今までもですが、キンクリ展開。どうしてこうなった?という展開があります、ご注意を。
いつか書きたいですが取り敢えず、カノン×オリ主でカップリングということで。
最初は憎むべき人類の一人だったが、蒼穹作戦での戦いを通じて、彼を彼以上に理解することによって……マレスペロにとって、真壁信は特別な存在となった。
本人は知識で存在を導くように仕向けると言っていたが、彼の存在はーー希望そのもの。
あくまでマレスペロは人類側にとっての絶望の象徴であり、フェストゥム側では希望の象徴に過ぎない。
象徴とはただの指針であり不意に何かの切っ掛け一つでマレスペロがいなくなれば、何もかもが瓦解しベノンは終焉を迎える可能性がある。マレスペロは不確かな存在だ。
けれど、真壁信は善悪をも超えた全ての存在への希望だ。
彼がいなくなっても、残った者たちが意志を持ち続ける限り、終わりのない旅路を歩み続けられる不変な存在だ。
だからこそ、自分と同等の存在である彼を仲間に引き込みたかった。
皆城総士も確かにアルタイルに繋がるための必要な存在だが、いずれそこにたどり着けるならと考えてしまえば、マリス程の興味は持てなかった。彼が島で生きる姿をみて、早く戦いと願った。
だから、マリスから話を聴いたときは凄く高揚した。自分と同じことを彼は望んでいる、と。
「島の方向から何か出たけど、撃ち落とす?」
「いや、アレは僕の獲物だ……」
待っていたよ、この時を。
「マリス、ケイオス手出しは無用だよ」
君の物で君を絶望の淵に落とせば、どんな表情をしてくれるか。今から楽しみだよ。
「さあ、始めようか」
君と僕だけの戦争を。
***
来て貰うのには自信はあったが、戦ってみてわかった。今のままでは勝てない。
「どうしたの?その程度の実力なの?もっと本気だしてよ?」
「くそっ」
俺の攻撃を簡単に受け止めやがる。
機体性能に加え、デスティニーの特性を受け入れられる体。
戦闘経験の差によって今は互角だが、直に対処されるのが目に見えてる。
「どうしてなんだよ、畜生!」
シュミレーションからの確率的には僅かにあったんだ。ここでマレスペロを倒せば俺にとっての懸念材料はなくなり、後は総士と美羽ちゃんたちが何とかしてくれる。それが俺だけが望んだ未来。
けれど実際、やってみてそれが叶わないと解らされた。
「マレスペロ、諦めてくれないか?」
「え?無理に決まってるじゃん」
俺が戦いを諦めるという選択肢は元よりないが、勝てないのも事実。
負けてしまえば、総士、美羽ちゃん、溝口さん、遠見辺りで暴走したアルタイルを何とかしなければいけない。挙げられていない名の人たちはもういないし、遠くない未来でそうなることが分かってしまっている。
なら、どうすればいいのか?
……本当は最初から分かっていた。
けど、怖いんだ。別の何かになるのが。
ファフナーなんて所詮は戦う為の器だ。戦いが終われば今まで通り人として暮らすことが出来る。けれど、今回はそんな訳にはいかない。
存在自体が変わる。
エレメントのようなフェストゥムに近く遠い存在になるような生温いものじゃない。
それすら超越した存在になることをこのファフナーを通じて判ってしまっている。
エレメントは総士、甲洋たち先駆者が居たから受け入れられた。
だけど、今回は誰もいない。俺が最初に到達したから。同類がいないのは怖い。仲間がいないのは怖い。後には戻れないのが怖い。
今が最後の機会。立ち止まれば大切なものを喪うけど、人の姿でいなくなることが出来る。
俺は人として頑張った、それでいいじゃないか?
父さんや一騎、総士もきっと赦してくれるさ。
『ずっと、お前の還りを待つよ……信』
……ああ、カノン。お前は赦してくれないよな。絶対。
竜宮島で俺のことを待つ彼女と約束した。
何をしてでも俺はたどり着くことをその時、誓った。
彼女がいたから、痛くても辛くても踠き続けて進むことが出来た。
俺は彼女が信じた俺を裏切りたくない。
だから、だからこそ。俺は立ち止まらず前へと進まなくちゃいけない。
例え何者になってでも、自分を犠牲にしてでも。
「俺はーー」
望む未来を手に入れる。ただ、それだけだ。