闇ニ花ヒラク蒼薔薇   作:サボテンダーイオウ

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標的57発進!スーパーデラックスハイパー雲雀恭弥もといきょん対兵器MAXゴーラちゃん☆

気合十分だけでは乗り切れない。何事も入念に入念を重ねなければいけないときだってあるのだ。

 

「ゴーラちゃん。おめかししていく?それともやっぱりいつものままでいい?」

グォングォングォン

「私の好きにしてくれって?じゃあ、おめかししよう!めいいっぱい」

 

ゴーラちゃんの晴れの舞台である、『雲の守護者対決』の相手は、

泣く子も黙る恐怖歩く並森大好きっ子雲雀恭弥こと、きょんである。

彼は以前の彼ではない。ディディから聞いたが恭弥は相当強くなったらしい。

なんでも私の為らしいが、謎だ。

ディディが鍛えたのだから当然といえば当然といえる。

だが!

なぜ、私の可愛いゴーラちゃんが相手なわけ?

ああ神様不公平です、横暴です、あの恭弥が手加減するわけないじゃないですか!

優しく噛み殺すなんて聞いたことないですよ彼の口から!?

彼はキッパリ言ったからね。私の疑問に躊躇いなく答えたからね。

 

『じゃあ、噛み殺すだね』って。

 

なのでスプラッタにされるのが目に見えているのでゴーラちゃんをカスタマイズします。

無論さっきのおめかしはこの改造の事。

クフフフフ、恭弥に破壊させてたまるもんですか……

ゴーラちゃんをね!

スパナとトンカチを装備し、にやりと笑う。

私の野望は誰にも邪魔させない!

 

トンテンカントンテンカンガンガン!

ドドドドド

ガシャン、バシュ!ガッチャン!

ぷシュー!

 

「……おまえ、なにしてんだ…」

「にゃ」(馬鹿すぎる)

「話しかけないで、ザンザス。今大事なとこなの!!シロ、お前今嘲りやがったな!後で覚えてろよ」

 

キィーーン!バシュ、バシュドゴゴゴゴオ!

『キエェェエエエエ――――!』

 

「奇声がすごくするんだけど、なんだか私の声に似てるわね…」

「似てるじゃなくて、マンマでしょ」

「…なんですって!?」

「実はこんな時の為に密かに録音してたんです、さすが私!」

「天姫、そんなのゴーラに装備するんだ。ちょっとインパクトありすぎだよ」

「そう、威嚇用にピッタリでしょ!」

 

これなら、いくらきょんと言えど恐ろしいと感じるだろう。

 

「やめて頂戴!」

 

ベルとマーモンが余計な事言うからルッスーが泣いてしまったのでしょうがなくやめて別なものにした。

 

「レヴィ、叫べ」バシッ!

『ああ!!女王様、もっと俺を蔑んでくれ!』

 

………………やっぱり、普通なのにしよう。数時間後……。

 

「……クフフフ、クハハハッハ。ついに、ついに、ついに完成したわ!」

 

ついに出来上がった……

 

「やっと、終わったんだ?」

「天姫ちゃん、器用ね~。でもさっきのはちょっとムカついたわ」

 

人が一生懸命やっている側でヴァリアーのみんなはお茶してた。

くそっ!人の気も知らないで…

だいたい、ルッスーのが一番、効果てき面だと思ったのに……

だがまぁ、いい。みんな驚くがいい!

 

「これが『スーパーデラックスハイパー雲雀恭弥もといきょん対兵器MAXゴーラちゃん』だァ!」

グォングォングォン

「……………天姫、今日の相手って人間だよね」

「え?当たり前じゃん」

 

何をいうか、マーモン。君の目は節穴か。

 

「これって、どう見ても戦車っぽいわ」

「そうだよ?戦車をイメージして改造したもん」

「イメージじゃなくてまんまだよ」

「っていうか威嚇する意味ないだろ」

 

ルッスーにベル、レヴィにさえ、ケチをつけられた。

 

「なんだよなんだよ、みんなして。ゴーラちゃんは嬉しいって言ってくれてるもん!!」

グォングォングォン

「ほらね!」

「いや、天姫ちゃん、わからないわ」

「ルッスー!?なんでわかんないの!?声いつもより大きいじゃん!!根性足りてない。昨日は意思疎通できたじゃない」

「あれは違うと思うわ。大体威嚇用に音声大きくしたんでしょ」

 

速攻で冷たく返された。

うぅ、私の心はぶろーくん・はーと…でも一人だけ理解してくれる人がいた。

 

「天姫」

「ザンザス、もしかして慰めてくれるの!?」

「音がデカすぎだ。もう少し下げろ。やかましい」

「ガーン!ただの苦情だった!」

 

誰も理解してくれない仲間たちっ!

私は涙を零しながら仲間たちの呼び止める声を振り切って彼に飛び乗った。

 

「スーパーデラックスハイパー雲雀恭弥もといきょん対兵器MAXゴーラちゃん!!行こう!」

グォングォングォン

ごがしゃぁぁぁあああんんンン―――!

 

壁は見事粉砕され私たちは強行軍の如く彼の地を目指したのだった。

 

「「「おいおいっ!?」」」

 

(破壊行為はたどり着くまで町中で及びました)

『雲の守護者対決』

 

「おりてきなよ、そこの奴。全力で噛み殺してやる」

「…………行け、ゴーラ・モスカ。殲滅して来い」

 

違うよザンザス。

スーパーデラックスハイパー雲雀恭弥もといきょん対兵器MAXゴーラちゃんだよ。

訂正してちょうだいと、目線で訴えても視線を逸らされた。

おい、あんたもやっぱりか。さっき、ぼそっとマーモンとベルが。

 

『いちいち、言うのメンドクサイな?、アレ』

『しっ、天姫に聞こえるよ。……僕も毎回あの名前だったら、舌噛みそうだよ、それに、ネーミングセンス、が、ねぇ?』

 

聞こえてますよ丸聞こえですよ!

どうせどうせ私は変な人間だよっ!ちきしょう!

うわーん、最初の涙はそれでした。それからまたすぐ泣きました。

だって数秒でおじゃん。

瞬きするひまさえなかったほど、瞬殺された。

 

「………壊された……」

 

わんもあ、ぶっ壊された。

叫ぶしかなかろう私の悲痛な声。

 

「ゴーラァァア――!」

「天姫、下がっていろ!」

「ヤダ!?だって、私の、私のゴーラがぁ!」

 

努力した意味ないじゃん。

一生懸命カスタマイズしたのに全然効いてないなんてドンだけだよ!?

きょんだって戦車並のゴーラちゃん倒しちゃったんだからもう人間じゃないじゃん!

涙だって出てくるってもんだ。うぅ、ゴーラちゃん…あきらめきれないよ~~~!

 

「……ッチ!」

ドス!!「……ッ!?」

 

ザンザスの一撃を首元に受けあっさりと気絶。

もっと優しくしてよとは言えませんでした

ザンザス力の加減してくれなかったな…ズキズキする。

 

「…………あれ、わた、し」

「お姫、もう気がついたの?」

「大丈夫?ボスも悪気があってやったわけじゃないのよ?ただあのままじゃ…」

「今、大変な事になってるから僕達は避難してるところさ」

「ゴーラちゃんは!?ってか、ザンザスがどうしてるの!!」

「今は、雲の守護者と闘ってるはずだよ。レヴィが側にいるはず」

「恭弥と!?……とめなきゃ……」

 

だって、恭弥なら完膚なきまでに粉々にしてしまう!!直せじゃん!?

ダッ!!

天姫は立ち上がり、駆け出した。

 

「ジルちゃん!」

「ベル、追いかけるよ」

「鼻垂れ小僧が命令すんなよ!」

 

腰に力が入らなくて目の前の現象は果たして本物なのかと疑いたくて。

 

「うそ」

 

ガクン。一気に膝から力が抜けた。

だって、そこにあるのはゴーラちゃんだった物体。側には死ぬ気の炎を宿した綱吉の姿。

 

「ジル……」

「……………ゴーラちゃん…が」

 

粉々、影も形も残ってない…

 

「ジル!?」

「ゴーラ、ちゃん」

「天姫、撤収だ。アレはもう動かない」

 

アレって言わないでよ。スーパーデラックスハイパー雲雀恭弥もといきょん対兵器MAXゴーラちゃんだってば。でも影も形もないからね、全部バラバラ。

 

「ごーら、ちゃ、ん」

「天姫ちゃん、見ちゃダメよ!」

 

ルッスーが気を利かせてくれて視界が真っ暗。

でもそんなの、今の私には意味がない。

私の想いが理解できる?だって、寝ないで改造したんだよ?不眠不休ですよ?

その結果が、コレ。

 

「あはは、あははは、あははっははは」

 

笑うしかないじゃん。

恭弥じゃなくて沢田が粉々にした。沢田様様って喜べってか?

人間型粉砕機?恭弥並に人間じゃないのがもう一人いたなんて誰が考えるか。

誰かマジックショーだ言ってくれ。

タネもしかけもありますよって、シルクハット持って登場してくれ。

盛大な拍手してあげるから。

誰か、ドッキリプラカード持って言ってくれ。

ザ、ドッキリですって。

そうしたらマジかよって喜んで涙流しながら叫ぶから。

 

あ、もうダメ。色々ダメマジでダメ。

思考停止した私に動ける気力なんか存在せず、ただされるがまま任せるがままだ。

私はザンザスに抱き上げられた。

 

「……よくも『虚像の花嫁』の心を傷つけたな。俺の物に手出しした貴様、」

「貴様を討って、天姫の屈辱を晴らす!!」

「!」

「な、」

「なに!?」

「チェルベッロ」

「ハッ。」

「次の『大空戦』ですべてを決める」

「わかりました。我々、チェルベッロは次の勝利者で時期ボンゴレ後継者を決めます。開始時間は明晩。…ザンザス様もよろしいでしょうか?」

「ああ、かまわねぇ」

「いくぞ、天姫」

「…………………」

 

行くってどこへ?ああゴミ捨て場?

ゴーラちゃんゴミ捨て行き?ぼっろぼろにされたから?

あははは。もうせかいなんかほろんじゃえ。

 

 

しばらく一人にしてと、部屋に閉じこもった。

だって、あまりにもショックで、死にそうだんだもん。

ああ、ゴーラちゃん……私の可愛いゴーラちゃん……うぅ、涙とまんないよぉ。

いっつも、24時間側にいるのが当たり前で、寝るときも側に立っていてくれたし、朝は優しく起こしてくれて私の好きな朝食を作ってくれてトイレ行くときはドアの前で待機してたしお風呂入るときは見張り役でそばに居てくれたしちょっと遊びに行きたいななんて思った時は逞しい腕で抱っこして空を駆けて連れ出してくれたりヴァリアーのくだらない喧嘩するときなんか私に被害がでないようヴァリアーのみんなを半殺しまで追い詰めた時なんか嬉しかったな。

それによって部屋の修繕費なんかはスクの給料から引いといたし。

ああ、ゴーラちゃんともう喋れない……

ゴーラちゃん専門の直す人いないかな…

後で、探そう…今は、眠たい……徹夜だったし……………

そのうち、私の意識と薄くなっていった。

また暗闇の中、私は立っていた。

そしてお馴染みの彼女の声が闇の奥から聞こえてくる。

いつも、遠くから聞こえていたものが鮮明に耳に音として入った。

 

『たかがガラクタのために涙を流すだなんて優しい子!可哀想な天姫、ずっと泣いていたら涙が枯れ果ててしまうわ。涙をふいて頂戴』

 

……何か用。今めっちゃ傷ついてるんだけど。

 

『そう仏頂面しないで。可愛い顔が台無しよ』

 

余計なお世話だよ、それにさっきのセリフ聞き捨てならん!

ガラクタじゃないよ、ゴーラちゃんは。だっていい子だもの。

 

『良い子、ね?貴女がそういうのならそうなのでしょう。そうね…。直せなくもないわ』

 

本当?!

 

『ええ、貴女の悲しむ姿は見たくないもの。だってワタシの愛しい半身が喜ぶのなら何でもしてあげたいから。ツテがないわけではないの。……しばらくの間、貴女を借りるわ。大丈夫、ちょっとの間よ』

 

え、私の躰を……?

 

『これで最後だからワタシに全て任せて安心してお眠りなさい』

 

返事を返す前にまた私は強制的に闇へと引っ張られる。抗う事の出来ない力に。

 

『もうすぐよ、ワタシ達の感動的な再会は。だから待っていて、天姫』

 

今まで、彼女の『姿』が見えなかったのにその時はしっかりと輪郭が浮き出ていた。私と同じ顔で紅い瞳の女が。ニヤリ、と笑った。

 

(まるで鏡のように私たちは)

 

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