OSERO【狐野家長男あべこべWORLD】 作:のり塩ぽてち
おまたせ。
さて、夏も終わり学生組は学校がスタート。亜実母さんも出張中で、現在はこちらの狐野家に来てからのはじめてのおひとりさまです。
朝に家事などはすべて終わらせ、やることも無いのであの時の約束を果たすために連絡してみますかねー。
あ、もしもしー?この前言ってたの今日だったら出来るけどどうかな?え、すぐこれるの?
お昼に好きなもの作ってあげるけど食べたいものアレでいいの?わかった、待ってるねー。
この人の食べたいものすっごい腕のふるいがいが無いけどリクエストには答えてあげよう。
ごはん炊いて、このときのために買っておいたなまり節と高級しらすを混ぜて完成。まさかの『ねこまんま』である。
・・・まじか。仕方ないのでゆっくりしてもらうときに飲んでもらう用にドリンクを作ろう。
アップルジュースに杏仁豆腐、マンゴーをカットしてクコの実、そしてガムシロップとおしゃれにミントの葉を添えてノンアルカクテル。
とりあえず終わったのでこっちのランチはロコモコ丼でも作りますかね。
ん、外が騒がしい?
玄関から外を覗くと、見慣れた道場の門下生のお姉さんたちと麗華さんのツインドリルが2倍になった4連ドリルのボンテージコスチュームを来た高身長の美人がやいやいと罵り合っていた。
「離してくださいまし!!ワタクシはご主人様に呼ばれてこちらに参ったのですわ!!」
「待て待て、お前みたいな変態をみおんきゅんに会わせるわけにはいかん!!せめてその服を着替えて『おもちゃ』を全部捨ててから来い!!」
・・・うわぁ。3人のプロのお姉さんに囲まれてリムジンに押し込まれているド変態がいる。
今日お呼びしたのは以前麗華さんとの婚約の件でお世話になった麗華ママ。
一緒にディナーが食べたいとのことでしたが、会うたびに性的なイタズラを仕掛けてくるので近寄りません。それに麗華ママが望む『ご主人様兼愛人になってくれ』というお願いには答えれず、仕方ないので『好きなもの作ってあげる』という希望だけは叶えてあげようとのことで今回はお呼びしました。
さっきの連絡とともに護衛のため、プロのお姉さんたちにはランチを用意させてもらってます。
で、なんやかんやあってようやくアレやコレやが取り払われた麗華ママがプロのお姉さん3人を引き連れて入室。
さっそくお昼かなー、と思ってたらまた問題が発生しました。
「で、麗華ママ。これに入れればいいの?」
「ええご主人様!!このワタクシの『マイ餌入れ』にそのおいしそうなねこまんまを是非入れてくださいまし!!」
「あの、みおんきゅん。流石にこれは・・・普通に皿で食べろよ。その、この変態を外に捨ててこようか?」
「何を言ってますの!?ご主人様の手で自らお作りになられたお恵みですわよ!?でしたらこれは作法!!ワタクシの様な犬にはこちらでいただくことがご主人様へ対する忠誠と愛の証なのですわ!!!」
このとても困った人はとても残念なドMである。
活動の幅を広げようと雑誌などへのメディアの露出を増やすために麗華さんを頼ったところ、どうしても一度会いたいとのことでお会いしてからずっとこの調子であの手この手で俺をご主人様にしようとしてくる。
もはやこの状態の時は相手をするのも疲れるので死んだ目になりながらごはんをよそってあげる。
え、床においてほしい?これ以上そういうこと言ったら二度と会わないからな?
と、またもや一騒動あったが、ごはんを食べ終えノンアルカクテルを飲みながらのんびりする。
「ご主人様、本日はこの卑しい雌犬めにお慈悲をいただきありがとうございますわ。それで、ワタクシにお話があるのですわよね?」
さすがこの方は大企業の社長さんだけあってこういうところが素直にすごいと思う。
実は現在、インターネットへの配信と雑誌への出演を行っているが、今後メディアへのさらなる拡大を考えていて方針を麗華ママに相談させてもらいたいと思っていたんだ。この世界では何をするにも男性は慎重になりすぎるぐらいでないと問題が起こりやすい。前回の雑誌のときも麗華ママに芸能界などのメディアへの予想する反応を考えてもらい、入念な下準備をしてから発売に至ったという経緯がある。だからすごい優秀な人なのだ、変態だけど。
「実はね、配信で有名になったことだし麗華ママのオススメでテレビ出演とかをかんがえているんだ。」
「もちろんご協力をさせていただくことは問題ございませんが、なぜそこまでご主人様は働こうとされますの?あれだけ配信や雑誌などへの仕事もされて、資産なども十分ではございませんの?」
「資産は十分だけど、その代わりに俺にはまだまだ『自由』が無いんだよね。大量の護衛をつけないと外にも出歩けないし、俺にもやりたいことだっていっぱいある。で、その自由を自ら勝ち取るには『これだけやってるんだからいいでしょ?』って言えるぐらいにはならないといけないと思うんだ。」
「それはご主人様がされることでは無いのでは?ワタクシなどに頼っていただければ不自由はさせることはないと思いますが・・・。」
「それだけはダメ。父さんから『出来ることは自分でやること』って昔から言われてるんだ。だから今のやり方が合っているかはわからないけど、自分でできることは自分の手でやりたいんだ。こうやって麗華ママに頼っちゃったりしてるところあんまり偉そうには言えないけどね。それに男だからってふんぞり返ってるのって俺には出来ないんだ。」
「こんなのは頼って頂いてるうちに入りませんわ!!そうでしたのね・・・よいお父様に育てられましたね。」
そう、俺がこうやって仕事をしたりする現状は本当にいいのかはわからない。でも『男』としてこの世界で仕事をするにはどこも窓口が狭く、やれることはそんなにない。じゃあその『男』を最大限に使って俺はいろんなことに挑戦しようと思っている。
実際に世の中に俺の知名度が上がることにより、家族や護衛と外出したときにアイドルとして遠巻きに騒がれることはあるが、以前みたいに男性だからと無理やり襲われることは少なくなった。『あの人は有名な男の人だから』という意識が強くなり、女性同士で俺が危ない目にあわないように自主的に自制しあってくれるいい環境が出来上がりつつある。
わかりやすく言うと、『偶像崇拝させて神聖化』させることにより『触れてはいけない存在』にする作戦。曰く、『みおやんは新世界の神になるんや~』という弥生プロデュースである。
「わかりましたわ、ご主人様のそのご立派な志にワタクシ全力で協力させていただきますわ!!あぁ、やはりご主人様は素晴らしいですわ!!是非ワタクシをご主人様の愛の奴隷にしてくださいまし!!」
「いや、麗華ママ結婚してたでしょ?さすがに他の男の人の女性を取る気無いし、あと奴隷はいらない。」
「そんなものこの前スパッと別れさせていただきましたわ!!あんなお金だけでぶくぶく心も体も肥え太った男はもはや必要ありません!!ワタクシはご主人様へ全てを捧げさせていただく所存でございますわよ!!」
「えー、マジかよ。じゃあご主人様をやめるのと変態発言をやめてくれたら考えてあげる。」
こらこら、ドMとしては・・・とか本気で悩まない悩まない。
いや、別に麗華ママめっちゃ綺麗だし全然そういう関係になってもええんやけどね?ただ残念なことに俺はまだノーマルでいたいのですよ。
うわっ、アタマ抱え始めた。え、たまに座ってくれれば我慢する?うーん・・・。
みなさんはドMですか?それともドSですか?