流星堂の居候 - Unintended hareM - 作:津梨つな
あぁ、真っ暗だ。
――気づけばこの空間にいた。
俺は今、どこに居るんだ?
――立っているのか座っているのかもわからない。
しっかし全部が黒。目を閉じているとかないよな?
――何処を見回しても、目に映るのは漆黒のみ。
いや、そもそも本当に目で見ているのか?
――首をぐるりと回すように周囲を見る。
果たして本当に首が存在しているのか?
――疑問が増えただけだった。
――頭の遥か上の方、上空高い位置から声が聞こえる。
懐かしい響きだなぁ。聴いていて安心する声だ。
――必死な叫びにも聞こえるソレが、何と言っているかまでは聞き取れない。
高い声、女の子かな。
――女の子、というキーワードが頭のどこかで引っかかる。
何か大事なことを忘れているような…?
――女の子、女の子…と記憶を辿るもそれらしい覚えはない。
うーん……考え事してたら眠くなってきたな…。
――体の存在を感じられない状態でも疲労はあるのかと思いつつも、耐え切れず意識を手放した。
**
――どれくらい経っただろうか。
……んん??
――再び浮上した意識は、ぼんやりとした映像を確かに捉える。
…映画館みたいだ。
――映し出されているのは、何とも面白みのない風景。
なんだこいつ。周り女の子ばっかだな。
――冴えない男は、どんなに場面が切り替わっても少女が近くにいた。
すげえ、取っ換え引っ換えじゃん。
――色とりどりの髪色の少女たちが、いつも傍に居る。
…でも、楽しそうだな。
――喧嘩をしたり、じゃれ合ったり。
周りも満更でもなさそうだし…ハーレムだなぁ。
――ただ、あまりにもいい顔をし過ぎたのか、少女達との間の空気が険悪なものになっていく。
そりゃこいつが悪いよ。人の気持ちも知らないでさ。
――本当にそう思う?
あぁ、思うね。みんなに思わせぶりな態度取っちゃってさ…
そりゃギスギスするし、無意味に傷つけ合うようなことに……
――あれ、どう思う?
屑でしょ。女の子を悲しませた挙句それに気付かないなんて、同じ男として許せな……
――思い出した。
そうだ。確か花音に返事を、ケジメをつけに部屋まで行って…それからどうなった?
…花音。お前は結局、俺の事が好きだったのか?それとも、憎かったのか?
そっか。
沙綾…?忘れるわけないだろう。
誠心誠意、真っ向からキチンと答えて見せる。
…いや。お前に対しても、きっと哀しい思いをさせることになる。
日菜も来てくれたんだな。
考えてくれた?とは??
頭の中…?それは、"ココロ"とか"気持ち"とか、そういう類って認識で良いのかな?
どーも。で?考えたって言うのは?
なるほど?…じゃあ強くその人の事を考えたら、ここに現れると。
んー……。
ホントだ…。
まぁ、インパクトあったほうが分かりやすいかと思ってな。
ぶれないなぁ…。
…君にも、謝らなくちゃだな。香澄。
折角友達になってくれたのに、その友達を傷つけた。
一番近くにいる、俺が。
ん。でも、ちゃんとケジメ付けて、謝りにいくつもりだから。
…あぁ。
………満を持してって感じだな。
俺がこの順番で思い返してるって事か。
痛かった…のかな?気づいた時にはもうここだったけど。
なんだい。
…どういうことだ。
いや、全部俺のせいだろ?
……………。
………。そうか。
ここは俺の頭の中、だったよな。
ん。…これはきっと、分岐点だと思うんだ。
一度大きな失敗をして、皆の気持ちとと自分の体をボロボロにしてしまった俺への、最期の選択肢。
有咲。お前を傷つけないように俺は行動したつもりだ。
今後どうするか、どう行動すべきなのかも今ここで決めるべきなんだ。
もう、有咲が傷つくのは見たくない、ただそれだけなんだよ。
だから、俺は―――
投稿まで間が空いてしまいすみません。
推敲の結果、少し特殊な投稿の仕方になりそうです。