OSERO【狐野家長男あべこべWORLD】 作:のり塩ぽてち
なお、魅音君は無事提出が出来た模様。
あー、この前はひどい目にあった。うなされながら『ごめんよぉ、ごめんよぉ』と言われたら許すしか無いやん。
ただ、回復してから人の下を見て『大丈夫だったのか?間に合ったのか?』って家族の前で言うのはやめなさい。亜実母さんが真っ赤になりながらげんこつかましてすげぇ音してたわ。
で、今日は我が家の大天使、未来がジュニアクラスに参加して稽古を受けているのを見学しに行ってまいります。
実は亜実母さん以外が稽古してるのって見たこと無いんだよね。みんなめっちゃ強いらしいんだけど、こっちの女性は体型に出ないみたいだからイマイチわからん。
狐野家の女性によれば『相手のオーラを見ればわかる』とのこと。どこの修羅の国の人ですか?
「あ、お兄さんじゃないですか。今日も稽古見ていかれるんです?お兄さんはちよがちゃんと守るですからお任せですよ。」
「今日もよろしくねー、ちよちゃんは頼りになるなぁ。」
このデレッデレの顔で照れながらアタマをかく美少女は『一水 千代子(いちみず ちよこ)』ちゃん、高校3年生で150cmの小柄で小動物系女子である。
俺がこの道場に通うようになってから『魅音杯』というものが狐野道場で開かれたそうな。
大会はデスマッチ方式、プロ部門とジュニアクラス部門で開かれ、各部門の優勝者1名はそれぞれ俺に対する会話権を得るらしい。
そして敗者は俺から話しかけないと緊急時やお礼以外は話しかけられない。ただし幼女は除く。
俺がいないときに試合が開かれたそうなので、内容は詳しくは知らないがプロ部門では畳が半数以上張替えになったと聞けばその壮絶さがおわかりいただけるだろうか?
ちなみに彼女は俺の作ったパウンドケーキが大好物らしい。味を変えてローテで作ってるしね、ほら今日はラムレーズンとココアだよ?
「いんやー、お兄さんが作るパウンドケーキはほんとに美味しいですねぇ!いいお婿さんになれるですよ!ちよが保証するですよ!」
「ありがとね、ちよちゃん。でも顔に『結婚してください』って出すぎだからまずはお友達からで。」
「おにいちゃんに近づく悪い虫はこいつ?ホントありえないから、◯んで?」
妹様あああぁぁぁーーー!!!堕天しちゃいけませんよっ!?
ちよちゃん泡ふいてるから!ほらほら、パウンドケーキ持ってきたから、コレでも食べて落ち着きなさい。
あっぶね、ちよちゃん大丈夫か?あ、戻ってきた。
それにしても妹様の速さが全然見えんかったぞ、狐野家の女性は化物かっ!?・・・まぁかわいければなんでもええんですけどね。
あ、妹様。組手なんですね、いってらっしゃーい。
「ちよちゃんちよちゃん、実際うちの人ってどんぐらい強いの?一緒に暮らしてるけど『そのへんの子には負けないわよ~?』って言われても全然イメージわかなくてさ。」
「あいたたたた。狐野家の方々ですか?そうですねぇ、未来ちゃんはぶっちゃけプロ部門でも通用すると思うですよ。きーちゃんとほーちゃんはプロ部門上位で、タッグを組めばプロ部門全員でも歯がたたないんじゃないですかね?美玲さんはそれを1人でこなします。亜実師範に関しては別次元過ぎて想像がつきません。あの人、噂ですが特殊部隊の各国合同訓練が毎年各開催国で開かれるらしいんですけど、いまだに誰にも負けてないらしいですからねー。」
ひぇっ、なんやそれ。それってどこのビッグマンマだよ。
あ、もしかしてあのゲームのシンボルの動物ってまさかウチの家名・・・いや、考えるのはよそう。
あ、妹様の組手始まった。1対10ってすごいな。おぉ、さばくさばくさばく!!!
はっや、肩から先がぶれてぜっんぜん見えへん。それに合わせてアレが弾む弾む、こうしてジュニアクラスの他の高校生組にまぎれてすごくわかる圧倒的質量差!!!
もう強いのがすごいのかアレがすごいのか、どっちを見たらええんかわからんくなってきたで!
「いやー、すごいですねぇ。なんですかアレ、ほんとに高校生ですか?」
「そうだな、ウチの未来はすっごいなぁ。」
「ですよね、あの・・・「「胸!!!」」
「おにいちゃん!!!ちよ先輩!!!」
おっとつい煩悩が溢れ出てしまった。
それにしてもちよちゃん・・・わかってるやん。こっちみてニヤリとしてくんな、あんたも十分かわいいから。
妹様も真っ赤な顔で睨んできてるけどアレやで、かわいいだけやで?
「でもやっぱり男の人は大きいほうがいいのですかね?ちよは胸も身長もちっちゃいんで、女の自信無くしちゃいますですよ。」
「何言ってんだ、ちよちゃん。たしかに好みはあると思うけど、ちよちゃんは十分かわいいと俺は思うぞ?」
「なっ!!」って言ってから真っ赤になってうつむくちよちゃん。あ、しまった。多分俺はやらかしたな。
こういう世界だから気をつけないといけないけど、こんな可愛い子が落ち込んでたら慰めるやろぉ!?
幸い近辺の子たちには聞かれてなかった模様。若干一部から瘴気が出てる気もせんこともないけど大丈夫だ。
「お、お兄さんは他の人にはそんなこと今後言っちゃダメなのですよ!?いいですか?絶対ですからね!?」
「ほーい、気をつけまーす。」
「あ、これ聞いてないやつですよ。この『天ビ』、絶対またやらかすのですよ。」
「こらこら、人のこと『天ビ』とか言わなーい!何度も言うけど天然ビッチ要素なんてどこにもないからね!?」
でも、ちよちゃんってぶっちゃけ『イイ』よね!
他の女の子や狐野家の女性たちよりガツガツしてこないし、なんか『気安い友達』ポジションを確立してくれてるからすんごい話やすいんよ。
下の子たちの面倒見もいいし、意外と彼女って結構慕われてるんだよね。まぁ、こんな感じの子だからみんな俺と仲良さそうにしてても結構自然と受け入れられてるんだろうね。
ぶっちゃけ結婚するならこんな子がラクなんだろうなぁ・・・。
ん?あ、やっちまったか?
「お兄さん、考えてることが全部口から漏れてたのです。」
「スマソ。いや、だってさぁ、男性はいずれは結婚しなきゃだろぉ?そう言われ続けるとイヤでも意識しちゃうというじゃん?でも俺も体は一つだからな、相手はそこまで増やせないし、じゃあ今のうちに良さそうな人探しとかないといけないわけなのですよ。」
「じゃ・・・じゃあ、ちよは候補に入ってると思ってもよろしいので?」
「まだ期待させることは言えないにゃー。ひとまず『仲のいいお友達ポジション』はトップでついたと思っていてくれればいいよ。だから今後も俺の好感度上げをお願いします。」
「ほ、ほぉー、わかったのですよ。ちよは必ずその座を1つ手に入れてみせるのですよ!覚悟をしているといいのですよ、み、みおたん!!」
あ、名前で呼ぼうとして日和った。
「ちよたん、かーわーうぃーいー」って言ったら「うるさいのですよ!」って言いながら逃げてった。
ホントあの子、付き合いやすいわ。他の子達もこれぐらいライトな感じだと喋りやすいんやけどなぁ。
どーしてもこっちの世界で生きていくってなったら結婚は避けて通られへん問題やしな。18歳までに婚約者が最低3人は必要らしいし。それまではそういう交渉はせんでもええからじっくり考えていかなあかんなぁ。
「ねぇ、おにいちゃん。さっきちよ先輩のことかわいいとか言ってなかった?」
「ん、大丈夫や。未来は天使やからな、かわいい通り越しとるから安心し。」
おーい、妹様よ。お兄様はめっちゃ適当に答えたけど、こんなんでデレッデレしとったらコロッと騙されるぞー。
まったく、組手のときはつよつよやのに、俺のことになるとよわよわやな。ま、そんなところも含めて天使なんやけどな!!
ちよたんまじちよたん。
やっと魅音君に慣れてきた人も出始めました。
実はこのちよちゃんも油断して無ければ未来ちゃんに勝てるぐらいの実力者です。
カラテの技を使うとかなんとか、サツバツ!