無限ループって怖くね? 〜フラグを踏めなきゃやり直し!!〜   作:ACS

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ISループものをやりたかった、後悔はしていない。


ループ 1

俺がそれに気が付いたのは中学三年の時だった。

 

特定の人物に対する会話や行動によって同じ一日中がループする、時には会話の内容をぶった切って朝まで逆戻り。

 

初めは何が起きていたのか分からなかった、というか二、三日目同じ日がループしてなければループ自体にも気付けなかった。

 

今日ですら俺の中ではTake57、もうかれこれ二ヶ月近い時間を同じ朝に費やしてるからいい加減にして欲しい、早く明日来ないかな?

 

「ようやっさん、今日もいい天気だな」

 

「……久野木か」

 

 

彼女は最近転校して来た安永、剣道部に所属しているポニーテールが似合う巨乳のかなりの美少女なのだが、最早57回も同じ朝を繰り返させられてるいい加減なんの感慨も湧かなくなる、つかそもそもループの始まりはコイツが転校して来た時だったしな。

 

あの時はビビった、転校して来たけど特に何も会話しなかったら時間が巻き戻ってたんだから。

 

んでそれを何回か繰り返してたからとりあえず安永さんに話しかけてみたらループの起点すこーしだけズレた、具体的には朝起きる所がカットされて転校の時の自己紹介のところに。

 

そんで分かった、ループには何かしらの条件があって、それが達成出来たら次の日に行けると。

 

つまり俺はこのやっさんと仲良くなんないと永遠に明日を迎えられない、とまぁそー言う訳だね。

 

だから超頑張ったよ、何せちょーっとでも言葉選びをミスったりやっさんの気に障る事やった瞬間、朝一からやり直しだからさ、本気で俺なんかやった?

 

一応その日一日の中にヒントはあるっぽいんだけど、通学の時に乗る電車の吊り下げ広告の内容だとか、窓全開で歌垂れ流してる車の歌手とか粗探しとか言うレベルじゃないから困る。 今回もヒントが分からなさ過ぎて公園のゴミ箱漁って来たからな、やれる事やんないと一日が進まない。

 

 

「ところでやっさんは好きな人っていんの?」

 

「ブフッ!? き、急に何を言い出すんだお前は!?」

 

 

おや? 当たりっぽいぞ? やっと時間が進んだ!! 後は慎重に会話を増やして一日を過ごすんだ俺!!

 

「あ、もしかしてやっさんの好きな人って俺?」

 

 

つい嬉しさのあまりそんな事を言ったのだが、目の前が真っ暗になったかと思ったら噴き出しながら顔を真っ赤にするやっさんのリアクションが見れた所からやり直しになっていた。

 

判定が短過ぎる!? もう少し会話の余地をくれよ!! まだ学校の玄関前だぞ!? 俺はいつになったら授業受けられるんだよ!?

 

ふざけた俺が悪いとは言え、こっから会話を膨らませるのは至難の業だった。

 

ハズレた瞬間ループだからどんな言葉が当たりっぽいかとかをやっさんの反応から見る事も出来なかったし、十数回目の時に漸く正解にたどり着いた、今回の当たりは『居るんなら早く吐いちまえよ、その顔は居るって言ってるようなもんだぜぇ?(世紀末モヒカン風に)』だった、分かるかんなもん!!

 

「その、そいつは私の幼馴染なんだが、強くて優しい男でな? 昔いじめられて居た私の為に喧嘩をしてくれた事があって、それから……」

 

「ほえー、王道っちゃ王道だなぁ、んでんでその人とは今もやりとりしてんの?」

 

「…………事情があってな、今は疎遠だ」

 

 

沈んだ顔をしたやっさん、一瞬ループを身構えた俺だったが幸いなことにまだループはしない段階のようだ。

 

けど俺は経験的に知ってる、このパターンは慰めて欲しい女の子パターンだから肯定的な事を言って励ますのが必須、さーがんばるぞー。

 

 

「やっさんは今もその人が好きなんだな」

 

「む、ま、まぁ、な」

 

「しっかし、そいつも罪な男だねぇ、やっさんみたいな美人に思われてるなんてさぁ」

 

「そう、思うか?」

 

「たりめーじゃん!! もしも再会したらイチコロだって、絶対にそうだって、なんなら向こうから『綺麗になったな』とか『こんな美人が幼馴染とか俺幸せだなぁ』言ってくるレベルだからさ!!」

 

 

そう言いつつチラッと横目でやっさんを見ると、物の見事に口元が緩んでだらし無い表情をしている。

 

というか多分妄想に浸ってんだろう、口からその片思いの相手らしき男の名前が漏れてるのでしばらくおだてまくってご機嫌を取らなきゃなぁ。

 

––––そんな事を考えながら、俺はやっさんの恋バナを聞きつつ57回繰り返した朝を乗り越えた。

 

 

そのご褒美なのか、転校して来てから約一年間友人をやって来たやっさんが次の日には居なくなっていた。

 

もう中3も半ばで時季外れだけど、先生曰く急に転校する事になったとの事、コレでやっさんに合わなくて済むと言う安堵感はあるものの、せっかく仲良くなったんだからちょびっとくらいは転校する事教えてくれても良かったのにとは思う。

 

 

しかしこの時俺は知らなかった、俺の進学先が魔の巣窟に強制的になる事を……。

 




安永=箒さん。

一応ループにはメインとサブ条件があり、メイン達成で日付が進みサブ達成で関係が進展します。

それと活動報告で下の様なループ条件を募集。


〜ループ解除条件〜

①篠ノ之箒に恋愛系の話題を振る。[達成済]

②篠ノ之箒に一夏が自分を褒めている姿を妄想させる。[達成済]

〜特別解放条件〜

①篠ノ之箒と一定以上の友情を築く。[達成済]

②篠ノ之箒に恋愛系の話題を振った後、自分の事をアピールする[未達成]

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