にわかファンがファフナーの世界に転生したら   作:桜大河

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今月分。


7話

ボート内で色々なことがあったものの無事に海神島へと俺たちは到着した。総士や美羽ちゃんは海神島に定着したアショーカもとい……ルヴィ・カーマという少女に会いに行った。

因みに俺はというと。

 

「やっぱりここに来たのね」

 

「……容子さん」

 

デスティニーの代わりを観に来たら、羽佐間姉妹の母さんである容子さんが待っていた。

 

「昔の貴方なら来ると思って、準備していたわ」

 

容子さんがパネルを操作し俺の前に一機のファフナーが運ばれてきた。

 

「この機体が……」

 

「そう。貴方の新しい機体よ」

 

機体色は俺のイメージカラーである紺色。何処と無くドライツェンやザインを彷彿とさせるスリムな形状。実物は初めて観るのに妙に親近感が沸く。コアがデスティニーのものだからだろうか。

 

「これは僕も一緒に組み立てたんだよ」

 

「……衛、なのか?」

 

「覚えてるってことはやっぱり信なんだね」

 

「……まあ、な。それにしても保さんが良く認めてくれたな」

 

てっきり、漫画を書かせていると思っていた。

 

「剣児たちも頑張ってるからね。僕もやれることはやらなきゃ」

 

「……そうか」

 

「けど、本当に子供の頃の信に似てるよね」

 

「精神は大分大人だけどな」

 

「そうかな、今も昔もそんなに変わらない気がするけど」

 

「そうなのか?」

 

「何を考えてるのか、全く解らないし」

 

「うるせえ」

 

「けど、やっぱり信は凄いって改めて解ったよ」

 

「ほぅ」

 

褒められるのは嬉しいことだ。

 

「組み立てて改めて思ったことだけど、信が作ったデスティニーって本当に凄いんだね」

 

そう、そうなんだよ。

 

「知っていると思うけどこの機体は性能面で貴方のデスティニーに大分劣ってしまうわ」

 

容子さんが苦笑いしてそう言った。

島に着くまでにこの機体の資料に目を通して解っていたが、コイツはマレスペロとの戦いに勝利出来る程の器ではない。現段階での最新技術が搭載されているのにも係わらず機体性能は御門たちのエインヘリアル・モデルに毛が生えた程度。

つまり、味方であるザインやニヒトにすら勝てないということだ。

というか、そもそもコイツのコンセプトがまず俺たちは解っていない。ザインやニヒトのように沢山味方を生かすか敵を滅ぼす機体だったり、エインへリアル・モデルようなパイロットを酷使しまくる機体なのかすら解らないのだ。

一応、機動力重視をしていることから、接近戦は得意だと思うがそれ以外は不明だ。

その癖、エスペラントまたはエレメントをパイロットとして要求している、辺り何かシステムに意図があるのは判る。

 

「とりあえず乗ってみて良いですか」

 

兎も角、機体とクロッシングしてコイツの正確な情報を仕入れない限りは進展はしない。

 

「それは別に構わないけれど……その前に少しいいかしら」

 

「はい?」

 

「ねぇ、信くん貴方はいつまで戦い続けるつもりなの?」

 

「それは……」

 

一騎たちが居ないから考えることが出来るが、

正直な話……戦うことには疲れた。偽竜宮島に居た時も情報収集とはいえ、一応は親身にしてくれているレガートたちを騙してるみたいで嫌だったし、一騎たちみたいに奪われないために戦い続けるという覚悟は有るものの、何せ戦いの経験が多すぎて戦い自体に嫌気が指している。

父さん辺りにやりたくないと言えば降りることは出来るだろう。だが、現実そう言うわけにはいかない。

御門たちに聴いたことだが、御門世代以降のパイロットがおらず、現在ファフナーに空席がある。理由としてファフナーとの適性もあるが、単純に精神が成熟していないのも有るらしい。昔なら島を守るために何とか戦ってくれと頼むことが出来たが、今のエインへリアル・モデルや成長したマレスペロたちに立ち向かうことは自殺行為だ。だから、最年長の俺が戦わなければ行けない。

 

「カノンと再び会うまでです」

 

竜宮島で今もカノンや広登たちが待っている。

それに島に辿り着けばアルタイルが何とかしてくれるはずだ。楽観的すぎるが、目安としてそれまで我慢すればいい。

 

「……そう、わかったわ。あまり無理はしないでね」

 

「それじゃ、スーツはこっちにあるから」

 

スーツに着替え、コクピットへと乗り込む。

そして、ニーベルング・システムに指を嵌め込みファフナーとの一体化を図る。

 

「ぐっ……」

 

久しぶりでちょっと痛いが次第に薄れていく。

一体化したことにより外の景色がクリアに見える。

 

「容子さん、そっちの方での数値は問題ないですか?」

 

「ええ、正常よ。今のところ問題ないわ」

 

乗ってみた感じ特に違和感はない。SDPも無事発動した。

 

「このまま、島を周りたいんですけどいいですか?」

 

「少し待ってて頂戴、確認するから」

 

「分かりました」

 

多分、許可を得るのに時間は掛からないだろう。

後はちょっと体を動かして、御門たちと模擬戦して今日は終わりだ。

 

『虚無の器が目覚ました』

 

「お前は……」

 

『初めましてですね、真壁信』

 

脳に直接響く。聴いたことがある声、けれどその存在はもういないはずだ。

 

「もしかしてルヴィ・カーマか?」

 

『はい』

 

声が似ているならエメリーちゃんの姿を模してるのか。

 

「ニヒトが目覚めたのか?」

 

『……判るんですか』

 

「俺ならそうするからな」

 

会いに行った時点でもしかしたらと思ったが、SDP『未来予知』で確信した。

ニヒトを目覚めさせて、昔の総士と繋がらなければ島には辿り着けない。

 

『なら、話が早いです。彼を導いて下さい』

 

「導くなんて大それたことは出来ないけど、話はしてみますよ」

 

『頼みましたよ』

 

ここで総士との蟠りを無くす。

俺は許可を待たずSDP『消失』を発動させ、総士が居る場所へ向かった。

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