聖杯戦争に薪の王が参戦しました 作:神秘の攻撃力を高める+9.8%
遅くなってもこっちはエタることはないので安心して下さい。
遥か昔のとある村にて、語り部の老婆は子どもたちにとある話を聞かせていた。それは、
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もう既に己の名前も言えないのに、自分が不死になった瞬間は今でも確かに覚えている。じりじりと胸を焼く炎の痛みは恐らく消えはしないだろう。信じられなかった、しかしそこにあったのは、不死の証、ダークリング。そこからの流れは当然のものであっただろう。白教の者たちに捕らえられ、北の不死院へと追放された。身ぐるみも剥がされ、自慢であった金色の髪もくすみ、このままこの世の終わりなどという来るかわからないものを待ち続けるのだろうと、そう思っていた。だが、あの騎士が現れた。
オスカーと名乗ったその同郷の騎士により、運命はとてつもなく曲がった。使命を託され不死院を脱し、そこから始まったのだろう、この終わりの見えない旅は。
使命を遂行するため、鐘を鳴らしにいった。行く先々で様々な人と出会った。太陽に憧れる熱い男、不死になってなお陽気で、しかし騎士道を忘れない男。
鐘を二つ鳴らし、真の使命を知り、神の地アノール・ロンドを訪ね、そこからも様々な人と出会い、様々な者を殺した。
そうして私は、火を継いだのだ。
幾年もの月日が経ち、後継者に全てを託し、私は死んだ。…はずなのだが、荘厳な鐘の音により目を覚ました。その地はロスリック。聞けば、かつての薪の王が火継ぎを拒否し、それぞれの故郷へ戻ったらしい。元はと言えば私が初めて火を継いだせいでこうなっているのだろうし、あの時のことは後悔していないとはいえ、自分のせいで他人が苦しむのはあまり好きではない。だからこそ、今回も火を継ぐことにした。
………
ああ、ここに来るのは二度目だ。妙な感慨を覚えながら最初の火の炉へと向かう。火の炉、そこにいたのは奇しくも
激闘の末それを倒し、ソウルを吸収した時だ。気づいた、気づいてしまった。先の人は人ではなく、これまでの王たちのソウルが化身となって火を延命していたことに。
やはり、火は消すべきなのであろう。この旅を続ける中で思ってきたことだ。決心し、火守女を呼び出し、火を消した。
こうして世界は暗闇に包まれ、終わりを迎えた。
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「そうして出来たのが今いる世界。『薪の王』によって始まった世界なんです」
長い話をし続けて疲れたのか、少しばかり気怠げな老婆に子どもたちは容赦がない。
「なんか今日の話は面白くない!」
「もっとしあわせなお話してよー!」
素直な子どもたちに苦笑を浮かべつつ、老婆は言う。
「確かに面白くないかもしれませんし、しあわせじゃないかもしれません。けれど、確かに覚えていてほしいのです。この世界は偉大な『薪の王』によって生まれたということを。…さ、今日は帰りましょう。明日はとある騎士が竜を弓で射抜いたお話をしましょう」
恐らくはあまり理解出来なかったのだろう。首を傾げながらも明日の面白そうな話に期待しつつ子どもたちは帰っていった。そんななか、ひとりぽつねんと立っていたその子どもに老婆は語りかける。
「どうしましたか?もう夕方ですし、みんなと一緒にお家に帰りましょう?」
「僕、大人になったら冒険がしたいんだ」
いまいち要領の得ない言葉に、老婆は疑問が浮かぶ。
「そうですか、それはいいことです。冒険は楽しいですしね。さ、帰りましょう?」
優しく諭しても少年は首を振り、言葉を続けた。
「さっきのお話の男の人って、冒険をしていたんでしょう?」
「ええ、そうですね」
「それって、楽しかったのかな?さっきのお話じゃ、苦しいばっかりみたいだ」
その言葉に、息がつまる思いがした。彼の旅路を案じてくれる人がここにもいた。その嬉しさに、じわりと涙が浮かぶ。
「うわっ!お婆ちゃんだいじょうぶ!?」
唐突に涙を流したことに心配してくれたのだろう。その優しい少年を安心させるため、涙を拭い言葉を続ける。
「大丈夫ですよ。…そうですね、彼の旅路はつらいものばかりだったかもしれません。それでも、行く先々の未知に目を輝かせ、協力してくれる友と笑い合い、美しい景色に心を奪われた、と。そう語ってくれましたよ」
「えっ!お婆ちゃんその人に会ったことがあるの!?」
ふふ、とあやふやに笑い、その質問を流す。
「確かに冒険すればつらいこともあるかもしれません。でも、そんな時はよく見ることです。そうすれば、色々と見えてくる、と」
「色々って?」
「色々ですよ。友や、支えてくれる人。心折れそうな時はそんな人たちを思い出して下さい。そうすれば、その冒険はとても楽しいものになるはずです」
むむむ、と頭を悩ませ、結局は分からなかったのだろう。答えを求めるように老婆を見る。
「今は分からなくても、冒険をすれば自ずと分かりますよ。…さあ、暗くなってきました。帰りましょう?」
少年はまたもや思案顔になり、だが今回は答えを見つけたのか朗らかに言う。
「僕、冒険するよ!世界を旅して、世界中のお宝を沢山見つけるんだ!」
「ええ、それがいいですよ。でも、時々は帰ってきてくださいね?」
「わかった!…じゃあね、お婆ちゃん!」
「さようなら、
ギルと呼ばれたその金髪赤眼の少年は、走ってその場を後にする。それを見届けた老婆、
ゲーム本編部分はテキトーにやりました。暇があれば書きます