パラダイス・ロスト Champion of the Earth 作:若奈
「はい!はーい!」
「何?ReiCa?いい案があるの?」
ReiCaは笑顔で両手を腰に当てる。
「Ladies&gentleman!今からこのReiCaが素晴らしいパフォーマンスをお見せしまーす!」
そして、ReiCaの周囲の空気が一変する。
人間はこの時何かとてつもなく嫌な空気を感じ取る。
例え様のないおぞましい何かが、そこに纏わりつく…
と…でも言うのか。
身体の奥底から、警鐘を鳴らす。
冷たく、温かさなど一切感じない。
目が妖しく白濁する。
ReiCaの身体を僅かに纏う過激なビキニ。
それを除く全身。
見える素肌という素肌。
それに何かを縁取るような模様が少しずつ浮かび上がってくる。
ニマっという笑みを見せるReiCa。
何か形容し難い音とともに身体が膨張する。
あの模様に沿って身体が灰色に大きくなる。
今、眼前に立つ灰色をした大きな怪物とトップアイドルのReiCa。
似ても似つかない。
明るく、騒がしいReiCaだが、目の前の怪物は灰色の鎧を纏ったように冷たく、とても同一人物には見えない。
が、まぎれもなく同一人物なのだ。
スポットライトに当たる、灰色の怪物の影が形を変える。
そこには青白く、ReiCaの裸体が現れる。
『さーて、こいつはどう遊ぼっかな?』
「ReiCa、テレビの向こうのみんなを楽しませてよ?」
『解ってるって!』
「来ないで!」
ボロボロの衣装を身に纏う女性に向かって歩みよる。
片腕を掴み上げ、悠々と持ち上げる。
ふーん。
と、言わんばかりに足先から頭までを舐めるように見渡す。
『よくそんなので、アイドルできてたね』
無理もないだろう。
かつてはチヤホヤされていたが、今は見る影もなく痩せこけている。
栄養状態もよくなさそうだ。
放って置けば、長くはなさそうだ。
だが、彼女はかつては人気を誇った一アイドル。
社会的関心が高い。
それ故スマートブレインは彼女をこの場で処刑するということを考えた。
今現在の国民の娯楽といえば、人間や裏切り者の処刑を楽しむのに他ならない。
ドサッと元アイドルの女性を地面に落とす。
ReiCaであった灰色の異形。
全体的にビキニアーマーを纏っているよう。
それに普段のReiCa同様、面積が少なく、どこかセクシーさを醸し出している。
顔は鋭い目つき、肉食さを表しているのだろうか。
小さく開いている口らしきものは鋭い歯がびっしりと窺える。
まるでウツボの様を表しているような怪物。
そう。トップアイドルReiCaはウツボの特質を備えたモーレイオルフェノクだ。
ブチっ
足枷と地面をつなぐ鎖を噛み千切る。
『ほら、逃げないの?』
「えっ?えっ?」
女性は戸惑いながらもコロシアムの出口へとゆっくり、ゆっくり…
そして、一目散に駆け出す。
扉が眼前に迫る。
ガチャガチャとドアノブを引こうとも押そうともビクともしない。
『開くわけないじゃーん!』
モーレイオルフェノクは嘲笑うかのように語り掛ける。
そして、二本足で立っていた形態が一本の鰭に纏まる。
ひらひらと靡かせながら、空中を浮遊する。
一目散に女性目掛け飛びつくように迫る。
「いやあああああああ」
響き渡る断末魔。
女性が最後に見たのは、自分に目掛けてやってくる怪物。
その口は裂けるように大きかった。
鮮血が舞う。
モーレイオルフェノクは女性の首に噛みついていた。
その力はとてつもなく強く。
少し、横に捻ると勢いよく千切れ飛ぶ。
モーレイオルフェノクはいつの間にかReiCaの姿に戻っていた。
吹き出る新鮮な血を浴びるReiCa
「ReiCaお姉ちゃん、こんなにしちゃって、後片付けのスタッフさんが大変だよ?」
「ReiCa…もっと面白くできなかったの?」
「へへっ!シャワー浴びてくる!」
to be continued…
ついにオルフェノクが登場!
というか、みんなオルフェノクなんですけどね(;'∀')
網浜麗華→網麗→もうれい→モーレイでした笑
4週連続更新!
どこまで伸ばせるか頑張ります(;'∀')