この作品、約一年半振りの更新です。
大変お待たせしてしまったこと、また外伝の方ばかりを更新してしまったこと、誠に申し訳ございませんでした。
重ねて、時間の経過から作風が変わっている可能性があります。
改めて活動再開いたしますので、よろしくお願いいたします。
「街の人が…………化け物に……化け物に変わってるんだ!!」
「!?」
マネージャーの話を聞いた士、紗夜、日菜、ユウスケ、クアドラブルの四人が驚愕する。
「住民がグロンギに変わっていると言うんですか!?」
紗夜がマネージャーに改めて尋ねる。
「こ、これを……!」
マネージャーはスマホを取り出し、横にして紗夜に画面を見せる。
気になった他の七人も、スマホの画面を見る。
画面には、ニュースの中継映像が映し出されている。マイクを持った女性リポーターが、黒い煙を放っている山を背景に状況説明をしていた。
『ただ今、あちらの山から五キロ離れた場所にいます。ここからでも謎の煙が山から大量に、止む気配もなく溢れているのが見て取れます。山が噴火した様子もなく、煙の正体及び発生原因も不明の状態です。引き続き、こちらに残って山の中継を――ごほっ! げほっ!』
黒い煙が尋常じゃない速度で背後から迫り、女性リポーターを包み込んだ。近くにいたカメラマンやテレビ関係者も巻き込まれ、カメラマンは思わずカメラを落とす。
『うっ……あぁ…………あぁぁぁぁぁぁ!!』
地面に落ちたカメラは、リポーターの足下を写した状態となり、彼女が瞬く間に異形の姿に変わっていくのを捉えていた。
変わり果てたその姿は、まさにグロンギそのものであった。
そして映像は、グロンギがカメラを踏み潰すところで終了した。
「…………!?」
信じられない光景を見た全員が息を呑んだ。
「…………」
その中で、何かを思った士は部屋から出ようとする。
「門矢さん!」
紗夜は士を呼び止めた。
士は扉の前で立ち止まる。
「……俺が街に溢れたグロンギを倒す」
「黒い煙に巻き込まれたら、門矢さんでもグロンギになる可能性はあるんですよ!」
「俺は大丈夫だ……そんな気がする。それに、俺がグロンギを止めなきゃ、被害が増えるだけだ」
そう言って、士は部屋を出て行った。
「……私は、街の人たちの避難させます」
「あたしも手伝うよ!」
紗夜と日菜も動こうとする。
「私たちも手伝います!」
香澄が躊躇いを見せずに声を挙げた。
それに応じてクアドラブルの他三人も頷く。
「あなた達も避難を……と、一般人である私が言っても説得力がありませんね。身に危険を感じたら、必ず自分第一に逃げることを約束してください。この状況なら、誰も責めませんから」
「「「「はい!」」」」
クアドラブルの四人が声を揃えて返事をする。
「それと、小野寺さんはまりなさんの傍にいてください」
「……………」
自分も士と共にグロンギを倒しに行くべきでは――と思うユウスケであったが、言い返す余裕もなく紗夜の言うことを従うことにした。
「それでは、行きます」
紗夜を先頭に、日菜とクアドラブルの四人は部屋を出て行く。
「えっ、わ、私も……!!」
置いてけぼりだったマネージャーも、彼女達の後を追う。
「…………」
レッスンスタジオに残されたユウスケと、気絶したままのまりなが取り残された。
※
高層ビルが並ぶ駅前。
そこには既に数多くのグロンギが、人々を襲っていた。
その現場に、士が到着する。
「多い……早くも旅が終わるかも知れないな」
士は一人、彼らしくない弱気な言葉を呟きながらディケイドライバーを取り出し、腰に装着する。
ハンドルを引いた後、
「――変身」
カードをバックルに挿入し、ハンドルを押し戻した。
『カメンライドォ!』
『ディケイド!』
士は、仮面ライダーディケイドへと変身を遂げた。
「さて……行くか!」
自分の手を払った後、『ソードモード』にしたRBを構え、グロンギの群れに突撃する。
「はぁ!」
士の先制攻撃が、複数のグロンギに当たる。攻撃を受けたグロンギたちが士に標的を絞り始め、攻撃を始めた。士はグロンギの攻撃をかわしつつ、グロンギに深い斬撃を入れ、数を減らしていく。しかし、一向に少なくなる気配がなく、グロンギたちは一般人への攻撃を止めて、士の排除を最優先にする。
「いくらでもかかってこい!」
士はアタックライドカードを取り出し、バックルに挿入して発動する。
『アタックライドォ!』
『スラッシュ!』
RBの刃がマゼンタ色に光り始める。
囲み襲おうとするグロンギに対して、士は横に回転しグロンギを一気に斬り倒した。
今の一撃で十体のグロンギを倒すことができたが、それでも終わりが見えてこない。
(俺はまだ自分のことを殆ど知らない……だから、ここで終われない!)
士はめげずにグロンギを倒し続ける。
「ッ!!」
すると突然、彼に黒い稲妻が飛んでくる。グロンギたちに夢中だった士はかわせずに直撃を受け、吹き飛んでしまう。
士は雑居ビルの壁に激突するも、素早く体勢を整え、周囲を見渡す。
上空に、他のグロンギとは明らかに異質なオーラを纏う、狼のようなグロンギが浮遊していることが確認できた。そのグロンギこそ、士に稲妻を当てた張本人だ。
そのグロンギの周辺には、一般人をグロンギに変えたものと同じ黒い煙が漂っていた。
「あれが親玉か!」
士はRBを『ガンモード』に切り替え、狙い撃とうとした。しかし、他のグロンギが士の邪魔をするかのように、彼に攻撃を仕掛ける。
「くッ! 邪魔だ!」
士は周囲のグロンギを片付けることを先にしようと考え、周囲のグロンギに弾を発射し始める。
「おっ、賑やかじゃねぇか」
士が戦っている様子を、高層ビルの屋上から灰治が見ていた。
「にしても、クウガは来ねぇのかぁ? 早く戦いたいんだがなぁ」
※
「…………」
レッスンスタジオの窓から、ユウスケは街の風景を見ていた。
一般人を襲うグロンギと戦う警察たち、避難誘導を行っている紗夜たちの姿が見える。
(皆が戦っている…………皆が皆のために――――そうか!)
ある事に気づいたユウスケ。
相変わらず気絶したままのまりなに歩み寄り、小さく呟く。
「姐さん。行ってくるよ」
戦う意志が固まったユウスケは、レッスンスタジオを抜け、外に出る。
走りながら前腰に両手を添え、『アークル』を出した。
「変身!!」
『アークル』のスイッチを押し込み、ユウスケは『仮面ライダークウガ』へと変身を遂げた。
「はぁ!!」
ユウスケは目の前にいたグロンギに攻撃を始める。
彼の存在に気づきだした周囲のグロンギたちが一般人への攻撃を止め、標的をクウガに絞り、一斉に攻撃を始める。
「やっと出てきたか!」
何者かの声が聞こえたかと思えば、周囲のグロンギの頭に矢が刺さる。
刺さった場所からクウガに似た紋章が浮かび上がった後、グロンギたちが爆散した。
「!?」
ユウスケは声の主を探すため、周囲を見渡していると、目の前に一人の男――灰治がビルから降りてきた。灰治の右手にはボウガンがある。
「仮面ライダークウガ! 俺と戦え!」
「!? お前、白髪の人の仲間か!?」
灰治が只者ではないと察知したユウスケは身構える。
「白髪……あぁ、白也のことか。仲間っちゃ仲間だな」
「……何しに来たかわからないけど、今は構ってる暇は――」
「俺がこの騒ぎを起こした張本人――って言ったらどうだ?」
「!?」
「今そこら辺のグロンギを倒すより、黒幕を倒す方が効率いいと思わないか?」
「…………!」
灰治の挑発に乗った訳ではないが、ユウスケは先制攻撃を仕掛けた。灰治は難なく横に回避する。
「おっ! やる気になってくれたか! でも変身くらいさせてくれよな!」
「変身?」
灰治はボウガンを横に投げ、前腰に両手を添える。
「!?」
その動作に、ユウスケは見覚えしかなかった。自身がクウガに変身する際に、始めに行う動作と一致していた。
ユウスケの直感通り、灰治の腰に『アークル』に似たベルトが出現する。
そして灰治は、クウガの変身動作を鏡に映したような動きで、左腕を構えた。
「変身!」
ベルトの右側にあるスイッチを押し込み、ベルトの中央が赤紫に光り始め、回転を始める。
クウガの回転音に比べ重々しい音が響いた後、灰治の体に赤紫色の鎧が纏われ、仮面ライダーに変身を遂げた。
その姿はクウガに酷似している。大きく違う点を挙げるとすれば、クウガの覆面がクワガタムシのような角が二つ付いているのに対し、灰治の覆面にはアトラスオオカブトのように中央にも角が付いていた。
「仮面、ライダー…………!?」
仮面ライダーへと変身を遂げた灰治に、ユウスケは戸惑いを隠せない。
そんな彼に灰治は、当然のように淡々と話す。
「そう、仮面ライダー…………『仮面ライダーカイア』だ」
最後に出てきたオリジナル仮面ライダー、『仮面ライダーカイア』。
『ガイア』ではなく『カイア』です。
空我(くうが)になぞらえて、海吾(かいあ)と名付けることにしました。
詳しい詳細については後々語りますが、今後もこのようなオリジナルライダーを登場させる予定です。
次回の更新ですが、極力今月中に遅くとも五月頭に更新する予定です。
まだ更新が安定しませんが、今後ともよろしくお願いいたします!