やはりバカ達の青春ラブコメはまちがっている。   作:風並将吾

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第二十問 バカと文化祭の出し物決めと生徒会長 (3)

 放課後。一応今日も部活はあるらしく、僕達は奉仕部の部室に集まっていた。部室での話題も、

 

「文化祭楽しみだね、ゆきのん!」

 

 やはり文化祭のことについて。

 由比ヶ浜さんはわくわくしている様子で雪ノ下さんに話しかけていた。ちなみに八幡は相変わらず本を読んでいる。なんだかんだ、この光景がお馴染みになってきているなぁ。

 

「私としては勉学に費やしたい所なのだけれど……」

 

 雪ノ下さんの答えは相変わらずというか、予想通りというか。

 だけど、その声色には戸惑いとか色んな感情が込められているようにも思えた。

 

「雪ノ下さんのクラスって何をする予定なの?」

 

 思えば雪ノ下さんのクラスって霧島さんとかもいるクラスだったよね。一体どんな出し物になるんだろう? 

 何気なく尋ねたことだったけど、何処か雪ノ下さんは言いづらそうにしている。

 

「……どした?」

 

 流石に不思議に思ったのか、八幡が雪ノ下さんに尋ねていた。

 

「何でもないわ……ええ、本当に何でもないわ」

「いやそれ何かあった奴の反応だよな……」

「比企谷君の癖に生意気よ」

「えぇ……とばっちりじゃねえか」

 

 確かにとんだとばっちりだった。

 というか、そこまで覚悟を決めないといけないようなことをするというのか!? 

 

「……喫茶よ」

「「「え?」」」

「メイド喫茶よ」

 

 文化祭らしい物キター! 

 

「ゆきのんがメイドさんやるの!?」

 

 雪ノ下さんのメイド姿……すごい綺麗で似合ってそう……。

 あぁ、もしメイド服着ているのが姫路さんや秀吉だったなら……って、秀吉はともかくとしてどうして姫路さんのことを考えているんだ僕は!? 

 ちなみに由比ヶ浜さんは、雪ノ下さんがメイド服を着ることについてかなりはしゃいでいる様子。

 

「キッチンの女子以外はみんなそうなるわね……悔しいけれど、私もメイド服を着て接客することになるわ」

「絶対行くからね! ヒッキーとヨッシーと一緒に!」

 

 ナチュラルに僕ら全員で回ることになってない? 

 

「え、俺も行くの?」

 

 そこは何というか、流石は八幡らしい反応の仕方。突如として名前を挙げられたことに対して驚きと不満を抱いているのだろう。

 

「ゆきのんのメイド服だよ? ……あ、ヒッキーもしかして、いやらしいこと考えてる?」

「か、考えてねぇよ……それは風評被害だ」

「ふうひょう……ひがい? 台風の被害?」

「言われてもねぇことで問題扱いされるってことな。だから吉井、そこでウンウン頷くのは間違いだからな?」

 

 あれ? 風の被害だからてっきりそういうことだと思ってたんだけど……。

 

「……はぁ。由比ヶ浜さんと吉井君の現代国語の勉強時間を増やさなきゃ駄目かしら。これはちょっと本格的に色々と考えなくてはいけないわね」

「「なんで!?」」

 

 僕も由比ヶ浜さんも、突然過ぎる宣告につい声を合わせてしまった!

 

「そんなわけで、しばらくは文化祭の準備が忙しくなりそうだな……」

「いや八幡。堂々とサボろうとするつもりでしょ?」

 

 多分八幡ってば、自分はクラスの中で目立っていないと考えて、こっそり抜け出せばバレないとか考えているんじゃないかな? 多分逃げられるわけないんだよなぁ……少なくとも美波がすぐそばに居る以上、逃げられるわけがないのに。

 

「んー、多分ミナミナがヒッキーのこと逃がさないんじゃないかな?」

 

 あ、由比ヶ浜さんも同じこと考えてたみたい。

 

「……………………俺明日からしばらく学校休むわ」

「何堂々とサボり宣言しているのよサボり谷君……」

 

 あ、久しぶりに見た。

 雪ノ下さんがこめかみを抑えているポーズ。最近なかなか見ることがなかったから、結構珍しいかもしれない。んー、なんだかこういうポーズとっている雪ノ下さんもなかなか様になっている気がするなぁ。

 

「……何故かしら。今無性に吉井君に対して苛立ちが抑えられないのだけれど」

「とんだとばっちりじゃないかな!?」

 

 いや、心の中で変なこと考えていたのは事実だけど、そうだとしてもそこまで言われる筋合いはないと思うんだけどね!?

 

「本音はともかくとして」

「やっぱ本音じゃん!」

 

 うん、そのツッコミ待ってたよ由比ヶ浜さん。

 

「ともかく、そうなると奉仕部の方はどうすんだ? 集まろうにも準備とかでなかなかクラスを抜け出せなくなってくるだろ。中には文化祭実行委員の奴だっているだろうし。俺は違うけど」

「うちのクラス、今年は葉山君と三浦さんだからね……なるべくしてなった二人って言っちゃえばそこまでかもしれないけど」

「私達のクラスは木下さんと久保君だったわね」

 

 秀吉のお姉さんと久保君かぁ……なんだか相性よくなさそうな気がするなぁ。

 

「そうなると思って、短時間で済むようにこんな物を用意してきたぞ」

 

 ガラガラ ← 扉が開いた音。

 バァアアアン! ← 平塚先生が現れた音。

 

「先生。ノックをしてくださいと……」

「いや何。話が盛り上がっていたのでな……つい忘れてしまった」

 

 いや、忘れたじゃないですよ先生。中で内緒話してたらどうするつもりなんですか。しないと思うけど。

 

「文化祭期間は流石に部室に来る時間も減るだろうし、来れなくなることだってあるだろう。そこで、短時間でも確認出来るようにこんな物を用意してみた」

 

 そう言うと、平塚先生は一台のノートパソコンを置く。

 

「パソコン、ですか?」

 

 雪ノ下さんが尋ねた。

 

「そう。予め諸々の設定は組んであるし、藤堂校長には話は通してある。部活で使用するパソコンを用意して欲しいと言ったら『これを使うといいさね』と言って渡してくれたんだ」

「校長なかなかに自由な人っすね……」

 

 八幡がぼそっと感想を零した。

 

「正式な部活として認められていないのに、そこまでの設備投資をしてもよいものなのでしょうか」

「安心したまえ、雪ノ下。校長は生徒の自主性だったり、慈善活動として行う分には構わないと言っている。それに、そういったことについては学校の良い宣伝にも繋がるからな。口コミでも張り紙でもなんでもいいが、奉仕部のメールアドレスを宣伝するといい」

「なる程……メールでも依頼を募集するってわけですね」

「流石は比企谷。話が早いな」

「それなら部室に来る時間も減って……」

「ちなみに文化祭期間終了後も使用することになるが、当然部室に来なくていいわけではないからな? 後、比企谷は自分でこの部活に入ることを選んでいるのを忘れていないか?」

 

 確かに、八幡は最終的に自分の意思でこの部活に入っている。

 ……いや、確かに仕事したくない気持ちは分かるけどね。

 

「そういうわけだ。これからはこのパソコンを使うといい」

 

 そう言うと、平塚先生は部室を出ていった。

 

 




今回は久々の平塚先生登場回って感じです。
そして、ついに奉仕部にPCが導入されました!
これでメールネタも使うことが出来ますね……そのうち、バカテストだけではなく、奉仕部のメール相談コーナーとかも、前書きか後書きに付け足すことが出来るかもしれません……っ
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