闇ニ花ヒラク蒼薔薇   作:サボテンダーイオウ

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標的48爆走!ゴーラちゃん

天姫side

 

夜、ゴーラちゃんが迎えに来てくれたのはよかったけど、帰ったら帰ったらで強面のザンザスが仁王立ちしてました。彼曰く。

 

「なんで天姫単体………天姫とモスカだけしか来やがらねぇ」

 

うん、そうだよね。ヴァリアーの皆置いてきて私だけ帰ってきたんだから不審に思うよね。でもね、私も言いたいことあるんです。

 

「………なんで…壁に大穴があいてるの…」

「知らねぇよ。勝手に反応して飛んでいきやがった」

 

勝手に反応……一人しかいない。私の後ろに佇む彼に振り向いた。

 

「……………ゴーラちゃん…」

グォングォングォン……

「…………………めっ!」

 

と子供の悪戯を叱る母親のように叱ってみた。そしたら

 

ギュォォォオオオオオオ―――!

ゴガシャァァアアアアア――――ン!

 

「………」

「………」

 

彼は壁を破壊して逃走をはかった。

壁がさらに巨大化した。うちら外から丸見えジャン。

 

「………」

「………」

「………飛んでいきやがったぞ……」

「……怒りすぎたかな?…」

「……メシ食いに行くか」

「そうだね。お腹すいたら自分から帰ってくるもんね!」

「それはねぇ」

 

即答したザンザスはそれ以上突っ込んだ台詞は言わなかった。

ザンザスと二人、私の希望でファミレスでご飯食べました。

ザンザスの威嚇びーむでファミレス貸切状態になってラッキーでした。

30分後。ファミレスの入り口付近でウロウロしてるゴーラちゃん発見。

ちょっとしょんぼりしてたのが

心臓にキュンとキタので壁の破壊は許してあげました。

隣にゴーラちゃん置いてたら

店員の視線が突き刺さるほど注目していて嫌だなと感じた瞬間

ミサイル発射!!

しようとしてたので無理矢理やめさせました。少し、ゴーラちゃんは過敏すぎると思った。

三時間後、

ヴァリアーの皆が汗だくでファミレスになだれ込んで来ました。

すっごくみんなに心配された。反省。

すっごくみんなに叱られた。反省、しょぼん。

 

ギュォォォオオオオオオ――――!

ゴガシャァァアアアアア―――――ン!

 

ゴーラちゃん、私を抱えて脱出しました。ファミレス、壊滅。

 

「所で、ゴーラちゃん。何処に向かってるの?」

グォングォングォン……

「え?皆のとこは危険だから別の場所に避難するって?何処に?」

グォングォングォン……

「あそこってなんか張り紙してないかな」

 

ゴーラちゃんが到着したのはなんか病院みたいな所。

夜遅いので概観だけではなんとも言えないけど、ドアの所へ近づいてみた。

 

「閉院?廃業ってこと?」

 

そっと中の様子を覗いてみたら、真っ暗でよく分からない。

でもずっと外にいるわけにもいかず、ゴーラちゃんと一緒に中に入った。

 

「ゴーラちゃん。声、静かにね」

『グォングォングォン……』

 

多少声が小さくなったゴーラちゃんは先陣をきって私の安全を確保。

うーん。夜の病院って不気味。と思ったら一つの部屋を発見。

 

「お邪魔しまーす」

 

部屋は綺麗に片付けられていてほこりっぽさが無いようだ。

丁度ベッドもある。ゴーラちゃんは未だ、ヴァリアーの皆を警戒してるみたいなので帰るわけにはいかない。帰ったら、全て木っ端微塵だ。

無論、やるのは私ではなくゴーラちゃん。

なので、それを回避すべく、私はここで寝ることにした。

 

「ゴーラちゃんも寝ていいよ」

『グォングォングォン……』

「え?不審者が現れるかもしれないから自分は起きてるって?……分かった、ありがとう。じゃあ、おやすみ」

 

寝心地は悪いけど寝る場所があるだけでも幸せもんだわ。でも寝れません。

私、枕代わると寝れない質なんですよ。

むくりと起き上がって、ああ、月明かりがまぶしいわ、なんて思ったりしたわけ。

それはそれは大きな月でさ。

昔昔の話に出てくるかぐや姫が帰った月ってあんな感じだったのかなって思った。

あー、寝れねぇー。

 

カチャリ

「動くな!」

グォングォングォン!

 

ゴーラちゃんが急に起き上がって戦闘態勢に突入。私もなんだ?!と顔を向ければ

 

「…………ジル、なのか……?」

 

まさかのビックリ。ドアを開いたのは私が義兄として愛してやまない

「………ディディ……」でした。

 

ディーノだディーノだディーノだ!

生ディーノだと認識した瞬間、ぶわっと涙腺が緩みボタボタと涙が落ちた。

たぶん、今の私はすごいぐちゃぐちゃな顔だと思う。でも彼の腕の中に飛ぶ込みたかった。

ぎゅっと抱きしめて欲しい。

そう、強く感じベッドへ伸ばしていた足を床へ落とした。

冷たく堅い感触。だがこんなのなんのその!

ブーツ履いてる暇があったら彼に抱きつきたい!!

でもそれはゴーラちゃんに防がれてしまった。

私を守る為にゴーラちゃん。

盾になってディディとロマーリオに喧嘩仕掛けるつもりみたい。

 

『大丈夫だから』

グォングォングォン……

 

振り返ったゴーラちゃんをじっと見つめてずずっと退いてくれた。

よし!私を阻むものは何も無い。タックルする勢いで彼の胸へ飛び込んだ!

 

「ディディ!」

「……ジル……」

「逢いたかった、すごくすごく。寂しかった、悲しいくらい。側に、いて欲しかったよ」

 

ザンザスとかヴァリアーとかゴーラちゃんとか私をちゃんと受け入れてくれたのは分かる。

 

『天姫』であり『ジル』であるという不可解な女を。

でも最初に私をみてくれて慈しんでくれて側にいたのは彼だ。

彼に私を見て欲しい。『ジル』でなくなった『天姫』を。

本当の私を知って欲しい。この想いを知って欲しい。ただ、あいたかったと。

 

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