パラダイス・ロスト Champion of the Earth   作:若奈

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6話

「さぁ、着きました」

 

町はずれの寂れた教会。

2人組の女性の姿がある。

片方はシスターだが、もう片方は露出の激しい格好をし、この場所にそぐわない。

シスターも服装は違和感こそないが、別の女性を肩に担いでいることによって、怪しさ満点だ。

 

キィ…

 

使われなくなった外観をしていたが、木製の扉を開けて中に入ると奇麗に整頓されている。

整列された椅子を両側にその間を祭壇に通ずる通路が設置されている。

祭壇の上に祭られているのは十字架…

 

 

ではなく絡み合った3つの矢。

 

 

彼女たちの身体にも例外なく刻まれている。

 

祭壇へ向けて、シスターが歩みだす。

歩みを進めるごとにコツコツと教会に足音がよく響く。

中は広い空間のせいか、真夏の夜という蒸し暑い時期にもかかわらず、ひんやりとしている。

 

後ろを追従するように女性が歩き出す。

 

たゆんたゆんという効果音が聞こえてきそうなほど、揺れている。

 

「それはなんとかなりませんか?」

「貴女もだけど?」

 

シスター自身も胸元が見える修道服を着ているせいか、同じく揺れているのが確認できる。

 

「まあいいでしょう」

 

自分から投げかけてきてなんだろうという疑問を抱きつつ歩き出す。

 

祭壇の後ろに扉があり、それを開ける。

 

中を覗く。

 

そこにはベッドの上に全裸の女性が寝かされ、上から男が覆いかぶさり一生懸命腰を振っている。

 

「なんだ!?てめぇら!」

「え?なに?」

 

女性も上体を起こし、開けられた扉を注視する。

 

「あら。不埒ですね」

 

「へっ。シスターかぁ。ってかそっちの女エロくね?」

「ちょっと私がいるでしょ!ここ使われなくなってたと思ったのだけど…」

 

シスターはお祈りするように両手を組み目を瞑る。

 

「あん?何祈ってるんだ?」

「あなたたちの冥福をです」

 

シスターは組んでいる両手をシュッと振りほどくと、金色に輝く光線が発射される。

裸の男女を貫く。

 

胸のあたりに青い炎をあげたかと思うと徐々に肌色が灰色に変化する。

身体が徐々に灰色の細かい粒子となって、サラサラと崩れ去っていく。

2人は崩れ去る自らの身体を最後の一粒となるまで、驚愕の表情で見つめながら舞い散っていく。

 

控室のような小部屋には先ほどまで2人の生きた人間であった灰が舞い上がっている。

 

「へぇ、シスターはオリジナル?」

「ええ、まあ」

「少し汚れていますが、こちらへどうぞ」

 

シスターはさっきまで男女の営みが行われていたベッドに担いでいた女性を横たえさせる。

 

「さて、この女についてですが…」

「奴らのエージェントでしょ?」

「ええ。そのようです。あの男はただの人間だったようですが、この女の素性は知れてませんね」

 

ちらっとエージェントの女に目をやる。

 

「男だったら、ここで楽しめるんだけどなー」

「ここは聖なる場所です」

「性なる場所?」

「貴女には教育が必要のようですね?」

「じょ、冗談よ…」

「でも、あながち間違いではないのかも知れませんね。

先ほどの者たちのように使われなくなったと勘違いして侵入するものがたまに存在します」

「まっ、ラブホ代わりには使えるよね。ベッドもあるし」

「ここはこの町の迷える者たちのためにあります。

力を使おうとしないものを導くための場所」

「ってことは、ほかにもいるんだ?」

「ええ。少し離れたところで共同生活しています」

 

シスターはその場所であろう建物がある方向を見やる。

 

窓の外は月明かりが青白く照らしている。

それを暗い小部屋に明かりの代わりに窓か照らしている。

 

それも相まって、シスターは酷く冷酷な印象をさらに増す。

 

「さてと、そろそろこの女性から話を聞かなければなりませんね」

 

すっと立ち上がり、ベッドに横たえている女性の前に立つ。

 

to be continued…

 




9月最後の投稿です。
R-18タグつけといたほうがいいのかな?
という展開も期待しつつ…

今後ですが、基本週一回の投稿で月4話投稿できたらと考えています。

次回はもしかすると、今週中に投稿するかもです。
週一回投稿するとして、曜日固定の方がいいのか…
それならば、何曜日がいいのでしょう…
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