ありふれた職業で世界最強~シンゴジ第9形態とか無理ゲー~   作:ユウキ003

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今回は場面の区切りが良かったのでちょっと短めです。


第8話 探索開始

~~前回のあらすじ~~

聖教教会へ反発した司、ハジメ、香織は

ルフェアを自分達の家族として迎え入れた。

元の世界への帰還を目指す彼らは、ベヒモス戦

で司が確認したオルクス大迷宮の100層より、

更に下にある謎の空間へと向かった。

第1層で二尾狼や蹴りウサギ、爪熊を撃破し

その能力を獲得した4人は、地下を目指して

ダンジョンの中を進んでいくのだった。

 

 

私達4人は、私の能力、エコーロケーション

によるマッピング技術を使って第1層の

マップを作成しつつ、念のため全ての

通路を確認した。

ハジメ曰く……。

「こういう所なんだから!もしかしたら

 レアな装備とかが入った宝箱が

 あるかも!」

と言うので探したのだが、宝箱らしき物

は一つも発見できなかった。

 

その事実を知ったハジメが……。

「チクショォォォォッ!ダンジョンで

 お宝はRPGゲームの王道だろうがぁぁ!

 うぉぉぉぉぉっ!!!」

何故か地面に膝と手を突き慟哭していた。

「……。ハジメは何をそんなに嘆いて

 いるのですか?」

「さ、さぁ?」

私の言葉に、香織は首をかしげ、ルフェア

はとりあえずハジメの背中をさするのだった。

 

その時。

「ん?」

私のレーダーに、何か力の波動のような物が

引っかかった。

「あれ?司くんどうかしたの?」

「……いえ、少し。……ハジメ」

「え?何?」

「ハジメの錬成の力で少々この辺の

 壁の中へ道を作って欲しいの

 ですが」

「え?良いけど……」

 

「≪錬成≫!」

その後、ハジメが錬成し、私が道を指示

しながらドンドン進んでいった。

ちなみに、ジョーカーを纏ったままでも

魔法は発動可能なように調整してある。

 

また、私は新たな力を生み出していた。

それは『自分の魔力を他者に分け与える力』。

オール無限大の私の魔力を他人に分け与える

事が出来れば、と考え生み出した力だ。

それに私は魔法を使わない。これでは

宝の持ち腐れだ。

私自身の戦闘力を考えれば、一々魔法を

行使するよりジョーカーや銃器を使った

攻撃。或いは最悪、リミッターを解放した

肉体でぶん殴った方が強いのである。

だからこそ、この魔力付与の力を生み出した

のだ。

 

ちなみにこれをハジメに話したら……。

「ファンタジー世界で物理最強か。

 ハハ、司らしいな」

と、何故か半ば死んだ目でそう言われて

しまった。

何故?

 

その後、ハジメの錬成の力で順調に

掘り進んでいくと……。

「あっ!司!」

最前列を歩いていたハジメが呟いた。彼の前方

から何か光が見える。

 

「ハジメ、空間を広げて下さい」

「分かった!」

更に錬成して空間を広げるハジメ。

そして私達4人の前に姿を現したのは……。

 

バスケットボール大の、青白く輝く

不思議な鉱石だった。

それを囲む私達4人。

「これって……」

「綺麗……」

「うん」

内心驚いているハジメと、呟く香織、

それに頷くルフェア。

 

よく見ると、その鉱石からは謎の液体が

ポタポタとしたたり落ちていた。

私はその液体に指を浸し、データを取る。

「……」

「ど、どうだ司」

ゆっくりと手を離す私に声を掛けるハジメ。

 

しかし、採取したデータと王国の図書館で

収集したデータベースと照合して見たが……。

これは……。

 

「あくまでも推論ですが、これは恐らく

 『神結晶』では無いかと思われます」

「神結晶ぉ!?それって確か、伝説の秘宝、

 RPGゲームで言ったらウルトラレア

 級のアイテムだよね!?」

「えっと、どういうこと?」

「?」

私の言葉にハジメが興奮し、香織とルフェア

が首をかしげる。

「神結晶というのは、大地の魔力がある 

 一定の場所、魔力溜まりに集まって

 更に結晶化した物です。これ一つが

 出来るのに、千年はかかると書物には

 書いてありました」

「せ、千年!?」

あまりの数字に驚くルフェア。

 

「そんなに。……あっ、じゃあこの水みたい

 なのは?」

「それは恐らく『神水』ですね。神水とは、

 神結晶内部の魔力が飽和状態になった時

 に溢れ出す液体の事です。書物には、

 それを一滴口にするだけで瀕死の人間が

 命を取り留めた、と言うのもありました」

と、香織に説明していると……。

「つまり最上級のポーションって訳だな」

「端的に言えばそうですね」

ハジメが思いっきり端折って説明してくれた。

 

「で、どうするんですか?これ」

と、疑問を投げかけるルフェア。それは

当然……。

 

「回収しておきましょう。何かの

 役に立つかもしれません」

と言う事で、神結晶を回収しました。

これはリュックを作り、それを香織が

背負うことに。

そしてハジメは……。

 

「よしっ!レアアイテム、ゲットだぜ!」

と、何やらかなりハイテンションだった。

 

その後、時間が丁度良かったので神結晶が

あった場所で軽い昼食と休憩をしてから、

再び移動を開始した。

 

その後、私達は階段、のような雑な作りの

段差がある部屋に居た。

この階段が次の階層に降りる物なのは

自明の理。問題は、第2層の暗さだ。

第1層は緑光石のおかげでまだ問題

無かったが、次の層はそれが無いのか

真っ暗だ。

「……真っ暗だね」

そして、それをのぞき込んでいた

私達の感想を代弁するように香織が呟き、

ハジメとルフェアが頷く。

 

しかし、この程度なら何とでもなる。

「3人とも、音声コマンドで暗視装置、と

 呟いてください。メットに内蔵されている

 ノクトビジョンが起動します」

「うん、分かった。暗視装置、起動」

「えと、暗視装置起動」

「あ、あんしそうち、きどう。

 ……あんしそうちって何?」

ハジメ、香織、ルフェアが音声コマンドで

暗視装置を起動させる。

そんな中で首をかしげているルフェア。

「暗視装置、起動」

そんな様子を見つつ私も暗視装置、

ノクトビジョンを起動する。

 

すると、メットのバイザーが緑色に染まる。

そして階段の下に目を向ければ、暗闇の中に

通路の構造が見えるようになった。

「わ~!すごいすごい!暗い所が

 はっきり見える!」

同じように階段の下をのぞき込み

驚いているルフェア。

 

「ところで司。これって大丈夫なのか?

 銃のマズルフラッシュで暗視装置が真っ白

 になっちゃったりは……」

「ハジメ、そう言うのはかなり古い旧式の

 物でありがちな事です。メット内蔵の

 ノクトビジョンは私作の最新鋭装備なので、

 その辺は抜かりありません」

「そっか、分かった」

 

そして、私達は改めて階段の下を見つめる。

「……これまで通り、私が前衛で。

 香織とルフェアが中衛、ハジメが

 後衛で」

私の言葉に、3人が頷く。そして、それを

確認すると私を先頭に、各々がバアルを

構えてゆっくりと第2層へ降りていった。

 

まず私が階段を降りきって場所を確保。

後ろのハジメに合図を送ると、彼に

促され香織とルフェアが慎重に降りてくる。

それを確認するとハジメも降りてきて、

通路を警戒していた私の肩を叩く。

 

そして私が先頭になって静かに歩き始めた。

エコーロケーションで第2層の大まかな

マップを作成した私は、反応的に第3層

へ続く階段があると思われる部屋を

目指して移動を開始した。

 

しばらく歩いていると、曲がり角を曲がった先

に魔物の姿を見つけた私は、すぐに

角に戻る。

「司?」

「敵魔物確認。数は1」

「どうする?」

「私がやります。3人は周囲を警戒

 しつつ待機」

短くハジメと意思疎通をし、指令を

すると3人が静かに頷く。

 

そして、それを見ると私は角に近づき、

バアルを構えたまま半身をスライド

させるように角から体を出す。

そして……。

 

『ドドドドドッ!』

バアルが一気に火を噴き、魔物が気づくより

も先にその体を銃弾で引き裂いた。

『ドシャッ』と言う音と共に、壁に

張り付いていた蜥蜴型の魔物が自身の血で

出来た血だまりの上に落下した。

 

後ろに合図をして、私達はその蜥蜴

の近づいた。そして私が素早く血に

掌を浸しデータを回収すると、移動を

開始した。

 

その後、幾度か魔物に出会うも、バアル

の掃射能力の前に悉く撃破していき、

私達は第3層へと降りていったのだが……。

 

「うわぁ、これ完全にタール地獄じゃん」

足下を見つつも気だるげに呟くハジメ。

第3層は正しく、『沼』、と言う感じだった。

ドロドロとした物体が足下に滞留しており、

歩くのも一苦労だ。

かれこれ、第1層、第2層と攻略してきた

訳だし……。

 

「3人とも、ここで一旦休憩しましょう」

と、私が言うと、3人とも『賛成』と

呟いた。

 

その後、壁際からせり出した岩の上に

たどり着いた私達はハジメの力で

横穴を掘り、拠点を作った。私の

魔力付与でハジメに魔力を

与えつつ12畳くらいの部屋を作ると、

私達は腰を下ろして息をつき、ブレスレット

に触れて装着を解除した。

 

先ほど倒した蜥蜴型の魔物のデータは……。

……成程、石化の魔眼に、石化耐性、

更には暗闇で通用する夜目の技能を

持っていたようだ。

 

石化能力、か。相手を殺さない程度に石化

させる事が出来れば、恐怖を煽る攻撃として

使える。石化してしまえば大抵の物は

これを治せないだろうし、攻撃としては

厄介であり有用だ。

……機械的に石化能力を再現出来ないか、

あとで試して見るか。

 

と、思って居ると……。

 

「ふぅ」

「か、香織しゃん!?」

息をつく香りの声と、何やら驚いて

いるハジメの声が聞こえた、見れば、香織が

ハジメの肩に頭を預けている。

「ごめんハジメくん。ちょっと

 疲れちゃった」

「い、いえ!こ、これくりゃい、

 ぼ、僕の肩ならどうぞつかってくださっ!

 い、イッテ~」

ハジメ、テンパりすぎて舌を噛んだようだ。

 

私は念のため入り口近くにセンサーと

セントリーガン、シールド発生装置、

虚像投影装置を展開。

更に部屋の中が明るくなるように、角に

ライトを設置した。

更に休めるように4人分の寝袋を作り

置いておく。

 

さて、今の時間は……。

ふむ。18時過ぎ。外は既に夕暮れ時か。

「今日はここで休みましょう。第3層の

 攻略は、明日からです」

私の言葉に、3人が頷く。

その後は私が食材を産みだし、香織と

私で調理をして、それを4人で食した。

 

そして、食器を片づけた後、更に新型

兵器の設計、開発を頭の中で行っていた、

のだが……。

何やら私とルフェアの前でイチャついてる

ハジメと香織。

と言うか、香織の方が顔を赤くしながら

ハジメに体を預け、ハジメも顔を真っ赤に

したまま戸惑いつつも彼女の言葉に

相槌を打ったりしていた。

 

ふぅむ。……あっ。そうだ。

ここは二人の為に『あれ』を作ろう。

「ハジメ、悪いのですがもう少し部屋を

 大きくして貰っても構いませんか?」

「え?良いけど……」

そう思った私はハジメに声を掛けた。

 

その後、ハジメの錬成で更にもう一部屋

作って貰った。

「これで良いの?」

「はい」

私は頷くと、パチンと指を鳴らした。

すると、部屋にお湯を張ったお風呂と

天蓋付きのベッドが現れた。

そのベッドの上にはバスタオルと

バスローブが2つずつ置いておく。

ふぅむ、これだけでは足りないか。

 

更に指を鳴らし個室トイレと防音の

扉を部屋と部屋の間に作る。

 

それを見てポカ~ンとしている

ハジメと香織。

 

「では、こっちがハジメと香織の部屋です。

 私とルフェアはもう片方の部屋で

 休むので。あぁそうそう。明日の行軍

に必要な体力は残しておいて

下さいね?やりすぎず、ほどほどに、

ですよ。では」

そして私が出て行こうとすると……。

 

「「待て待て待て待て待って~~~~!」」

二人が私の肩をガシッと掴んだ。

「何ですか?」

「何ですかじゃないよ!?何を

 考えてるのかな司!?」

「そそそそ、そうだよ!?

 こ、ここ、これじゃまるで!!」

 

「……。私的には二人用の寝室を

 用意したつもりなのですが?」

「じゃあ何でダブルベッド!?

 一人一部屋で良いじゃないか!」

「うんうん!」

 

「……二人は恋人同士なのだから

 何を躊躇う必要があるんですか?

 愛し合うにも狭いベッドでは

 やりづらいでしょう?」

 

流石は元怪獣。司に、恥じらいという

感情は殆ど無かった。

「あ、あああ愛し合うって!?」

「な、何をい、いい言ってるのかな

 司くん!?」

「……二人は愛し合って居ますよね?」

「そっ!?それはそうだけど!?」

否定しないハジメ。

「バカップルみたいにラブラブですよね?」

「バカッ!?ひ、否定はしないけど……」

同じく否定しない香織。

 

そして、司の爆弾(発言)が投下された。

 

「じゃあ、肌を重ねるエッチな事を拒む

 理由は無いですね」

 

「「何でそうなるの~~~!?!?」」

司の肩を掴んでカックンカックンと揺らす

二人。

 

「二人とも年頃の男女ですし、以前にも

 言いましたが、死と隣り合わせの極限

 状況では生物としての本能から、

 子供を作ろうとします」

「うん!全然極限状態でも何でも無いよ!?

 司居るから僕達無敵だよ!?無敵!

 どんな魔物でも鎧袖一触だったよね!?」

 

ツッコみまくりのハジメ。

すると、司はサムズアップしながら……。

 

「……愛し合ってるんですから

 問題無いじゃないですか」

「開き直った!?微妙に開き

直ったよね司!?」

 

その後、私は二人を部屋に(強引に)残し、

もう一つの部屋へ(逃げるように)戻った。

 

私は壁際に腰を下ろし胡座を掻くと目を

つぶり、頭の中に兵器の設計図を思い

描き、新たな兵器を作り上げていく。

 

と、その時。

「ねぇねぇツカサお兄ちゃん」

「ん?何ですかルフェア」

目の前からルフェアの声が聞こえる。

私は目を瞑って開発を続けながら

答える。

 

「ハジメお兄ちゃんとカオリお姉ちゃん

 って付き合ってるの?」

「はい。少し前に、互いに思いを告げ、

 恋仲になりました」

「へ~」

ルフェアの声が聞こえるのだが……。

何か私の膝の上に重みが。

目を開ければ、私に背中を預けるように

私の胡座の上に座っているルフェアが。

 

何故?と言おうかと思ったがやめた。

「所で、ツカサお兄ちゃんは彼女いるの?」

「ん?私ですか?私には居ません。元々

 友人も少なかったし、私は感情が

 薄いと言われているので。それに

私自身、あまり彼女が欲しいと思った

事もありませんし」

 

私は、私の『オリジナル』はあの日から

ずっと孤独だった。友人を得ても、人と

その先の関係に至ることへ、興味も無く、

そして若干抵抗があった。

 

そう。私は人の皮を被っているに過ぎない。

所詮は『異種』。

私は、ずっとそう思っていた。そして、

今も……。

 

と、その時。

「じゃあ、私が立候補する!」

「え?」

一瞬、ルフェアが何を言っているのか

分からず、私は疑問符を浮かべた。

「なぜ、ルフェアが?」

「ん?だって、ハジメお兄ちゃんは

 カオリお姉ちゃんが好きなんでしょ?」

「それはそうですが」

ルフェアの言葉に頷く私。

 

と言うか、ルフェアの口調が幾ばくか

砕けた物に変わってきている。これが

本来の彼女なのか。

とか思いつつ、私は彼女の言葉を

聞いていた。

 

「私ね、お兄ちゃん達やお姉ちゃんの

 事大好きだよ!私の家族になるって

 言ってくれたから。……だから、

 私は3人が大好き!」

「……そうですか」

 

大好き。そんな風に人から言われた事が、

これまであっただろうか?

 

「ありがとう、ルフェア」

かつては、人から憎悪されるだけの怪物が

ここまで来た事は、何とも感慨深い物です。

私は、優しくルフェアの頭を撫でる。

ルフェアは、『えへへ~♪』と笑みを

浮かべながら目を細めている。

 

そして、夜。

ルフェアがハジメ達みたいに一緒に寝たいと

言い出したので、向こうと同じように

ダブルベッドを創り出し、風呂で体を洗い、

パジャマに着替えるとベッドに体を預ける

私達。

ちなみに、ブレスレット、待機状態の

ジョーカーは外さないように3人に厳命

している。万が一にもシールドを突破

された時、離れた所にあると命取りに

なりかねないからだ。

 

そして、私とルフェアは互いに向かい合い

ながら眠ろうとしていたが……。

 

「ねぇ、ツカサお兄ちゃん」

「ん?何ですか?」

「もし、お兄ちゃん達が元の世界に

 帰る方法が見つかったら、やっぱり

 帰っちゃうの?」

 

そう呟く彼女の体は、震えていた。

「私、お兄ちゃん達と離れたくない」

そして、彼女は私の服の裾を掴んだ。

彼女にとって、私達は家族。別れる事を

考え、不安になっているのだろう。

ならば、安心させてあげるのが家族の

役目。

 

「ルフェア、聞いて下さい。確かに私達は

 元の世界への帰還を望んでいます」

そう言うと、ルフェアの裾を掴む力が

強くなる。

 

「なので、ルフェアも私達の世界へ

 一緒に来ませんか?」

 

「え?」

 

どうやら予想外の言葉だったのか、ルフェア

は呆けた声を出していた。

「え?そ、それって……」

「はい。私達は元の世界に帰ります。

 その時ルフェアも一緒に来ませんか?」

「で、でも、この前聞いた話だと、お兄

ちゃん達の世界に、亜人とかって

居ないんだよね?もし、私が言ったら

不味いんじゃ……」

 

「ふむ。まぁ騒ぎの一つか二つは起きる

 かもしれませんが、別に問題ありません。

 ルフェアに手を出す者が居れば、私や

 ハジメ、香織で守りますし。それに」

「それに?」

「……言ったではありませんか。私達

 がルフェアの帰る場所になる、と。

 だから誘うのです。私達と共に、

 行きませんか?と」

「ッ!」

 

私の言葉に、一瞬目を見開いてから

涙を浮かべるルフェア。

「……連れて……」

そして……。

「連れて、行って。私は……」

 

「大丈夫。分かっています」

私は、優しくルフェアの体を抱きしめた。

「置いて等行きませんよ。ルフェアは

 私達の家族なのですから」

「うっ、うぅ、お兄、ちゃん」

 

ルフェアは、私の胸で嗚咽を漏らすと、

しばらくして泣き疲れたのか眠って

しまった。

 

私はその寝顔を見つめながら、眠りにつく。

 

私には家族と呼べる相手など殆ど居なかった。

そしてこの世界に来て、新たな家族が出来た。

 

怪物と忌み嫌われた私に、だ。

ならば、全力で守る他無い。ルフェアは

私の家族となったのだ。だから守る。

例えトータスの全人類を敵に回そうと、

関係無い。

彼女は私の新たな家族なのだから。

 

『ゴジラ』の力を持って、貴方を

守ります、ルフェア。

 

 

少女は出会った。一人の『(ゴジラ)』に。

それは、全ての生命を超越した存在。

『彼』を止める事は出来ない。

『彼』の道を阻むことは出来ない。

『彼』を倒す事は出来ない。

 

なぜなら、彼は『(ゴジラ)』なのだから。

 

(ゴジラ)』と出会い、少女はその加護を

受ける。

少女は、『(ゴジラ)』に家族として迎えられるの

だった。

 

     第8話 END

 




次回には(多分)ユエが出てくると思います!

感想や評価、お待ちしています!

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