ありふれた職業で世界最強~シンゴジ第9形態とか無理ゲー~   作:ユウキ003

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今回はオルクスでのヒュドラとの戦いです。


IF・ライダー編 第3話

オルクス大迷宮を攻略する中で、私達は

新たなにユエと言う仲間を得た。彼女にも

仮面ライダーの力であるキバットを与え、

私達は大迷宮の更に奥へと進んでいくの

だった。

 

その過程で、ユエはすっかりキバの扱いに

慣れていた。

 

今日も今日とて道行く先には魔物が

待ち構えていたが……。

 

「行くよ、キバット」

「おうよ!」

ユエの言葉に従い、キバットが宙を飛び回る。

そして、彼女が右手を前に伸ばすと……。

「キバって行くぜ!ガブッ!」

「変身……!」

宙を飛んでいたキバットがその腕に噛みついた。

すると、ユエの顔にステンドグラスのような

模様が浮かび上がり、次の瞬間、その体を

覆う鎧、『キバの鎧』が展開され、彼女は

『仮面ライダーキバ』となった。

 

同時に、彼女の身長も成人男性並みとなる。

これは変身による一時的な変化だ。

 

そして、魔物が襲いかかってくるが……。

「はぁっ……!」

彼女のパンチ一発で吹っ飛ばされた。

その後も襲いかかる魔物だが、最近

ではライダーの力に慣れる為に、私や

ハジメと近接戦の鍛錬をしている。

その成果もあり……。

「はっ、たぁっ……!」

襲い来る魔物を、パンチとキックだけで

迎撃し、時には回避し、カウンターで

叩き潰す。

もちろん変身した状態でも魔法は

難なく行使出来る。なので……。

 

「『緋槍』!」

キバが翳した手から炎の槍が放たれ、

魔物を穿つ。

どうやら彼女も次第にキバの力に

慣れてきた様子。魔法で遠距離攻撃も

すれば、キバの力を生かした格闘戦も

展開する。前衛としても、後衛としても

極めて優秀だ。

 

その活躍もあり、私達は破竹の勢いで

大迷宮を攻略していった。

 

そして、私達はついに200層目まで

たどり着いた。

 

神殿のような作りの200層目は広大な

空間だった。

奥に見える巨大な扉。誰もが、あそこが

ゴールだと確信する。だが、分かる。

 

その手前にたどり着いた時、本能が

叫ぶ。ここから先に進むな、と。

そう訴えかける程の敵が、現れる

感覚を私達は感じた。

だが、ここで立ち止まり、引き返す

訳には行かない。私達には、進む以外

の選択肢は無い。

 

恐怖を感じる皆を、私の言葉で宥め、

そして、この5人で立ち向かうと決めた。

 

そして、最後の柱を超えた時。

奴が現れた。

 

それは6つの頭を持つ、ヒュドラの

ような魔物だった。

奴は咆哮を上げ、こちらを威圧している。

だが……。

 

「行きましょう。この先へ進むために」

 

『ジオウ!』

 

私はジオウライドウォッチを起動する。

 

「そうだ。こんな所で僕達は止まらない!」

 

『ジャンプ!』

 

「私達は、前に進む!」

 

『ダッシュ!』

 

「お前なんかに、邪魔させない!」

 

『ツクヨミ!』

 

「私達の方が、強い……!

 キバット」

「おうよ!皆でキバって、

 行くぜぇっ!」

 

『ガブッ!』

 

各々が、力の源であるアイテムを使い、

起動する。

そして……。

 

「「「「「変身っ!!!」」」」」

異口同音の叫びが木霊した。

 

『ライダータイム!仮面ライダージオウ!』

 

『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』

 

『ラッシングチーター!』

 

『ライダータイム!仮面ライダーツクーヨミ♪

 ツ・ク・ヨ・ミ!』

 

ベルトから電子音声が響き、更にユエもまた

独特な音と共にキバとなる。

 

「よっしゃっ!これで仮面ライダーが

 5人、そろい踏みだぜ!」

ベルトのキバットが、逆さのまま意気揚々

と声を上げる。

 

ジオウ、ツクヨミ、ゼロワン、バルキリー、キバ。

 

5人の仮面ライダーが並び立つ。

 

「「「「「「クルアァァァァァァンッ!!!」」」」」」

 

ヒュドラもどきが一斉に咆哮を上げる。

 

「行くぞっ!」

そして、私のかけ声で皆が一斉に

飛び出した。

 

「はぁっ!」

真っ先に飛び出したのは、脚力に優れる

ゼロワン、ハジメだ。

 

『ブレードライズ!』

 

アタッシュカリバーを構えたゼロワンが

ヒュドラもどきに急接近し、その体を

斬り付ける。

斬撃がヒュドラの皮膚を切り裂き、出血

する。だが、それだけだ。

ゼロワンの攻撃に、赤い頭が反応して

その口から火炎を吐き出した。

「うぉっ!?」

たまらず後ろへ飛んで炎を避けるゼロワン。

 

「このっ!」

そこに、バルキリーのショットライザー

による攻撃が、白い頭を狙って放たれる。

だが……。

黄色い頭が、自身の頭を肥大化させ、

さながら盾のようにして徹甲弾を逸らし

白頭を守った。

 

「はぁっ!」

そこに私が飛びかかり、黄色頭に取り付く

と思い切り頭を蹴りつけ、弾き飛ばした。

音を立てて吹き飛び、壁にめり込む黄色頭。

だが、そこに青い頭が氷の雨を、さながら

マシンガンのように連射してきた。

「ッ!」

 

『ジカンギレード!ケン!』

 

それを、私は咄嗟に召喚したジカン

ギレードで弾きながらも後ろに飛ぶ。

そこに……。

「こっちにだって居るよ!」

『ビシュビシュッ!』

ツクヨミがファイズフォンXで援護射撃

をする。敢えてスタン弾に設定する事で、

ヒュドラを痺れさせるつもりだ。

実際、ヒュドラは悲鳴を上げ、僅かに

動きを遅くしている。そして、それが

次に繋ぐ隙、チャンスとなる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

『ドンドンドンドンッ!!!!』

バルキリーがショットライザーから

徹甲弾を撃ちまくる。

それが青頭の首元や頭を撃ち抜き、

そのまま力無く地面に倒れた。

 

だが……。

「クルアァァァァァンッ!」

白頭が鳴くと、青頭が再生し再び

攻撃を放ってきた。

「くっ!?」

それを咄嗟に避けるバルキリー。

「バルキリー!」

それを咄嗟にツクヨミがファイズフォンX

からの射撃で援護する。

 

「このぉっ!」

更にゼロワンがアタッシュカリバーで

黄頭を斬り付け……。

「ふんっ……!」

キバの拳が青頭を弾き飛ばす。

 

一方の私は、一歩下がった所でヒュドラ

の様子を見ていた。

……奴らの頭は、色に応じた力がある。

赤なら炎。青なら氷や水。白なら恐らく

聖の属性。だが、それなら……。

あの黒い頭は……。

 

そう考えを巡らせた時。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

突如ユエの悲鳴が届いた。

悲鳴の方に目を向けると、ユエ、

キバが頭を抱えてその場に膝を突いた。

「おい!ユエっ!どうしたユエっ!」

突然の事に、キバットがユエに声を掛ける。

 

だが、ユエは反応しない。

そして、その隙を突いてヒュドラが

キバ目がけて攻撃を放った。

「危ないっ!」

 

だが、すんでの所で、ゼロワンがキバを

抱えて跳躍。刹那、キバの居た場所を

赤頭の放った火炎が焼き払う。

 

「ちっ!ゼロワンはキバ、ユエを頼みます!

 バルキリー、香織も回復系魔法が使える

 のでユエの回復を試して下さい!

 恐らく、闇魔法による精神攻撃を受けた

 可能性があります!香織は状態異常の

 回復魔法を!

 その間、私とツクヨミで奴の注意を引きます!」

「「「了解っ!」」」

私の声に従って皆が動き出す。

 

 

ハジメ、ゼロワンはまずキバを柱の影に

引き込んだ。

「ユエちゃん!ユエちゃん!しっかりして!」

必死にキバの肩を揺らすゼロワン。だが、

キバであるユエが反応しない。

「くっ!キバット!一旦ユエちゃんから

 離れて変身を解除して!もっと詳しく

 ユエちゃんの事を見たいんだ!」

「お、おうっ!分かった!」

ゼロワンの言葉に頷いたキバットが

ベルトを離れ、変身が解除される。

 

それを見てハジメもドライバーからキーを

抜いて変身を解除する。

「任せて!」

そこにバルキリーが駆けつけ、すぐさま

ユエに状態異常の回復魔法、『万天』を

放った。

 

しばらくすると……。

「あ、れ?……ハジメ?香織?」

未だに青い表情をしながらも、彼女は

目の前とハジメとバルキリーに手を

伸ばした。

 

その手をハジメが優しく両手で包み込む。

「大丈夫。僕達はここにいるよ?

 どうしたの?」

彼は静かに優しく問いかける。

「分からない。……気づいたら、

 頭の中、不安が、いっぱいで。

 そしたら、ハジメたちに、

 見捨てられて、また、封印

 されるイメージが……」

 

そう語るユエは、再び体を震わせる。

 

だが……。

「大丈夫」

そんな彼女をハジメが優しく抱きしめた。

 

「僕は、ううん。僕達はユエちゃんを

 見捨てたりなんてしない」

「本当、に?」

「うん。もちろんだよ。だって、

 僕達は『仲間』じゃないか。

 一緒にこの大迷宮を突破して、

 ここまで来たチームだ。

 唯一無二の、仮面ライダーチームだ。

 そして、僕は……」

 

彼は真っ直ぐに、ユエの瞳を見つめる。

 

「絶対にユエちゃんを一人になんか

 しない」

 

確固たる信念。

仲間を守り抜く決意。

それに裏打ちされた覚悟が、

ハジメの瞳の中で燃えている。

 

そしてユエは、その熱に当てられ、

頬を赤く染める。

 

「僕は、絶対に仲間を見捨てたりなんか

 しない」

 

『僕に、≪その名≫を名乗る資格はない

 のかもしれない。虚構の英雄の名

 なのかもしれない。でも、それでも僕は、

 仲間を守る為に戦う。皆で一緒に

 笑っていないから。だから、それでも

 僕は≪その名≫を名乗る』

 

「今の僕は、仮面の英雄。

 『仮面ライダー』なんだから」

 

例え、それが虚構の英雄の名なの

だとしても、ハジメはその名を名乗る。

 

偽りであろうと、虚構の存在であろうと、

ハジメは今、『仮面ライダー』なのだから。

 

やがて、ハジメは立ち上がり、ユエに

右手を差し出した。

 

「行こう。僕達の未来を、僕達自身の

 手で掴み取るために……!」

「ッ!うん……!」

ユエは、差し出されたその手を取って

立ち上がった。

 

そして、彼等は柱の陰から出る。

 

ジオウとツクヨミはヒュドラと戦っていた

が、その手数の多さと6つの頭の連帯に

攻めあぐねていた。

 

そして、ジオウとツクヨミが一旦ハジメ

達の傍まで下がる。

 

「ふぅ。ライダー二人でも互角、ですか。

 少々厄介なボスですね」

そう静かに呟く司。その時。

 

「司」

ハジメが彼に声を掛けた。

「……ここ最近、司が夜に開発してるの

 見てたんだ。『あれ』、出来てる?」

「……。使用は推奨できませんね。

 まだ使用者へのバックファイアを

 殺し切れていません。使用者の

 ポテンシャルを強制的に引き出す『あれ』を

 今の段階で使えば、相応の

 ダメージを覚悟しなければなり

 ません」

そう言って警告する司。

しかし……。

 

「覚悟なら、とっくに出来てるよ」

ハジメはそう言って、ジオウに

右手を伸ばす。

 

「元の世界に戻るために戦うと

 決めたんだ。そして、決めた。

 僕は『仮面ライダー』として戦う。

 そのために、そんな事で萎縮して

 たら、僕にライダーの名を名乗る

 資格は無いよ」

そう言って、ハジメは笑った。

 

すると……。

「やはり、ハジメは英雄の器ですね」

そう言ってジオウが、腰元から取り出した

のは、ライトゴールドの、これまでの

プログライズキーとは異なるキー。

 

「貴方の覚悟が、貴方の力となるはずです。

 ハジメ」

 

ハジメは、静かに差し出されたキーを

受け取る。

 

だが、この時、先ほどまで警戒して動きを

止めていたヒュドラの、赤や青の、攻撃を

担当していた頭たちが一斉に攻撃を放って

来た。炎の球が、氷の雨が、風の刃が、

彼等に迫る。

 

だが……。

 

『シャイニングジャンプ!』

 

ハジメはキーを起動し……。

 

『オーソライズ!』

 

それをベルトに翳した。次の瞬間。

 

天井を突き破って降り注いだ光から、

彼等の前に鍵穴のようなエフェクトが

現れ、彼等を攻撃から守った。

ハジメは、キーを振って変形させると、

突出すようにキーを鍵穴のエフェクトに

突き刺し、それを捻った。

 

すると、鍵穴のエフェクトが変形し、開いた。

 

中から、バッタを乗せたバッタ、とでも

形容出来る巨大なバッタのライダモデル

が現れた。

 

「変身っ!!」

 

そして、ハジメが叫び、キーをドライバー

に装填する。

 

『プログライズ!』

 

すると、ベルトから網目状のエフェクトが

飛び出し、ライダモデルを捕えた。かと

思うと、そのエネルギーがハジメの体と

重なり、彼を『新たな形態』へと進化

させた。

 

『The rider kick increases the power by adding to brightness!

 シャイニングホッパー!』

 

今のハジメは、普段のゼロワンとは異なる。

黒をベースとするボディを走るライト

イエローのライン。肩と脇腹の辺りから

伸びるX字のようなパーツ。

 

そう、今のその姿こそ、ゼロワンの強化

された姿。

 

『仮面ライダーゼロワン・シャイニングホッパー』だ。

 

『When I shine,darkness fades』

 

今、新たな姿となったゼロワンに、ヒュドラ

は警戒心を剥き出しにして唸る。

 

その時、ゼロワンが数歩前に出る。

 

「お前じゃ俺達には勝てない。俺達は、

 仮面ライダーだっ!」

 

そう言って、ハジメ、ゼロワンはヒュドラ

を指さす。

 

「お前を倒すのは……!」

 

『グッ!』

 

「俺達だっ!」

 

そう言って、ハジメは右手の親指で自分の

方を指さす。

 

「「「「「「クルアァァァァァァンッ!!」」」」」」

対してヒュドラ達も咆哮を上げて威嚇

するが、今のハジメ達には効かない。

 

そして、ユエが熱のこもった目で

ゼロワンの背中を見上げる。

その時。

 

「おいおいユエ。何ボサッと

 してんだ?行くぜ?」

そう言ってキバットがユエに語りかけた。

「キバット」

「忘れたのか?お前も仮面ライダー

 だろうが」

その言葉に、ユエは小さく息を呑んで

から、笑みを浮かべた。

 

「うん。……行くよ、キバット」

「おうよ!もういっちょ、キバって

行くぜ!ガブッ!」

 

「変身……!」

 

ユエもまた、再びキバの鎧を纏って、

『仮面ライダーキバ』へと変身する。

 

ゼロワンの隣に並ぶキバ。更にその

反対側にバルキリーが並び、キバと

バルキリーの隣にジオウとツクヨミ

が並ぶ。

 

「行こう、決着を付けよう!」

 

ゼロワンの声に、皆が頷く。次の

瞬間。

 

「行くぞぉぉぉぉぉぉっ!」

ハジメの叫びと共に、皆が駆け出した。

 

まず真っ先に動いたのがハジメだ。

ゼロワンはその瞬発力を持ってヒュドラ

の懐に飛び込んだ。彼が持つアタッシュ

カリバーの刃が煌めき、黄色頭の体を

斬り付ける。

 

傷口から血液が噴き出す。

その時、ゼロワン目がけて青頭が

氷の砲弾を放った。

 

だが、当る直前でゼロワンは瞬間移動も

かくやの速度でそれを避ける。

逆に……。

 

「はぁ……っ!」

ゼロワンの方に集中していた青頭を

キバのキックが吹き飛ばす。

 

「そこぉっ!」

「私達だって、居るんだから!」

更にバルキリーとツクヨミの射撃が

赤や黒の頭に集中する。

「はぁっ!」

更にジオウがギレードで黄色頭の首を

切り飛ばした。

 

それを見て白頭が黄色頭を復活させよう

と、声を上げようとした。だが……。

 

「遅いっ!」

一瞬で懐に飛び込んだゼロワンのカリバー

が、その首、喉元を貫いた。

結果漏れたのは、くぐもった悲鳴だけだ。

 

「はぁっ!」

更にゼロワンは、そのままカリバーを

横薙ぎに払って、白頭を切り飛ばす。

 

これでヒュドラは回復役を失った。

 

「後は残りの頭を潰すだけですっ!」

 

ジオウの言葉に、皆が一気に攻勢に出る。

 

バルキリーとツクヨミの射撃が次々と

ヒュドラの胴体に穴を開け、痺れさせる。

 

ジオウとゼロワンの斬撃が、その首を

切り裂き、倒す。

 

そして、最後に赤い頭だけが残った。

 

「決めるぞユエ!トドメだ!」

「分かった……!」

キバットの言葉に頷いたユエが、ベルト

の脇のホルダーに刺さっていた笛を

取り、親指で弾いて宙に飛ばす。

 

すると、ベルトに止まっていたキバット

がそこを離れて飛び立ち、宙に浮いた

笛、『フエッスル』を口に咥えた。

 

「ウェイクアップ!」

更にキバットがその声と共にフエッスル

を吹き鳴らす。

 

独特な音が周囲に響き渡り、更にそれを

合図として周辺が夜の闇の帳に包まれ、

そこに無いはずの三日月が、天井付近で

輝いている。

 

「はっ……!」

右足を振り上げるキバ。するとその周り

をキバットが回る。

すると、右足に装着されていた、鎖に

巻かれた『封印』が解かれ、赤いコウモリ

の羽を模したパーツ、『ヘルズゲート』

が姿を見せる。

 

そして、片足を振り上げたまま、もう

片方の左足だけで跳躍。

宙で幻の月をバックに、逆さまの状態

から体勢を戻し、跳び蹴りを放った。

「これで、トドメッ……!」

 

それこそが、キバの必殺技の一つ。

『ダークネスムーンブレイク』だ。

 

放たれた跳び蹴りは、赤頭の、その頭を

粉砕した。

 

赤頭を蹴り砕き、そのヒュドラの後ろに

着地するキバ。

彼女は、静かに振り返り、音を立てながら

崩れ落ちるヒュドラを見つめる。

 

「やったなユエ。お疲れ様」

「うん」

キバットからのねぎらいの言葉に、

小さく頷くユエ。

 

そして、その勝利からハジメ達も息を

つき、構えていた武器を下げた。

直後。

 

ヒュドラの胴体から、7本目の首が

生えた。

 

「「「「ッ!?」」」」」

突然の事に、ハジメ達が驚き、司、ジオウ

はそれを迎え撃つ為にギレードを構え直す。

だが、生えた頭、銀頭はすぐに後ろに

一人立つキバ、ユエに狙いを絞った。

 

「ッ!ユエちゃん!」

それに気づいて、ゼロワンが駆け出す。

次の瞬間、銀頭がその口から極光を放った。

 

すんでの所で、ゼロワンがキバの前に

滑り込む。そして……。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

ハジメ、ゼロワンはヒュドラの極光に

対して、アタッシュカリバーを叩き付けた。

カリバーの刃でV字に逸らされた光が

二人の背後を焼いていく。

 

「ぐっ!?おぉぉっ!」

ゼロワンは、弾き飛ばされそうになるほど

の衝撃に、必死に耐えた。

極光が二人を消し飛ばそうと迫る。

それを受け止めるゼロワン。

 

「ハジメッ!」

後ろに居たキバ、ユエが叫ぶ。

このままではハジメが危ない。

どうにかしようと、思考を巡らせるユエ

だが、いきなりの攻撃で対処方法が

思いつかなかった。

 

だが……。

 

「やらせないっ!」

「っ!」

ハジメの叫びに、ユエは息を呑んだ。

 

「俺は、俺達は、お前になんか、

 絶対に負けないっ!」

ハジメの叫びが響き渡る。

そして……。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!

 はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

ゼロワン、シャイニングホッパーの

一刀が、極光を切り裂いた。

これに驚いた銀頭が、驚愕の呻きを

漏らす。

だが……。

 

「私達を忘れるとは……」

その時、聞こえた声に慌てて振り返る

ヒュドラ。

振り返ったその時には、既にジカン

ギレードを掲げたジオウがその眼前に

迫っていた。

 

「良い度胸だ……!」

その言葉と共に振り下ろされたジカン

ギレードの一刀が、ヒュドラの片目を

切り裂く。眼球が切り裂かれ、大量の

血液が飛び散る。

痛みに悲鳴を上げるヒュドラ。

 

だが、それだけではない。

「私達だってっ!」

「居るって言ってるでしょぉっ!」

バルキリーとツクヨミの射撃がヒュドラの

体を穿っていく。

 

そして、今度こそ戦いは終局へと向かう。

 

「ハジメッ!ユエッ!トドメです!」

ジオウ、司の叫びが響く。

「任せてっ!」

ゼロワンであるハジメは力強く

頷き、後ろにユエ、キバに振り返る。

 

「終わらせよう、ユエちゃん。

 今度こそ、一緒にっ!」

「ハジメ」

その言葉に、ユエは……。

「分かった。終わらせる……!」

 

彼女もまた力強く頷いた。

 

そして、それを確認したゼロワンは

ベルトのキーを押し込んだ。

 

『シャイニングインパクト!』

 

「よっしゃぁっ!もういっちょ、

 キバって行くぜ!」

ベルトから電子音が流れるのに次いで、

キバットが再びフエッスルを吹き鳴らす。

 

「ウェイクアップ!」

 

「はっ!」

「ふっ……!」

フエッスルが奏でるメロディをBGMに、

二人は同時に飛び上がる。

 

それに気づいたヒュドラは傷を負った体を

押して、二人目がけて極光を放った。

二人の体を消し去らんと、光の奔流が

迫る。

 

だが、二人は恐れない。

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁっ……!」

 

裂帛の気合いを込めた二人の跳び蹴り。

 

『ダブルライダーキック』が空中で

極光とぶつかった。

その衝撃で極光の一部が逸れて、二人の背後の

壁や天井を焼く。

 

ダブルライダーキックと極光が、拮抗する。

 

それを見たルフェアが援護しようとファイズ

フォンXを構えるが、司がそれを制止した。

「え?お兄ちゃん?」

「大丈夫です、ルフェア。あの二人は、

 負けません。……なぜなら、彼等は

 一人ではないのだから」

そう言って、ジオウはゼロワンとキバに

目を向ける。

 

そして……。

「ぐぅぅっ!負けて、たまるかっ!」

「うんっ……!私、たちの、未来は、

 私達の、手でっ!掴むっ!

 だからっ!」

 

「「俺(私)たちの邪魔をするなぁっ!」」

 

力を込める二人。そして、拮抗が終わった。

 

『ドォォォォォォンッ!』

爆音と共に、二人のライダーキックが

極光を弾き飛ばした。

これに驚愕するヒュドラ。そして、

驚き動けなかった事が、ヒュドラの

敗因となった。

 

『『ドゴォォォォォォォッ!』』

 

二人のキックが深々とヒュドラの体に

突き刺さる。

だがそれも一瞬だった。

 

二人がヒュドラの体を突き抜け、私達の

前に着地した。

 

胴体に風穴が空いたヒュドラは、やがて

瞳の色を失って地面に崩れ落ちた。

直後。

 

『ドォォォォォォォォォンッ!』

 

音を立てて爆発し、消滅した。

 

やがて、ジオウたち5人は、ヒュドラの

爆発した場所を静かに見つめていた。

 

「勝った、ね」

「うん」

ハジメの言葉にユエが頷く。

そして……。

 

「ありがとう、ハジメ」

「え?どうしたの?」

いきなりのお礼にハジメが戸惑う。

「ハジメが居たから、私はこいつに

 勝てた。だから、ありがとう」

「そっか」

と、彼女の説明にハジメは静かに

納得し頷く。

 

「でも、それは、僕達だけの力じゃない。

 皆がいたからだよね?」

「うん。私達だけじゃ、勝てなかった

 かもしれない。でも、違う。

 私達5人だから勝てた」

 

そう言って、ユエは変身を解除し、

笑みを浮かべながら呟いた。

 

「だって、私達は『仮面ライダー』だから」

 

「うん、そうだね。僕達は、仮面ライダーだ」

その笑みに、ハジメもマスクの下で笑みを

浮かべながら、頷くのだった。

 

     ライダー編 第3話 END

 




ライダー編では、次回はシアが出てくると思います。

ちなみに、シアのライダーはもう決まってます。
ヒントは『ベストマッチ!』です。

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