やはりバカ達の青春ラブコメはまちがっている。   作:風並将吾

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第五問 【現代国語】
以下の問いに答えなさい。
「『後の祭り』ということわざを使って例文を答えなさい」

姫路瑞希の答え
「今さら後悔したところで後の祭りです」

教師のコメント
正解です。『後の祭り』の類義語として、『後悔先にたたず』などのことわざがあるのも覚えておきましょう。

海老名姫菜の答え
「後悔しても後の祭りだ。さぁ、俺に全てを委ねるんだ……そうすれば(ここから先は血によって読めない)」

教師のコメント
テスト中に何想像してるのですか?

吉井明久の答え
「さぁて! 勉強した後の祭りだ!」

教師のコメント
勝手に盛り上がらないでください。


第五問 何故か、男達は闘いに身を投じる。 (1)

 俗に言う大型連休の一日目。十日間すべて家の中で過ごすという計画は、数日前にものの見事に破綻することになってしまった。よりによってGWの中日には、奉仕部の活動として外出する事が確定となっている。専業主夫を目指していた俺が学生の内に休日出勤を経験することになるとは、登校初日の俺からしたら想像出来なかったことだろう。こうして日本の社畜は誕生していくのかと思うと、やっぱり将来働きたくない。お家最高。

 とにかく、せっかくの連休一日目なのだから起きる時間が遅くても文句は言われない筈だ。今日に限っては携帯のアラームも切っておいた筈なのだ。だというのに。

 

「……なんで鳴ってるんですかねぇ」

 

 携帯も連休だからって休みボケしてるのん? 

 などとバカなことを考えながら、携帯を手にとって画面を確かめる。相変わらず振動と着信音を鳴らしながら携帯が表示していたのは、

 

「着信、吉井明久……」

 

 吉井からの電話だった。

 うわぁ、朝から電話来るとは思ってなかったなぁ……まさかこの携帯に、目覚まし時計以外の役割を果たす日が訪れるとは思ってもみなかった。

 とりあえず寝ていることにしてやり過ごそう。そうすれば勝手に諦めてくれる筈だ。そう、かつてメールの返信が遅れた時に『ごめーん、寝てた♪』というフレーズが必ず来ていたのと同じことだ。あの時メールしていた奴らはみんな寝るのが早かったんだろうな。夜の七時に送った筈なのに返信がなく、そういった返事が来たのだから。健康的だな……なんだか泣けてきた。

 

「……まだ鳴ってる」

 

 時間が経てば諦めるかと思ったが、全然諦めるような素振りを見せない。いつまでも電話は鳴りっぱなしだ。

 このまま待っていても鳴り続けるだけだと思った俺は、仕方なく通話ボタンを押した。

 

『あ、もしもし八幡? よかったー、電話番号間違えてるのかと思ってヒヤヒヤしたよ』

「……この電話番号は現在使われて」

『いるよね!? 繋がってるよ!?』

「……どうしたんだ? 朝っぱらから」

『もう十一時前だよ?』

 

 あれ、いつの間にかそんなに寝てたのか。それにしては小町が起こしに来ていないのだが、もしかして休みの日だからって寝かせてくれたのか? なんて出来た妹なのだろう。やっぱりうちの妹は天使だ。

 

「さっきまで寝てたんだよ……」

『あー、分かる。休みの日っていつもより寝られるって思うとつい眠っちゃうよね。僕もそんな日があるから分かるなぁ』

「そういえばお前って一人暮らししてるんだっけか?」

『そうだよ。実家からだと総武高校通うのは少し遠いからね』

 

 高校生で自炊生活を送っているのはなかなか評価されることだろう。そういえば先日の部活でも雪ノ下が一人暮らししているという話を聞いた気がする。

 

「ところで、何の用事だ?」

 

 なんかこのままだと雑談だけで終わりそうなので、本題を切り出すように促す。寝ている中を起こされてどうでもいい会話だけで終わるのはなんか癪だったからだ。

 

『あ、そうだった! 八幡、今日って空いてる?』

「今日? えーと、あれがあれで忙しい」

『よかった! それなら今日雄二達とゲームしようかってことになってるんだけど、八幡もどうかなって思って』

 

 あれ? 俺の話聞いてた? 

 

『十三時に前に葉月ちゃんと会った公園に待ち合わせね!』

「え? あ、おい……」

 

 それだけを言うと、吉井は電話を切ってしまった。まだ行くか行かないかも伝えてなかったんだが……仕方ない。

 愛しい布団から脱出し、とりあえず適当な服に着替える。程なくして着替え終わった俺は、とりあえず飲み物を飲む為にリビングへ行くことにする。

 

「およ? お兄ちゃん?」

 

 そこには、俺のシャツを勝手に着てソファに寝そべっているだらしない妹がいた。というかそれシャツしか着てないよね? 中学二年生の女の子とは思えない程だらけきった姿してるけど大丈夫なのか? 

 仰向けに眠っている為、自然と何処ぞの吸血鬼の妹よろしくシャフ度になっている。これから怪異にでも巻き込まれるのか? 事件の前触れなのか? 

 

「連休初日なのにお兄ちゃんが珍しく昼前に起きてくるなんて……貴方は本当にお兄ちゃん?」

「小町ちゃん? 人がいつもよりちょっと早く起きたからって疑いすぎだからね? その理屈で言うと、今小町の前にいるのはただの不審者ということになるからね?」

「あ、お兄ちゃんだ」

 

 どういう確認方法を取っているんだ我が妹ながら。

 相変わらず寝そべっている小町の横を通って、冷蔵庫を開ける。コップに麦茶を注いで一気に飲み干した。

 

「ご飯はテーブルの上に置いてあるよー。小町もお腹空いちゃったから一緒に食べるね」

「いつもすまないねぇ」

「それは言わないお約束だよ」

 

 小町との中身のない会話を楽しんだ後、俺はテーブルを見る。多分俺が起きないことを考えた上で、冷めても美味しいものを中心に食卓に並べられている。本当よく出来た妹だ。妹でなければ告白して振られるレベル。振られちゃうのかよ。

 もう一度コップに麦茶を注ぎ、ついでに小町のコップにも麦茶を注いでテーブルの上に置いた。

 

「ありがとー」

 

 そう言いながら、小町はご飯をよそう。そうしているうちに俺はラップを外し、椅子に座った。

 

「「いただきます」」

 

 小町も椅子に座ったことで、俺と小町は食事を始める。いつものように小町の料理を堪能する。うん、うまい。さすがは小町。

 

「そうだ、小町」

「なぁに? お兄ちゃん」

 

 俺の呼びかけに対して首をかしげる小町。一挙手一投足があざと可愛い。

 

「お兄ちゃんな、ご飯食べ終わったら知り合いの家にゲームやりに行くから」

 

 小町の箸がポロっと落ちて、信じられない物を見るような目を向けられた。

 解せぬ。

 

「お、お、お兄ちゃんが、連休初日からお出かけ……しかも、お友達と……? ていうかいつの間にか友達を……? ぼっち最高ってのたまってたごみいちゃんが……?」

「おい、最後。最後ただの悪口だよね?」

 

 思った以上にただの暴言が返ってきた。小町ちゃん酷くない? 

 

「とりあえずそういうことなら先に言ってよね! 小町にも心の準備が必要なんだから!」

「心の準備って何するつもりなんだ……」

「ちなみに義姉ちゃん候補は?」

「いるわけないだろ……」

「いないかぁ……」

 

 心底残念そうにする小町。

 しかしすぐに笑顔になったかと思ったら、

 

「よかったね、お兄ちゃん。仲のいい人が出来て!」

「……そう、だな?」

 

 いまいち実感がわかないが、確かにそういうことでいいのだろうか。そんなことを考えながら、俺は残りのご飯を食べた。

 うん、やっぱりうまい。




タイトル詐欺の日常編です(迫真)
GW中のエピソードはこの話を含めて三つやるつもりです。
バカテスネタ、俺ガイルネタ両方ともやろうかなーなんて思ってます。

ここからはお知らせです。

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本当にありがとうございます。
執筆する上での励みになります……これからも頑張っていきます!
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