・出雲 月山富田城 裏門
作戦予定時刻である丑の刻が近づき月山富田城の裏門では二百人の決死隊が出陣する時を待っていた。 手薄な包囲網を抜けると言っても決して容易なことではなく、もたもたしていればあっという間に二百程度の兵など簡単に壊滅するだろう。
久綱と鹿之助はすでに具足を身に付けいつでも出陣できるよう準備を整え待機していた。出陣の時刻まであと僅か…二人は昂る気持ちを抑えながらじっと時を待っている。そこへ自らこの作戦に志願した宗秀がやって来た。
「来たか…宗秀。覚悟はできておるな?」
「あ、ああ。大丈夫だ」
「よし、鹿之助。あれを宗秀に渡してやれ」
「はい、叔父上」
すると鹿之助は持っていた物を宗秀に差し出した。鹿之助が宗秀に渡したのは足軽用の簡単な具足で宗秀は手渡された具足をぎこちない手つきで身に付けると手足を軽く動かしてみた。
(これが鎧か…鉄製だからちょっと重いな)
この時代の鎧は主に鉄製だが中には竹や和紙、皮革を使用した鎧も存在したが宗秀が渡されたのは鉄製で胴の部分にうっすら尼子家の家紋が描かれている
「ほれ、これも持っておけ」
「おっとと、…これは」
続けて久綱から軽く投げ渡された物はなんと刀だった。初めて手に持った刀はずしりと重く刀を少し抜くと月の光に照らされて刀身が僅かに光を放つ。
「よいか、己の身は己で守るのだ」
「そ、そうは言っても俺は刀なんて使ったことないぞ」
「丸腰よりはましだろう、さあ、行くぞ」
「……」
自ら決意したとは言えやはり不安は拭い切れなかった。もし、本当に敵と戦うことになってしまったら一体どうすればよいのか?そうなった場合、この刀で相手を殺さなければならないのか?
「心配しないでください!宗秀殿」
「鹿之助…」
「私と十勇士があなたを守ります。だから平気です!」
そう言うと鹿之助は自信満々に握りこぶしを突き出す。今の宗秀にとってその言葉は何よりも心強かった。
「ありがとう。頼りにさせてもらうぜ、俺も頑張る」
「はい!いざとなったら私の身体を肉壁として使ってください!」
「いやいや、そんなことしないぞ!?」
「大丈夫です!少々、刺された程度で私は死にませんから!槍で串刺しにされたって死なない自信があります!(きりっ!)」
「あ~…さっきのまでの俺の感激を返してくれ」
なんか色々台無しだ…とちょっとがっかりする宗秀だったが鹿之助と話したお陰か少しだけ気持ちが楽になった気がした。彼女なりに自分のことを励ましてくれているのだろうか?そう考えたが…
「あ、…想像したらなんだかすごく痛そうですね…はあはあ…!七難八苦です!」
「……」
やっぱりただの変態か、と感動が一気に哀れみに変わる。そんなやり取りをしている間に予定の時刻が来たのか周りの足軽たちが整列し始めた。
「お主ら!何をやっておる!早くしろ!」
「す、すみません!叔父上」
「すまん!今行く!」
門前に久兼や久綱以下二百人の兵が集結し鹿之助と宗秀もその中に加わった。すると足軽たちの視線が宗秀に集中する。実は城内では宗秀はちょっとした有名人で『未来から来た男』『謎の南蛮人』などの名で知らない者はいないほどだ。さらに宗秀が足軽たちの手当てや雑務を懸命に手伝っていた影響で足軽たちや城内の女子供たちとも親しい関係になっていた。
「お!南蛮人の兄さん。あんた出るんか?」
「あ、ああ。俺にも手伝わせてくれ」
「お前さん戦えんのか?兄さんは城ん中にいたほうがいいんじゃないかのう?」
「まあまあ、こうやって手伝おうって言う奴もおらんじゃろ!なあ、兄ちゃん!」
最初は殺気立っていて近寄り難かった足軽たちだったが話してみると皆、気のいい人たちばかりだった。自分の子供の自慢話をする者、故郷の母親の話や耕している田んぼの話などさまざまなことを足軽たちは話してくれた。そして、彼ら一人一人にも大切な人や家族がいるのだ。
「なあ、みんなは怖くないのか?」
「…そりゃあ怖ぇよ。でも、逃げることも出来ねぇしなあ」
「わしだって死にたくねぇよ…家には女房が居るってのに」
そうだ…誰だって死ぬのは怖いし、殺し合いなんてしたくないはずだ。みんなも戦っているのだ。自分だけ逃げる訳にはいかないと宗秀は持っている刀を強く握りしめる。
「お前は…確か城内の兵たちを手当てしていた者か。未来人などと言っておったな」
すると注目の的になっていた宗秀に気づいて足軽たちの先頭にいた久兼が声をかけると宗秀もまた会釈して声に答える。
「どうも、宇山さん」
「うむ、お前も手を貸してくれるのか?」
「はい、戦ったことはありませんが兵糧を運ぶ手伝いならできると思いましてね」
「ふむ…では、戦は初めてか」
すると久兼は宗秀の肩を掴み真剣な眼差しで話す。
「よいか、戦は甘くないぞ。敵と出会ったら決して迷うな、殺すか殺されるか…道は二つだけだ」
「あ、ああ…!」
「案ずるな、皆もいる」
久兼は改めて隊の先頭に立ち、高らかに号令した。
「皆の者!この戦の勝敗は我らの手にかかっている。必ずや兵糧を城へ運び入れるのだ!」
「「「おおおおおお!!!」」」
「出陣だ!皆行くぞ!!」
号令と共に城門が開き二百の兵たちが堰を切ったように走り出す。そんな中、宗秀も足軽たちに遅れぬよう必死に走っていた。
しばらく行軍すると毛利軍が設置した例の張り巡らされた柵が見えてきた。この柵を越えた先は毛利軍の陣中でありいつ襲撃されてもおかしくない。さらにその先にかがり火と毛利軍の足軽の姿が見えていた。
「宇山様、やはりここは包囲が手薄。あれならば突破出来そうです」
「うむ、ここからは速さが勝負じゃ。いかに速く突破し兵糧を運べるか…」
暗闇のおかげで敵はまだこちらに気づいていない。数ヶ月の籠城で尼子軍は城から出てこないと毛利軍は油断しているように見えた。ここで奇襲を仕掛け混乱している間に兵糧を回収し城へ帰還する…作戦の大まかな流れはこの通りだ。
「全軍に伝えよ、敵兵の首は打ち捨じゃ。我らの目的はあくまで兵糧を運ぶこと、討ち取ることではない。奇襲で混乱している間に敵陣を突破、その後は矢田の地を目指すぞ」
「「はっ!!」」
いよいよ戦が始まる…と宗秀の拳に力が入る。足軽たちや久綱、鹿之助たちも武器を構え戦闘態勢に入る。
「兄ちゃん、戦はわしらに任せな!」
「だが…」
「兄さんは今回の戦が初めてなんじゃろう?だったら、無理はせんでええんじゃけぇ」
情けないが足軽たちの言うとおりだ。今、自分にできるのは戦うことではなく兵糧の輸送を手伝うことだ。それに刀を使ったこともない自分が戦で役に立てるはずもないのだと自身に言い聞かせた。
「…分かった。役に立てなくて本当にすまない」
「いいってことよ!!のう、みんな!!」
足軽たちが笑顔で頷く。彼らと一緒ならきっとこの作戦を成功させられる…宗秀はそう思わずにはいられなかった。そして、ついに久兼が攻撃開始の命を叫んだ。
「全軍、かかれぇ!!」
「「「おおおおおお!!!」」」
下知と同時に暗闇に潜んでいた尼子軍二百が一斉に毛利陣営に攻めかかった。予想通り毛利軍の足軽たちは油断しており突然の襲撃に慌てふためいていた。
「て、敵襲じゃああ!!」
「尼子軍の夜襲じゃあ!」
油断しているとは言え予想以上の敵の乱れように久兼は少し驚きながらも、この好機を活かすべく包囲を突破できそうな箇所を探しているとちょうど見張りの兵が少ない陣があったのだ。
「皆の者!あそこから突破するぞ、わしに続け!」
敵軍の混乱と尼子軍の兵力の少なさもあり二百の尼子軍はこの時ほとんど被害を受けずに毛利軍の陣を突破することに成功したのだ。その後、決死隊は行軍を止めずに全速力で目標である矢田を目指し行軍を続けた。強行軍で約数十分ほど行軍すると久兼たちは目標地点である矢田の地域に到着した。
「宇山様、ここが矢田でごさいます」
「着いたか、確かこの辺りと聞いたが…」
久兼は足軽たちに辺りをくまなく捜索させた。すると近くの茂みから一人の男が姿を現した。その格好からして久兼が兵糧を依頼した商人だろう。
「宇山様、お待ちしておりました」
「おお、お主か!兵糧はあるのだろうな?」
「はい、頼まれた品はこちらにございます」
商人が指差すとそこには兵糧が積まれた荷車が二十台ほど布で隠されて置いてあったのだ。
(…まさか、本当に用意しておるとはな)
実は久兼は商人が本当に兵糧を用意しているのか疑っていたのだ。なぜ大国であり勢いもある毛利家に味方せず孤立無援である尼子家に肩入れしようとするのか?久兼本人もこの交渉を二つ返事で簡単に承諾された時は驚いていた。
「一つ聞きたいのだが、何故我らに兵糧を売ったのだ?お主たち商人は利で動くものではないのか?」
「確かに我々商人は利で動きますが毛利様と商売するなどお断りでございます」
「そうか…まあ、そうだな」
そう言われるのも無理はなく毛利家は周辺の商家からの信用がほとんど無いのだ。理由は毛利家の現当主である元就が原因だった。謀神と畏怖されるだけあって元就は騙し討ち、裏切りを繰り返し数々の謀略と策謀を駆使して現在の勢力を手に入れたのだ。それは商家に対しても同じで借金の踏み倒しや金銭を騙し取りなどを幾度となく繰り返して来たのだ。
「それならば、今最も兵糧を必要とされている尼子様にお売りするのが我々にとっても良いと考えたのです。我ら商人は信用できぬお方と商売はできません」
「ともかく助かる、お主には感謝せねばな」
「いえいえ、私どもはきちんと銭さえ頂ければ何も要りません。では、宇山様。ご武運をお祈り致します」
そう言うと商人は振り返りもせずに去っていた。商人にあそこまで言われるなんてどれだけ信用されてないんだ…?と宗秀はなんとも言えない顔をしていた。久綱と鹿之助もまた呆れた表情をしている。
「当然だ。奴らは卑劣な策謀ばかり用いるのだ。まったくもって腹立たしいものよ」
「その通りです!私たちも何度奴らに卑劣な策略に騙されたか…」
こうして無事に兵糧を手に入れた尼子軍だったが本番はこれからだ。今度はこの兵糧を月山富田城に持ち帰らなければならず、来た道を引き返すにも先ほどと同じようにいかないはすだ。恐らく今度は敵も警戒しており楽に突破させてくれるほど毛利軍は甘くない。
「よし、兵糧は手に入れた!後は城へ戻るだけだ。恐らく毛利は陣を固めているだろう。なんとしても兵糧を持ち帰るのだ!皆、行くぞ!!」
久兼の号令に尼子軍は奮い立ち、士気は非常に高まっていた。回収した兵糧と共に再び行軍を再開した尼子軍は来た道を戻り始めた。そして、何の妨害もなく突破して来た毛利軍の陣営の前に再び差し掛かった。宗秀も兵糧の積まれた荷車の運搬を手伝っていたがそんな中、何か胸騒ぎを感じていた。
(何か変だ…うまく行き過ぎてる気がする)
宗秀はどうにも腑に落ちなかった。それほど策謀に長ける男が包囲の一部を手薄にするだろうか?まるでわざと自分たちを通したのではないか?次の瞬間、宗秀の背筋が凍りついた。
包囲の一部をわざと手薄にして自分たちを通したのだとしたら…?
(まずい!これは罠だ!!)
気づいた時は既に遅かった。毛利軍の陣営の前に差し掛かかろうとしたその直前、周りの茂みから毛利軍の伏兵が姿を現したのだ。辺り一面、毛利家の軍旗と足軽の大軍で溢れていた。あちこちで敵軍の銅鑼の音が大量に聞こえてくる。
「かかったのう!!おどれらはもう袋の鼠じゃ!!降伏せい!」
姿を現したのは豪勇の将、吉川元春だった。愛刀である「姫切」を手に尼子軍に向かって全速力で突撃してきたのだ。瞬く間に窮地に陥った尼子軍は統制を失い完全に混乱していた。
「ぬう、元就に謀られたか…!皆、血路を開け!こうなれば一つでも多く兵糧を城へ運ぶのだ!!」
「皆、落ち着け!!乱れてはならぬ!」
「十勇士たちよ!私に続け!我らで血路を開くぞ!!」
「「ははっ!!」」
久兼や久綱、そして鹿之助たちが必死に突破口を開こうと奮戦する。しかし数万の大軍である毛利軍の凄まじい包囲攻撃によって足軽たちは次々と倒れていった。荷車を運んでいた足軽たちもなすすべもなく敵の攻撃によって壊滅していく。幸いにも宗秀が運搬していた荷車の隊と残った僅かな荷駄隊は無事だった。
「兄ちゃん、走れ!走れ!荷車が壊れるぐらいなあ!!」
「おう!うおおおお!!」
「っ!?兄さん!あぶねぇ!?」
隣の足軽が突如、宗秀を突き飛ばした。飛ばされた宗秀はその場に倒れ、バランスが崩れた荷車は激しく横転し宗秀と足軽たちは散り散りなりながら吹き飛ばされてしまった。よろめきながら立ち上がった宗秀の視線の先には、先ほど自身を突き飛ばした足軽が倒れており、背中から血を流してぴくりとも動かない。
(う、嘘だろ…まさか、俺を庇って…!)
さらにその側には敵の足軽が血で染まった刀を手に立っていた。そして宗秀に気づいたその足軽は刀を構えてゆっくりと近づいてくる。
「おどれも、殺しちゃる…!!」
(こ、殺される!!逃げないと…!)
宗秀は逃げようとするが足が思うように動かない。先ほど突き飛ばされたせいで足首を捻ってしまったのだ。四つん這いの態勢で必死に逃げるもあっという間に距離を詰められ…
「死ねやぁぁぁ!!」
しかし宗秀にはまだ運があった。刀が降りおろされる瞬間まで死に物狂いで身体を動かしたことが功を奏したのか刃は宗秀の左頬をかすっただけだった。
それと同時に宗秀の左頬に激痛が走る。
(…くッ!?痛ってぇ…!!き、斬られた!?)
左頬が燃えるように熱く感じ、手で触れると手のひらは血で真っ赤に染まっている。
「ちっ!!ちょろちょろ逃げよって…!」
足軽は再び宗秀を殺そうと刀を振り上げて迫ってくる。宗秀は混乱してまとも考えられなくなっていた。今、彼を動かしているのは『死にたくない』という人間の本能だ。
(ど、どうすりゃいいんだ…!)
その時、宗秀の頭にある言葉がよぎった。
『殺すか殺されるか…道は二つだけだ』
次の瞬間、宗秀は持っていた刀を抜き両手で構えた。足軽は刀に恐れることなく再び宗秀に斬りかかる。
「今度こそ死ねぇぇ!!」
「う、うおおおお!!!!」
宗秀は目を瞑り、力いっぱい刀を突き出した。刀を通じて刃が突き刺さった感触が伝わってくる。恐る恐る目を空けるとそこにあった光景は…
「…っが!?…ごふっ!!?」
宗秀の刀は足軽の喉元に突き刺さり相手の足軽は持っていた刀を落とし今にも倒れそうによろめいていた。大量に吐血すると崩れ落ちるようにその場に倒れ、そのままぴくりとも動かなくなった。
(し、死…んだ…のか?)
刀を持った自分の手がかつて無いぐらい震えていた。そう、この男は間違いなく死んだのだ。
自分が殺した…
罪悪感、恐怖…などの言葉では表せない感情が宗秀の心の内に沸き起こった。何も考えられなくなりその場に崩れ落ちる。そんな時、無情にもそんな宗秀の前に新たな敵の足軽が数人現れた。
「こいつ…よくもやりやがったのう!!」
「ぶっ殺しちゃる!!」
もう駄目だ…俺はここで終わりだと諦めた宗秀は静かに目を閉じた。しかし宗秀は悪運が強いのか、天に見放されていなかったのか絶体絶命の宗秀の前に間一髪で現れたのは…
「宗秀殿!!大丈夫ですかっ!?鹿之助が参ります!」
なんと現れたのは鹿之助と十勇士たちだった。残った味方の退却を助けた後、行方不明になっていた宗秀を助けるために危険を犯して敵地に戻ってきたのだ。鹿之助は戦槍で足軽たちを薙ぎ払い宗秀に駆け寄った。いったいどれだけの敵兵を斬ったのか鹿之助も全身が返り血で真っ赤になっていた。
「宗秀殿!お気を確かに!!」
「…あ、ああ。し、鹿之助か…俺は…生きてるのか?」
「ああ、よかった…!残った荷駄隊はどうにか城へ逃れ、叔父上たちも無事です。私たちも退きましょう!」
「っ…!?ま、待ってくれ!!まだ、生き残りが…!」
しかし鹿之助は黙って首を振る。もう助けることは出来ない、これ以上この場に留まってはいかに鹿之助と十勇士たちといえども危険だ。
「十勇士たちよ!宗秀殿を守れ!月山富田城まで撤退するぞ!」
「「「ははっ!!鹿之介様!」」」
鹿之助に支えられながら宗秀と十勇士たちは月山富田城へと退却し始めた。蟻の大軍の如く敵兵が鹿之助と十勇士に攻め寄せるが彼女らの獅子奮迅の活躍によって次々と倒されていった。そして、血路を開きながら遂に鹿之介と宗秀たちは月山富田城の門前まで戻ってきたのだ。
「ハァハァ…!あと城までもう少しだ!」
「宗秀殿!頑張ってください!」
「山中様!!早くこちらへ!!」
門番が城門を開き鹿之助たちを手招きしている。しかし鹿之助たちの背後には追手が迫っており、その中には猛将・吉川元春の姿もあった。
「待てッ!山中鹿之助!おどれは自分が斬る!」
「貴様は…!吉川元春か!」
鹿之助たちと元春率いる軍団の距離はほぼ僅か、せめて宗秀殿だけでも…!と殿を務めようと踏み止まるが背後から無数の矢が眼前の敵軍に降り注いだ。
「弓隊、射て射て!!鹿之助、宗秀!早く城へ入れ!」
「叔父上…!感謝いたします!」
月山富田城の矢倉から先に退却していた久綱が弓兵隊を指揮して鹿之介の撤退を援護していた。その一斉射撃により毛利軍の進軍が一時的に止まった。
「くっ…!おんどれぇ…!」
「吉川元春よ、勝負は預ける!だが、次こそは私が貴様を斬る!」
そう言い残すと鹿之助たちは城内に退却していった。これ以上の追撃は無用と判断した元春も自陣へと退却していった。この作戦の成否だが尼子軍が持ち帰れたのは二十台の内のたった六台だけで二百人いた兵たちも無事に城へ退却できたのは久兼と久綱、鹿之助たちも含め僅か七十人ほどだった。
結果的に兵糧は運べたもののその量は僅かという結果に終わり、月山富田城は士気と戦意を大きく失うことになった。さらにこの戦いの後、尼子家の滅亡を決定付けるある出来事が起きることになる。
頑張って書きました!
現実の忙しさもあってペースが悪くなってますね…
でも、なんとか書きます!!