にわかファンがファフナーの世界に転生したら   作:桜大河

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大分遅くなってしまった。5月ぶん。そして、短い。
もしかしたら、6月は出来ないかもしれません。


8話

大人たちに言われるがまま僕はファフナーへ乗り込んだ。

 

「これに入れればいいのか」

 

……ファフナー・マークニヒトと繋がりそして、過去の僕の声を聴いた。

 

「この機体は僕のものだ……」

 

ニヒトを理解すると共にニヒトから僕の心に何かが流れ込む。

それが何かは最初理解出来なかった。だけど、最近抱いた思いに似ており、共感することによって、僕は理解した。

それはニヒトによって居なくなった者たちの悲痛な叫び、怒りや悲しみの負の感情。

取り込んだ思いに流され空へと駆け、上から島を見渡した。

……何故この島は平和なんだ?

僕の住んでいた竜宮島はこの島の……エスペラント軍に侵略され滅ぼされた。

理由は解らない。だけど、僕が今抱いてる……憎悪を抱いていたからそうしたのだろう。許さない。

 

「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ、消えろ!!」

 

黒い球体を生成し地上へ打ち放つ。

だが、見えない壁により消すことは出来なかった。クソッ!

 

「おいおい穏やかじゃないな」

 

「その声は……」

 

「よっ、総士」

 

振り返ると一機のファフナーが存在していた。観たことのない機体。だけど、パイロットは誰なのかは判る。

 

「シィぃン!!」

 

一気に近づきそして吹き飛ばす。

真壁信……僕の親友にしてエスペラント軍へ寝返った裏切り者。

 

「うぁぁぁぁぁ!」

 

感情に身を委ね、思い切り顔を殴った。信のファフナーの顔がへこむ。

 

「思い知れ僕の怒りを!」

 

家族を奪われた思いを、友に裏切られた思いを。

今度は腕を引き千切る。

 

「どうだ、痛いか!」

 

「…………」

 

痛いだろ?苦しいだろ?けれど、僕が受けた痛みはこんなもんじゃない

今度は脚をもいだ。

 

「君を殺したらその後はこの島を壊してやる」

 

「…………」

 

四肢を破壊し、胴体だけが残る。

地面へ叩きつけ達磨状態の胴体を僕は殴り続けた。

 

「おい、もうすぐ死ぬんだぞ?何か言ったらどうなんだ」

 

「…………」

 

信からは何も反応が返ってこない。生きていることは判るのに。それよりも。

 

「どうして、何もしない……」

 

何故、僕に抵抗すらしない。

 

「……気は晴れたか」

 

「なに?」

 

「……落ち着いたか、と聴いたんだ」

 

はぁ?

 

「ふざけるな。何もかもお前のせいで!」

 

「まあ、俺の力不足でフロロを守れなかったな。否定はしない。だけど、総士。お前も理解しているはずだ。これはお前が望んだことで起きた結果だ」

 

「何を言って……」

 

「島の外を観てみたい」

 

「っ!」

 

言ったこと、願ったことは事実だ。たとえ信がいなくても。けど。

 

「だからってこんなの想像できないだろ!」

 

「だけど起きただろ、現実として」

 

そう、過程はどうあれ結果だけを観るなら僕がエスペラント軍を呼んだことによって島が滅んだことになる。僕は……

 

「それに、な。こんなことをしても何も解決しない。いなくなった者は戻ってこないんだ……」

 

「うるさい、黙れ!そんなこと、そんなこと……判ってるさ。でもこの行き場のない怒りをどうすればいいんだ!」

 

本当は知っていた。けれど、認めたくなかった。僕の安易な行動でもたらされた現実を。

平和な島の外で戦争が行われていることを知っていたはずなのに。僕自身が許せず、理由をつけて、ただこの島に八つ当たりをしていただけにすぎない。

 

「いなくなった者たちの思いを背負え。それが生き残った者の責任だ」

 

「そんなのムリだよ……」

 

「出来るさ、少なくとも俺たちはそうしている」

 

僕の前へ信が現れた。信の後ろにはたくさんの知らない人がおり、その中には。

 

「乙姫……」

 

僕の妹。そして、島の皆もいる。

誰も彼もいなくなった者たちだと理解した。

 

「……乙姫たちは何を望んでいたんだ?」

 

「平和さ」

 

それは僕が彼らから奪ったものであり、気づかなければ再びそれを奪おうとしていた。平和と口にすることは簡単だ。が、争いの続く今の世界でそれを維持することはとても難しくそして脆い。

 

「……それをいない彼らに返すことも渡すことも出来ない、けど……」

 

逃げることは出来ない。乙姫たちが望むなら、僕には行う義務と責任がある。

 

「生きてる者たちにはそれを与えることは出来るかもしれない。だけど、実現するには…今の世界では出来ないし、僕自身も情勢すらわかってない」

 

「そうだな」

 

「だから、その……信。僕に力を貸してくれないか?」

 

遠く険しい道のりだ。僕一人では到底たどり着けない。

だからこそこんなことをしておいて烏滸がましいかもしれないが、親友に許しを貰うことから僕の新しい目標への一歩は始まった。

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