ありふれた職業で世界最強~シンゴジ第9形態とか無理ゲー~   作:ユウキ003

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ライセン大迷宮攻略、中編です。
原作よりは、メンバー多いし司のおかげで
楽っちゃぁ楽なんですが……。



第25話 アスレチックな迷宮

~~~前回のあらすじ~~~

次なる迷宮を探し、司たちはライセン大峡谷の

中を移動していた。迷宮探索の3日目の夜。

ふとした事からシアがライセン大迷宮の入り口

を発見。翌朝になると、6人は迷宮攻略を

めざし、内部へと突入した。

そこで待っていたのは、トラップだらけの

ダンジョンとその主、ミレディが仕掛ける

ウザい言葉の攻撃だった。

 

 

サソリ地獄を超えた私達は、その後もいくつもの

トラップとあのウザい文に遭遇した。

……のだが。

「……何かさぁ、司が居るとトラップの突破も

 簡単だよね」

と、ハジメが歩きながら呟いた。

「うんうん。毒矢はシールドで防いで」

「ん。落とし穴は空中に足場創って渡った」

「あのアリ地獄のもですぅ。足場創って

 そこから爆弾をポイッして魔物を

 やっつけてました」

「やっぱり、お兄ちゃんが居ると大抵の

 ピンチも何て事無い事になっちゃうんだね」

と、ルフェアが言うと……。

「「「「うんうん」」」」

と、ハジメ達が首を縦に振っていた。

 

そんな彼等を一瞥しつつ、私は先頭を

歩いていた。

 

やがて、私達はある通路に出た。そこは

急なスロープが右へと下って行く道だ。

恐らく螺旋構造なのだろう。しかし……。

「ハジメ、貴方の意見を聞きたいの

 ですが。私はここで、上から巨大な球が

 転がってきて私達を追ってくる様子が

 頭に浮かんだのですが?」

「うん。僕もそう思う。これ、絶対

 そうだって」

「……。総員、全周警戒」

私は、皆に警戒を促す。そして、歩きだそうと

した時。

 

『ガコンッ……!』

どこからか、何かが動き出す音がした。

「「「「「「………」」」」」」

皆が黙りこくる。

『ゴロゴロゴロ』

そして、何かが転がってくる音が聞こえてきた。

私以外の5人が、ゆっくりと振り返る。

上方のスロープもカーブしていた。なので

その奥は見えなかった。しかし、音の主は

すぐに姿を現した。

 

巨大な球形の岩石が。

 

「やっぱりかこんちくしょう!?

 インデ○・ジョーンズじゃねぇっての!」

「どうする!?壊す!?逃げる!?」

叫ぶハジメと香織。

「や、やってやるですぅ!アータルの

 バスターモードなら!」

「んっ!やってやる……!」

「よ、よぉし!ルフェアも手伝うよ!」

シア、ユエ、ルフェアは迎撃するつもり

なのか、バスターモードのアータル、

両手のビーム砲、タナトスを構える。

 

が……。

「問題ありません」

そう言って、パチンと私が指を鳴らせば、

大岩が、『消えた』。

粒子になって消滅したとかではない。

跡形も無く、消滅したのだ。

「……はぇ?」

それに気づいて、素っ頓狂な声を漏らすシア。

「……つ、司さん?何したんですか?」

 

「特にこれといって何も。ただ、私の

 力の一つ。概念と事象への干渉能力で、

大岩の『存在』という『事象』に『干渉』

し、その存在を無効化。つまり、存在しない、

 としたのです。まぁ、つまりあの大岩は

 存在を消された、と言う事です」

 

「……つまり?」

「司は指鳴らすだけで人とか町壊せる。

 OK?」

「……ものすごい分かりやすい説明

 ありがとうございます先生」

首をかしげるシアに簡潔に説明するユエ。

シアはどこか遠い目でそんな事を

言っていた。

 

しかし……。

『ゴロゴロゴロ』

「ん?……何か、また音が」

再び何かが転がる音が聞こえてきた。

ハジメも聞こえたのか、そう言いながら

振り返った。

 

すると……。

 

今度は黒光りする鉄球が転がってきた。

しかも、よく見ると表面に無数の穴があり、

そこからどう見てもヤバい液体が溢れ出ている。

と言うか鉄球の表面も若干溶けている。

「パワーアップしたのが来たぁ!?」

叫ぶハジメ。

「こ、今度こそやってやるんだから!」

そう言ってタナトスを構えるルフェア。

しかし……。

 

「大丈夫ですよ」

そう言って指を鳴らす私。すると、鉄球が

消滅した。

「「「「「……」」」」」

すると、5人が何やら無言+遠い目で私を

見ている。

 

「……行きますよ?」

そう言って、私が歩き出すと、5人は静かに

私の後を付いて来て、スロープを降り始めた。

 

「……私、思い知ったですぅ」

「何を?」

静かに語るシアと、同じく静かに問いかける香織。

「……司さんに喧嘩を売ったら気づきもしない

 間に消されるんだろうなぁ。って事ですぅ」

「ん。……そして、だからこそ仲間として

 頼もしい」

「いや、それはそうなんですけど……。

 ハジメさんがさっき遠い目で危機一髪って

 何だろうって言ってた意味が良く分かりますぅ」

「分かったでしょ?司が居るとね。大抵の事は

 何とかなっちゃうんだよ」

と、どこか遠い目で語るハジメ。

 

「お兄ちゃんって、万能だから」

「「「「あぁ、確かに」」」」

何やら、ルフェアの言葉に他の4人が納得

していたようだ。

 

ちなみに、あの後も、棘の生えた鉄球や、

燃えさかる鉄球などが転がってきたが、全て

私が存在を消滅させた。

 

そして、歩く事数分。出口と思われる場所に

たどり着いた。

出口は崖になっていたので、立ち止まって

眼下をのぞき込んだのだが……。

 

「……何、あれ?」

崖の真下には『プール』があった。とは言っても、

明らかにヤバい液体で満たされていたが。

そのプールを見て呟く香織。

 

「……某エイリアンの体液プール?」

と、若干ボケ気味に呟くハジメ。

私は、近くの壁の一部を殴って粉砕すると、

欠片をプールの中に投げ込んだ。

すると、『ジュワァァァァァァッ』という音

と共に、欠片が物の数秒で溶けて無くなった。

 

「「「「「………」」」」」

その光景に、5人が黙り込むが……。

私はその間にエネルギーの階段を創って、

プールを挟んだ反対側にある通路と崖の出口を

繋いだ。

 

「エネルギーの階段を創ったので降りましょう」

「……流石司。仕事が早い」

 

その後、私達は階段を使ってプールの先にある

通路へと降り立った。

のだが……。

 

「……」

私は、少しプールの酸が気になったので、

ジョーカーZの装着を解除し、プールの淵に

立った。

「あれ?司?何してるの?」

それに気づいたのか、ハジメ達が声を

掛けてきた。

「いえ。少し」

私はそれだけ呟くと、右手を酸性のプールに

突っ込んだ。

 

「えぇ!?司さん何してるんですか!?

 手が溶けちゃいますよぉ!」

慌て出すシア。

 

しかし私はそれを無視して、データを取る。

そう言えば、ゴジラのことをシアにはまだ

話していなかったな、などと思いながら。

 

データ分析、開始。…………完了。

体内システム、進化開始。体内強酸物質、

生成臓器。……増設、完了。……汗腺を

利用した物質放出器官。……増設、完了。

 

私は、酸性の液体のデータを元に、自らの体内で

更に強力な酸性物質の精製能力と、それを

放出する力を獲得した。

 

右手を酸性のプールから抜き、立ち上がると、

私は右手に力を込めた。すると掌から

黒い液体が溢れ出し、それが球形になって

浮かび上がった。

 

ふむ。さしずめ、ゴジラから生まれた酸。

『G・アシッド』と言った所か。

「むぅん……!」

私は、そのG・アシッドを崖に向かって

投げつけた。

ビシャッ、と言う音と共に崖に掛かる

G・アシッド。

 

すると、崖の一部が見る間に溶けて

無くなっていく。

ふむ。威力は上々。しかし、この威力を何とか

して皆が使えるようにしたいものだ。

……そうだ。あれが使えるな。

 

私は、思いついた物を設計・開発し、

具現化した。

それは、グレネードランチャーで発射する

小さな榴弾のような物だった。

私は、マルチランチャーピストル、アテネ

を取りだし、そのグレネードを装填。

『ボシュッ!』

それを再び壁に向けて発射した。

 

壁にぶつかる直前、近接信管によって炸裂した

グレネードから、大量のG・アシッドが拡散。

壁の一部をジュワジュワと音を立てながら溶かした。

ふむ。こんな物か。

 

私は、後ろで崖の方を呆然と見ている5人の方に

振り返った。

そして……。

 

「と、言うわけで新兵器完成です」

「どう言う訳なの!?新兵器って今のグレネード!?」

「はい。万物を溶かす酸。G・アシッドを打ち出す

 炸裂式グレネード。アシッド・グレネードです」

驚くハジメに答える私。

「そ、それ、凄く危険だよね?」

「えぇ。しかし大丈夫です。近接信管には

 半径10メートル以内に私達が居ると

 爆発しないように設定しています。

 なので、誤爆の危険はありません」

と、香織の言葉に答えたのだが……。

「いや、うん。それもそうなんだけどね、

 それ、人に使って良い代物じゃないよね?」

「……そうでしょうか?生きたまま

 溶かす程度の代物ですが?」

 

と言うと……。

「十分ヤバいよ!?生きたまま溶かすとか!

 どこのスプラッター映画!?禁止!

 それは対人戦闘では使用禁止!

 グロすぎる!」

「「「「うんうん!」」」」

「……。皆がそう言うのなら」

……この威力があれば殆ど無敵なのに。

 

などと思いながら私はアテネをしまった。

 

さて、と。

 

「で、話を変えますが、『あれ』、どう

 思います?」

私は、前方に続く道の左右にある物を指さし

ながら皆に問いかけた。

 

そこは、長方形型で奥行きがある部屋だった。

部屋の奥には階段があり、その上には祭壇

と荘厳な扉があった。

しかし問題は、その階段の前の通路の左右の

壁だ。そこには窪みがあり、剣と盾で

武装した騎士甲冑がずらりと並んでいた。

咄嗟の目測でも、50体は居るであろう。

私はその騎士甲冑を指さしていた。

 

「……僕の考えが正しければ、階段に

 向かおうとしたら起動して襲ってくる、

 と思う」

「うんうん。映画とかでよくあるよね、

 そう言うパターン」

「じゃあ、壊しちゃった方が良いんじゃ

 無いですか?」

ハジメと香織の言葉に、首をかしげながら

呟くシア。

確かに彼女の言うとおりだ。

 

「では、壊すとしますか。ハジメ、

 香織、ルフェア。3人は私と同じく

 Eジョーカー形態へ変化して下さい。

 こんな時の為に開発しておいた、

 範囲攻撃用の兵器があります」

「うん。分かったよ司」

ハジメが頷くと、私達4人のジョーカーが

一瞬光に包まれ、Eジョーカー形態へと

変化した。

 

「各員、20連装ミサイルランチャー、

 『ルドラ』展開」

私が武器の名を呟くと、4機のEジョーカー

の背面に、大きな長方形の箱形の武器、

ルドラが展開された。この箱、つまり

ミサイルの弾倉一つに20発までミサイルを

装填出来る。それが一機につき二つ。

 

つまり……。

20×2×4=160発ものミサイルを一斉に

撃とうと言うのだ。

「シアとユエは、念のため我々の後ろへ。

 3人は私と同タイミングでルドラの

 誘導弾を斉射します」

「ん」

「はいですっ」

ユエとシアは頷くと、私達4人の後ろに

素早く退避した。

 

「では……。総員、斉射用意」

私が指示を飛ばすと、3人と私は両腕の

パイルを地面に突き刺し、体を固定した。

「カウントダウン開始。3、2、1!

 Fire!」

「フォックスツー!」

『『『『バシュバシュバシュッ!!』』』』

白煙を引きながら放たれた、総数160発の

ミサイルが、扇状に広がりながら着弾

していく。

 

『『『『『ドドドドドドォォォォンッ!!』』』』』

前方を、爆炎と爆発音と熱風がなぎ払っていく。

「『風壁』」

そして、爆発で発生した煙をユエの風魔法で

払うと、先ほどまで規則正しく、毅然とした

姿勢で起立していた騎士甲冑達は、ある者は

見るも無惨にバラバラに。ある者は胴体が

吹っ飛び、腰元から下とヘルメットだけを

残し。などなど。騎士甲冑『だった物』が

辺り一面に散らばっている。

 

「……こんなものですか」

周囲を見回した後、私はノーマルの

ジョーカーへと形態を戻した。

他の3人も形態を戻すと、各々武器を

取り出しつつ周囲を見回す。

 

「さて、では進みますよ」

「うん。行こう」

私の言葉にハジメが頷き、他の4人も

無言のまま首を縦に振る。

 

 

そして、私達は念のため周囲を警戒

しながら進んで居たのだが……。

 

中程まで歩いたその時。

 

視界の端で、上半身だけの騎士甲冑が動いた。

そして、その手にした剣が、真ん中を歩いていた

香織のジョーカーに突き立てられ………。

 

 

『バキンッ!』

無かった。

「こんのぉっ!」

私と同じように気づいたハジメが、咄嗟に

足で剣を蹴り折ったのだ。

そのまま、騎士甲冑の頭を踏み潰すハジメ。

「ッ!?何っ!?」

香織は、驚き一歩後退った。

「あっ!?皆さん周りの甲冑が!」

シアが周囲を見回しながら叫ぶ。

「再生した……?」

ユエも、両手のビーム砲を構えながら呟く。

 

見ると、壊れたはずの甲冑たちが、目の部分と

同じ光で体を包むと、一瞬で再生した。

よく見ると、倒れていた箇所の床が削られた

かのようになくなっている。

「床の物質を取り込み、壊れた部分を新しく

 作り直している。……これでは、再生

 と言うより再構築ですね」

 

「周囲の物質から再構築とか、

 ハガ○ンかっての……!」

ハジメは、周囲を警戒しながら両手に

グリムリーパーを出現させる。

 

「どうするの?お兄ちゃん」

ルフェアも、両手にバアルを構え、別々の

騎士甲冑に狙いを定めている。

 

「再生されるんじゃ、ジリ貧だよね」

香織も、接近戦での取り回しを考え、

タナトスを構えている。

 

「こ、怖いですけど、やってやるですぅ!」

シアも、大型の斧、アータル・アックスモード

を、若干腰が引いているが構えている。

 

「司、どうする?」

そう呟くシアも、両手のビーム砲を構えている。

 

私は、両手を開いて構えながら考える。

「……。長時間の戦闘は皆の体力を消耗

 させるでしょう。なので、ここは

 一点突破します。……あの扉の前の

 祭壇、何か意味があるのでしょう。

 なので、ハジメとユエは、まずあの祭壇

 に向かって下さい。香織、ルフェア、シア

 と私は二人を援護します」

「「「「「了解っ(ですぅっ!)!」」」」」

 

「では、戦闘開始っ」

そして、私達は飛び出した。

 

 

真っ直ぐ祭壇に向かうハジメとユエ。

しかし、その進路を阻むように数多の騎士甲冑

が立ち塞がる。

「どけぇぇぇぇっ!」

ハジメは、雄叫びを上げながらそこへと

突進していく。

先頭の騎士甲冑が剣を振り下ろす。

しかし、ハジメはその剣を左手のグリムリーパー、

のチェーンソーで弾き、右手のガトリングで胴体

を蜂の巣にする。

 

更に数体が、ハジメ目がけて剣を振り下ろす。

だが……。

「んっ!」

『ドゴォッ!』

そうはさせまいと、ユエのタイプUの掌打が

騎士甲冑の腹部に炸裂。しかしそれだけではない。

「インパクト……!」

次の瞬間、掌にあるビーム砲の銃口から

衝撃波が放たれ、騎士甲冑を吹き飛ばした。

後続の騎士甲冑を巻き込み吹き飛ぶ甲冑。

 

その時、側面から接近した騎士甲冑がユエ

目がけて突きを放とうとする。だが……。

「ふんっ」

次の瞬間、司のジョーカーZの飛び膝蹴り

が騎士甲冑を吹き飛ばした。

 

そのまま、司は流れるような動作で迫り来る

騎士甲冑の攻撃を手や腕で弾き、カウンターの

パンチやキック、果ては投げ技で投げ飛ばす。

そして、投げ飛ばされた騎士甲冑の向かう

先は、あの酸性液体のプールだ。

投げ込まれた騎士甲冑は、ドロドロに溶けて

無くなった。

 

「ルフェアちゃん!」

「うん!やるよ、カオリお姉ちゃん!」

二人は、それぞれの武器の狙いを敵の

足に集中させる。

『『ダダダダダダダダダダダダッ!』』

『バンッ!バンッ!バンッ!』

フルオートのバアルと、セミオートの

タナトスから放たれる銃弾と炸裂弾が

騎士甲冑の足を吹き飛ばしていく。

 

「どりゃぁぁぁぁぁぁっ!」

そして、シアは司が騎士甲冑たちを酸性プール

に投げ飛ばしていたのを見ていたのか、

ハンマーモードのアータルで騎士甲冑達を

ゴルフのフルスイングよろしく吹き飛ばしていく。

そのシア目がけて数体の騎士甲冑が向かって来る。

「来やがれおらぁっですぅ!」

しかし、シアは臆すること無く、アータルを

ハンマーモードから、長大な槍、ランスモード

へと変形させ、並んで突進してくる騎士達を

串刺しにする。

 

そして、ここでナノメタル製の武器の強みが

出た。

ランスの穂先が僅かに溶け出したかと思うと、

銀色の液体が騎士達を飲み込んだ。

 

これが、ナノメタルの強みだった。

ナノメタルは周囲の物質を、有機物・無機物を

問わずに取り込み、同化する。そうする事で

例え刃などが刃こぼれを起こしても、周囲の

物体を取り込む事で即座に修復が出来る。

そして、この攻撃はその、物体を取り込む

能力を駆使した攻撃。

つまり、ナノメタルで相手を『喰らう』のだ。

 

ナノメタルに同化され、喰われた騎士甲冑達

は、銀色の液状物質となってアータルの

中に染みこんでいった。

 

 

そして、ハジメとシアの道を切り開かれ、

二人は階段の前で跳躍してショートカットし、

祭壇の前に着地した。

その間に、司達は階段の前で騎士甲冑を

相手にしていた。

 

祭壇の前に立った二人。ハジメはすぐさま扉

の前に立つが……。

「クソッ!ダメだやっぱり封印されてる!」

「となると……。鍵は、これ」

そう言って、ユエは祭壇の上にある正双四角錐

に目を向けた。

扉には、3つの窪み。よく見ると、四角錐は

複数のブロックの集合体だった。

 

「……そう言う事」

と、呟くと、ユエは四角錐を分解しはじめた。

この問題は、1つのブロックを分解し、3つ

の正しい、窪みにあう物に作り替える物だ。

そしてよく見ると、扉にもあの煽り文句が

あった。

 

ユエは若干イライラしはじめるが……。

「落ち着いて、ユエちゃん」

ハジメのジョーカー0が、ユエのタイプUの

肩に手を置いて優しい声で彼女を宥める。

「んっ」

それだけで、ユエの不機嫌さはどこかへと

吹っ飛び、彼女は問題解決に集中した。

 

そして数分後。出来上がったブロックを窪みに

はめ込むと、振り返った。

「ハジメ……!」

「うんっ!司!扉が開いた!」

ハジメは、階段下の司達に向かって叫んだ。

 

 

「全員、扉の奥へ……!殿は私が……!」

「うん!」

私の言葉に香織が頷くと、彼女、ルフェア、

シアがひとっ飛びで祭壇前まで跳躍する。

私は、向かってくる騎士甲冑を全て殴り飛ばす。

そして、一瞬の隙を突き、左腰のスロットから

プラズマグレネードを取りだし、軽く上に弾いた。

そして、私は後ろへの跳躍で祭壇の前まで

飛んだ。

そして、私の着地と同時に落下したプラズマ

グレネードのプラズマが、騎士甲冑の大半を

飲み込み消滅させる。

 

「司!早く!」

そして、それを一瞥すると、私は既に扉の

奥で待っていた5人の元へ飛び込んだ。

私が扉を潜ると同時に、5人が扉を閉めた。

 

「ふぅ」

息をつくハジメ。

「皆無事?」

「ん。大丈夫」

「うん。私も」

「私も大丈夫ですぅ」

「私も大丈夫だよ、ハジメお兄ちゃん」

ハジメが問いかけると、ユエ、香織、シア、

ルフェアが頷く。

 

さて、と。

頷く彼女達を一瞥してから、私は周囲を

見回した。が……。

「随分と、普通の部屋ですね」

と、呟いた。

実際、この部屋は外の荘厳な扉とは不釣り合いな

程、普通の部屋だった。

「……外の扉とブロックは一体何だった

 んだ?」

肩を落とし、ため息交じりに呟くハジメ。

 

「まさか、あれだけ苦労したのに、何も

 ありません、的な?」

「……ありえる」

香織の言葉に頷くユエ。

「……やっぱりこの迷宮は意地悪だね」

「ルフェアちゃんの言うとおりですぅ」

ルフェアとシアも、ため息交じりにそう

呟いている。

その姿を一瞥してから、私は次の部屋へと

続く扉を探し始めた。

 

と、その時。

『ガコンッ』

再びあの音が響いた。

皆の間に緊張が走った。

 

かと思うと、急に部屋が動き出したかのように、

右へ左へ、上に下に。突如としてGが私達に

襲いかかった。

私は、咄嗟に皆を回収してドーム状の結界を展開。

その中に皆を入れた。

「まったく!ここはカラクリ大迷宮かっての!」

不満げに叫ぶハジメ。

 

やがて、数秒すると、ようやく部屋が止まった。

「と、止まった?」

若干警戒しながら周囲を見回すルフェア。

「だと、良いんだけど」

「……何か、あるかも」

香織はタナトスを。ユエは掌部ビーム砲を

構えながら周囲を警戒している。

私は警戒しつつも、前方の扉を見つけた。

 

「総員傾注」

私は皆の注目を集めつつ、前方の扉を見据える。

「前方の扉を越えて、再び前進を開始

 する。あの扉の先に何があるかは分からない。

 なので十分注意するように。

 行きましょう」

私の言葉に、5人が無言で頷く。

 

私とハジメが、扉の左右に立つ。

その手には、タナトスが1丁ずつ

握られている。

「ハジメ」

「うん。3、2、1ッ!」

 

『バンッ!』

次の瞬間、ハジメが扉を蹴破り、私、

ハジメの順で中に突入する。

 

 

が……。

「ッ!司、もしかして、ここ……」

「最初の部屋、か?」

私とハジメが周囲を警戒するが、そこは

あの矢の雨を受けた最初の部屋のようだった。

何故?

そう思って居ると、近くにあの煽り文句が

浮かんできた。

 

それによれば、やはりここは迷宮の最初

のスタート地点で、迷宮は一定時間毎に変化し、

マッピングは意味を成さないと言う。

 

そして……。

 

「「「「「ふざけんなぁぁぁぁ!」」」」」

迷宮に5人の絶叫が響いた。

 

 

そして……。

 

……ミレディ・ライセン。貴様は、私の

怒りに触れた。これほどの怒り。

果たして過去にも抱いた事があった

だろうか?と疑うほどの怒りを覚えた。

 

そして、私は思っていた。

 

必ずや、奴に後悔というものを覚えさせると。

 

     第25話 END




次回は、まぁ最後の文の如く、司が色々やります。

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