パラダイス・ロスト Champion of the Earth 作:若奈
「あら、そう。そのまま監視をお願いね」
くらい廃工場。
通話を終えると、女性は正面に向き直る。
そこには縛られた男女2人。
「さてと、このエージェントさんたちはどうしましょうか?
ふふ。こんばんは。あなたたちは東京から来たエージェントかしら?」
両足と後ろ手に縛られ、猿轡をされた2人は女性を睨めつけることしかできない。
廃工場の屋根がところどころ抜け落ちていて、2つのスポットライトのように2者を月明かりが差す。
黒を中心に上下にターコイズブルーの線が入ったチューブトップに白のショートパンツ。
これが女の服装だ。
豊満な身体を持つ女は幾度となくハニートラップに使ってきた。
「さてと…」
拘束する男にチューブトップから覗かせた双丘を押し付ける。
「ねぇ?あなたたちは東京から来たのよね?それで目的は私?」
男は「ヴうううう」と猿轡をされているせいで、答えようにも答えられない。
さらにギュッと頭を胸に包み込む。
心なしか男の呼吸がさらに荒くなっていく気がする。
身体全体をジタバタさせるが、女はそんなの関係ないと言わんばかりに胸を押し当てる。
男は涙目になりながらも抗おうと必死だ。
そうしているうちに、男は大きく目を見開き、下半身がビクッと大きく跳ねる。
そして、ビクンビクンと継続して痙攣するかのように跳ねている。
やがてそれが、ゆっくりになっていく。
「ふふ。どうだった?」
女の問いかけは優しかった。
包み込まれるような優しさ。
ドンと男を床に押し倒す。
「さて、次はどう逝きたいかしら?」
馬乗りになり、ギュッと男の耳元でささやく。
猿轡されている男には唸るような声を出すことしか許されていない。
女は男の目線を辿る。
「そっちはさっきイッたでしょ?本当はもっと楽しみたいのだけど…」
女は憂いを帯びた表情を見せると、
立ち上がり、グイっと右手で男の胸ぐらをつかみ上げる。
なかなか体格の良い方の男だが、それに対し女はヒョイっと軽々と片手で持ち上げる。
左手で髪を掴むとそれを一気に捻る。
ゴキッ
乾いた音が廃工場に響く。
ドサッ
男を地面にひれ伏せさせると、もう一人の方の女性エージェントの方に問いかける。
「生憎、あまり時間がないのよね…貴女はどうしましょう?」
「ヴううんんん」
涙を流しながら、必死に髪を振り乱す。
「誰?」
女は入り口物陰に目を向ける。
入り口に月明かりが差している。
そこには修道服を身にまとった、女性とも女の子ともとれる人物が立っていた。
それはとても美しい。一つの芸術作品として完成された光景。
青白い月明かりがピッタリ似合う人物だ。
銀色の髪に青い目。
迷える者たちを今まで幾度となく導いてきたのだろうか。
しかし、その瞳の奥底からは冷たく、冷徹な印象も受ける。
「その者をどうするのですか?」
あくまでも
その問いは慈愛にあふれ、先ほどの女と似通った、包み込まれるような感覚が突き刺さる。
「貴女は……敵…?それとも味方…?」
「初めまして。冴島千夏さん。私はシスター・エレーナ。皆さんはそう呼びます」
「……?シスター…エレーナ…?」
「えぇ。そちらの男性は旅立たれてしまったのですね。さあ、旅立ちにお祈りを捧げましょう」
シスター・エレーナと名乗る
「何のつもりか知らないけど、敵なの?味方なの?」
千夏と呼ばれた女性に問いかけられると、祈りを止める。
「私はあなたがおっしゃる敵か味方か分かりません。ですが、私はスマートブレインに使える者であるということはハッキリしています」
「スマートブレインに使える者…じゃあ、味方っていうことでいいわね?」
「ええ、貴女もそうであるのなら」
「じゃあ、とっととこいつを始末しないと」
「それはなりません」
「どうして?」
千夏はなぜ?と言わんばかりに問いかける。
「彼女の命は十二分に価値があります。我々は慈愛あふれる存在。それも人間に対して一番発揮されるのです」
「価値?」
「ええ。彼女が持っている秘密を色々聞かせてほしいだけなのです」
シスターエレーナは拘束されている女性エージェントを軽々と持ち上げる。
いつの間にか気を失っているようだった。
クルっと千夏の方へ振り向く。
「貴女もついてきます?」
to be continued…
いやーー
フェロモンやばそう( *´艸`)
ていうか、千夏ねぇ!
そう…そうなのね…
謎のシスターも出てきたり、謎の組織のエージェントも…
この章も動き出しそうな予感!
それでは次回もお願いしまーす!