にわかファンがファフナーの世界に転生したら   作:桜大河

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先月分

r3 1/28編集しました。


二話

皆城総士が怪我をして左目を失明させてしまった。

……原作の詳しい時期は判らないが無事に原作通りに事が進んでくれて何よりだ。

しかし、実際にその姿を視てみると痛々しくて堪えるものがあるが。

だが、総士の怪我は主人公である一騎と総士、二人にとって重要なイベントであるため、止めることは出来なかった。イレギュラーな存在且つ、自分ファーストな俺では止めようがないけど。

イベントは終了した。あとは一騎がファフナーに乗るまで二人の関係は進展せず距離を置くことになる訳だ。俺は関与していないので関係ない。

そう思っていたが、どういう訳か今俺の部屋の前に加害者である一騎が居た。

 

「何の用だ一騎」

 

「べつに何も……」

 

用がないなら来ないだろ普通。俺基準では一騎とはあんまり仲良くしてるわけじゃない。むしろめんどくさくて距離を置いてる方だ。好かれる要素はないんだけどな、仕方ない。

 

「……まあ上がれ」

 

「お邪魔、します」

 

部屋に上げたものの、正直俺がすることは何もない。関与することによって一騎の成長を妨げる可能性だってある。

邪魔だと言って突き放すべきだったが、あんな捨てられた仔犬のような顔されてはなぁ。さて、どうしようか?

 

『……………』

 

一騎の目的は判ってるので椅子に座り、聞く姿勢を取るが当の本人は正座したまま沈黙。

……なあ、何か喋ってくれよ。

俺を捌け口にするつもりで来たんじゃないのか?

時間は有限なんだ。……ああ、面倒だ。

 

「皆城が怪我したんだってな」

 

「っ!?」

 

手っ取り早く本題を切り出した。

 

「本人は自傷したって言ってるが俺の推測だと、あれは誰かにやられた傷だ」

 

「誰かって……?」

 

「それは解らない。それよりも一騎。お前皆城と仲良いんだろ?何か本人から聴いてないのか?」

 

「それは……」

 

俺の問いに一騎は俯いてしまう。

現場は視ていないけど、知識としては知ってるからな。

しばらくして一騎は口を開いた。

 

「……僕がやったんだ」

 

「へぇ」

 

「驚かない、のか?」

 

「お前の表情を観てれば解るさ。兄弟だからな」

 

「そっか……」

 

「それより聴かせてくれよ?どうしてそうなっちまったのか、さ」

 

「……ああ、そうだよな」

 

簡潔に纏めると小楯衛によって修理されたラジカセから二人でいるときに声が聴こえ、そしたら皆城が急におかしくなり、危ないと身の危険感じて気づいたら、皆城を傷つけていたらしい。

気持ちが整理出来ていざ罪を告白しようとしたら、皆城が自傷宣言しそれを大人たちは納得。

当人が言う前に総士によって問題が解決されてしまった。

結果、皆城を傷つけた一騎は懺悔する場所と相手がないため罪悪感に苛まれまくって困ったので兄弟である俺に相談しに来たというわけだ。

 

「なあ、信。これからどうすればいいんだ?」

 

「知らん」

 

俺には関係ないし。

 

「知らないって……」

 

「俺は当事者じゃないからな。だが、聴いていて……皆城はお前を庇ったということは分かる」

 

「総士が俺を?」

 

「ああ」

 

あのまま一騎が告白していたら、同年代の奴等から村八分にされていた可能が高い。

皆城はそれが判っていたから、自分でやったことにした。

大人たちは皆城の境遇を知っているので皆城の言葉に表面上は納得した風に見せて事態を収束させた。

だけど、そこで起こる問題は加害者である一騎だ。

本来なら皆城が一騎のケアをしていれば解決する問題だが、本人が存在を確立したばかりなのと一騎を同化しようとした負い目から距離をおいてしまったのが原因だ。

原作の一騎はその原因によって自分を自己否定をするようになり、結果的にファフナーに乗っても変性意識に変化がないというメリットを得た。

自分のことを相手に知って貰いたいだけなのに、相手のことを考えない本当に不器用な奴等だ。

 

「第一お前らは友達だろ。違うのか?」

 

「……違わない」

 

「それだったら、もっと相手のことを考えてやれ。辛いのはアイツも同じはずだ」

 

「総士も?」

 

「そうだ。後、な。大事なのはどうすればいいか誰かに聴くんじゃなくて、自分がどうしたいか考えろ」

 

「じぶんがどうしたいか……」

 

「まあ、その答えは自分で見つけるんだな……ほらこの話はお仕舞いだ。ほら出てった出てった」

 

「お、おい押すなって!」

 

一騎の背中を押して強制的に部屋から退去させる。

 

「やっちまったな……」

 

居なくなるのを確認してから椅子に腰掛けて、思わず愚痴を溢してしまう。

これでアイツら仲良くなっちゃったら一騎の変性意識どうなるんだろ?

マークザインに乗るフラグ折れたら流石に困るな。作中、最高戦力であるザインがなければ竜宮島全滅ルート待ったなしだ。

……俺を守ってくれる存在が居なくなったらどうしよ。そればかりが不安である。

 

 

 

***

 

 

 

俺の心配は杞憂に終わった。

今回のオチ。

その後、一騎はロードック戦法で総士に突撃するだけして、見事玉砕。

結局、二人とも会話が長く続かなかったために距離を置くことになった。

 

「総士」

 

「……何か僕に用か?」

 

「いや、なんでも……」

 

『……………』

 

大体こんな感じで、二人とも気まずくなって逃げて終了。

俺からすれば原作通りに行きそうでよかったと喜んだが、それはどうやら束の間の短い期間だったらしい。

 

「……………」

 

今回の事件で一騎と会話をしてしまった副産物として俺が得てしまったものが、今俺の目の前にいる皆城との密会。

一騎のときと既視感を感じる。デジャブかこれは?

しかも週2で学校の放課後に行われる。

会う内容はとても陳腐なものだが。

 

「最近、一騎の調子はどうだ?」

 

あー、総士。心の中で一言言わせてくれ。

 

お 前 も か。

 

お前も一騎と同じ思考なのか?

俺はお前らの無料相談所じゃないんだけど。

 

「……はぁ」

 

主要キャラだから無下には出来ない。

今日も今日とて俺は憂鬱である。

 




遂に先行上映開始されましたね。
なるたけ早く観たいです。
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