を多大に被っている米国では血眼になって超常災害に対する捜査が行われている。だが進展は一切ない。それでも、昨今の異常事態による被害を公表するわけにはいかなかった。その一端が日本に滞在していると知られれば何が起きるかなど大人たちは考えたくもない。ましてや、事件に関与していたともなれば芸能関係者としては頭が痛くなる。

 そして、困ったことに氷川日菜はやるといったらとことんやる、絶対に、間違いなく。手段は色々あるだろう。それらを駆使して大人を出し抜くなんて苦でもないはずだ。

 そこまでしてでも連れ戻したいのかと、これもまた難題。結局、自分達が折れて一人分の座席を追加で確保する他になかった。事を穏便に済ませるにはこれしかない。

 それに、涙で濡れた顔を笑顔にして彩が深く頭を下げると感謝の言葉をかけた。

 時間に余裕はない。だが、居場所は分かっている。

 一同は目的の場所へ早速急いだ。

 

 

 

 結界の消えた法隆寺、大講堂前で地に伏せている魔術師がひとり。自らの血と吐瀉物と臓物に身体を濡らしながら、起き上がろうとしている。腕に力が入らずに、這いずるように石灯籠に背中を預けていた。

 魔力の過剰燃焼状態が過ぎ去り、その反動で全身の魔術回路が熱暴走を起こしている。ヂリヂリと精神をハンダで焼き付けられているような嫌な感触。魂を蝕む感覚的な痛みを堪えながら、それでも武器として変換したあばら骨の再生と血管の再生に意識を集中させる。

 致死量の出血。致死量の魔力消費。致死量の薬物投与。肉体も精神も魂も、全て尽き果てるような僅か()()()の出来事だった。

 

「お、ァ…………!」

 ミシッ、ゴリッ──。

 体内から響く音に、エヌラスが再び吐血する。鋼鉄の刃と成した肋骨を捨てた以上、再生しなければならない。それは自分の意思とは裏腹に。真新しい骨格が形成されていく感覚に今すぐにでも掻きむしりたいが、腕に力が入らない。意識が朦朧としてきた。寒気と眠気が、心地よい。身体の感覚が遠く、鈍くなってきた。自分が呼吸をしているのかさえ定かではない。

 ……、それでも。自分が手に掛けてきた人達の顔を思い出す。

 笑っていた人を。幸せそうにしていた人を。数え切れない程の人達を。

 ひとり残らず、戦禍に巻き込んできた。命を奪ってきた。

 自分が死んで楽になるなど、決して許されることではない。生きて、苦しめ──生きたまま地獄を彷徨い歩く悪鬼。

 痛みも苦しみも、他の誰かに分け与えることなど出来やしないのだから。ただ抱え込んでいくしかない。

 自分の身体を再認識する。……問題ない。自分の身体は正常に動作している。自己再生もこの調子であれば、数分で完治するだろう。恐らく、最も苦痛な数分間だろうが我慢できる。

 大丈夫だ。大丈夫──たかが、この程度だ。

 慣れている。痛みとは嫌というほど付き合ってきた。これから先も、死ぬまでついてくる。

 泣き言など言っていられない。誰も助けてなどくれやしない。

 

 腕が、動く。懐からドラッグシガーを取り出して、咥える。火を点けようとして、指先から燻ぶる程度しか炎が出てこないことに鼻で笑ってしまった。その拍子に、口から煙草が落ちる。

 

(……はっ。ざまぁ、ねぇな…………)

 妖怪相手にこの無様。邪神でさえ、まともに勝ち筋が見出だせない三流魔術師。魔道を極めることができず、武道を極められず、ならばと道を踏み外した外道。

 気息を整える。気を巡らせて快復を試みると、溜まっていた陰の気の流れが雪崩込んできた。再度、吐血する。致死量の吐血を繰り返して、歯を食い縛って立ち上がる。

 一歩、二歩と前へ進んで──前のめりに倒れた。受け身を取ることも出来ずに、顔からいった。超頭いてぇ。

 

「…………ちくしょう」

 地面に、軽く頭を打ちつける。何度も。悔しくてたまらない、痛くて、辛くて、泣き出してしまいたくなる。このまま全て投げ出してしまいたくなる。

 こんなところで、何をしているんだろう。こんな場所で、自分はどうしてこんな痛い思いをしているのだろう。誰も、何も、自分を助けてなどくれやしないのに。自分に救いなどありやしないと分かっていてどうして誰かのためにこんなにも酷く辛い思いをしなければならないのか。

 こみ上げてくるものがあった。感情を押し殺す。自分を殺す。

 ()()()()()()()()()()()と何度も言い聞かせて、自制する。

 俺は、嫌だ──俺は、まだ立ち止まれない。お前と違って。

 此処でいい、なんて口が裂けても言えるものか。

 そんな満足いく死に方だけは、絶対に御免だ。

 

 再度、魔力を燃焼させながら立ち上がる。自分を見守るように傍らに落ちていた七星剣を拾い上げ、エヌラスは貧血気味の頭を振った。

 耳が遠い。目も霞む。まだ快復が十分ではない。傷口だって満足に塞がっていなかった。それでも、行かなければならない。何処までも、何処までも──地獄の果てを探しながら。

 

(……俺に光明の道標なんて、ねぇよ。いらねぇよ、七星剣)

 歩き出す。何処へともなく。

 今度こそドラッグシガーに火を点けて法隆寺から出ようとしたその時、見覚えのある一団が駆け寄ってきた。多分見間違いだ、人違いです、幻覚だ、強めの幻聴に違いない。なんかやばいクスリでもキメてしまったんだろう……キメてたわ進行形で。

 軽く現実逃避すること数秒、逃げる隙も余裕もなかった。

 姿を見るなり、彩が泣き出す。直視できないほどの出血量、死んでいておかしくない大怪我だ。雨に濡れたレインコートのように、裾から血が滴り落ちている。

 さすがに日菜も呆然とエヌラスを見つめていた。あの時と同じか、それ以上の怪我をしている。

 

「……なんで、戻ってきた」

「だ、だって……エヌラスさん、しんぱいで……! 兼定さんみたいに、戻ってこなかったら嫌だったから……」

「あの、馬鹿と一緒にすんな……先に帰ってろって、言っただろうがよ」

 こんな場所に。自分の居場所に戻ってきてほしくなんかなかった。

 震える手で、泣いて、鼻をすすりながら彩が手を差し出す。

 血だらけの手で。血まみれの身体で。血反吐に濡れた顔で──万花の彩りを汚すのは、どうしてもできなかった。代わりに、手にしていた七星剣を手渡す。

 

「へ? あの、これ、こんなの渡されても」

「エヌラスさん、なんか、落ちてますけど……?」

「俺の肋骨」

 その言葉を聞いて、千聖が失神しそうになっていた。どうせ放置しておけば消滅する。

 負けじと、再び彩が手を差し出した。だが、エヌラスはポケットに手を入れて取り出そうとしない。

 

「……あ、歩けるんですか?」

「馬鹿にしてんのか……」

「違います! 大怪我してるから──」

「いつものことだ」

「……痛くないんですか? 辛く、ないんですか。そんなに、たくさん怪我して」

「…………慣れたよ」

 怖いなら見なければいいのに。近づかなければいいのに。それなのに、彩達は目を背けなかったし逸らさなかった。見苦しいだろうに。

 

「いつまで泣いてんだ、彩」

「ぐすっ……だ、ってぇ……」

「泣き顔見たくてやってるわけじゃねぇんだぞ。笑顔振りまくアイドルが泣いてどうすんだ、笑ってろ」

 笑ってさえいてくれれば、それだけでいい。自分の手が届かない高嶺の花として、笑顔を咲かせていてくれれば十分だ。

 一気に緊張状態が解かれる。気を抜けば激痛で動けなくなりそうだ。

 

「でも──」

「いいから、できれば笑ってろ。その方が俺の気も紛れる」

「なんで?」

「お前らの笑顔は、見ていて気分がいい。そんだけだ」

 歩き出して、立ち止まっている彩達に振り返る。

 

「……なに突っ立ってんだ、帰るんだろ」

 ぶっきらぼうに言い放つエヌラスの横顔が、照れくさそうにしていた。

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