闇ニ花ヒラク蒼薔薇   作:サボテンダーイオウ

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標的134謎が謎呼ぶ波乱の幕開け

沢田綱吉side

 

良かった、天姫が目を覚ましてくれて。

突然ザンザスのとこに猫見に行くなんていきなりすぎる事いうのはびっくりしたけど、何か吹っ切れた様子に俺の心もなんだか前より軽くなった。

それよりも白蘭のあの態度がどうにも引っかかる。

彼に違和感を覚えてならないのだ。

天姫が眠っている間に立体映像を介して僕たちの前にその姿を見せたのだ。

その時の俺たちはリボーンから聞かされたヴァリアーによるイタリア主力部撃破という喜ばしい結果に喜びを分かち合っていた最中だった。

 

『やぁ正チャン、それに初めまして。ボンゴレ諸君?』

 

俺たちの真の敵である白蘭。狐みたいに目を細めて口端に笑みを浮かべてまったく表情が読み取れない男。

 

「……白蘭さんっ!」

 

入江が声を震わせその名を呼んだ。アイツが白蘭。

未来の天姫を俺たちから奪って、また現代の天姫を奪おうと目論む最低で卑怯な男。白い制服のようなものに身を包んだ奴は

 

『君たち浮かれすぎだよ。だってイタリアの主力戦も日本のメローネ基地もただの駒でしかなかったんだから♪』

 

とネタ晴らしのように軽く言った。そう、暴露するのを楽しんでいる節があった。

 

「駒!?」

『そう、単なる駒。だって正チャンに裏切られる事も予測の範囲内だし?逆にこっちが謝りたいくらいの気持ちだよ。謝らないけどね』

 

面白そうに嗤い俺たちを見下すかのような態度。

それから奴は言った。俺たち率いるボンゴレファミリーと白蘭率いるミルフィーオーレとの正式な力比べをしよう、と。

トュウリニセッテを賭けて入江と白蘭が昔考え付いた遊び『チョイス』で勝負をつけようじゃないかって。

僕には真6弔花という組織が君たちの相手だよ。そういって笑ったアイツ。

 

『決戦は10日後、それまでは一切手を出さないから安心してよ』

 

「………アンタ、未来の天姫を誘拐したらしいな」

 

山本が抑えきれない怒りを今にも爆発させるような雰囲気を出しながら

押し殺した声に殺気を溢れさせていた。

 

『うん、誘拐って言葉は違うと思うけどね。確かにそうだよ』

 

とあっけらかんと白蘭は言う。

 

奴は視線を眠っている天姫に向けた。

途端、俺たちは一気に奴の反応するかのように、天姫を庇い戦闘態勢を作った。

未来の天姫が奴の手にあるというのにこれ以上、彼女を苦しめさせてたまるか。

アイツが立体映像だとしても油断ができない。

無防備な彼女が狙われているのだとしたら尚更、俺たちは殺気立つ。

だが、アイツは眠れるお姫様の騎士たちって所か、と零すと

 

『罪作りなキミは【昔】も【今】も変わらないってことか』

「なんだと!?」

 

獄寺君が青筋浮かばせながら今にも白蘭にとびかかりそうな剣幕だった。

 

『ああ、彼女にこう伝えてくれないかな?今の彼女は眠り姫だからね。本当は直接伝えたかったけど今は我慢するよ。天姫、君は気がついてない。君は『奴らの操り人形』にしか過ぎない…だから僕が天姫の為に新しい世界を創る、未来の君は保護したから僕の側にいる限り安全だから。こう伝えてくれるかい』

 

そういって白蘭は微笑んだ。意味深に俺たちを見やりまるで君たちは本当に平和でいいよねとつぶやく。

 

「白蘭、お前一体何を知ってるんだっ!」

 

俺の問いに白蘭は軽く目を細めた。

まるで何も知らないキミは幼いねと、小馬鹿にするような感覚を感じた。

そして、もしかしたら真実にもっとも近い人物しか知らないかもしれない事をアイツは最後に付け足すみたいに俺たちに言った。

 

『たとえ、『鍵』を手に入れたとて彼女が辿る未来は変わらない。根本から決められた『筋書き』を壊さないかぎり彼女が辿るのは生贄への祭壇だけだ。だから、僕は壊す。かならず……壊してみせる…』

 

後半の言葉はまるで自分に言い聞かせるかのように呟いた。

そう、それが使命とでも言うかのように…

そしてアイツは10日後を楽しみにしてるよと笑み作り浮かべて

立体映像のスイッチを切った。

それからまもなくメローネ基地が転送システムによってまるごと消えたのはすぐ後だった。

俺はどうしてもアイツの態度が瞳が気になって仕方がなかった。

アイツが意味深に残していった『生贄への祭壇』。

俺はどうしても引っかかった。

だって、俺も同じような事を聞かされたんだ。

初代Ⅰ世が言っていた

 

『彼女は世界の柱。数多ある世界のバランスを司る者。彼女無くして世界は成り立たない。『蒼龍姫』などは名ばかり、彼女は『生贄』として捧げられた哀しき女性』

 

『神が望んだのだ、彼女を。我が妻、緋奈を、『器』として利用しようとした。これは『血』により決められた神の『筋書き』なのだ』

 

初代Ⅰ世は初代蒼龍姫を妻にしていた。

その彼女を彼は『生贄』だったと言っていた。

初代蒼龍姫は神が造った『生贄』にされようとしていた?

何かの『器』として利用するために『生贄』にされようと?

俺はまさかと、頭を抱えた。

仮説としてたった一つの結末が信じられなかったからだ。

だって、こんなの偶然だろ?普通信じられないじゃないか。

天姫を昔助けてくれた、手を差し伸べてくれた自分を『龍姫』と名乗った

彼女の名前は神崎緋奈。

Ⅰ世の妻である初代蒼龍姫も『緋奈』って呼んでいた。

 

……まさか、同一人物、なのか!?

天姫を助けた、緋奈とⅠ世の妻、緋奈は………!

 

だとしたら、彼女は相当な年齢に達しているはずだ。

でも天姫と出会った時の彼女は20歳ぐらいだったと天姫が言っていたという。

そうだよ、偶然だ。

全て偶然なはず…。そう思いこもうとした。

けど俺の超直観が告げる。これは嘘じゃないって。

白蘭がどういうつもりであの言葉を言ったのか知らないが

それが真実だったら

俺の『考え』が本当に真実だったとしたら絶対にアイツを、許さない。

ギリッと奥歯が鳴る。湧き上がる怒りを抑える事など俺には出来なかった。

天姫が辿る運命。

それは初代蒼龍姫と同じ運命。

白蘭がどのようにしてその情報を仕入れたか知らないが

もしかしたら俺と同じ答えにたどり着いたんじゃないか。

神による『筋書き』の中の『器』として『生贄』になる

蒼龍姫という許し難し事実を。

 

俺は絶対許さない。

 

天姫をようやく本当の彼女を知ることができたのにまた奪われるような事をさせてたまるか…。

 

オレの中で標的とする人物がもう一人付け加えられた。

それは天姫を『柱』と選んだ、

 

何を考えているのか 何を知っているのかまったく理解できない男、神男だ。

 

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