GOD EATER〜神喰いの冥灯龍転生〜【修正版】   作:夜無鷹

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戻ってまいりました。
旧版で頂いたご意見をもとに、覚えている限り修正と加筆をしましたが、私の知識不足でまた問題が出てくるかもしれません。
その際には、私にコソコソっとお教えくださいませ。

それでは改めて、よろしくお願いします。


【加筆修正:あり】



原作前
第一話 冥灯龍誕生


何の変哲も無いある日、俺は学校の帰りにふとこんな事を思ってしまった。

 

 

 

転生ってありえるのか、と。

 

 

 

実際あったらあったで夢があるし、一度と言わず体験できるなら体験してみたい。

 

ゲームの中にいるモンスターを間近で見てみたいとか、このキャラと実際に話をしてみたいとか………まあ、憧れなんてものがあったのかもしれない。興味本位だというのも認める。 

 

そして何より、自分が思い描いた妄想が現実になったなら、さぞ楽しい日々が送れること間違いなしなはずだ。

 

 

 

 

……そう思ってしまった自分を、釘バットかつフルスイングで頭部を吹き飛ばしてやりたい、心底。

 

 

さあ、前置きはこの辺にして今の状況を把握しよう。

 

俺は今、目を開けていながら視界がほぼ真っ暗である。かろうじて周囲が青白いなと感じるくらいで、ここが何処なのかさえ見当がつかない。

身体を丸めた状態で動くことが出来ず、言うなれば卵の中にいるような感覚。背中やら尾骶骨あたりやら人には無い違和感があり、これはおかしいと早々に人ではないと察する。

 

だが何となく、外に出なければという使命感めいたものが湧いてくる。雛鳥か、俺は。

丸まった身体を全体的に広げるように伸ばせば、俺を押し込めていた殻がピシッと音を立てヒビが入り始める。

 

よっしゃ、頑張れ俺!外界はすぐそこだ!

 

とほんの気分で(りき)んだ瞬間、俺自身も予想だにしなかった高エネルギーが放出され、殻の一部が瓦解した。

俺は重力に従い背中から落ちるように外へ出た。

 

な、なんじゃありゃアアアア!

 

地面にぐったりして胸中で驚きの声を上げていた。

第三者視点で見たら相当ヤバイ事になってたと思うんだが、やっぱこれ人の範疇に収まらないどころか生物なのかすら危ういんじゃねーの?

いや、れっきとした生物なんだろうけど、化け物と呼んだ方が相応しい生まれ方だよ。

 

と、ともかく、俺は気付けば人外転生を果たしたわけだ。夢は夢のままの方がいい時だってあるんだよ。ありがた迷惑だコンチクショー。

………はぁ、なってしまったものは仕方がない。とりあえず、何に転生したか自分を把握しよう。

 

起き上がって目についたのは、金属光沢にも似た輝きを放つ前脚。磨き上げた銀色のように見えるが、妙に輝かしい青白さもある。

長い首を動かし背中を見やれば、青白く炎のように揺らめく膜を有した巨翼。今のところ使う予定がないので折り畳むと、蒼炎の灯る黒い外套(マント)のように見える。

尻尾も似たような膜を揺らめかせ優雅にしなる。

しかし、これだけ輝いて見えるというのに後脚は真っ黒だった。

実際の体色は黒なのか?

 

んー……なーんか見た事あるなコレ……。

あ、モンハンのプレイ動画見て「かっけぇ」って思ったモンスターだ。

名前は確か………冥灯龍ゼノ・ジーヴァだったか。

こういうモンスターの骨格は、マガラ骨格って呼ばれてたな。翼の自由度が高そう。

 

つかそれより………マズくね?か、狩られる……!圧倒的狩猟対象じゃねーか!

モンハンの世界はマズイ!モンスター(化け物)以上にハンター(化け物)な奴等が跋扈(ばっこ)してる世界はマズイ!

は、早く逃げねば……でででも、どうやって?

 

は!飛ぼう!飛べば奴らも追ってこれまい……。

 

と考えたのだが、外に飛び出そうにも空が見えない。

前脚で踏む地面には規則的に線路が敷かれ、材質と空間を考慮すると地下鉄が走る地下空間だと推察した。

モンハンに地下鉄?そんなのあったか?

崩れたコンクリート製の支柱……所々の壁が瓦解し、トンネル周辺の土が線路内へ流れ出ている。

廃線、老朽化……にしてはあまりにボロボロだ。

 

それと、そこかしこで大小様々な結晶が仄かに光を放ち、この空間を照らす照明代わりになっている。

 

ひとまずゼノ・ジーヴァに転生(?)してしまった俺は、出口を目指して線路沿いに歩き出した。

 

 

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

 

 

歩き出して四十分足らず。崩落した穴を片っ端から通り続け、地下線路空間よりも数倍広い空間に出た。砕かれた支柱は変わり映えしないが、地面には規則的に白線が引かれている上、上下左右関係なく崩壊し吹き抜けのようになっていた。

俺がいる階層以外も首を伸ばして覗いたりして見て回った。

完全に崩壊した階層も含め全体的に似た造りとなっており、錆び付いて裂かれた傷のある廃車も数台見つけた。どうやらここは地下駐車場跡であるらしい。

 

そして厄介な事に、危機的状況に遭遇した次第であります。

無用心に歩き回っていたら、三匹のモンスターに絡まれました。

ただ、これがモンハンのモンスターじゃない。

別の狩ゲー、ゴッドイーター産のオウガテイル三匹である。

ということは、だ。ここはゴッドイーターの世界だとほぼ断定できる。

しかし、何故ゴッドイーターの世界にモンハン世界のゼノ・ジーヴァとして生まれたのか疑問が残る。考えるのが面倒だから、暇な神の悪戯としておこう。

さて、そんな事を悠長に考えている場合じゃない。オウガテイルさん達が、今にも俺に飛びかからんとしている。

 

……よし、逃げよう。

ハンターじゃないけど、アイツらも俺にとっちゃハンターだよ!逃げよう逃げねば逃げなければ……喰われる!

 

俺が古龍種にあるまじき逃げ腰で身体を反転させた時、飛びかかってきた三体に尻尾が直撃し吹っ飛んだ。

五秒も経たないうちに飛んだ先でドチャッと、叩き付けられた音がしてゆっくりとその方向へ顔を向ける。

 

あれ?オウガテイルさん、動かなくなってしまわれた………?

 

吹き飛んだ先の崩れた支柱の根元で倒れたままピクリとも動かないオウガテイル三体に、俺は恐る恐る近寄って前足の爪で小突いてみた。

すると、待ってましたと言わんばかりにオウガテイルが飛び起き、突き出した指に噛み付いてきた。

俺は反射的に振り払おうと手をバタバタと振るが、オウガテイルの執念が成せるワザなのか離してくれない。

 

待って待って!ごめんなさい!調子に乗りました!

 

右手の指に一体、左手首あたりに一体、俺の後ろに回り込んで右足に一体と、肉食獣に囲まれてる草食動物の気分だよ。

 

しかし、ガシガシ噛まれている感覚はあるのに、痛いかと聞かれたらそうでもない。甘噛み程度に伝わってくる感じだ。

ゼノの鱗やらが硬いのだろうか?いやけどな……気にしたら頭が痛くなるタイプのヤツだろうか?

 

と、とりあえず、それほど痛くないのならオウガテイルが可愛く思えてくるが、されるがままというのも何かな……。

やり返すくらい……良いよな……?

 

俺は、前足を上げ指に噛み付いているオウガテイルに牙を立て、殺すつもりで顎を閉じた。

一瞬弾かれるような抵抗を感じたが、時間が経つにつれ牙がオウガテイルの身体に侵入して行き、悲鳴にも似た鳴き声が鼓膜に刺さって反響する。

一定まで牙が刺さると一段と固い物に接触し、さらに力を込めると飴玉を噛み砕いたような感覚が伝わってきた。

 

直後、オウガテイルは力無く項垂れ、俺の顎に全体重を預ける姿勢になった。

 

今噛んだのは……コアか?

音といい感触といいグロテスクだな。外殻と骨のバキバキって音が生き物っていう実感を持たせているようで………まあ、結局は弱肉強食だから。

俺だってアラガミに逐一慈悲かけてたら、そのうち殺されて喰われるからね。

 

なんか俺………生まれて一時間経たずに野生動物に染まってきてるな。

前世は人であったことを忘れるな!どう死んだのか忘れてるけど!

 

顎の力を緩め、オウガテイルが地面に落ちると黒い粒子状に変化し、音もなく霧散していった。

 

他二体は異変を察知したらしく、戸惑いながら俺からゆっくり口を離し距離を取ろうと後退している。

様子見しながら威嚇するように吠えるオウガテイル二体。

俺が一歩近付けば、前のオウガテイルが一歩退がり、背後にいるもう一体が右手側に回り込んで来る。

 

ど、どうしよう……あ、そうだ、突進しよう!突進して、えーと……なるようになれ!

 

俺は前方にいるオウガテイルに向かって地面を蹴り、突進の勢いに任せて頭突きをかます。

正面から俺の頭突きを受けたオウガは力負けし、怯むとともに横倒しになった。

そこへすかさず牙を突き立て、先の一体同様に身体を裂いてその一部を口に含んだ。

 

獣肉っぽい風味なんだけど、鳥って感じもあるし………味は可もなく不可もなく、どちらかといえば不味いの部類に入る。筋張った繊維質の旨味がない鶏肉といったところ。

グルメじゃなければ許容できる範囲だが、一般的にも好んで食べようとは思えない味。

 

引き剥がした肉の奥には、不思議な色を煌々と放つ球体の塊があった。アラガミのコアだろう。

それもついでに取り出して一応噛み砕いてから、ごくんと飲み込む。あ、喰って大丈夫だったか……?

 

さて、次は最後の一匹だ。喰えるなら、それに越した事はない。

さぁ、かかって来い!

 

サバイバルで生きていく覚悟を胸に、勢いよく背後を振り返る。

しかし、そこに最後のオウガテイルの姿は無かった。

逃げやがった!俺の食糧!

ああ……喰おう喰おうとか思ってたら余計に腹が……。

 

腹ごなしもろくに済んでないし、餓死……するのか分からないが、これは本格的に外へ出る努力をせねばなるまいて。

地下ばっかにこもってちゃあ折角の古龍種クオリティ身体能力が退化する……かもしれない。目が退化するのは避けたいな。深海魚みたいな残念顔にはなりたくない。つか、ゼノ・ジーヴァの外見が退化で珍生物になってしまっては至極勿体ない。

 

さて、上へ行く穴を探しながら散策を続けよう。

ここは一発、動画で見てたゼノビームなるものを発射してみたいが、生き埋めはごめんだ。制御も上手くできるかどうかわからないし。

思い切りが大事な時もあるだろう。ぶっちゃけ、そん時はそん時だ。今は、慎重に生き抜く事を考えていこう。

アラガミは俺にとって食糧になる。倒せるか倒せないかは相手によって異なるだろうが、ゲーム上の雑魚………さっきのオウガテイルとかは難なく食糧にできそうな気がする。

倒して捕食しつつ、ゼノ・ジーヴァとして強さを磨いていこう。

 

上の階層への穴を、後脚で立ち上がりながら登っていく。

穴が見つからない時は、背中にある棘で刺し崩し強行突破した。

出口を目指し幾度か同じ事を繰り返していった後、最上階もとい地上一階に出ることが出来た。

 

長かったような短かったような………地上に出る為とはいえ、地下探索は案外楽しかった気もする。アラガミとの遭遇が、地下駐車場での一回だけだったのは運が良かったのだろう。

満腹にはならずとも腹ごしらえはできたし、生まれたてにしては上々だ。

 

外の景色は……廃墟ばかりだな。それもそうか。ゴッドイーターの世界だし。

倒壊しきった建物が多いが、乱立するビル群からここは都心部だったことがうかがい知れる。

んー……ゲームのフィールドにはない景色だが、荒廃したビル群ってのは似通ってるな。もしかして、フィールドとして使用されている場所と近かったり?

戦闘フィールド名は『贖罪の街』だったな。

 

道路として整備されていたひび割れたアスファルトに出て、キョロキョロと辺りを見回しながら道なりに歩く。

元々交通量の多い大通りだったようで車線が多く、巨体である俺ことゼノ・ジーヴァが歩いても、道幅に多少なりとも余裕があった。

脚を進めるたびに、ボロいアスファルトに尚更亀裂が入る。

 

これから強くなるにあたって何処に行こうか。

なるべくならゴッドイーター……ここが極東支部であるなら、第一部隊の面々には遭遇したくないな。

なら、所在を特定されないよう方々を飛び回ろうか。

アラガミは世界中に散らばっているため、食糧には事欠かない。寝床は……その時になんとかしよう。

 

さあ、暇な神の悪戯でゼノ・ジーヴァという古龍になってしまったわけだが、死なないようこれから頑張って生き抜こうと思う。

 

歩き続けて廃れた公園跡に来た俺は、蒼炎色の幽膜を揺らめかせ巨翼を広げる。

一度二度、三度四度と羽ばたきを繰り返し、浮力を得た巨体が空中に浮く。

ビル群の最上階まで飛び上がったところで首をもたげると、数百メートル先の大穴の空いた一際大きな高層ビルが目を引いた。

あ、やっぱり『贖罪の街』だったんだな、ここ。

 

俺はとくにあてもなく、空を飛ぶ。自由気まま、時々超危険な放浪の旅。

無双は目指さない。しかし、強さは求めてアラガミ()を喰おう。

ゴッドイーター世界での、冥灯龍ゼノ・ジーヴァ生活開始だ。

 

 

最後に言っておく。

 

夢を見ていた。ただの妄想だ。

それが現実になるなんて、他の奴らが狂喜乱舞しようと俺は断言する。

 

 

 

 

 

 

 

ありがた迷惑だコンチクショー。

 

 

 

 

 

 

◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️◼️

 

 

極東支部アラガミ観測記録

 

・初観測における第一の記録

本日、贖罪の街周辺にて奇妙な反応が観測された。

一時は新種、既存アラガミの堕天種など様々な憶測が飛び交ったが、詳細は不明。

しばし街を放浪し、街の外へ移動を開始した未知のアラガミの反応を追ったが、数分後その反応は途絶えた。

一先ず、所属している神機使い達には注意喚起をし、万が一遭遇したとしても戦闘は控え逃亡を優先するよう伝えた。

今回観測した未知のアラガミについて今後、調査を最優先とする事をゴッドイーター全員留意されたし。

 




【加筆・修正箇所】
『生まれた空間の描写とオウガ遭遇戦の加筆』


読了ありがとうございます。
だいぶ前の事ですが、玄関を出たらカエルがダイブして、頭の上に乗っかる事態に……。
そのせいで、変な耐性がつきました。カメムシ二匹が良い例です。何も嬉しくねぇよ……。

それでは、また次回。
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