ゼータと上総   作:空也真朋

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 お久しぶりです。
 いまは『なろう小説』をメインに書いているので、こちらの方はあまり書けないのですが、少しずつだけど書いています。
 次の更新も遅くなりますが、たまに見てください。


43話 原作主人公二人

 白銀武Side 

 

 νガンダム・コクピット内

 

 「本当にボクは何もしなくてもいいの? 狙撃されたら、いきなりゲームオーバーになっちゃうかもだけど」

 

 「黙って見ていろ」

 

 ハロによれば、自分がシステムをいじればステルス機でも探知することを可能にできるそうだ。

 だが、あえて俺はそれをさせない。

 どこから来るか、いつ襲われるかも知れないステルス機の緊張。

 それを、どうしようもなく楽しんでしまう自分がいるのだ。

 

 「来たな」

 

 「え?」 

 

 あらぬ方向から砲撃が飛んできた。

 されど、それをすでに感じていた俺は機体を急発進。

 

 ドンッ ドンッ

 

 俺の居た場所には、ペイント弾の塗料がベトリ。

 

 「はッ、いい腕だ。初弾を当ててくるとはな!」

 

 一連のステルス破りにハロは驚いたらしい。

 

 「ど、どうしてわかったの!?」

 

 「戦術機の死角から撃ってくるであろうことは予測していた。だがこれは戦術機じゃなくモビルスーツ。戦術機の網膜投影システムじゃ死角になっても、全天周囲モニターにはバッチリまる見えだ!」

 

 初撃をはずされた敵は、すぐさまフルオートの斉射に変えてきた。

 精密にして密度の高い良い斉射だ。

 俺は水平跳躍(ホライゾナル・ブースト)で砲弾を掻い潜りながら移動。

 あたり一面の爆発と轟音と黒煙が拡がる中を匍匐移動で進む。

 νガンダムの加速と旋回性は素晴らしく、この砲弾の嵐にもまるで当たる気がしない。

 

 「待ってなヤンキー。近接戦闘(ドッグファイト)で愛し合おうぜ」

 

 やがて戦術マップに突如敵性光点(ブリップ)が出現。

 ステルスも接近すれば反応は出るようだ。

 光点(ブリップ)目指して進むと、やがて砲撃がやんだ。

 

 「……………うん?」

 

 疑問がわいた。ブリップマーカーが動かないのだ。

 そんなバカな。砲撃が止まったのに動かないなんてあり得ない。

 

 「あッこれは!」

 

 「俺もわかった。欺瞞だな。マヌケな俺を釣り上げるポイントは…………ここだ!」

 

 俺は光点(ブリップ)を無視して想定される狙撃地点へ向かう。

 するとまたまた突然に敵性光点(ブリップ)が出現。

 

 「本当にボク、いらないね。白銀、戦闘勘(すご)すぎ!」

 

 「もう『普通の高校生』ってのが、どういうものかわかんなくなっちまったからな。さて、終わらすぜヤンキー」

 

 ラプターが目視でハッキリ見えた。

 機体動作に驚愕が伝わってくる。

 愛を込めて撃って撃って撃ちまくる!

 だが……………

 

 「逃げられた!? 普通なら、これで終わりなんだがな」

 

 ラプターは被害を小破にとどめ、いち早くこちらの有効射程範囲から離脱した。

 さすがラプター…………いや、あれは機体性能だけじゃなく腕だな。

 良い感じに振り回すもんだ。

 

 「だが勝負は見えた。逃がさん!」

 

 俺はνガンダムを加速させ、兎狩りにはいった。

 一度見つけてしまえば、あとは機体性能の差で距離をつめて、逃がさなければいい。

 

 「白銀。前々から思っていたんだけど、白銀ってこの世界のBETAや戦術機と戦うのって素人じゃないよね。元はこの世界の人間だったの?」

 

 「なんだ、今ごろ気がついたのか。上総といいハロといい、優秀なわりに鈍いところがあるな」

 

 「面目ない。たしかに白銀のデータをみれば、いくつもヒントがあったね。戦術ナビゲーターなのに恥ずかしすぎだよ」

 

 「まぁ俺のことは後で話してやる。今は勝負を楽しもうぜ!」

 

 ラプターは爆走音も考えず加速全開(フル・スロット)で距離をとろうとする。

 されどこちらのνガンダムはあっさり併走。

 そのまま突撃砲を撃ちまくる!

 

 

 

 

♠♢♣♡♠♢♣♡

 

 ユウヤ・ブリッジスSide

 

 「クソッ! なんなんだコイツは!」

 

 俺は思わず声をあげた。

 完璧な位置とタイミングで行った狙撃はあっさり見抜かれ、追撃の砲弾をも潜られた。

 仕切り直しと欺瞞(ゴースト)を残して撤退しようとしたが、相手はそれすらあっさり無視し、こちらに猛追撃をかけてきた!

 

 「まさかあの機体には、こっちのステルスを見破る機能でもあるのか!?」

 

 やむを得ず併走してきた敵に射撃戦を仕掛ける。

 当然相手も応戦。射撃の応酬だ。

 だが中距離の射撃戦でも、あちらは俺の上をいっていた。

 互いに打ち合いながらも、次第次第にこちらは押し込まれていく。

 ついには攻撃をあきらめて逃げに徹するしかなくなった。

 

 「なんなんだ、この熟練(ベテラン)みたいな戦いは! 本当にこれをあの高校生(ハイスクール)がやっているのか!?」

 

 あのシロガネと呼ばれていた高校生(ハイスクール)みたいな男の顔がうかんだ。

 いくらなんでも、こんな修羅場をいくつもくぐり抜けたような戦い方が出来るには早すぎる!

 

 

 

 

 「機体性能も上、衛士も熟練(ベテラン)、ステルスも無力………か。勝負は見えたな」

 

 ダミービルの迷路での攻防。

 綱渡りの上で、やっと撃墜判定を免れる一方的な攻防が続いた末。

 こちらの小破の判定が続き、そんな弱音がこぼれる。

 

 「………………まだ、いけるか。なぁラプター」

 

 されどラプターは、俺を突き動かすかのようにしぶとく逃げ回る。

 

 「お前も負けるのは嫌いか。俺もだ」

 

 俺はふたたび闘志を燃やす。戦意を滾らす。 

 

 「こうなればアレでいく。悪いなラプター、寿命を縮めるめるぜ!」

 

 

 ―――高速機動戦

 

 高速での戦いは衛士(パイロット)の腕が大きくモノをいう。

 機体性能があろうと、自身の反射神経と瞬時の判断力。

 それがなければ勝負はできない。

 

 「ついて来れるか、シロガネ!」

 

 主機をフルスロットルにあげ、グングン加速をあげていく。

 

 

 ―――俺は、はじめて認められたい、と思った。

 

 まわりで見ているお偉いさんにじゃない。

 

 俺にはじめて敗北を喰らわせるかもしれない目の前の強敵に。

 

 νガンダムとタケル・シロガネ。

 

 俺は生涯この名前をけっして忘れない!

 

 

 補助主機噴射《ロケットブースト》に次ぐ補助主機噴射(ロケットブースト)

 強化装備のフィードバックを超える加速が覆い被さり、衝突回避警告がユニットに鳴り響く。

 短距離噴射(ショートブースト)で機体をねじり、綱渡りのように障害物を回避していく。

 

 νガンダムはとみると、やはりこの高加速にもついてきている。

 されど、さすがに相手も射撃はできない。

 いいぞ、勝機が見えてきた!

 

 

 ―――タラッ

 

 いきなり鼻の下に生暖かい感触。拭ってみると赤かった。

 

 (はは…………鼻血まで出やがった。さすがに限界は越えているか)

 

 このまま続けたら死ぬかもしれねぇ。

 

 ―――――それでも。

 

 「もう命なんていらねぇ。ラプター、お前と心中だ!!」

 

 俺はさらに加速をあげた。

 

 

 

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