除籍処分が虚偽であったことが判明したのち、教室へと引き上げて各自の机に入れてあるカリキュラムなどを確認して置けと相澤が言っていたのでそれらを確認していると再び相澤が現れ、初日だから10時を過ぎたら帰っていいぞという言葉を残して再び消えていった。何でも本当は入学式やらはあり終わった後は簡単なホームルーム後に終わらせる予定だったらしい。
「やっほっ進志に八百万さん、なんか入学式の時にA組見なかったけどなんかあったの?」
教室から出て廊下を歩いている時の事、後ろからやって来た一佳がフランクに挨拶をしてくる。如何やら入学式は本当に確りあったようで、欠席していたのはA組だけだったらしい。
「いやなんか担任がさ、ヒーローを目指すならそんな悠長な行事、出る時間ないよ―――って言ってさ。俺たちなんかいきなり個性把握テストだったぞ」
「えっマジで?アタシたち普通に入学式でこれから頑張ってください~みたいな感じの校長のスピーチ聞いてたけど」
「矢張りそこは担任の先生によって変わるという事なのでしょうか……?」
としか言いようがないだろう、まさか入学式を欠席させてテストを行うなんて事をやるのはいくら雄英といっても相澤ぐらいだろう。入学式では教師陣の紹介やら激励の言葉などもあったらしい、プレゼント・マイクからの言葉もあったらしく、進志はそれに思いっきりガックリ項垂れる。
「マジかよ……俺、あの人の大ファンなのに……orz」
「まあまあそんなにローテンションになる事ないって、同じ学校にいるんだから何時でも話をする機会もあるしサインを貰う事も簡単だよ。それにマイク先生は英語の担当らしいよ」
「百に一佳、俺は決めたぞ。英語がある日は何が何でも学校に来る、這ってでも来る」
と即座に立ち上がって瞳の中に炎を燃やしながら誓いを立てる進志に女性陣は軽く笑う。進志がマイクに嵌ったのは入院中に暇で何もする事がなかった時に、ネット配信のマイクのラジオを聞いたのが影響。そこからマイクの大ファンになったという経緯があり、そのラジオから元気をもらっていたらしい。この後、下駄箱に向かう途中でマイクに遭遇した3人だが、マイクはマイクで実技試験の時に唯一返事をした進志をよく覚えており、サインをお願いする進志に快くサインをしてくれた。しかもマイクが監修したBluetoothスピーカーとイヤホンまで貰った進志はホクホク顔であった。
「~♪」
「メールでマイク先生だって事は知ってたけど、まさかここまでドハマりしてるとは……」
「でも健全なヒーロー趣味だと思いますわ。こういう言い方はあれですが、ミッドナイト先生にハマられるよりは……」
「ああっそれは確かに……」
軽い足取りで歩いていく進志の後ろを歩いていく二人は余りにも上機嫌な進志に苦笑しつつも、違うヒーローにハマらなくてよかったと胸を撫で下ろしていた。自分たちにはない大人の色気を持ち合わせている女性ヒーローがこの雄英にはいる。そんなヒーローにハマられていたら色んな意味で勝てない。そんなルンルン気分の進志だったが前を見ていなかったのか、医務室から出てきた生徒に軽くぶつかってしまった。
「あいてっ!!?わ、悪い怪我無いか!?」
「う、うん大丈夫……ってあっえっと確か同じクラスでテストで2位だった傍立君だよね?」
「そういうお前は……ああっそうだ、俺の個性をすげぇ分析してた超パワー個性の緑谷だよな」
医務室から出てきたのは個性把握テストのソフトボール投げまで平凡的な記録しか出せていなかった緑谷であった。だがソフトボール投げでは自らの指一本が大きな怪我を負うような超パワーを発揮していた。
「緑谷さんっ指の方は大丈夫なのですか?」
「あっうん、リカバリーガールに治癒掛けて貰ったから。大丈夫だよ八百万さん」
「そっかそっか、あっそうだ緑谷お前は初だよな。これは俺の幼馴染でB組の一佳」
「適当過ぎんでしょアンタ……まあいいや自分でやるから。拳藤 一佳だよ、B組だけど勉強とか教わりに行くと思うから宜しくね」
「あっははいこちらこそっ!!みみみみみ、緑谷、出久です!!」
「緊張しすぎだろお前、一佳に緊張はいらねぇよ」
「どういう意味だアンタコラぁ!!」
と笑いつつも軽く怒っている一佳にほっぺを引っ張られる進志、百は少しおろおろしつつも一佳を落ち着かせようとしつつも進志の軽い物言いは少し失礼だと言って窘める。そんな三人を見て出久は楽しそうにしているなぁと思った。
「それにしても話を聞くと大変そうな個性だね緑谷君、自分の身体も危険にする超パワーって」
「うっうんそうなんだ」
「いわゆるリミッター解除みたいな感じか?」
「そ、そうそうそんな感じ!今まで無個性だと思ってんだけど、一回限界を超えた時があってそれからその、個性が目覚めたっていうかさ……」
「へぇっ~……個性もまだ分かんねぇ事の方が多いもんな。世の中には無個性だけど実は個性持ってましたって人も多いのかもな」
と会話を回している進志の言葉に百と一佳が意見を述べる中で出久はホッとしていた。彼の個性は出自は非常に特殊な事例である、詳しく語ることはできないのだが、取り敢えず進志の言ったリミッター解除系個性という事にしておこうと心の中で思うのであった。
「今の所、0か100でしか使えないんだ。僕も何とか調整出来るようになりたいんだけど……テストの時も指だけで100を使ったからこうなっちゃった訳で」
「最小限で最大限を……素晴らしい方法ですが、そのままでは身体を切り崩していくしかありませんわね」
「調整かぁ……進志、アンタならどうする?」
「そうだなぁ……拳を握る要領でリミッターを少しずつ解除するとか?」
「いやだから0か100しか現状出来ないんだから無理でしょそれ」
そんな進志の言葉だがそれを聞いた出久は電流が走った。彼の個性のコントロールはイメージや感覚が大きく握っている、彼は個性を使った際に電子レンジの中にいれた卵が爆発するようなイメージが残っている。それで個性を使っているのだが、進志の拳に少しずつ力を籠めるという言葉を聞いて衝撃を受けた。そうだ、自分でも簡単に分かるようなパワーメーターがあるじゃないかと。出久は進志の手を取って笑顔で言った。
「ありがとう進志君!僕、今までイメージで爆発するような感じで個性を使ってたんだけどそうだよね、拳に力を籠める方がイメージしやすいよね!!」
「ど、どういたしまして……というか爆発させたらダメだろ、体の内部壊すつもりかよ」
「あっい、言われてみたら……」
デクの電子レンジの中にいれた卵が爆発しちゃうって奴、かっちゃんのイメージも影響してこんな感じだったのかな。
この作品のヒロインの行方は?
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八百万 百 (ヒロイン一人固定)
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もう一人もいる