ありふれた職業で世界最強~シンゴジ第9形態とか無理ゲー~ 作:ユウキ003
オルクス大迷宮での戦いから、数日が経過した。
私達は訓練に励んでいた。そんな中で私は、
生徒達に『戦う現実』を教えた。そんな中で
戦う覚悟を示したのは、ハジメ、香織、雫
の3人だけだった。
香織にはファイズフォンXを。
雫には無双セイバーといくつかの
『ロックシード』を与えた。
更に、護身用の短刀代わりとして
『ザイアスラッシュライザー』も
雫に与えた。ただし変身用の
『バーニングファルコンプログライズキー』
がまだ完成していないので、護身用
の武器だ。
……まぁそれでも、鋼鉄を真っ二つに
出来る程度の切断力はあるが。
ともかく、今後私が力を与えるに足る
人物達が分かってきた頃だった。
『ルフェア』と出会ったのは。
そして、あれよあれよと展開は進み、
今は王城で殆ど形だけの裁判を受けている
所だ。
そして、ルフェアの嘆願を、周囲のクズ
共が退け、ハジメと香織が、怒髪天の
如く怒りを燃やしていた。
香織が涙に暮れるルフェアを抱きしめ、
それを私とハジメが庇う。
「貴様等、我ら聖教教会に、延いては
エヒト様に逆らうか?」
静かにこちらを睨み付けるイシュタル。
「……教えてやるよ、イシュタル」
その時、普段の言葉使いからかけ離れた、
ハジメの怒気を孕んだ声が響く。
そして、彼はゼロワンドライバーを
取り出した。
「僕には、『俺』には神様を敵に回すとか
どうでも良いんだよ!
目の前で、女の子が泣いてる!
だから助ける!俺達の為に、命さえ
捨てる覚悟をしてくれた、彼女一人
を守れなくて、何が仮面ライダーだ!」
『ジャンプ!』
ハジメはプログライズキーを起動する。
「仮面ライダーは、正義の味方じゃない。
今を生きる人々の自由と平和を守る
ために戦う!」
『オーソライズ!』
ベルトにプログライズキーを翳す。
すると、天井を突き破ってバッタが
現れ、ハジメや私達の後ろに着地する。
ハジメは、展開したキーの先端で
イシュタルを指し示す。
「あんたが、あんた達が彼女の生きる
自由を侵害するって言うのなら、
俺はあんた達と戦う!」
そして……。
「変身っ!」
『プログライズ!』
『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』
ハジメは仮面ライダーゼロワンへと変身
する。これに周囲の者達が驚き、ざわめき、
騎士達が警戒心を強める。
その時、更に……。
「私だって……」
静かに香織が立ち上がった。
そして、その手には、青い短銃型の武器。
『エイムズショットライザー』が
握られていた。
更に香織は、銀色のベルトを取り出し、
腰元にそれを装着する。
「あ、あれって!?」
ショットライザーを見て雫が驚き、更に
エリヒド王の傍にいたランデル王子が
首をかしげている。
そして……。
香織もまた、ハジメと同じように
プログライズキーを取り出した。
『ダッシュ!』
そしてそれを起動する香織。彼女は
手にしていたショットライザーを
ベルトのバックルにセットし、そこに
『ラッシングチータープログライズ
キー』を差し込んだ。
『オーソライズ』
そしてゼロワンドライバーと同じ
オーソライズの電子音声が
鳴り響く。
『KamenRider……KamenRider……』
そして、ゼロワンドライバーとも異なる
待機音声が鳴り響く。彼女はショット
ライザーの中のキーを指で開く。
そして香織は静かに、引き金に指を掛けた。
「……変身」
そして、彼女は静かに、そのかけ声と共
に引き金を引いた。
『ショットライズ!』
次の瞬間、ショットライザーから放たれた
カプセル、『SRダンガー』が中を飛び回り、
香織の傍で炸裂。
中に封入されていた装備が彼女の体を
覆う。そして、変身を終えた彼女の体から
蒸気が噴き出し、黄色い複眼が輝く。
『ラッシングチーター!
Try to outrun this demon to get left in the dust』
彼女、香織は、黄色と白をカラーとする
仮面ライダー、『バルキリー』に変身
した。
戦乙女の名を持つ仮面ライダーである
バルキリー。だからこそ、優しくも
確固たる意思を持つ香織に相応しい
だろうと考え、私が与えたのだ。
更に……。
「では、私も」
『ジオウ!』
「変身」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
私も仮面ライダージオウへと変身する。
そして、ジカンギレードを取り出し、
その切っ先をイシュタルへと向ける。
「貴様に言っておこう。イシュタル。
そしてエリヒド王にも。我らを
敵に回したければ好きにしろ。
……だが、もし私達の敵となった
時は。……神に等しき、最強の
魔王、『オーマジオウ』の力を持って、
貴様等全てを破壊する」
それだけ言い残し、私達は、私が
建造していた時を超える列車、
『デンライナー』へと乗り込む王城を
後にした。
ちなみに、だが、その際に雫に、
彼女専用のジョーカーと共に、
『仮面ライダーブレイド』のベルト、
ブレイバックルとラウズカードを
渡しておいた。ジョーカーの中に
仕込んだAIの私が、彼女の指導を
して行く予定になっている。
加えて、メルド団長達にも極秘で
ジョーカーを渡し、更に団長には
『仮面ライダー龍騎』のデッキを
渡している。
仮面ライダー龍騎の登場するライダー
は、鏡にデッキを翳す事でベルトを
召喚するが、無論その点は改良済み。
私が開発した物は、デッキを前に翳す
事でベルトが出現する仕様になっている。
その後、私達はベヒモス戦後に私が確認
していた、オルクス大迷宮の底の底、
奈落の先にある空間の正体を確かめる
ため、私達と共に来る決意を固めた
ルフェアと一緒に、合計4人で
オルクス大迷宮へと突入したのだった。
そして……。
「ルフェア、これから貴方に、貴方
だけの武器を渡します」
「私だけの、武器?」
「はい。この力は、私達の世界で
作られた英雄の物です。拳を
振るえば巨岩を打ち崩し、脚を
繰り出せば敵を吹き飛ばす事も
可能な力です。……貴方は、
力を持つことを望みますか?
その手を、血で赤く汚す覚悟
がありますか?」
「うん。もう、覚悟は出来てるよ
お兄ちゃん。私は、戦うから」
そう語るルフェアの目には、確かな
覚悟が浮かんで居た。
これ以上の問答は不要だろう。
「では、ルフェアにこれを」
そう言って私は、私の使う物と
同じジクウドライバーと、一つの
ライドウォッチを渡した。
「これって、あの時お兄ちゃんが
使ってたのと同じ」
「えぇ。ジクウドライバーと、
『ツクヨミライドウォッチ』です」
「ツクヨミ?」
「はい。ツクヨミとは、私達の世界で
夜と月の神とされる神様です。
そして、このツクヨミの力を
使ったのは、同じ名を持つ女性です。
女性のライダーの力だからこそ、
ルフェアに相応しいと思ったのです」
そう言って、私はドライバーとウォッチを
渡す。ルフェアはしばしそれを見つめて
いたが……。
「ありがとう、お兄ちゃん!」
彼女はそう言って笑みを浮かべるのだった。
その後、私達は大迷宮を降りていった。
ルフェアにはドライバーとウォッチの他、
ファイズフォンXを与えている。これが
あれば、大抵の敵を倒せるし、いざと
なれば非殺傷設定で捕えられる
からだ。
そして……。
「む?前方から魔物の群れが来ますね。
ルフェア、出来ますか?」
「う、うん。やってみるよ」
彼女は緊張した面持ちでドライバーを
取り出し、腰に当てる。
『ジクウドライバー!』
彼女は私が教えたように、次いで
ライドウォッチを回転させ、スターター
を押して起動する。
『ツクヨミ!』
彼女はそれをベルトのスロットに差し込み、
スイッチを押してベルトを解放する。
待機音声が鳴り響き、ルフェアの背後に
天文時計のようなエフェクトが生まれる。
そして……。
「変身っ!」
彼女は叫び、両手でベルトを回す。
彼女の周囲に黄金のエネルギー帯が
現れ、ルフェアの体を包み込む。
『ライダータイム!
仮面ライダーツクーヨミ♪ツ・ク・ヨ・ミ!』
そして、彼女は白のスーツを金色に縁取った
仮面ライダー、ツクヨミへと変身した。
ルフェアは、変身した自分の体を見て
戸惑っている。
「こ、これが、私?」
「えぇ。ルフェアは今から、仮面ライダー
になったのです。それより、来ました。
魔物です」
「ッ!」
私の言葉にルフェアは視線を上げる。
見ると、前方の洞窟から魔物、ラットマン
がやってきた。
これに、僅かに後ずさりするルフェア。
しかし……。
「変身」
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』
彼女の後ろで私が変身し、ジオウとなる。
「大丈夫ですルフェア。仮面ライダーの力
は、あんな奴らには負けません。
その手に、意識を集中して下さい」
「う、うん。分かった」
ツクヨミは、静かに前を向き、胸の前で
右手を握りしめる。すると……。
『ブゥン!』
音を立てて彼女の手を、白いエネルギーで
構成された刃が覆った。
「え!?これって!?」
「それはツクヨミの力です。エネルギーを
手に集め構成する光の刃、『ルミナス
フラクター』です」
「ルミナス、フラクター?」
「えぇ。どんな強固な鎧でさえも切り裂く、
光の刃です。ルフェア、奴らで
試してみてください」
そう言って、前から迫るラットマンを
指し示す。
「う、で、出来るかな?私に」
「大丈夫です。仮面ライダーの力を
信じて下さい。もしもの時は、私が
援護します」
そう言って、私はルフェアを落ち着け
ながら、ジカンギレード・ジュウモード
を取り出す。
「う、うん。やってみる……!」
そう言って構えるルフェア。
接近してくるラットマン。
そして……。
「やぁぁぁぁぁぁっ!」
繰り出されたツクヨミの右手。
『ズブリッ!』
それが音を立ててラットマンの胸を
貫いた。
ゴバッと血を吐き出すラットマン。
しかし、仲間の左右から更に2体の
ラットマンが飛び出してきた。
だが……。
『ドドドドッ!』
それを私のジュウモードのギレ-ド
から放たれた光弾が撃ち抜いて倒す。
「こ、このぉぉぉぉっ!」
そしてツクヨミ、ルフェアは、空いていた
左手で目の前の、死にかけのラットマンを
大きく殴りつけた。
ツクヨミのパンチ力は27トンを超える。
故に、殴りつけられたラットマンはその場
で爆散。後ろの壁のシミになった。
後続の残りは私が片付けた。
その後、ツクヨミであるルフェアは、
初めて自分の意思で命を抹殺した事に
戸惑いを覚えて居た。
だが、それでも私達と進む意思を示し、
私達4人はそれぞれの仮面ライダーに
変身して先を急いだ。
その後、私達はベヒモスと戦ったあの
場所から奈落へと飛び降り、途中に
あった水路へと突入し、100層以降に
ある『真の大迷宮』への突入に成功。
その最奥にある物を探して、仮面ライダー
の力を駆使して魔物と戦いながら、奥へ
奥へ、下へ下へと進んでいったのだった。
それから、1ヶ月近くが経ったある日。
私達は150層へたどり着いた。
私はジオウとなり、ツクヨミである
ルフェアと共に階層内部を探索していた。
ゼロワンとバルキリー、つまりハジメと
香織は今別行動中だ。
そして、私達が次の階へ続く階段を
発見した時。
ハジメ達から連絡があった。なんでも
扉を発見したらしい。
早速向かうと、そこには荘厳な扉が
あった。
話し合いの結果、まず私達は左右の
像の頭を吹き飛ばした後、扉を私の
必殺技で破壊した。
そして、中へ進んでいくと……。
「……だれ?」
暗い部屋の奥、立方体に埋め込まれ
封印されている少女の姿があった。
理由を聞けば、力を恐れられ封印された
と言う。最初私は、その話を訝しんだが、
結局ハジメの言葉もあり、彼女を助ける
事にした。
ハジメ、ゼロワンのアタッシュカリバーが
立方体を滅多斬りにして破壊。
少女を解放する。
「おっとっ」
そして、立方体という支えを失って
倒れそうになる彼女をゼロワンが
受け止める。
「あなた、達、は?」
見た目が人外な事もあってか、少女は
戸惑い気味にゼロワンを見上げる。
「心配しないで。今の僕達は変身して
るからこんな姿をしてるけど、
ちゃんとした人間だから。
僕はハジメ、南雲ハジメ。
今の姿は仮面ライダーゼロワン
って言うんだ」
「かめん、らいだー?」
少女は静かに首をかしげる。
しかし、少女を保護した直後、私達の
前にサソリ型の魔物が現れた。
「この魔物、どうやら彼女の封印解除
と同時に襲いかかってくるように
設定されていた訳ですか」
「どうするの!司くん!」
私に、ショットライザーを構えながら
問いかけてくるバルキリー、もとい香織。
「ここで仕留めますっ。追って
来られても面倒です。ゼロワンは
彼女を!バルキリーは後方より
私を援護!ツクヨミはバルキリーの
サポートを!」
「「「了解っ!」」」
私の指示に従い、皆が動き出した。
「当ってっ!」
『ドンドンッ!』
バルキリーがショットライザーから
50口径の徹甲弾が放たれる。
『『ギギンッ!』』
放たれた徹甲弾はサソリに命中するも、
甲高い音を立てて後ろに反れ、壁を
破壊した。
「ッ!?聞かない!?」
「いえ」
私はサソリを観察しながらバルキリーの
言葉を否定する。
「体表に罅が入っています。ある程度
弾く事は出来ても、すぐに表皮を
突破出来るでしょう」
しかし、相手もただ攻撃されるだけでは
ない。
『キシャァァァァァァァァッ!』
奴は咆哮を上げると、二股の尻尾から
如何にもヤバい液体を飛ばしてきた。
「回避っ!」
私が咄嗟に指示を出し、私とバルキリー
が左右に。ツクヨミが後ろに飛ぶ。
一拍遅れて地面に着弾した溶解液が、
ジュワジュワと音を立てながら床を
溶かしていく。
「ッ!?この溶解液、ヤバいよ!」
ツクヨミの叫びが私の耳に届く。
「各自っ、回避を優先するように!
無理な攻撃は避けるように!」
そう厳命し、私はジカンギレードを
ジュウモードで取り出し放つ。
放たれた光弾が、先ほどのバルキリー
の攻撃で傷ついた部分に命中する。
すると、奴の硬い表皮の一部が、
音を立てながら砕ける。
だが、奴は新たに、もう片方の
尻尾から針を無数に打ち出してきた。
「ッ!」
「ジオウ!」
これに私が対応するよりも速く……。
『フレイミングタイガー!』
後ろからゼロワン(フレイミングタイガー)
の放った火炎放射が針を溶かして落とす。
そして、ゼロワンが作った一瞬の隙を
ついて私もフォームチェンジする。
『ビルド!』
すぐさまウォッチを起動し、ベルトに
装填し回す。
『ライダータイム!仮面ライダージオウ!
アーマータイム!ベストマッチ!
ビルド~!』
現れたアーマーを纏い、ジオウである
私はフォームチェンジした。
右手には、『ドリルクラッシャー
クラッシャー』と言う武器が装着
されている。
そこに再び放たれる針の雨。
だが……。
「ぬぅん!」
『ギャルルルルルルッ!!』
轟音を上げながら回転する
クラッシャーが振るわれる。
『ガキキキキィィィィィンッ!!』
それが音を立てて針の雨を正面から
弾いた。
カランカランと音を立てて床に散らばる針。
それを見てサソリは警戒を強めたのか
低く唸っている。
だが、この時の敵は私だけではない。そして
私にだけ集中していた事が仇となった。
『ドンドンっ!』
『ビシュビシュッ!』
その隙に左右からバルキリーのショット
ライザーと、ツクヨミのファイズフォンX
の射撃が襲い掛かった。
徹甲弾が弾かれながらも奴の体に
ひびを入れる。
一方でファイズフォンXの光弾は
敢えてスタン弾に設定してある。
貫けないのなら、痺れさせて少しでも
奴の動きを阻害するためだ。
最近のルフェアも、戦い方と言う物を
理解してきた。
ちなみに、ツクヨミ(ルフェア)の最近の
バトルスタイルは、右手にルミナス
フラクターを出現させつつ、左手に
ファイズフォンXをもっている。
これで遠近両方に対応しているのだ。
場合によっては、拳と足を使っての
格闘戦もこなしている。
さて、話を戻そう。
サソリは突然の攻撃にうめき声をあげる。
そして彼女たちに視線を向ける。
だが……。
「その一瞬が命取りだっ……!」
一瞬の隙をついて私が接近。
奴の体にクラッシャーを突き立てた。
『ギャリリリリリッ!!!!』
クラッシャーが音を立てながら奴の
装甲を削り取る。
『キシャァァァァァっ!?!?!』
悲鳴を上げるサソリ。だが腐っても
封印場所の番人。奴は私目掛けて
溶解液を飛ばしてきた。
私は咄嗟に後ろに飛んでそれを回避する。
だが、直後にハジメ、ゼロワンの
炎が奴の体を包み込む。
サソリは体を振って炎を消そうとする。
見たところ炎自体でダメージは与え
られていない様子。
だが……。
「炎だけがダメなのだとしても!」
ゼロワンが叫び、新たなプログライズキー
を取り出した。
『ブリザード!』
『オーソライズ!』
ゼロワンがキーをドライバーに
突き刺すと、天井を突き破ってホッキョク
グマのライダモデルが落下してきた。
『プログライズ!』
そしてゼロワンがキーをベルトに装填
すると、クマは覆いかぶさるようにして、
新たな鎧を形作った。
『Attention freeze!フリージングベアー!
Fierce breath as cold as arctic winds』
クリアブルーの鎧を纏った、普段に比べて
マッシブなゼロワン。
それが、フリージングベアーの姿だ。
ゼロワンのフォームチェンジと同時に、
サソリが炎を振り払う。しかしその
装甲は今も熱を持っているのか、
赤みを帯びている。
そして、そこがゼロワン、ハジメの
狙い目だった。
「冷えろぉぉぉぉぉっ!」
ゼロワンは、その手から凍結剤を放ち、
サソリの体を急速冷凍していく。
そして……。
『ビシビシッ!』
高熱だった体表が、急激に冷やされた事で
急激な温度変化に耐えられず、最初の
バルキリーの攻撃でできていた罅が
更に大きくなる。
悲鳴を上げるサソリ。
そこが狙い目だ。
「ゼロワンッ!」
「任せてっ!」
更にハジメが、凍結剤を噴射して
サソリをカチンコチンに固めていく。
次第に身動きが出来なくなるサソリ。
ここが、仕留めるチャンスだと私は
理解する。
「トドメですっ……!」
「うんっ!」
「了解っ!」
「任せてっ!」
私の言葉に、ハジメ、香織、ルフェアが
三者三様の返事を返し、それぞれの
ドライバーに手をかける。
『『フィニッシュタイム!』』
『ビルド!』
『フリージングインパクト!』
『ダッシュラッシングブラストフィーバー!』
ジオウの私とツクヨミのルフェアの
ベルトから、異口同音の音声が
流れ、更に私の方はビルドの
音声が流れる。
「まずは僕からぁっ!」
ゼロワンは、手から凍結剤を放ちながら
サソリの接近。
「おりゃぁぁぁぁぁぁっ!」
そして、青いエネルギー
を纏った爪で、尻尾を2本まとめて
粉砕した。
『フリージングインパクト!』
「次は、私がっ!」
次いでバルキリーがサソリの周囲を、
円を描くように走りながら、隙をついて
跳躍。
「えぇぇぇぇぇぇいっ!」
エネルギーを纏った飛び蹴りが、サソリ
の鋏、片腕を一本吹き飛ばす。
『ダッシュラッシングブラストフィーバー!』
「私もぉっ!」
今度はツクヨミが前に出る。彼女は
助走をつけて跳躍。
『タイムジャック!』
「おりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」
彼女の黄金に輝くエネルギーを纏った
飛び蹴りが、残っていた鋏も吹き飛ばす。
どうやらトドメは私の役目のようだ。
「終わりだっ!」
クラッシャーを回転させながら、私は
突進する。もはやサソリに私の攻撃を
防ぐ術はない。
そして……。
『ボルテック!タイムブレーク!』
ベルトの電子音と共に、私の一撃が
サソリを真正面から貫いた。
その体を突き抜けた私がサソリの
背後に着地する。
直後。
『ドォォォォォォンッ!』
サソリは爆散した。
静かに振り返る私。その元に
ツクヨミが駆け寄る。
「やったね、お兄ちゃん」
「えぇ。……さて、次は彼女です」
そう言って、私は柱の陰から戦いを
見守っていた少女に目を向けた。
一方で、その少女は、戸惑いながらも
驚いていた。
「……強い」
ポツリと呟いた少女は、こちらに
歩み寄るゼロワンとバルキリーに
目を向けていた。
「これが、かめん、らいだー」
ポツリと呟きながらゼロワンや
バルキリー、ジオウにツクヨミを
見つめる少女。
そんな彼女の前でハジメ達は変身を
解除した。
「もう大丈夫だよ」
そう言って、今にも倒れそうな少女に
寄り添うハジメ。
「……あ、ありがとう」
そんな時、少女は小さく、ポツリと
呟くのだった。
「どういたしまして」
そしてハジメも、小さく笑みを浮かべながら
呟くのだった。
その後、私達は彼女を連れて部屋を出た後、
拠点を作って色々話をした。
彼女にユエと名前を考えてあげたり、
ハジメが吸血されたり、私達の素性を
ユエに教えたり、私がゴジラである事を
皆に話したりしていた。
更にユエからの情報で反逆者の話を
聞く事が出来た。これで私達が、
この大迷宮の最奥を目指す新たな理由が
出来た。
そして、ユエもまた私達と一緒に旅を
する事になった。
そして、共に大迷宮攻略をしていた
ある日の事だった。
「司」
「はい。何でしょう?」
「……私も、みんなと同じ力が欲しい」
「それはつまり、仮面ライダーの力が
欲しいと?」
私が問いかけると、ユエはコクリと
頷いた。
「うん。……私だけ持ってないの。
仲間外れみたいで、やだ」
そう言ってどこか悲し気なユエ。
まぁ最もだろう。
しかしそこは既に準備出来ている。
「そうですか。実は、ハジメと少し前に
相談していまして、ユエにピッタリ
の力を用意しておいたんです」
そう言うと、私は装備の入っている
バックパックの中から、中くらいの
箱を取り出した。
そしてそれを開くと、中には一匹の、
金や黒のカラーの、コウモリのような
アイテムが入っていた。
「司、これは?」
「これは『キバットバットⅢ世』。
吸血鬼をモチーフとした仮面ライダー
キバに登場する変身アイテムであり、
自我を持った存在です」
そう言って私は、キバットバットⅢ世に
触れ、起動コードを送信する。すると……。
「ん、くぁ~~~!よく寝たぜ~!」
突然キバットバットⅢ世が起き上がり、
箱から飛び出した。そしてそのまま周囲を
飛び回るキバット。
「これ、が……」
「えぇ。ユエの新たな力の源であり、
パートナーです。キバット」
「ん?どした?」
私が声をかけると、キバットは私と
ユエの傍で滞空する。
「彼女がこれからあなたのパートナー
になるユエです。そしてユエ、彼は
貴方の新しいパートナー、キバット
です。二人とも、これから仲良くする
ように。良いですね?」
「……うん」
「おうっ!任せろ司!」
静かに頷くユエと、明るく頷くキバット。
「そう言う訳だ。ユエ。俺様はキバット
バットⅢ世。まぁキバットって呼んで
くれよ。これからよろしくなっ!」
「うん。よろしくキバット」
笑みを浮かべる二人。
こうして、新たな少女、ユエが司たちの
仲間となった。
そして同時に彼女もまた、仮面の英雄の
力を王より与えられるのだった。
ライダー編 第2話 END
ライダー大好きなので、最近こっちを書いてます。
近々本編の方も投稿します。
感想や評価、お待ちしています。