よろしければ…評価も…よろしくお願いします…(強欲)
汽車をおりるとハグリッドが待っていた。大きな声で1年生を集め、険しくて狭い小道を歩いていく。角を曲がると、目の前には荘厳なホグワーツ城がそびえ立っていた。
「おお、でかいな」
「……感想それだけなの?」
「いや、綺麗だと思うぜ。久しぶりだなハーマイオニー」
「ええ、久しぶりJOJO。そっちの人は初対面ね、私ハーマイオニー・グレンジャーよ」
「僕はドラコ・マルフォイ。君は……マグル生まれかい?」
「ええ、そうよ!私の家族にはほかに魔法族がいないの!だから入学前から教科書を暗記したり簡単な呪文を試してみたりしたのだけど……これで足りるのかしら」
「君は真面目なんだな、きっと問題ないさ」
比較的穏やかにハーマイオニーと話すドラコ。もしや私はとても珍しいものを見ているのではなかろうか。あのドラコ・マルフォイがマグル生まれの少女と会話らしい会話をしてるんだ……そんなに脅したつもりはなかったんだけど、怖かったかな、近親交配の話。
ハーマイオニーやドラコと3人で小舟に乗り、崖下を通って地下の船着き場に着いた。先にドラコが降りて、そっと手を差し出してくれる。おお、本場の紳士はさり気なくて素敵だな。
「JOJO、手を。グレンジャーも、足元には気をつけろ」
「ん、ありがとう」
「あ、ありがとう……あなた、噂より真人間なのね」
「ふん、大方ウィーズリーが脚色してるんだろう。……まあ、以前の僕ならあながち間違いでもないだろうが。行くぞ、この先も危ないから注意するんだぞ」
ゴツゴツした岩の道を少し登れば、大きな城の影にたどり着く。ハグリッドが樫の木の扉を3度叩くと、中からエメラルド色のローブが現れた。マクゴナガル先生だ、今日もきりりとしたお顔が麗しい。
マクゴナガル先生は寮の組み分けや点数制の話をして、私たちを大広間に通す。ドラコとハーマイオニーの間に滑り込んで1列に入場していくと、たくさんの視線が降り注いだ。主に女生徒が多い。
「すごい、背が高いね……」
「綺麗なエメラルドグリーンの瞳……こっちみてくれないかな……」
「うちの寮に来ないかしら……」
……私のことですね分かります。自意識過剰ではないですジョースター家の血筋が美形でないはずがなかった。私の顔が褒められる=ジョースターの顔が褒められる。つまり推し一族の美貌が知らしめられるということである。恥じらうことはない、堂々としていよう。
ハーマイオニーにほっぺをつつかれたりドラコに脇をつつかれたりしながらお空(偽)を眺め、次のアクションを待つ。四足のスツールととんがり帽子がマクゴナガル先生によって大広間の中央に置かれた。
そして、帽子は無いはずの口を開き、歌い出す。
わたしはきれいじゃないけれど
人は見かけによらぬもの
私を凌ぐ賢い帽子
あるなら私は身を引こう
山高帽子は真っ黒だ
シルクハットはすらりと高い
私はホグワーツ組み分け帽子
私は彼らの上をいく
君の頭に隠れたものを
組み分け帽子はお見通し
かぶれば君に教えよう
君が行くべき寮の名を
グリフィンドールに行くならば
勇気ある者が住まう寮
勇猛果敢な騎士道で
他とは違うグリフィンドール
ハッフルパフに行くならば
君は正しく忠実で
忍耐強く真実で
苦労を苦労と思わない
古き賢きレイブンクロー
君に意欲があるならば
機知と学びの友人を
ここで必ず得るだろう
スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目標遂げる狡猾さ
かぶってごらん! 恐れずに!
興奮せずに、お任せを!
君を私の手に委ね(私は手なんかないけれど)
だって私は考える帽子!
……思わず全力で拍手してしまった。だってだって私二次創作でいっぱい読んだものこのシーン……マジで歌ってるじゃん……すご……声帯どこ……?
真剣に組み分け帽子の生体を考えていると、マクゴナガル先生が長い巻紙を持って前に出てくる。おお、いよいよ始まるようだ。
「ABC順に名前が呼ばれたら、帽子をかぶって椅子に座り、組み分けを受けてください。アボット・ハンナ!」
それからはどんどん名前が呼ばれていく。ハッフルパフ、レイブンクロー、グリフィンドール、スリザリン。そしてハーマイオニーが呼ばれ、待ちきれないように走っていった。当然のようにグリフィンドール。ドラコがちょっぴりしょぼんとする。
まあまあマグル生まれのハーマイオニーがスリザリンに行ったら肩身狭いでしょ。君はともかくほかの人間はまだ近親交配の恐ろしさを知らないままだ、純血主義を高らかに唱えるものが多いだろう?
ぐりぐりと強めにドラコの頭を撫でながら自分の番を待つ。Gのグレンジャーが呼ばれたから、次はJの私じゃあないか?
そんな予想は、何故か覆された。
「ロングボトム・ネビル!」
「……あれっ飛ばされた?」
なぜ飛ばされたのか。謎。もしや私の名前が載ってない……?前に立つドラコの肩をぐっと掴むと、宥めるように手の甲を撫でられた。わわわ私は落ち着いてるぞ、ちょっと動揺してるだけだぞ!
なんだか心配そうなドラコが呼ばれ、主人公のハリーが呼ばれ、Wのロンだって呼ばれたのに、私の名前は何故か聞こえず。えっまさか入学許可証は誤送だったの?それは泣いちゃうんじゃが。
呆れて言葉もないイギーたんを肩に乗せたまま突っ立っていると、ようやく自分の名を呼ばれる。ほっ、良かった。
「ジョースター・ジョアンナ!……すみません、あなたはイングランド在住ではないので後から呼ばれることになっていたのです。先に言っておけば良かったですね」
「ああ先生、お気になさらず。私は、呼ばれさえすればいいのです」
ごめん嘘、ちょっと、いやかなり気にしてました。
せめてジョジョらしく胸を張り、帽子を手に取る。少し埃っぽいかな、洗濯したい。
「洗濯は勘弁しておくれ、お嬢さん。目が回ってしまうからね」
「あなた口だけじゃなくて目まであるの?」
「ほっほっほ、言葉のあやだとも。さて、君は……ほう、難しい。殺してでも目的を達成する狡猾さ。興味のあることをトコトン追求する勤勉さ。忍耐を苦とも思わない精神性。死んでも守ってみせるという勇猛さ。英雄とも言うべき素質がある。だが……称えるべきは、姉のために死地へ赴いたその勇気だろう。いつかまた私の元へおいで、君の旅を語って欲しい……グリフィンドール!!」
歓声が、爆発した。最後の生徒を取ったおかげか、グリフィンドールのメンツがお祭り騒ぎなのだ。視界の端でドラコやお姉さま方が悔しそうに唇を噛み締めている。ちょっとしたいたずらで指先に口付けて投げてみると、何人かが椅子から転げ落ちたり(ドラコ含む)、机に顔をぶつけたりしていた。ジョースターの血こわ……全力で魅了するじゃん……?
グリフィンドールの席に行くと、まず監督生パーシーが力強く握手してくれた。それからドレッド頭のお姉さんお兄さんに頭をわしゃわしゃ撫でられて、最後にハーマイオニーが感極まったように抱きついてくる。
「ああ、JOJO!あなたと7年間一緒の寮で学べるなんて嬉しいわ!」
「ハーマイオニー!私も嬉しいよ!もっとギュッてしてくれても構わないぜ!」
「なら俺たちが」
「上からやってやるぜ!」
「「喰らえー!」」
「あっはは!苦しいよフレッド!その双子さんも!ハーマイオニーが潰れちゃうだろ!」
「おいフレッド、抜け駆けか?ジョアンナ、俺はジョージ・ウィーズリー。フレッドの双子の弟だ。俺もJOJOって呼んでいいかい?」
「もちろんさ、よろしくなジョージ!フレッド、待っててくれたか?」
「当然だろ!よく来たなJOJO、楽しんでいけよ!」
誰も彼もにぎゅうぎゅう抱きしめられてあぷあぷしていると、ダンブルドア校長が立ち上がり、開式の言葉を発した。すると、途端に金の皿が山のようなご馳走で溢れかえるではないか!
「わ、おいしそう。何食べようかな……」
「お悩みかJOJO?だったらローストビーフとポークチョップがおすすめだぜ、ホグワーツの料理はどれも絶品だけどそのふたつは格別さ!」
「教えてくれてありがとう、フレッド。じゃあ、そのふたつから貰おうかな。ハーマイオニー、あんたは何食べたい?」
「私はローストチキンがいいわ。マッシュポテトにグレービーソースを忘れないで!」
「はいよ、ちょっと重いから気をつけて」
美味しいご飯をもぐもぐパクパク。片っ端から試してみて、気に入ったものだけ2周目の皿に積む。フレッドの言うとおり、ポークチョップとローストビーフはとびっきり美味しかった。ちょっと食べすぎてしまったかもしれない、後で軽く運動しようかな。
新しい大皿に乗ったデザート類をお口に放り込みながらパーシーとハーマイオニーの話を聞いていると、不意に私の名が呼ばれる。向かいのテーブルを見れば、双子を初めとしてリー・ジョーダン、シェーマスやネビル、ロン、ハリーがじいっと私をガン見している。
「なんだ?私の顔になんかついてるかよ」
「口の端っこに生クリームがね」
「おっと失礼、ありがとうジョージ。そんで?私に何が聞きたいのさ」
「ねえジョアンナ!なんで君は1番最後に呼ばれたんだ?あ、僕はロン・ウィーズリー、そこの双子の弟だよ」
「よろしく、ロン。よければJOJOって呼んでくれ。もしかしてみーんなそれが聞きたくて私を?」
「「ご明察!」」
「そうかい、話してやるからその物騒なクラッカー置いて座りな双子。別に大した話じゃないけどね」
同年代の野郎どもに囲まれ淡々と説明していく。自分がアメリカ国籍であること。母親がホグワーツ出身であるため出生時に自動的に名前が登録されたこと。母がなくなるまではイギリスにいたこと。なくなってからはアメリカの父と義母に育てられたこと。妾腹であること。
すっかり話してしまうと喉の渇きを覚えて、ゴブレットをくっと傾ける。……何も入ってなかった。
「はい、これでおしまい。な、大した話じゃなかったろ?」
「……僕たちどんな反応を返せばいいの?」
「笑えばいいんじゃあないか?」
「無理だよ!!!」
「なら最初から聞くんじゃあねぇ。特別枠は何かしらの地雷が埋まってるに決まってるだろ?」
私の周りだけお通夜ムードで笑うわ。どいつもこいつもやべえ事聞いちゃった……って顔してやがる。まあ、いい教訓になったんじゃあないか?
好奇心は猫をも殺すんだぜ。これからは迂闊にひと様の事情を探ろうとするなよ、今度みたいにまた爆死するぞ。
進んで地雷畑に飛び込むロン、返り討ちにあう。彼って1度痛い目を見ないとわからないと思うんですよね。原作で何度も見てる気がしますけど。JOJOが気にしてなくて良かったなロン……