OSERO【狐野家長男あべこべWORLD】 作:のり塩ぽてち
幼馴染(元男)に翻弄される魅音君。
「おにいちゃん、今日は麗華ちゃんが遊びに来るってさ。今度の雑誌に載せるインタビューにもついて聞きたいって言ってるから答えてもらってもいい?」
「おぉ、いいぞ~。じゃあ今日は麗華さんが好きなパイ系で攻めてみようかね、生地の準備しとかないと。あ、インタビューってもしかして麗華さんから聞かれるの?」
「そうだよ?あんまり知らない人に任せられないから、雑誌の編集の人が質問形式で用意してそのまま麗華ちゃんのとこの雑誌に載せるみたい。」
友達繋がりで麗華さんのとこの雑誌のオファーは受けることにした。
ちなみに麗華さんだけ『さん』づけしてるのはお仕事してるからね。芸能活動でいえば俺より大先輩だし。
お嬢様系スタイルの雑誌の『お茶会コーナー』に載せてくれるらしい。
すでに俺のアレンジお菓子とかがコンビニでコラボで置かれていたり、『魅音の男子すいーつ』とかいうレシピ本とかが発行されてるらしい。
で、お茶会コーナーには紹介されない俺のオススメのお菓子との飲み物の相性とか、そういったものを語ってくださいとのこと。
俺の写真付きになると一瞬で売り切れるらしいからどんだけ活用されてるかはしらんけどな。
一応配信のコメントで『作ってみました、美味しかったです』って言われてるらしいからいいんだろうけど。
「お邪魔しますわ。今日はうちの事務所の子オススメの菓子店のスイーツをお持ちしましたわ。是非みなさんで召し上がってくださいまし。」
「おぉ、ありがとう麗華さん!俺って作るのも好きだけどお店の食べるのも勉強になるからこういうのホントうれしい!!」
「みっ、魅音様、そのお手を繋がれますと・・・。」
「あ、ごめんごめん。つい嬉しくて、今日は麗華さんのためにパイ焼いたからこっちも楽しんでよ。今日のパイはイチジクとパイナップルだ!」
麗華さんはあるラインより内側に入るとぐるぐる目になって赤くなるんやで。
モデルさんやから手袋したり日傘差したり大変そうだ。食事にも気を使ってるらしく、栄養士さんのツテを持ってるからたまにレシピとか麗華さん経由で教えてもらえるんよね。
美容の知識も豊富で、化粧水とか教えてもらったりメイクや美容師さんとかも紹介してもらった。ホンマ麗華さんにはアタマがあがりません。
今日も精一杯おもてなしさせてもらいます。
「その、魅音様。今度のお茶会コーナーについてなんですが、読者アンケートで魅音様のことも聞きたいというお便りがたくさん届いておりまして、答えられるものは答えてもらってもよろしいかしら?」
「全然大丈夫ですよ?麗華さんにはいつもお世話になってますし、ある程度プライベートなことでも協力させていただきます。」
「ママたちにはNGなものは未来が判断してって言われてるからダメなものは未来が教えるね?」
「ありがとうございます。ではまず簡単なものから質問させていただきますので、お茶でもいただきながら答えていただきますわね?」
順調に答えていくけど世の中の女子はそんなこと聞きたいのか!?ってことが結構ある。
誰だよ、『カラダを洗う時はどこから洗いますか?』『右手と左手、どちらが相棒ですか?』とか未来ちゃんばりあが火を噴くぜ。
海外からの質問で『行ってみたい国はどこですか?』とかあったけどこれもNGらしい。なんでもヘタに言うと国賓待遇で招待されかねないらしい。
よどみなく質問していく麗華さんだけど、様々な外国語もスラスラと読んでいるあたりアタマもいいんだな。
めっちゃ美人でアタマいいなんてこの人も完璧超人のうちの1人か。俺の周りはすごい人が多いなぁ。
でもお兄さん気付いちゃいました。なーんか麗華さん今日はくらーいんだよなぁ・・・。
「あの、麗華さんちょっといいかな。なんか今日ちょっと暗くない?何かあったの?」
「え、麗華ちゃん何かあったの?よかったら相談してくれたらおにいちゃん共々お世話になってるから全力で協力するよ?」
「それが・・・お母様がお見合いのお話を持ってまいりまして、お相手の方は関東の大きな財閥の息子さんらしいのですがあまりよい噂を聞く方では無くて・・・。」
「えっ、麗華ちゃんお見合いするの!?」
おっと、とんでもねぇ話聞いてしまった。
今回はスポンサー会社のひとつらしく断れなかったらしい。しかもお相手は財閥のバカ息子。
アイドル食いのゲス野郎らしく、お見合いしてから結婚するまでにお相手の女性は消息不明になるらしい。
証拠が出ていないらしく、しかも明確な理由が無いと女性はお見合いを断ってしまうと社会的地位を失うんだってさ。
こいつはくせぇ、ドブのにおいがぷんぷんしやがるぜ!!!
「よし、じゃあ未来。亜実母さんたち呼んできて!他はお兄ちゃんに任せろ。」
「おにいちゃん・・・。うん、わかった。すぐに呼んでくるね!!!」
「えっ、えっ・・・どうしましたの?あまり大事にしてはお母様に迷惑がかかってしまいますので穏便にしていただきたいのですが・・・。」
「麗華さんはお茶でも飲んで座ってて、すぐに戻ってくるから。」
さーて、みんなに連絡しねえとな。ひとまず麗華ママにも連絡連絡。
あ、麗華ママ、元気ー?あんまりお仕事ばっかりしちゃってると魅音心配しちゃうぞー?
ディナー食べに行きたいって?宿泊施設無しのお酒とか無しならいいよ?盛ったら一生嫌いになるけど。
で、それであの件なんだけどいいかな?とりあえず麗華さんの許可は今から貰うから。
ありがとー、今度麗華ママの好きなもの作ってあげるね、またねー。
「魅音君どうしたのお母さんたちみんな呼び出して。あら弥生ちゃん、ちよちゃん、鏡花ちゃんに麗華ちゃんもいらっしゃい。」
「なんやみおやん。このメンツということはついに腹くくったか?」
「わかってるじゃーん。ひとまずみんな集まってくれてありがとう。突然ごめん。ここにいる人たちに聞いてほしいんだけど、将来的に俺が『結婚してほしい』と思っているメンバーなんだよね。」
「「「「「えええええええぇぇぇぇぇ!!!」」」」」
「うるさっ、待って待って。結婚してほしいとは言ったけどお互いまだ日も浅い。でも過ごしてきた時間は濃厚で、俺も今好きな人達は間違いなくみんなだって言えるんだ。で、俺ってさ、一度うちに入れたものにちょっかいかけられるのすっごいイヤなんだよね。独占欲みたいなもんなんだろうけど。」
「まさか魅音様、ワタクシの先ほどのお話を聞いて?」
「たしかにそれもある。こんな美人でアタマもよくて頼りになる人がどっかのバカ息子とお見合いとかぶっちゃけ嫉妬心がハンパないです。だからじゃないけど、ひとまずみんなには『婚約者』っていう形で18歳になるまで待ってくれないかな?もし俺のことが嫌になったらそのときは解消してもらっても構わないから。」
「魅音さん!!!そんな悲しいこと言わないでください!!!私を婚約者にするなら一生離さない気持ちでいてもらわないと困りますっ!!!」
「鏡花ちゃん・・・。うん、そうだね。みんな俺が幸せにしてやらぁ!!!黙ってついてこいっ!!!」
盛大に上がる歓声の中でもみくちゃにされる俺。
俺はやっとこっちの世界で新しい一歩を踏み出せた気がするよ、父さん。
『大事なもんは体張って守るもんだ』ってよく言ってたよな。
ちょっと多いけどコレが俺の『大事なもん』だ。
「それにしてもみおやん、やっと言いよったな~?こんなにぎょーさんキープするなんてみおやんはクズ野郎やなぁ。あ、ちなみにワイも中に入ってると思ってもええんやな?」
「おう、クズ野郎上等!・・・弥生、頼むから18歳まで待ってくれ。それまでに自分の中で折り合いつけるから。」
ちょっと麗華さん泣かないで!?きーちゃんほーちゃん、それにちよたん、さすがに3人もお腹に乗られると苦しい・・・。
亜実母さん、未来と鏡花ちゃん笑ってないで助けてええぇぇ。あ、美玲姉さん18歳まではそういうことは無しで。
お話はまだまだ続きます。
結構なスピードで一区切りしました。
麗華ちゃんのためだけではなく、配信で人気が出ているために特定の相手を作ることで魅音君の身を守るためでもあり、弥生ちゃんと話し合いしてました。