染岡がドラゴンクラッシュを完璧に物にしてから三日で尾刈斗中との試合までになにかあったかといえば音無さんがサッカー部マネージャーに入りたいと言い、マネージャーになったことぐらいかな
そして遂に尾刈斗中との練習試合が始まろうとしていた。
帝国を圧倒したというのが広まったせいか他校の生徒まで来ていた。
恐らくデータ採集でも来たのだろう……
だが今気にしても仕方ない。
そう思って俺たちがウォーミングアップをしていると
「円堂、真司、来たぞ」
「ん?ああ」
と向こうから尾刈斗中のメンバーがこっちにやってきた。
彼らを見た俺の一言は……『なんだこいつら』
うんあれだ……厨二キャラたちだ。
一つ目が描かれたバンダナを巻いてるキャプテンにジェイソンのようなゴールキーパー。
「皆行くぞ!」
『おう!』
円堂の掛け声で気合を入れると
「尾刈斗中監督の地木流灰人です。よろしくお願いします」
尾刈斗中の監督が冬海先生と握手をすると俺たちに声をかけてきた。
「君たちが空野くんに円堂くん、豪炎寺くんに亜風炉さんに八神さんですね!帝国戦での活躍見させてもらいましたよ!四人の圧倒的なオフェンス力にシュート!更に円堂くんの隙のないセーブ力!今日はよろしくお願いしますよ!」
「待て!アンタたちの相手は円堂たちだけじゃねえ!俺たち全員だ!」
「これは滑稽ですね。私たちは彼らと試合がしたいから勝負を挑んだのです。ぶっちゃけ言うと雷門中チームはほぼこの五人で試合をしているようなものじゃないですか」
なんか……ムカッときたな
確かに染岡たちは帝国戦で俺たちよりは出番がなかった。
だがこいつが染岡たちのなにを知ってる
なにも知らないくせに
「……染岡言わせておけばいい。この試合で見せてやれ」
「っ!ああ!!」
そして俺たちはポジションにつく
FW 俺 豪炎寺 染岡
MF 照美 玲名 松野
DF 影野 壁山 栗松 風丸
GK 円堂
尾刈斗中のボールで試合が始まった
相手のFW幽谷が向かってきたが俺がマークする。
それを見た幽谷は横にいる月村にボールをパスするが
「ヒートアクセル!」
「なにっ!?」
足に炎を纏った豪炎寺が新必殺技で月村にボールが渡る前に奪う。
その勢いのまま駆け抜けていきゴール直前まで向かっていく
「来るか!」
相手のゴールキーパー、鉈は気を引き締めるが
「染岡ぁ!」
「!?」
鉈は反対側から上がってきて、染岡にようやく気づき慌てて反対側に回ろうとしたが
「遅え!ドラゴンクラッシュ!」
豪炎寺からのパスにそのまま蹴り込んだ染岡のシュートはゴールネットを揺らした。
「なにっ!?」
『決まったぁー!!豪炎寺からのパスをダイレクトに決めた染岡の必殺技が尾刈斗ゴールに突き刺さったあー!!』
「よっしゃあ!!どうだ!!」
染岡が満足げに叫ぶ。
「まさか空野くんたち以外にあんな選手がいたとは……クックックッ……!調子に乗ってんじゃねえぞ雑魚どもがあ!」
急に叫びだしたぞあの監督。サイコパスにもほどがあるだろ……
照美たちも引いてるし……
再び尾刈斗中のボールで試合が始まる。
「マーレ…マーレ…マーレトマレ……」
そして呪文を唱え始めた監督。
もしかしてあれが尾刈斗のカラクリなんじゃないか?
そして風丸の指示で壁山と影野がディフェンスに着くが全く指示とは逆の方向に向かっていった
そして栗松と風丸も棒立ちの状態になっている
そうか!あの呪文がキーなんだ!
「円堂催眠だ!奴らは催眠を操る!」
「なんだって!?だったら!ゴロゴロドッガーン!」
円堂が大声で叫び手を鳴らすと風丸が幽谷のボールを奪う。
「な!?しまった!」
持ち前の速さで駆け上がっていく風丸の前に八墓が立ち塞がるが
「行かせるか!」
「遅い!疾風ダッシュ!」
加速してジグザグに動いて躱すと
「空野!」
「行くぞ!世界の破壊者ディケイド!アームド!」
そして
「幽霊には幽霊だ!来いっ!開眼戦士ゴースト!」
現れたのは一度は死んだが命を燃やして戦ったパーカーの戦士
「オメガドライブ!」
空中ボールを飛ばすとエネルギーが集中して大目玉になり浮かび上がってオーバーヘッドキックで蹴り飛ばす
「なっグワアァァア……!!」
そのままゴールに突き刺さった。
そのあとも
「アストロブレイク!」
「ゴッドノウズ!」
「ファイアトルネード!」
次々と点を決めていき試合終了のホイッスル鳴るときには
「20……20対0……」
うーん……やりすぎたかな……
相手チームはすごい落ち込んでるしそれに円堂が『またやろうぜ!』って言ってた。おまえは鬼か
ま、まあ!その過程で新たな合体必殺技『ドラゴントルネード』が生まれたのはこっちの得になったかな!
こうした尾刈斗中との戦いは俺たちの勝利で終わりフットボールフロンティアへの出場資格を勝ち取ったのだった。
余談
真司たちが喜ぶ一方で
「雷門……!」
帝国のキャプテン鬼道は苛立っていた。
その理由は自分たちが負けた相手との力の差だった。
それだけではない。下かと思っていた染岡たちも動きでレベルアップしたと感じていたのだ。
そして圧倒的な実力で尾刈斗を下した雷門に今の自分たちが勝てないこともわかっていた。
鬼道の苛立ちは向上心にかわっていき
「俺は……俺たちは追いついてやる!待ってろよ!雷門!」
ヒートアクセル
・豪炎寺のアレス版疾風ダッシュ。