OSERO【狐野家長男あべこべWORLD】 作:のり塩ぽてち
狐野家の食卓・魅音君『待たせたな』狐野家『うますぎる!』
「魅音君、そこは・・・そこはダメよ。あ、待って、ダメッ・・・ダメだってば・・・あああああぁぁぁ!!」
「わ、私はそこが弱いんだ。み、魅音頼む!ゆ、ゆるしあああああああぁぁぁ!!」
あなたの背中に這い寄る快感、どうも魅音です。
ただいまいつもお世話になっております亜実母さんと美玲姉さんへと指圧をさせていただいております。
前の世界での特技でして、あいつを犠牲にして父さんの背中で大いに活躍させていただいた経験を活かし、ゴッドハンド魅音として健全に押させていただいておりますよ?『指圧のこころは、母心~♪』と口ずさみながら押してますが、なんだよコレ!かったい!!
おふたりさん、肩凝り過ぎじゃね?やっぱあれかね、アレのせいで肩凝るんかね?
ちょっときーちゃんとほーちゃんこっち来てみ?
「みっ、魅音君。肩ならほほほ、ほーちゃんが凝ってるよ!ほーちゃんにやってあげなよ!!」
「きーちゃんもウチと変わんないじゃん。ほらお先にどうぞ。」
「ぎぃやああああああぁぁぁ!!!」
「あ、魅音君。うん、ウチは遠慮しようかな?ほら、みんなやって疲れてるだろ?ちょっと休んだほうが・・・。あ、待って待っ、ぎっぎぃいいいいいいぃぃぃ!!!」
悲報『狐野家、慢性の肩こり持ち』
こりゃひでぇ、運動してても肩こりひどい人はひどいんやね。
え?妹様には優しくするに決まってるじゃないですか、やだー。
なんだよみんな、こっちは善意でやってあげてるんだぞ。
未来と未来のお友達にあげるお菓子を勝手に食べちゃったのなんか気にしてないんだからねっ!!ねー、未来?
サッと目をそらしちゃってまぁ・・・。ホント大人ってきたないわー、やだー。
え?未来、もういいの?さすがにおにいちゃんにそんな目で見られてイジられたら耐えられないし可愛そうだからそろそろやめてあげて?
ホント聞いた、今の?さすが大天使妹様やでぇ・・・。
「あっ、おにいちゃんそろそろ友達が来るみたい。」
「そうか、俺も同い年だから仲良く出来るといいな。アレだろ?未来が前に言ってた変な転校生も今日は一緒に来るんだろ?」
「うん、なんかおにいちゃんのこと知ってるみたいだったし。他の子達はおとなしい子ばっかりだから初対面のおにいちゃんでも大丈夫だと思うよ?」
はぁ~、癒やされますぅ~。やっぱりうちの妹は完璧、知ってた。
今日は同世代の友達を作りたいという兄の希望を叶えるべく、妹様が奮起してくれたのだよ!
うちの道場に来てる子たちは体育会系女子が多いから、ちょっとノリについていけないんよね。なんていうの、飢えた獣?
そこで妹様に協力してもらい、同世代の友達を増やそうという今回の企画、実に楽しみです。
あ、来たみたい。じゃあ俺は急遽作ったお菓子を出して、お茶会セットでもご用意させていただきますかね。
本日のデザートはドーナツでございます。チョコ、抹茶やシナモンなど、急ぎで作った割にはトッピングの種類は豊富。
さっき本気で作ったケーキ各種は狐野家のお姉さま方の胃袋に消えてなくなりましたよ、ちくしょう。
「おじゃましまーす、わぁ!お菓子を用意してくださっ・・・
「うわあああああぁぁぁん、みおやーーーーーん!!!」
「わっぷ、え、え?君誰?」
お嬢様みたいな女の子の影からすっ飛んできたのは、金髪美少女。狐野家のリビングが一瞬で氷つく中、俺の胸の中で泣きわめく彼女。
え、誰この人?ほんとにこの子、見たこと無いんやけど?こっちの世界はピンクやエメラルドグリーンなど髪がド派手な子が多く、金髪なんて珍しくもないが、俺の知ってる中で金髪の子は1人もいなかったはず。
おぉ、この子は着痩せするタイプやね。
おっと、俺は君のこと知らないよ?ひとまず落ち着いてこの紅茶でも飲みなさい。
「何言ってんねん!親友やと思ってたのにワイのこと忘れたっちゅうんか!?こっちは変なとこ飛ばされて、身寄りもないから国に保護されて大変やったんやぞ!女版みおやんやと思って話しかけたら未来ちゃんやし!しかも何やコレ!?ワイ、超絶可愛なっとんねんぞ!」
「ちょっと待て、飛ばされただと?その喋り方は・・・もしかして弥生か!?」
「せや!みおやんの大親友こと『鷹西 弥生(たかにし やよい)』とはワイのことや!今後もよろしゅうな、みおやん!」
「えっ、ええええええぇぇぇぇ!?」
驚愕の新事実、親友がTSしてたでござるよ。
ひとまずお客様方をリビングにお通しし、なんか可愛くなっちゃった親友と情報交換。
なんでも俺が飛ばされる一週間前にこっちに飛ばされてたらしく、その後は国のサポートを受けて一人暮らしをしていたそうな。
元々あちらの世界でも交通事故で両親を無くしており、一人暮らしにはさほど問題は無かったらしい。
小学校と中学までは同じ学校だったが、高校へは俺が進学校で弥生が普通校へ通っていたのでいなくなったのは気付かなかった。たしかに2,3日に一回はうちにご飯食べに来てたから最近来ないなとは思ってたけど、これまでにもあったことなので仕方ない。
んで、学力試験を受けて高校に通わせてもらえることになり、未来がいるクラスへ編入。そこで見つけた俺に似た未来を見つけ、勘違いして飛びついたらしい。
『知らない子に突然泣いて飛びかかられた』と聞いた時にキマシタワーとか思っててスイマセン。
「いやー、未来ちゃんからみおやんの名前が出てきた時は嬉しかったで~。それにしてもアレやな、みおやんにとってはハーレムやんけ。うらやましいの~?」
「ほほぅ、気軽に外にも出歩けず、常にハンターたちに狙われる草食動物の気分を味わうこの状況。これがキサマにはうらやましいと?」
「あばばばば、じょ、冗談やってば。でもええ家族でよかったやん、おっちゃんもええ人やったけどやっぱり血筋かにゃあ?」
「そうだろう!うちの自慢の家族だからな!まっ、父さんには悪いがあの人はモテるから大丈夫だろ。」
父さんはアホみたいにモテるからな。俺を育てるために母さんとの思い出も断ち切って女性との交際も断り続けてたみたいだけど、この機会に是非新しい自分の幸せを見つけてもらいたい。ご飯だけが心配だけどなぁ・・・。
でも親友がいてくれて安心したわ。
こっちに来てからは女性に対しては言動に気をつけないとすぐに過剰な反応されるんよね。やっと気軽に話が出来るやつが出来た。
「あの、魅音君?そちらの弥生さんは向こうの世界で親友だったのよね?」
「そうだよ亜実母さん、未来もこいつは変な言動多くてバカ丸出しだけど根っこは・・・いや、根っこだけはいいやつだから仲良くしてやってくれ。」
「みおやん、根っこだけってどういうこと!?相変わらずワイに対して厳しすぎへん!?」
「そ、そう・・・。それで、聞きたいんだけど、彼女は元『男』でいいのよね?」
「そうだけど?」って答えたら一斉に女性陣が円陣を組み始めた。
って、ちょっとまてーい。「あんなに仲良さそうにベタベタと、BL!?BLなの!?」って聞こえてるから!!!
あとお前、こっちにしなだれかかってくんじゃねぇ!なにが「みおやんのい・け・ず」じゃ!
中身知ってるだけあって見ろ!このサブイボの量を!!!
「はぁ、みんな・・・こいつは愉快犯だから真面目に相手にしてると疲れるから程々にな?あと亜実母さん、こいつ前の世界でうちでちょくちょくご飯食べさせてやってたんだけど、こっちでも来てもらってもいいか?」
「あ、あらごめんなさい。もちろんいいわよ、弥生ちゃん、君、どっちかしら?遠慮しないでいつでも来ていいからね?」
「おっ、ホンマですか!?ほなありがたくこさせていただきます。みおやんにはまたこっちで見つけたおもろい漫画とかぎょーさん持ってきたるさかいに楽しみにしとってや!」
「おう、じゃあみんな、時間とっちゃってごめんね?ドーナツとか好きに食べていいから今日はゆっくりしていってね?」
とんだハプニングがあったけど、俺のために来てくれたんだしちゃんとおもてなしせなな。
おや、弥生がうちの家族に囲まれとる。あいつ、いらんこと喋ったら許さんからな・・・。
書き終わってから気付いたんです。
弥生、やよい、やおい・・・おっと誰か来たみたいだ。
親友がTSしてきたら美少女なら許す。
これには賛否両論ありそうですがそっとしといてください。