鴻池幸紀の野望   作:きよ@Kiyo_LB

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2話までが書き溜め分です。
手直しはしていますが、誤字脱字・文法ミス等があると思います。

適宜指摘してくださると助かります。

―――
加筆修正しました。
―――
手直ししました。
月歩様多謝。


2,現世(うつしよ)では無い何処か

鹿之助を名乗る少女、いや美少女は俺を看病してくれる…はずなんだが、

なぜか彼女は山をずんずん登っていくのだ。

 

「なんで、山を登るんです?早くふもとに降りましょうよ。」

「なんですか。あなたここ私達の城と知らずに上っていたのですか?」

「いや、冗談とかやめてください。リアルに足痛いんで。」

 

――なんだか雲行きが怪しくなってきた。無論天候の話ではない。空には美しい三日月が。

 

「理有る?よくわかりませんがもうすぐですから。」

 

――ああ、もういいや、なるようになれだ。上に休憩小屋でもあるのだろう。

 

鹿之助―を演じている美少女―をこっそりうかがう。

上背はあまりないのに、俺にもたれかかられてもしっかりとした足取りで歩いている。

別に俺は太っていいるわけではないが、中肉中背の男子高校生をかばいながら歩くのだから力があるのだろう。

 

山道を登りながら顔を、その可愛らしい顔をつい眺めてしまっていたのであろう。

目がぱっと合った。ふっと目をそらす。そしてちらっと見るとまた目が合う。

 

――なんか、ラブコメっぽい展開だなぁ。

 

そんなことを考えると、自然と笑みがこぼれる。

しかし、そんな考えをよそに

 

「そ、そんなに私を視姦して、私を襲うつもりなんですね、はぁ、はぁ……」

「ち、ちがうわ、ぼーっとしとっただけです。あとどのくらいですか。」

「はぁ、もうすぐです。野外で襲うなら今の内ですよ、はぁ、はぁ……」

 

ラブコメ成分のかけらもないドМな発言が返ってくるのであった。

 

ともあれ、岩階段を上り視界が開けた。着いたようだ。

だが、俺は目を疑った。

 

大方小屋、ひどければテントが待っているかと思っていたそこには木造の平屋。ただそれは所謂小屋ではなくまさしく館というのがふさわしいものがそこにあったのだ。

決して大きいというわけではないが、構えは大層な物であり、正面には門がありそのわきには松明と護衛の兵――のコスプレをした人――が。

 

俺の頭の中には一つの仮説が生まれた。

このような廃城には人が来ることもないだろう。戦国好きのコスプレーヤーが集いなりきりの生活をしているのだ、と。

あるいはそういう人たちを対象にした一種の観光スポットか。

 

しかし、そんな情報は無論見たことはないのだが。

とにかく今はここの厄介になるしかあるまい。

 

そうこうしているといつの間にやら兵たちが集まっていた。

 

「なんだ、貴様は。」

 

その中の一人が声を荒げる。

俺は臆することはない。何故なら俺が答えようとするまもなく鹿之助が、

 

「この者は私が預かったものです。丁重に扱ってください。」

 

と言い放ったからだ。

ま、こんな感じになることは想定済みなわけで。

 

無事、館に入れてもらった俺は手当を受け、部屋に通された。

8畳程の板張りの部屋は縁側付きの風情な部屋だ。

 

途中、周りのものが背中のリュックを見ていぶかしげな目線をよこしてきたので南蛮からの伝来品だと答えてやったら南蛮からのものは奇天烈なものが多いといって皆離れていった。

 

――思考が完全に役になりきっていた。構うまい、朱に交われば何とやら、だ。

 

そのリュックをおろし、縁側に向かう。風が涼しい。

そこからは綺麗な三日月が見える。

 

「あなたも三日月が好きなんですか?」

 

いつの間にか軽装になった鹿之助が横に座った。

女性特有の何とも言えないいい匂いが鼻を刺激する。

 

――落ち着け俺、殺気立って密着していたじゃないか。まあ、甲冑越しだったけど。

 

心臓がバクバクし、顔が赤くなりそうなのを隠し平然風に会話を続ける。

 

「ああ、満月よりも俺は三日月が好きだ。」

「私もです。」

「欠けてるのが……な。」

「……私もですよ。」

 

いつの間にか敬語は外れていた。

 

互いに黙り、虫の音だけが聞こえる。この静けさが妙に心地よくとても現世(うつしよ)とは思えなかった。

そう、現世(うつしよ)だとは。

 

しばらくすると鹿之助は今日はお疲れでしょうから、といって事情は明日聞きます、と部屋を去った。

鹿之助が去ったあと俺はポッケからスマホをだし縁側に横たわるとおいてあった布団をよそに、そのまま夢の中へと旅立った。

 

 

 

 

次の朝、俺はいつも通りスマホのアラームで目を覚ました。休日用ちょっとゆっくり目の八時半だ。アラーム音は好きなアニメのオープニング曲。

スマホを止めて、起き上がろうとした瞬間、部屋の戸は破られ槍や刀を構えた兵たちが突っ込んできた。そしてほぼ同時に縁側の方からも数人の兵たちが俺に対峙した。

 

――なるほど、こんなアニソンが流れたらびっくりするよな。戦国の人ならな。

 

そう、戦国の人なら、な。

しかし、よくできた槍や日本刀である。本物よろしくの光沢感。本物ならいくらかかるだろうか。そう、つまりこれは偽物。

 

とはいえ、この異様な緊張感はなんだ。とても狂言には見えない。口は渇き、声を発することもできずただ張りつめた空気の中、俺は鹿之助が来てくれることを祈ることしかできなかった。図らずも役になりきってしまったのだろうか、或いは……

 

その思いが届いてか、その騒ぎを聞きつけ鹿之助が飛んできた。寝巻のままだろう、少々はだけた浴衣着のような姿でやってきた。

 

「なんですか!この騒ぎは!丁重に扱えといったでしょう!」

 

この一言でこの場はシンとした。

その静けさを俺の腹の虫が破った時、みなの異様な緊張感はなくなり笑いが起きたのであった。

 

「朝食の準備をさせてありますのであちらへ。」

 

そういって鹿之助に抱えられ食事の席へと向かった。

 

 

俺はうすうす感じ始めていた。これは現世(うつしよ)ではない気がする、と。

 

もしや、これは死後の世界ではないかと。岩階段から落ちた俺は気を失ったのではなく死んでしまったのではなかろうか。これは、そう、いわば死後の幻の世界なのでは、と。

 

その考えを裏付けるかのように非常に味の薄い、質素な食事が出てきた。

腹は減っていたのでおいしくいただいたのだが。

いや、正確には味なんかわからなかったのかもしれない。ただ満腹となると自然とおいしいものを食べた気がしたのだ。

 

食事がすむと俺の部屋の扉を元通りになっていた。

 

「それじゃあ、話をきかせてください。」

鹿之助はそういうと俺に奥の部屋に来るように言い残して先に行ってしまった。

 

リュックを背負い、スマホをポッケにしまいおれはその後を追った。

 




異変に気付き始めた、ってところです。

この城、実際のモデルを考えていないので若干焦ってます。
尼子再興に向けた鹿之助の居城って設定ですが。勉強不足ですね(苦笑)
相変わらずの拙文はご容赦。


信長の野望・創造の仮想シナリオ群雄割拠には山中家が登場していてもう興奮です。尼子家と盟を結び戦国に覇を唱えているところです。
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