OSERO【狐野家長男あべこべWORLD】 作:のり塩ぽてち
大きいお姉ちゃんを翻弄していく魅音君。
「おにいちゃん、洗濯物は未来がやっておくね?あと買ってくるものがあったら言ってくれたら買いに行くから教えてね?」
「う、うんわかったわかった。おにいちゃんは大丈夫だから未来はやりたいことやりなさい。」
婚約者発言から我が家の妹様の距離感がバグりました。
どうやら甘やかしたいみたいで、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるうちの大天使。
亜実母さんに聞いたところ、未来ちゃんは俺が来るまで男にこれっぽっちも幻想をいだいていなかったそうです。
で、原因が子供の頃に街を歩いているところに通行の邪魔だと言われて男に突き飛ばされたそうです。そいつ見つけたらただじゃおかねぇ・・・。
そのあとに俺がきて、『おにいちゃん』としては認識していても『男』として認識していなかったらしく。あの発言で目覚めたのでは、とのこと。
お兄ちゃん早まったかもしれない。
今日の朝、ついに妹様が朝起きたら布団に侵入してました。
ついびっくりして悲鳴をあげたら亜実母さん登場して怒られてギャン泣き。
慰めてからは俺の一歩先を行くかのごとくやることなすこと取られます。
「亜実母さん、どないしよ・・・。」
「仕方ないわよ。そのうち落ち着くから好きにさせてあげなさい。」
「おにいちゃーん!今やろうとしてるピザ生地の仕込みはさっき未来がやっといたから冷蔵庫に入ってるよー?」
「まてーい!洗面所からどうやって俺の行動見てるの!?あと俺、今日ピザにするって言った!?」
「・・・魅音君、未来ちゃん何か別のものも目覚めてるわよね。さすがにお母さんでも今のはびっくりしたわ。」
怖い怖い!大天使が堕天しちゃった!!サタンみたいになってる!!!
あの亜実母さんがビビってるって、すごいな未来ちゃん。とりあえず作戦会議しよう。
亜実母さん曰く、あの表情の変化を見るにまだ『おにいちゃん』を引きずってるので『女』として目覚めさせるか、封印させるかどっちかしかないという結論へ。
封印に関しては引き離すのが手っ取り早いけど、同じ部屋で住んでるし無理矢理はかわいそう。
じゃあ『女』を目覚めさすか、となったがそこは恋愛初心者組。
特に具体案が無かったため、やむなく弥生を召喚。
「みおやん、あのみくやんはアカン。何やアレ、怖い・・・怖すぎるやろ!!!」
「そうなんだよ、さっきも弥生がきたときに『弥生ちゃんきたんだよね?迎えに行ってくるね?』って言ってそっち行ったんだよ。アレ、未来に来ることいってないんだぜ?」
「あばばばば・・・。早急に覚醒させないといつかみおやん刺されそうや、全力で協力したるで!!!」
家に来て弥生が俺に近づくたびに目が死んでいく様を見て、さすがに緊急事態と察した弥生と案を出し合ってみることに。
『2人っきりで部屋で映画を楽しむ。ただし未来を膝の上に乗せて』これは以前に近いことをやったことがあるので効果無し。
未来のいい匂いが常にして神経焼ききれるかと思っただけやった。
『抱き合いながらお昼寝』残念、そういえば朝がまさにそれ。
未来が素直にすやすや寝て俺は寝られずに腕枕の腕がしびれただけやった。
「ちくしょおおおおおおぉぉぉぉ!!!なんでやねん!お前ら兄妹は距離が近すぎるやろ!!!なんで甘酸っぱいことほとんどやっとんねん!!!」
「いや、初の妹だと思ったら可愛くてさぁ。あんまり意識してなかったんやけど、意識するようになったら恥ずかしいな。」
「みおたんのどあほおおおぉぉ!!自業自得じゃ!!・・・しゃーない、みくやんこっちにおいで。」
そしてついに未来側が拉致される事態へ。
「こっからは女の話じゃ!!みおやんは報酬にお菓子でも作ってこい!!」って言われたから渋々ボウルをかき混ぜてます。
あいつに女の話が出来るのか?謎だ・・・。
気を取り直して本日は究極にして至高のショートケーキを作りますよー。
季節外れですが夏秋いちごをプロのお姉ちゃんが持ってきてくれたので、量は少なかったので家族分で使うために消費しちゃいますぜ。
亜実母さんに買ってもらった最新オーブンがすっごい便利で助かるわぁ。
そしてクリームはこだわないとね!電動の泡立て器は使いませんよ、丁寧に腕の力使って混ぜますやん。
ふふふ、砂糖とクリームは数多の調合の末に出来た秘伝のレシピなのですよ。
「はぁ、とりあえずみくやんにはいろいろ教えといたから、後はみくやんしだいやろ。ほなワイはお菓子食べたら帰るで。」
「わりいな。ほれ、弥生と言えばケーキだからな。今回は特製ショートケーキだ!!」
「うっわ、マジで!?ワイお店のケーキは相変わらず食べられへんけど、みおやんのケーキだけは大好物なんよな~。スッキリした甘さで、後に残らん感じがええんよな。」
「未来もおにいちゃんの作るケーキが一番好き。おにいちゃんあーんして?」
終始甘ったるそうな顔をしながらケーキを食べ終えた弥生を見送り、未来と俺の部屋へ。
相変わらず朝と雰囲気変わってないけどあいつ何を教えたんだ・・・?
そこから部屋でゴロゴロするも、のどが渇いたと思えば口にストローが差し出され、口が寂しいと思えばキスをされ・・・。
・・・あれ?俺は今何された?
「えへへ、しちゃった。」
そう言いながら目の前で顔を真っ赤に染める妹様。
驚きすぎてお兄ちゃんは逆に冷静になったよ。どないしたん急に?
え?弥生に『そのモヤモヤが恋や、それでもわからんならチューしてみぃ』って言われた?
またあいつか、今回はちょっとブッコロ案件かもしれん・・・。
「弥生ちゃんを怒らないでね?弥生ちゃんにちゃーんと子供の作り方とか教えてもらって、未来はちゃんとおにいちゃんが男の人として好きって自覚したんだけどね?冗談でちゅーしてもいいっていうから、じゃあせっかく言われたししちゃおうと思って・・・てへへ、しちゃった。」
妹様言質取ってたあああぁぁ!?
まさかの淑女協定の抜け穴を使ったグレーなダーティプレイだと!?
『同意を得られればキスまでは可能である』確かに『誰の』とは明言されてませんでしたね!?
かわいいいいいぃぃぃ!!!けど、恐ろしい子っ!?
「未来が自覚してくれたのはよかった。でも悪い子だなぁ、嫌いにはならないけど。じゃあ前みたいにもうちょっと控えてくれな?お兄ちゃん耐えきれないから。」
「わかった、未来もおにいちゃん困らせたくないから我慢する。でもふたりっきりの時は甘えてもいい?」
「仕方ないなぁ、未来は。あ、でも無理にふたりの状況を作ったり夜中に布団に潜り込んでくるのは無しな?」
その一言に一気にしょぼんとするうちの大天使妹様。あ、やっぱり言質取りにきてたな。
仕方ないなぁ、今だけ存分に甘えるが良いぞ。ほれほれ膝枕とかしちゃろう。
多分、こうやって甘やかすからいけないんだろうなと思いつつ、でも妹様の笑顔には勝てないなと思いました。
大天使妹様には勝てない。
やはりかわいいは正義。