流星堂の居候 - Unintended hareM -   作:津梨つな

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諸事情により再投稿しました。


1-3:MIDNIGHT迷子通信

ピコン。

 

 

「?」

 

迷子と仲良くなった日の夜。

程よく満たされた腹を自室で横たえていると、

普段は大人しいスマホから通知音が。

 

「…おっ」

 

画面ではメッセージアプリがチャットの受信をアピールしていた。

基本的にぼっちな俺だ。

相手も大方予想は付くが、

 

「やっぱ花音ちゃんか。」

 

 

『こんばんは。今日はありがとうございました。』

 

 

律儀な子やな。

 

『無事に帰ったかい??』

 

『はい!おかげさまで。』

(お辞儀をするクマ?のスタンプ)

 

『そりゃぁよかった。』

『足、疲れたでしょ?

 ゆっくり休むんだよ~。』

 

『ありがとうございます。』

(笑顔のクマ?のスタンプ)

 

『今、何してましたか??』

 

『飯食ってゴロゴロしてたよ。

 夜ってすることも特になくてさー。』

 

 

実際特に予定もないので、ただひたすらゴロゴロすることが多いのだ。

 

 

『そうなんですね~。

 私も、今課題が終わって一息ついてたところ

 なんです。』

 

 

真面目ぇ。

自慢じゃないが、学生だった頃は課題なんかまともに取り組んだ覚えがない。

そりゃ高卒でブラブラする羽目になるわけだわな。

 

『一つ、訊いてもいいですか??』

 

 

ん。

 

『なに?』

 

 

『常盤さんは、市ケ谷さんと

 仲良しなんですか?』

 

『同じ家で暮らしてるってことだったので…』

 

 

 

どうなんだろう。

仲良しなのかな。

特に仲が悪いってわけではないけども…うーん。

 

 

**

 

 

直接訊いてみることにした。

有咲の部屋の前まで来たが、中は無音。早寝なのか?

 

すぅー。

 

「コンコン!有咲!コンコン有咲!」

 

呼びかけてみると。

 

「うるせえ!」

 

キレ気味の有咲が出てきた。

ぷちぷん有咲。

 

「なんで怒ってんの。」

「夜遅くにいきなり大声出されたら誰だってびっくりするでしょーが!」

「あーそれはすまん。」

 

「で、コンコン!て何。」

「障子だしノックするのもなんだかなと思って。」

「だからってコンコン言うことないでしょ。」

「ユニークだろ?」

「微妙。」

「あそ。」

 

よかった。

別に機嫌悪いわけじゃなかったんだな。

コンコンはお気に召さなかったみたいだが。

 

「で?何の用事?忙しいんだけど。」

「あーそうだったそうだった。

 あのさ、俺と有咲って仲良しかな?」

「あ?」

 

さっさと聞いて部屋に帰ろう。

返事待たせてるし。

 

「なんで急にそんなこと言いだしたわけ?」

「え?えーと…何か気になって?」

 

花音ちゃんのことは特に言う必要ないだろうし言わなくていいか。

 

「ふーん…?

 …ずっと入り口で立ってる気?」

「え?まあ、用事とか特にないし。」

「あっそ。じゃあ早く帰れば。」

 

閉められそうになる障子を慌てて止める。

 

「ちょちょ、質問の答えは?」

「さあ。別に仲良くないんじゃない。

 常盤さんはただの居候ですし。」

 

あれ。

何だ、纏う空気の温度が急に下がって…。

 

「ただの居候って、急に辛口過ぎない?」

「じゃあなんなんですか。私と仲良くなりたいんですか。」

「そりゃまあ、仲悪いよりは良い方が、なあ?」

「へー。私は別にどっちでもいいんですけどねー。

 常盤さんのこともなんとも思ってないしー。」

「苗字呼びやめ」

 

『ピコン』

 

「ん」

 

ポケットから通知音が。

 

「まぁいいや。

 俺は有咲と仲良くなりたいと思ってたんだけど、嫌だったんだな。ごめんな。」

「えっいや、その、嫌ではないというか…なんというか…。」

 

いやどっちやねん。

 

「私だって、仲が良いに越したことはないって思ってるけど…

 大体、大樹さんが急に」

 

『ピコン』

 

「……。」

 

待たせてる花音ちゃんかな。

もうちょっとしたら返信するから待ってくれ。

 

『ピコン、ピコン、ピコン…』

 

え、え、なにこれ。

めっちゃなってる。

 

「凄い鳴ってるけど、見なくていいの。」

「うん、今は気にしなくていいよ。」

 

『ピコン、ピコン、ピコン』

 

流石に何かあったかな?

うるさいし見てみるか。

 

「ごめんごめん、ちょっと一回見るわ。」

「お、おう…。ってか別に、もう用事無いなら戻っても」

 

『常盤さん?』

 

『答えにくいことだったらすみません。』

(アセアセしているクマ?のスタンプ)

 

(おーい!とメッセージ付きのクマ?のスタンプ)

 

『見てくれてないんですか?』

 

『忙しくなっちゃいましたか??』

 

『あ、いっぱい送っちゃってすみません…。』

 

『夜も遅いですもんね。』

 

『常盤さん?何中ですか?』

(首を傾げているクマ?のスタンプ)

 

『寝ちゃいました?』

 

『気づいてないんですか??』

 

『どうして既読もつけてくれないんですか?』

 

『嫌われるようなこと言っちゃいましたか…?』 

 

『常盤さん』

 

 

 

『市ケ谷さんと一緒に居るんですか?』

 

 

 

「怖っ…!」

 

思わず顔が引き攣る。

 

「なんだったの?…ッ!」

 

俺の顔を見てか、覗き込んだ有咲もビクッと固まる。

 

「…なにこれ、彼女?」

「んなわけあるか。」

 

やばいやばい。

この子はちょっとアレな感じの子だったのかもしれん。

有咲の部屋に来てからまだ10分も経ってないはずだ。

どうでもいいけど、このピンクのクマっぽいキャラクターはなんなんだ。

お気に入りか。

 

「…花音、ちゃん。て誰?」

「ま、まぁ色々あってな…。」

「返信、してあげたら?」

「仲良しって返事していいかな。」

「……しらない。」

「知らないってことは無いだろ…」

「もう知らない!部屋戻って!」

 

またも追い出されてしまった。

そんなに嫌われてんのか…。

 

取り敢えずありのまま返信する。

 

『いやーごめんごめん。

 ちょっと有咲と話してて気づかなかったよー。』

 

『ピコン』

 

早っ。

 

『そうだったんですか。

 ごめんなさい、色々送っちゃって。』

 

『それで、仲の話だけど。

 普通、かな?(笑)』

『友達っていうか妹みたいな感じ。』

 

『付き合ったりとかじゃないんですか?』

 

『それは…ないかなぁ。』

 

 

………。

ぴたりと返事が来なくなった。

まあ取り敢えず、さっきの怖い感じは気のせいだったのかもしれないし

部屋に帰ろうか。

 

 

「あ。」

 

 

もう一度部屋に向き直る。

 

「有咲ー。」

「…なに。」

 

 

「有咲も登録していいか?」

「……入って。」

 

 

その後花音ちゃんについて触れてくることは無かった。

登録し終わった有咲は心なしか上機嫌で、

今度は追い出されることなく「おやすみ」で別れることができた。

 

あの子もぼっちだもんな。

 

 

部屋に戻っても花音ちゃんからの追撃は無く

さっきのやり取りは夢だったんじゃないかと思うほど暇だった。

有咲にメッセージを送ってみようかとも思ったが、特に話もないのでやめた。

 

「…何かやること見つけないと、ホンッッッット暇だわ。夜とか。」

 

独り言ちてもキリがないので本日は就寝。

早寝早起きは体に良いゾ。

 

明日からは作業と並行して街の探索にでも繰り出してみようかと思いつつ

意識を沈めていった。

 




ヤンデレ気味なかのちゃんだと最高なんですけどね。
好かれたいですね。
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