「これが今度の実験体かね?」
「はい、資料によれば元アローズ社の凄腕のパイロットだとか」
「そのような人物が何故、このような場所に来たのやら」
「ザイからの攻撃を振り切ろうとして整備不良の機体が空中分解したそうです。なんでもギャンブル狂いで、負債は相当な額だったそうですよ」
「となると、例のルートからか。伝説のパイロットも、ザイの前に敗れたり、と。だがこの手術で生まれ変わるさ」
「生きていれば、の話ですが」
「まっ、そう言う事だな。では始めようか」
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1999年7月に発生した、小惑星「ユリシーズ」に未知の小惑星が衝突しできた破片、通称ユリシーズ小惑星群の落着から18年後の2017年。未曾有の大災害に見舞われた地球は、様々な国家が共同体として統合を果たし、災禍から立ち直りつつあった。
軍縮の影響により出現する新たな軍事産業、同時に発達するテロ問題。
そして西暦2015年、突如それは現れた。中央アジアにて発見されたそれは“ザイ(災)”と名付けられ、既存の航空機を遥かに凌駕する戦闘力を持っていた。
人類はこれに対抗すべく新たに特殊無人戦闘機“ドーター”とそれを操るする人間型操縦機構“アニマ”を開発。人類はアニマを対ザイへの切り札とし研究を続けていた。
だが、それでも、その数はあまりにも足りなかった。
「どうなっちまったんだ、俺の体……?」
「おめでとう、リーパー。君は今日からアニマとして生まれ変わった」
病室で目覚めた右目が赤いオッドアイのアニマは、黒いノンスリーブの上着のフードを被り、∞を模った髪飾りを左寄りで前髪に付けている。
地獄から舞い戻り、この世に再臨した死神。
抱えた借金を返すため、一人アローズ社の極秘隊員としてあちこちを転々とする事になる。
「ADFX-01 Block1 ANM、これが、今日からの君の機体だ」
「借金持ちにはデッドコピーがお似合いだってか?」
かつての乗機は借金の担保として没収され、代わりに与えられたのは某国の計画案を基に製造した戦闘機のプロトタイプで、各要素のバランスを総合的に確認するために作られた試作機群の一つ。
機体背面にデカデカと飾られたリボン付きの死神のマークが飾られ、彼が戦場に舞い戻った事を告げる。
「朗報だ。君の借金を全額持ってくれる素晴らしい依頼人が現れた」
「君にしか頼めない事なんだ。彼女を……どうか守ってあげてくれ」
かつての命の恩人からの決死の依頼。手渡されるはアルビノのアニマの写真と、残りの借金全額分以上が記された手形。
「嘘だろ……何で、お前がここにいる!?」
「あははっ!! いやー、感動の再会ってやつかな~?」
小松の町を散策していた少年は、かつて自分が撃墜した筈の青い髪のアニマと再び出会う。その隣に寄り添う少年も、知っていた仲だった。
「残された方は、どうしたら良いと言うんですか?」
「俺は博士の代わりにはなれない。だけど、この先もお前を守ることは出来る筈だ」
白銀のイヌワシに寄り添う死神に芽生えていた、恩人からの依頼の護衛対象以外としての感情。
「所属不明機接近、いや、IFFに反応!?」
「SAFLR01!? まさか、ライノか!?」
少年の悪夢は再び訪れる。驚異的な機動力で次々と自衛隊や米軍の機体を撃ち落としていく、青紫色の機体。
「あははっ!! 今度は負けないよ~!!」
「さぁ、始めようぜライノ。最っ高に運命的なセッションをな!!」
それを操るは人間に絶望した若き元テストパイロット。対峙するのは黒の死神と赤の有翼獅子。
「非合理だな、ガキがっ」
「合理的思考だけでやっていける程、俺は賢くないんでね!!」
進んでいく核爆発までのカウントダウン。時間はもう、止まらない。
「届けぇぇえええええええええええっ!!」
瞳に映るのは、夜空を駆けるいつか見たあの流星。ソイツを塵になってでも追いかける。追いついて見せる。
「任務……完了」
ガーリー・エアフォース∞ 死神の翼 近日投稿開始!!
来週発売の12巻待ちたかったがいても経ってもいられなかったので全体の流れとして予告風に。
四巻内容だけの短編になると思います。