パラダイス・ロスト Champion of the Earth 作:若奈
「ごちそーさまでした!」
「千夏、久々の実家でのご飯はどうだった?」
「うん。お父さんのご飯はやっぱおいしいよ」
「ねー千夏ねぇ、東京の話!東京の話!」
「うん。お母さんに挨拶してからね」
千夏はそういうと、リビングから隣の和室に入る。
「お母さん、帰ってきたよ」
目を瞑り、手を合わせる。
仏壇の写真には千夏、早紀、風香に似た女性が微笑んでいる。
もちろん。彼女たちの母親だが、風香の小さいころに病気で亡くなっている。
「さっ、東京の話聞きたい?」
「うん!じゃあ、東京って人いっぱいなの?」
「もう一杯も、一杯よ。減らしても文句なしってくらいいるよ」
そこからは風香と早紀の質問攻めだった。
「彼氏できた?」
「もう、作ってる暇なんてないくらい忙しいよ。それはそうと早紀は処女を卒業できたの?」
「なっ!?」
早紀の顔が赤くなる。
「早紀ねぇはねぇ、去年卒業したよ!」
「ちょ、いらないことを…」
「ふふ。よかったね、早紀。私が上京するときは、
「い、今は千夏ねえのこと聞いてるんだから」
「私だって、この町のこと2年間知らないんだから、聞きたいな?」
「じゃあ、何でも聞いて、千夏ねぇ」
千夏が聞きたいことを2人に質問する。
「へーそうなんだ。まだ続いてんだ」
「い、ぃぃじゃんんか…」
「やっぱ、まだ初心だね」
彼氏のことを問い詰められ続けた早紀のライフはゼロに近かった。
「千夏ねえこそ、なんか雰囲気変わった?」
「そうそう!私も思った!」
「そうかしら?」
「絶対、男だと思ったんだけどなー」
「ふふ。残念。そんな暇ないのよ」
「なんていうか、纏う雰囲気違うよね」
「こんな、露出のある服とか着てなかったじゃん!ちょっとずらせばおっぱい丸見えだし」
「都会はみんなこうだよ?やめて、引っ張んないで」
「都会ってすげえや」
そう言いながら、千夏の服をずらそうとする早紀。
ものともせず、ビンタを繰り出す千夏。
バチーン!といい音を奏でる先の左頬。
「う、うーん。なんだろうね?」
「新しい私に生まれ変わった…かな?」
「なんだよーそれー」
「ははは」
「ふふ」
軽くあしらわれる早紀を千夏と風香が笑う。
「千夏ねぇはいつまでいるの?」
「ん?期間はまだ決まってないよ」
「お休みなのに?」
「うーん…お休みってよりはお仕事も兼ねてるかな?」
「お仕事なの?」
「そうそう」
「そういや、」千夏ねえはどんな仕事してるの?」
「ないしょー」
「えーいいじゃんか」
「まあ、そのうち分かるかもね?」
「えー。どういうこと?」
「ないしょー」
「またそれかよー」
その時、下の階から電話が鳴る。
しばらくすると、お父さんが話す声が聞こえるが、何を話しているか分からない。
そして、数分経った頃
階段をトントントンと、上がってくる音がする。
「早紀。風香。高校から電話だったんだけど、生徒さんの何人かが行方不明だそうだ。
明日、全校集会あるみたいだから、早めに登校するようにってそうだ」
「行方不明?」
「なんだ、それー?」
「詳しいことは話してなかったから、分からないけど、心配だね。3人とも気を付けなさい」
「「「はーい」」」
「行方不明ってなんだろうね?それに何人かってのも…」
「物騒ー」
「まっ、詳しいことは明日の全校集会でわかるんだろうけどー」
「怖いわね…」
「この片田舎にしては珍しい。老人が徘徊して行方不明ってのはたまに聞くけど、同じ学校のやつがね…?」
「物騒な世の中だね」
「さっ、明日も早いし、お風呂入って寝るか」
「うん」
3人は不安を抱きながらも床に就いた。
そして、風香はどこかしらからか何か変な空気が漂っているように感じた。
それと同時に例えようのない悪寒を感じる。
背中に何か冷たいようなものが落ちてくるかのように…
to be continued…
7週連続!
続けていきたいですね(;'∀')
2話にして何やら不穏な空気が…
次回以降どうなっていくのか、私にもわかりません…(まだ書けてない)
それでは次回もお楽しみに^^