天姫side
ホテルに帰ってきて、はたっと気がついた。
「ねぇ、ザンザス」
「…………ア?……」
私が寝起きしてる一室にて、ベッドに私とザンザス二人がいる。
彼は私の膝でお昼寝中。そして彼のお腹にはシロが気持ちよさそうにゴロリとしている。
うん、ザンザスって美形だ。今改めて間近でみると感じるよ。
目を閉じてても迫力あるし、機嫌が悪くなると眉間に皺寄せるのはあんまり見た目にもよくないけど。私の指は彼の羽飾りをくるくるといじったりして弄んでいる。
まったりとした時間が流れていて、非常に気が緩んでいます。
ザンザスはされるがままで珍しくリラックスしてるし。
でもね、実はある問題があるんですよー。
「雲の守護者対決ってどうしようか?」
「……………………」
お!眉がピクンって動いた。しかも徐々に眉間に皺寄ってきてる。
その表情はザンザス、忘れていたくちだね。
忘れてんじゃねぇよと言う意味でぐるぐるぐりぐりと指でいじってみた。
だって、あの機械の『中身』であるおじい様は今現在病院で療養中ですしね。
まったく人間放り込むなんて一般人には考えられない思考してるよ。
おじい様今は元気にしてらっしゃるって連絡は来たし安堵はするも状況は良くなることはない。一回、ザンザスの首根っこ捕まえて挨拶に行きたいんだけどこの争奪戦が終わらんことには意味ないし。
「代わり見つけるなんて今からじゃ無理だしね。名案!私が入って戦うってのは?」
「妙案になってすらいねぇよ」
「いた!っ?」
のそりと起き上がったザンザスにぴしっとおでこをデコピンされて突っ込まれた。
コイツ馬鹿じゃね?という視線さえ下さる始末。
「お前じゃなくても他の奴入れろ、ヴァリアーとか」
「ちょっと待てボスの発言ですかそれはマジですか!?」
「俺がボスだ、何が悪い。とにかく適当な人間拉致って入れとけばいいだろ」
「酷っ!?発言が鬼だっ」
話はそれで終わりみたいな感じで勝手に終了させるザンザス。
また人の膝で寝だした彼。今度は揺さぶっても起きない。
ッチ。聞く耳持たずってかよ!……ホント、どうしようかな。
※
次の日の朝…。続々と起きてくるヴァリアーのメンバー。私、今日は早起きしました。皆の分の朝食を作るためです。やっぱり健康的な日本食こそヘルシーかつ栄養たっぷりな理想のメニューだよね。最近皆はやたらお肉系ガッツリいっているから彼らの健康面および、試合を控えている他のヴァリアーの為にも献立を考えてみました。材料はしっかりそろっているけど、なんせ大所帯。私一人だけでは少々調理にも手間取ってしまうので、今日は協力な助っ人を呼びました。
「…………………天姫ちゃん…」
「あ、ルッスー!おはよ」
服装に気を抜かないはずのルッスーがサングラスずれてるなんて今日は雨かしら。
グォングォングォン……
「……………それ、何?」
「ってか、なんで動いてんの?」
ルッスーリアの後から続いてやってきたマーモンとベルも、何かを凝視しては固まっている
「マーモンも、ベルも立ってないんで席に座りなよ?冷めちゃうよ?」
グォングォングォン……
「………『中身』は何が入ってんだぁ?」
「スクアーロ、なんか嫌いなもんでもあった?別にそんな変なもの入ってないはずだけど、ねぇ?」
みんなの嫌いなのは作ってないはずだし、味は失敗してないはず。
他に気がそれるものでもあったかしら、と首を傾げてしまう私。
グォングォングォン……
「………ボス、アレはなんですか?」
先にテーブルに席について、もしゃもしゃ食べてるザンザスにレヴィが聞いてる。
何か問題があっただろうか。私はザンザスの隣の席についた。
ごっくんと彼は飲み込んでから重い口を開く。
ただ一言を。
「天姫のペットだ」
「「「「「違うだろ!?」」」」」
「すごいね、息ぴったり。さすが仲良しヴぁリアー。あ!ゴーラちゃん、悪いけどそこの醤油取ってくれる?…あ、ありがとう」
グォングォングォン……と彼は返事を返して大きな手で醤油瓶を渡してくれた。
ゴーラ・モスカ。本来は殺戮の道具として扱われてしまうところを天姫に拾われ、ペットとなりました。
今日の朝食は私とゴーラちゃん作りました。
再利用って大切だね!
唖然とした皆がいっこうに食事をとりそうにないことをお構いなしに、私とザンザスはもぐもぐと美味しい出来立ての朝食を楽しんだのでした。
朝食を終えて、ちょうどいい時間帯になったので私はゴーラちゃんを連れて並盛ショッピングを楽しもうとばっちし着替えていざいかん!
「ゴーラちゃんと買い物、行って来る!」
ガシッ!!
「それはやめとけ」「それは駄目よ」
スクアーロとルッスーリアに二人がかりで止められた。
何だよ!!せっかく、天気がいいからお外行ってこようかと思ったのに。
「何で駄目なの?」
「アホかあぁぁ゙あ゙あ゙あ゙ーーーーー!」
「スクアーロ、顔が変形してるわよ。……天姫ちゃん、『アレ』は目立ちすぎるでしょ?」
「え?そうかな?」
なんか妙に『アレ』って強調された気がする。
そんな疑問ないよ、私には。
「……天姫って天然だね…」
「うししし♪そこがいいじゃん」
マーモンとベル。
君たちは私の何処が天然だとおっしゃるのか。
「じゃあ、変身させれば問題ないんだね?」
「「全然わかってない!?」」
強制的にルッスーと行くことになりました。
「今日は私と買い物、いきましょ?」
「うぅ~~~。ゴーラちゃん、色々改造したかったのに…」
ずるずるずる~~~~。
渋る私の手をルッスーが引いて行きましたわ。
レヴィはそっとザンザスに聞いてたのは知らなかったけどね。
「………ボス、コレの動力源ってなんですか?」
グォングォングォン……
「知るか」
(それは乙女の秘密ってやつさ!)