OSERO【狐野家長男あべこべWORLD】   作:のり塩ぽてち

1 / 19


 急にオリジナル作品が書きたくなったので




1・母さんは美魔女、俺は籠の鳥

 

 

 人生は摩訶不思議アドベンチャーだ。

 

 

 今日もいつもどおりに高校に行き、夏場の女の子のスケブラを期待しながら鼻歌交じりに通学路の河川敷を歩いていただけなのにどうしてこうなった。

 

 気付けばいつも見慣れた建物はスタイリッシュに、道路や標識が見たこと無いデザインに変わってる。

 それよりもだ、周りにいるのは全員『女、女!女!!!』ってなんだこれ。俺に気付いた周りの子たちは全員が全員ガン見よ、ガン見。・・・どうしよう、なんかざわつき始めた。そのざわつきに一緒に混ぜて?お願いだから仲間にしてください。

 思いが通じたのか一人の女の子が手を伸ばし「あの・・・」って言ってく・・・

 

 

 アカン、女の子がそんな顔したらアカン。

 

 

 なんていうのアレ、捕食者の目ってやつ?

 氷を背中に突っ込まれたような感覚に陥り、頭の中は全力アラート。気付けば全開ダッシュで坂を駆け下り、覚えてる道順通りに自宅へと走る走る走る!

 部活のバスケで鍛えた健脚を発揮し、デザインが大きく変わった玄関のドアにたどり着き、あたふたしながら鍵を突っ込むも『あ・か・な・い!』よねそりゃ。

 

 絶望を感じながら玄関の横にズルズルと座り込む。

 遠くから俺のことを探す声が近付いてくる。俺は『いや、おかしいだろ』とか『なんでこうなった』とかぐるぐると考える。

 

 『うん、詰んだな』と諦めた瞬間にゆっくりと鍵が開き、『あ、やべ』と思ったけど脱力して体が動かない。

 そこから扉が少しづつ開き、こちらを見つめるのは怪訝そうな顔をしながらこちらを見つめる爆乳美女。

 

 

 

 しばし見つめ合うこと数秒、つい「助けてください。」って言った馬鹿がいたんだよ。・・・俺だよ、笑えよ。

 

 でも「あ、よければどうぞ。」って家にあげてくれる美女もどうかと思うんだ。

 

 中に入ると4人の美女と美少女がそれぞれ片手にフライパンとか持ちながらこっちみてポカンとしてんの。なにこれかわいい。

 

 

 

 ぐだぐだのまま客間に通されて俺は一人用ソファに案内され、対面には5人の美女と美少女たちが緊張した面持ちで正座してる。

 なんかいたたまれない気持ちになりながらも間取りだけ同じな『元自宅』を眺める。いや、わかってたさ、ここは違うんだって。・・・あ、なんか涙出てきた。

 

 

「どっ、どうした!?ソファが硬かったか?か、母さん!ソファ買ってきて!」

 

「そうねっ!きーちゃん、ほーちゃん付いてきなさい!」

 

「「まっかせて!」」

 

「いや、ねえちゃんたち。ちょっと落ち着きなってば。ほら美玲おねえちゃん、おにいちゃんポカンとしてんじゃん。」

 

 

 しまった、やらかした。

 いきなり知らない人が家に助けてくださいって言われて、中に通して泣かれたらそりゃわけわからんわ。

 

 

「失礼しました。ちょっと俺も混乱してまして、急に知らないところに飛ばされてわけもわからないまま逃げてきたので。まずは自己紹介を、わたくし『狐野 魅音(この みおん)』と申します。」

 

「・・・ん?狐野?」

 

「はい、こんな突拍子もないことを急に言って頭がおかしいのかと思われても仕方がないのですが。多分、俺は違う世界からきたのかも知れません。ここに来たのは俺が住んでいたところと同じ場所がここだったので、急に女性に追われて河川敷からなりふり構わず逃げてきました。」

 

「ちょっと待って、魅音君でいいかな?学生服らしきものも着てるし、何か学生手帳とか持ってないかな?」

 

「あ、あります。どうぞ。」

 

 

 まだ長髪だった頃の写真が写った生徒手帳を渡してソファに座り直す。ダチに『オンナみてぇ』とか言われてたから嫌なんだよな、あの写真。ん?・・・ってかよく見たら一番若い子、あの頃の俺にちょっと似てるな。自分に美少女って思ってたのか、ちょっと凹む。

 

 あれ?なんか5人でひそひそ話してね?うわーい、またぼっちだーい。

 

 と、少しすると美魔女と言ってもいい、先ほど『母さん』と呼ばれた方がこちらを真剣な目で見つめる。やめて、そんな目で見られたら浄化されちゃう。

 

 

「魅音君、ひとまず自己紹介をするわ。私は『狐野 亜実(この あみ)』とい・・・

「ちょっと待って!それ母さんの名前じゃないか!」

 

「えへへ、母さんって・・・ねぇ聞いた?母さんって。」

 

 

 なんだこれ、名字が『狐野』で『亜実』は母さんの名前だ。けどうちは俺が生まれて間もなく母さんは事故で無くなったって聞いている。俺はこれまで父さんと二人三脚で今まで生きてきた。

 父さんが『写真を見ると悲しくなるから』って言って処分したらしいから俺は母さんのことは一度も見たことはない。確かに美人だったって聞いているけど・・・『えへへ』ってかわいいなぁ!もぅ!

 

 

「じゃ、父さんは!?『狐野 貢(この みつぎ)』はこの世界にもいるのか!?」

 

 

 首を振られる。どうやらここでは精子バンクで子供が生まれるらしく、男性は滅多に生まれないらしい。

 300人に1人生まれればいいほうらしく、たまに雑誌で男性の姿を見るぐらいでそれ以外は生で見ることなんて滅多にないとのこと。

 亜実さんに教えてもらったところ、4女の『狐野 未来(この みく)』ちゃんが生まれるときに男の子が生まれればつけようと思っていた名前らしい。ちなみに住所もここで間違いはないってさ。

 

 

「うわぁ、じゃあなんだ反転した世界にでも飛ばされたっていうのか・・・。父さんは生活能力無いから大丈夫かなぁ・・・。」

 

 

「ひとまず魅音君は住むところもアテもないんだよね?それじゃあウチで暮らさないかしら?」

 

「「「「母さん!?」」」」

 

 

「いや、ほら驚かれてますし。いくら違う世界の母さんだからって・・・。」

 

「「「「「全然大丈夫だよ!!!」」」」」

 

 

 あ、いいんだ。

 

 『戸籍とかどーすんだ?』とか思ってたら、男性は『籠の鳥』と言って出生が秘密にされて育てられるケースも多々あるらしく、バレてしまうと戸籍登録や精子バンクへの提供が求められるが登録自体は問題なく行えるとのこと。

 しかも本人の意志や確認がちゃんととれて健康診断などに問題が無ければそのまま自宅で過ごすことが許され、しかも精子バンクについてはギャランティも発生するんだってさ。oh・・・種馬やん・・・。

 

 でもまぁ、どーしよーもないしな。父さん、お金持ちなんだから家政婦さんでも雇って強く生きてくれ。帰れたら帰るよ。

 

 

「じゃあこれからよろしくおねがいします。」

 

 

 全員がワールドカップで日本が優勝したみたいな雰囲気になっとる!おぉ、爆乳達がバルンバルンしよる・・・oh・・・

 

 






 男の子だもんね、しょうがないよね!

 狐野家の人達は鍵をガチャガチャされたとき『どろぼうっ!?』って感じだったそうです。

 主人公もそうですが、お父さんも案外楽天的で『まぁそのうち帰ってくるだろ』なんて思っています。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。