パラダイス・ロスト Champion of the Earth   作:若奈

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2章
1話


「おーい、風香手伝ってくれー!」

 

「はーい。今行くー」

 

お父さんから呼ばれると、エプロンを付けながら一階へ降りてくる。

 

「おっ。風香ちゃん」

「もう高校生になったんだねぇ」

 

「それ昨日も言ってたよ!」

 

「「はっははは」」

 

落ち着いた雰囲気の喫茶店。

古びたアンティークが置かれ、時間がゆっくりと流れる空間。

自然と人が集まり、談笑できる場所。

私はここが好きだ。

 

 

「じゃあ風香。これを3番さんに」

「はーい」

 

常連のお客さんたちといつものやり取りをしつつ、お客さんの頼んだものを運ぶ。

 

「お待たせしましたー。ホットコーヒーでございます」

 

テーブルに置くと、お客さんを見る。

 

コクっ。

 

軽く会釈してくれる。

見かけない顔だ。

私と同じくらいだろうか?

 

片田舎なせいか、常連のお客さんが7割占めている。

残りの3割は一見さんかなんか見たことあるような?って言う感じだ。

ただ、一見さんにしても同年代の男の子が一人でいるというのはかなり珍しい。

 

 

「マスターよ、早紀ちゃんは?」

「早紀はまだ帰ってきてないよ」

「なんでぇ、てめぇは早紀ちゃん派かよ」

 

早紀というのは私の姉の一人だ。

私たちは3姉妹。

一番上の姉と末っ子の私とは10個離れている。

 

常連のお客さんの相手をしていると、

 

カランコロン

 

入り口のドアが開く。

少し露出の目立つ茶髪の女性が立っている。

 

「いらっしゃ…あ!千夏ねぇ!!」

 

少し、雰囲気は変わったけど、私の姉だ!

 

「おっ!千夏ちゃんだ」

「おぉー久しぶりだねぇ」

 

「千夏。お帰り」

「うん。ただいま」

「千夏ねぇどうしたの?」

 

千夏ねぇと呼ばれた女性。

 

この家の長女・千夏。

東京の有名企業に転職し、上京して2年。

忙しいらしく、なかなか帰省できなかったが、ようやくできたようだ。

 

「どうしたんだい?連絡なしに?」

「うん。ちょっと驚かせようと思って」

「もー千夏ねえ。連絡してよー!」

「早紀、おかえり」

「早紀ねぇ、いつの間に⁉」

「へへっ。裏口からー」

 

後ろから千夏に抱き着く。

 

いつものようなこの雰囲気。

ゆっくりと時間が流れるが、いつの間にやら、もう店じまいの時間だ。

 

「はい、じゃあここに置いとくからー」

「この人にツケといてー」

「釣りはいらねぇえよ」

 

常連のお客さんが続々と帰る。

 

「あっ。はい。お会計ですね?350円です!」

 

同年代らしき子も会計を済まし、店を後にする。

さっきより、なんだか雰囲気が違うような…?

殺気というのだろうか、なんだか重い空気感を醸し出している。

 

「はい。丁度。ありがとうございましたー!」

 

最後のお客さんを見送ると、そそくさと店じまいをする。

 

「お父さん。ご飯食べたーい」

「はいはい。ちょっと待っててね」

 

早紀ねぇが椅子に座り、

ぶらんぶらん

足を動かす。

 

「ねえ、千夏ねぇいつまでいるの?」

「うーん。しばらくかな?」

「やったー!じゃあ東京の話聞かせて!」

「あっ、私も聞きたーい!」

「千夏も疲れてるだろうから、後にしてあげて」

「「はーい」」

 

久々に会った千夏ねぇ。

都会に馴染んだのか、この片田舎にいた時とは少し違い、大人びた印象。

雰囲気も変わったように思える。

しかし、なんだろうさっきから背筋とでもいうのか何か冷たいものが…

風邪の前触れだろうか。

 

それはさておき、千夏ねぇからどんな話を聞けるか、楽しみだ。

 

to be continued…

 




6週連続(ry
というわけで、今回から新章になりました。

ん?全くと言っていいほどパラロス感もないし、555感もないw
さてどのようなお話になるのか…
私自身も楽しみです(*'▽')

3人のビジュアルはできてます( *´艸`)
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