闇ニ花ヒラク蒼薔薇   作:サボテンダーイオウ

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これが大人幼女というものですな。


標的17ぱおぱおときょくげーん!

○月×日晴れ

きょうもすごくあついひでした。あつかったのでらんぼとみずあびしました。とばっちりにさわだがみずをたいりょうにくらいました。たのしかったです。

 

○月+日くもり

きょうはななさんにきょかをもらってそとへさんぽにいきました。たいちょうもさいきんはいいほうだとおもいます。そこへりぼーんがあらわれ、おれもいくといってきたのでいっしょにさんぽ(りぼーんいわくこれはでーと、だそうです)しました。りぼーんいきつけのおみせでりぼーんはえらそうにえすぷれっぞをたのんでいました。わたしは、かるぴすをのみました。おいしかったです。かえりみち、おんなのひとのおしりをおっかけてるどくたーしゃまるがいました。のんだくれでした。りぼーんはわたしにあれはあくえいきょうだといってじゅうでおっぱらいました。

おもしろかったです。

 

○月-日はれとあめ

きょうはごぜんちゅうじょうほうしゅうしゅうにでかけました。ぜんぜんしゅうかくがありませんでした。しょぼん。でもごご、あめがふっていて、おみせでななさん(むかえにいくからとけいたいにれんらくがはいった)

のでまっていると、すりがらすのむこうで『きょくげーーーーーん!!!!』とあめのなかしっそうしているささがわりょうへいをみつけました。すごいかおでした。おもわずしゃめをとりみんなにてんぷしておくりました。おのおのはんのうがあっておもしろかったです。

 

○月△日はれときどきくもり

きょうはいちにちのんびりしてました。そういえばさわだのへやがにぎやかでした。びあんきにきいたら、べんきょうかいをひらいているとのこと。がくせいはたいへんだなとおもいつつまたくろとのんびりしました。

 

○月▽日はれ

きょうは朝からさわがしかったです。まいどまいどのことながら、りぼーんにちょっかいをだしていたらんぼがこれもまいどまいどのことながらかえりうちにあいうんわるくちかくのまんしょんにつっこんだみたいです。

わたしはびあんきといっしょににっこうよくしてました。びあんきはちゃんとひやけどめとぼうしをするよういってきました。なんだかおねいちゃんができたみたいでうれしかったです。そしたらしらないめがねかけたおとこのこがうちにようじがあったみたいできたんだけどすごいはやさでいなくなりました。そのあと、10ねんごのらんぼがでてきて、びあんきもどっかにいっちゃいました。ひとりでひまにしていたらりぼーんがまたいきつけのおみせにつれていってくれました。すずしかったです。そういえばおとこのこのなまえはいりえしょういちというそうです。

どっかできいたなまえなんだけどおもいだせないのでわすれます。

 

◇◇◇

 

ジルside

 

だめだ、だめだ、だめだ!ぜんぜん、このままではマズイ!

なんでのんきに観察日記なんかつけてんの私!?

どうも、あせりまくっているジルです。これでは義兄ディーノが来る前に終わらせることができないではないじゃないか。ディディとの再会を心から喜ぶことができないなんて……。これじゃあいかんでしょ。

 

ジル、わたくし一世一代の大勝負にでます!すなわち当たって砕けるのみ。

笹川京子、笹川了平、ドクターシャマル…は除外で。この二人に接点をもたせるべく。いざ、学校へ推して参る!

 

「きょん、今日は私午後から用事があるから帰るね」

 

いつもの応接室、いつもの会話の途中、恭弥はお仕事。私は彼の膝で本を読書中。

ふと前もって言っておかねばと仕事中の彼に話しかけたわけだ。

最初彼は、んー?っと言っていたが私がその言葉を口にした途端、ぎぎっと動きが止まった。口元が引きつっていて綺麗な顔が怖いです。

 

「………もう、一回、言ってくれる?…」

 

言いたくないけど迫力に負けた。

 

「私午後から用事がありますので帰らせていただきますハイ」

 

「なんで」

 

有無を言わせずの顔を近づけての恭弥のドアップ。最近スキンシップといい、こういうのが多い。美形はディーノで慣れているので何ともないが、普通なら逃げている。

 

「なんでって、用事があるから帰るわけで」

 

「だからそれを説明してって言ってるの」

 

「えーと、それは…」

 

「それは?」

 

なんて言えばいいんだ。えーっと私の事情を話すわけにもいかないし、うーん。

あ、こういえばいいんだ!

ピンポンと電球が頭の上で光った。

 

「すっごく気になる人がいるの!」(我ながらグッドアイディア!)

 

ピシッ!

「………………………」

 

恭弥は石の固まってしまった。

さらにそのあと恐ろしい展開が待っていようとはこの時思わなかった私。

 

◇◇◇

 

沢田綱吉side

 

放課後、俺は憂鬱な気持ちでボクシング部の前で立ち往生していた。

実は今朝の登校中、京子ちゃんのお兄さんを死ぬ気の俺がひっかけてしまいそれが逆に彼に気に入られる結果となってしまったのだ。しかも了平さんはボクシング部の主将で自分で座右の銘は『極限』。見るだけでクソ熱い男だと感じたのにことさら気に入られ、ボクシング部に入れとまで言われた。

しかも、その時に京子ちゃんがすぐそばにいたので断るに断れず、ずるずるのまま俺はボクシング部の部屋の前まで足を運んだというわけだ。

やっぱり、無理だよ…!勝てるわけないじゃないか。

 

「でも、京子ちゃんのお兄さんにきらわれたくないし、どうしよう…」

 

その時目の前のドアが開いた。現れたのは今猛烈に一番会いたくない人。

 

「おお、沢田、待っていたぞ」

 

笹川了平そのひと。

顔を引きつらせる俺を無理矢理中に引きずり込み、お兄さんはタイからわざわざムエタイの長老が来たと説明してきた。だが、絶対知りあいだ。

 

「パオパオ老師だ!」

 

「パオーン!」

 

どうみても変装したリボーン。

てんめぇ―――!?

 

と怒鳴りつけてやりたいがそこはぐっと我慢の子だ。

リボーンは無理難題言ってきて俺にボクシングをやらせようとするし、応援に来てくれた獄寺君や山本、それに京子ちゃんまでリボーンがパオパオ老師だとは気がついていない。

あれよあれよと間に試合は開始。

いろいろハプニングはあったけど、死ぬ気弾を打ち込まれ俺は見事お兄さんを打ち負かした。

お兄さんは血だらけになりながらも嬉しそうにしていたので逆に好感度アップにつながったけど俺の心境は複雑である

と、その時、バーンと大きな音が中に響いた。壊された扉に皆の視線が集中する。

現れたのはトンファー片手にゆらりゆらりと歩いてくるどす黒いオーラを全開に出している並森の秩序。……オーラが怖い。

 

「笹川、了平…出してよ」

 

普段の彼の恐ろしさの桁違いを越しているその雰囲気に全員が凍りついた。

そんな中、一人だけ平気な人物がいた。

 

「おおう、雲雀か。どうした?」

 

「君の……君が……」

 

ブツブツと呟きながら、雲雀さんは戦闘態勢に入り、お兄さんめがけて突っ込んでくる。

それは得物を駆るがごとくで一瞬のことだった。

目で捕らえられない速さに俺たちはダメだと思った。お兄さんも瞬時にガードの姿勢をとったが防げるかどうかわからない。それほどまでに雲雀という人のスピードは優っていたからだ。でも、その時。

 

「だめぇ―――!」

 

子供の幼い声がこの場に響いた。

 

「え?」

 

現れたのはジルだった。

ジルは瞳に涙ためて雲雀さんめがけて走り出した。

そして背後から飛びつくようににしがみついた。へばりついたといってもいい。

 

「きょん!やめて!?もう、いいよぉ―!」

 

「…いくら君の頼みでもこれだけは譲れないよ…」

 

「……そ、んな……きょん!」

 

「ジル!?どうして此処に…?」

 

しかもあの二人の会話はとても普通の会話ではない。まるで恋人同士のような。いやいや冷静になれ俺よ。まず幼児と恋人同士はヤバいだろう。あえて表現するなら過保護な兄と可愛らしい妹だ。うん、それが一番合ってるはず!

 

でも、俺よりも親密度は増している間柄でどうにも面白くない。俺もジルと婚約者同士とかありえないと思ってるし。

うん、だからこのもやもやはきっと気のせいだろう。

急な試合とかしたせいで疲れてるだけだ、うん。そう思うことにしよう。

そう無理やり納得させた俺は外野として雲雀さんたちのやり取りを見守ることにした。

 

「あいつが、あいつが、君の気になる奴なんでしょ?だったら、咬み殺してやる!」

 

どうやらジルの気になる人がお兄さんらしい。へぇー、あの暑苦しいタイプが好みなのか。……っておい!?まさか嫉妬心からお兄さんに襲い掛かったってことなのか、雲雀さんは?!なんて怖い人だ……。いやいや、幼児にマジに惚れるとか普通ないでしょ!

俺も妹ができたみたいな気分になってるだけだし誰かに嫉妬とかマジないよ、うん。

その時、か細い声が静まり返った部室に響いた。

 

「……そうだよ。……私は凄くあの人が気になってる……」

 

……ふーん、そこは肯定なわけですか。別に気に入らないわけじゃないけど。

まーでも単なる憧れとかそんなのだと思うよ。だって幼児だし!

ちょっと大人っぽいところもあるけどまだまだ俺よりお子様だし!

 

「確かに、あの日見かけたその人は確かにあの言葉を言っていた。それが凄く気になって夜も眠れないの……あの、……『極限―――!!』って雨の中駆けていった彼が!どうして極限って言わなきゃダメなのか!?これは生まれつきのものなのか!それともイメージ作りのための戦略なのか!?もう気になって気になって夜も眠れないの!そこんとこ本人に聞きたい!ぜひ聞かせてほしい!その理由は何!?」

 

「「え」」

 

どうやら俺の予想とは違ったらしい。

結構馬鹿げた理由だった。

 

「…やっぱり気になるんじゃないか。だったら目障りだよ。今のうちに消す」

 

雲雀さんは再度お兄さんに標的を見定めた。殺る気満々だ。でもジルも負けじと言い募る。

 

「だめだよ!強烈なキャラが一人減ったらバランス悪いじゃない!今後のためにも私の為にもやめて?じゃないと今後、呼び出しても来ないから」

 

「……わかったよ。……意地悪だね、君は」

 

「どこが?」

 

「そういうとこ」

 

雲雀さんに意見してその意見を無理やり通して何もされないのはたぶんジルだけだ。

ジルをさりげなく抱っこして去り際に邪魔したね、と一言残して去っていく雲雀さん。

俺たちは茫然と見送るしかできなかったけど、俺は、俺だけは気が付いた。

わざとらしいけどなんとなく確信犯だと思う、今のは。

だって抱っこされてた時一瞬見せたジルの笑みが『にやっ』ってなってたから。

……ジルが見た目が幼児なのに中身が大人に見えて仕方ない。

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