よもつしってる
プロローグ──第3部完ッ!えっ続きは10年後ですよね?
1989年。私に出来る全てが、終わった。
はろーえぶりわん、私はジョアンナ・ジョースター。かの有名なジョースター不動産を経営するニューヨークの富豪、ジョセフ・ジョースターの娘です。転生元は日本人女性、ごく普通の女子大生でした。まあ若干どころではないオタク気質で、ほぼ1年周期でいろいろな沼に出没しておりましたけれど。某青い鳥で見た情報によれば私のオタクロードは山手線型と呼ばれるそれらしいですね、確かに何度も同じ沼に浸かり直してましたから納得ですが。閑話休題。
さて、堅苦しい口調はここまでにしよう。大学内で階段から転げ落ちほぼ即死した私は、何の因果かジョジョの奇妙な冒険第3部開始9年前の世界に生まれ直した。私が生きたのは21世紀であって20世紀後半ではない。分厚いテレビやポケベルを見て「高校の世界史で習った!!!(多分)」と思ったのはしかたのないことだよネ!
もっとも、最初からJOJO世界に転生したと分かっていたわけじゃあない。ラノベでよくあるうっかり殺しちゃった♡な神様にあったこともなければ、父親がそばにあった訳でもない。私は4部主人公な彼と同じく、愛人の子だからね。
ああ、パパを責めないであげて欲しい。うちの場合、学校を卒業したての女性が生まれて初めて一目惚れをしたあげく暴走してジョセフ・ジョースターに媚薬なんぞ盛ったのが事のおこりなので。当初パパはママにドン引きしたようだけど、ママがあまりにも一途に想いを伝えるものだからうっかり絆されてしまったそうだ。これはご本人に聞いた話だから間違いないと思うぜ。
私が前回の記憶とJOJOの娘だという事実を知ったのは5つのとき。母親が病に倒れ、天に昇ったときだ。葬式が終わって親戚連中が私の押し付けあいを始めたころ、彼は現れた。一目見て血縁者だと分かったよ、私とそっくりなグリーンの瞳だったから。喪服代わりの黒いワンピースから覗いた星型の痣も、血の交わりを確信づけたんだろう。パパは瞠目して、でもすぐに親族を丸め込み私の親権を手に入れた。
「ワシはジョセフ・ジョースター。なぁおちびちゃん、お名前は言えるかの?」
「わたし、ジョアンナ。ママがつけてくれた」
「ジョアンナ……そうか、お前さんもJOJOか。よろしくな、ジョアンナ。今日からワシが、お前さんの家族じゃ」
ぎゅう、と抱き締めてくれる腕。ママが床に伏してから暫く与えられた記憶のない、温かさ。膨大な記憶を無理やり詰め込まれた痛みとぬくもりへの安堵に、年相応の涙腺が崩壊したのは……まあ、当然だったのかもな。
私がジョースター家に入る前も入った後もいろいろないざこざがあったけど、パパもスージーママも私のことを大事にしてくれた。異母姉のホリィさんも、甥の承太郎も、私のことを受け入れてくれた。だからホリィさんが倒れたとき私もついていったのは、考えられないとこじゃあないと思うんだ。
「ジョアンナ、お前はまだ小さいんだ、ホリィと一緒に待っていなさい」
「嫌よパパ。私の能力、知ってるでしょう?絶対に死なないから、手伝わせて。ホリィさんは、私の姉さんだもの」
「……お前の頑固さは、誰に似たんだろうなぁ……」
諦めたように笑い、パパはぐしゃりと頭を撫でてくれた。お許しを得たってことでいいですね?全員生還ルート開拓してやっからな。
そんなこんなで2ヶ月ほどの旅路の末に因縁深い金髪吸血鬼を打倒し、ようやく私の物語も終わりだぜ!正真正銘の第3部完ッ!次は10年後かな!なんてのんびり構えていたのに。のに!
「ホグワーツ魔法魔術学校……?えっハリポタじゃん?????ええ??????」
エメラルドグリーンのインクを見つめて膝を折る。私の冒険は、まだはじまってさえいなかったようだ。
プロローグは短めに。
続けられるようにのんびり頑張ります