パラダイス・ロスト Champion of the Earth   作:若奈

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7話

あの全校集会から3週間。

この町の行方不明者は増え続けているようだ。

 

いつからか、都市伝説的な噂が流れていた。

 

この町には灰色の怪物が密かに襲ってくるというのだ。

それは人間に擬態して、時には親しい人、まったく見ず知らずの人。

そうやって、近づいてくるらしい。

出会ってしまうと、もれなく襲ってくる。

襲われた人間は灰になって死んでしまうとも、怪物が自分に擬態して成り代わって生活をして人間を襲い続けるやら自分自身が同じ怪物となってしまうとも言われている。

 

早紀ねぇがワクワクするような話題だけど、あんまり興味がないらしい。

何度かこの話題を話したけど、毎回素っ気なかった。

 

今日は友子が休みだ。

それに先生のお使いやら頼み事で遅くなってしまった。

 

「あっ、タクヤくん!」

「あぁ、冴島か」

「今日は友子が休みだったから一緒に帰る人いないんだー。タクヤくん一緒に帰らない?」

「ああ、途中までならな」

 

丁度良かった。

 

「こんな時間まで何してたの?」

「ちょっと野暮用だ」

「あっ、そういえばタクヤくん知ってる?」

「何がだ?」

「都市伝説だよ!都市伝説!」

「都市伝説?」

「うん!何かねこの町って最近行方不明者が多発しているでしょ?」

「…ああ、そうだな」

「?」

 

なんだろ?タクヤくん歯切れ悪いな。

いつも、ぶっきらぼうで不愛想なタクヤくんだけど、話題を振れば最低限答えてくれる。

外見も相まってクラスのみんなはあまり近寄りがたい雰囲気だ。

いけ好かない奴だななんてことも。

まっ、最初に行方不明になった不良たちがいたら確実に校舎裏に呼ばれていただろうな、とは思う。

 

「あれってね、こういう夕暮れ時や夜遅い時間に灰色の怪物が現れて人間を襲ってるんだって!」

「そうか」

「それでね、襲われた人間は灰になって死んでしまうとも灰色の怪物になってしまうんだって!」

「…」

「その怪物は普段は人間に擬態していて、それは全くの見ず知らずの人だったり、親しい人だったりすんだって!」

「さっきからだってばっかりだな」

「だって、都市伝説だもん!」

「都市…伝説か…」

 

少し溜めて、どこか何か思うことがあるのか、その一言が印象に残る。

 

「タクヤくんはどう思う?」

「悪いことは言わねぇ。あんまり関わるな」

「もしかして、タクヤくんってこういうの好きなの?」

「そういうわけじゃねぇんだ」

「なんか、タクヤくん変だよー」

 

私は笑いながら歩みを進める。

タクヤくんとはたまに一緒に帰ることはあるけど、頑なに家を教えてくれないんだよね。

もうすぐ、いつも分かれている三叉路だ。

周りは田んぼだらけの畦道。

すごく田舎臭いし、早紀ねぇの気持ちも少しはわかる気がする。

すっかり日が落ち、田んぼだらけの畦道ということもあり、かなりの暗さだ。

田んぼの向こうに建っている民家のぼんやりとした明かり。

その三叉路のY字になっているところにポツンと街灯が建っている。

 

「ん?」

 

街灯の下にだれか立っている。

 

「あっ、友子!」

 

見知った顔があり思わず駆け寄る。

 

「どうしたの?今日休んじゃって」

「あぁ、風香もいたの?私タクヤによって用があるの」

「おい、そいつから離れろ!」

「え?」

 

タクヤくんの叫び声にふり返る。

が、目の前の友子から発せられる嫌な雰囲気を感じ取り、対面にいる友子の方に向き直る。

 

愕然とするよりも理解しがたい光景が広がっていた。

 

友子の目が白く濁ったかと思えば、顔に奇妙な模様が浮かび上がってくる。

浮かび上がったも模様が縁取られていき、友子の身体が激しく鈍色に発光する。

発光とともに形容しがたい音が聞こえ、縁取りが膨張。

それに呼応して、友子の身体も膨張し、肥大化する。

 

やがて発光が止むと、その場には友子とは似ても似つかない存在が立っている。

人間よりも大きい体躯にゴツゴツとした鎧を身に纏った灰色の異形。

 

これって、都市伝説の…

 

「オルフェノク!!」

 

to be continued…




友子…お前…
今回は風香視点でのお話でしたが、まさかのオルフェノクにw

次回もお楽しみに!
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