【完結】Azur Lane for Answer   作:塊ロック

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今回はちょっと真面目な話。
…しかし、アズレンについにビスマルクが実装されましたね…。

私?…出ませんでした。
ま、まぁまだ機会あるし…。


雪解け

 

「入るぞ、指揮官」

「あぁ、どう…ぞ…」

 

ある日の昼下がり。

秘書艦に休憩を取らせつつ少し執務を片付けようかと思った矢先の来客。

 

…久しぶりに言葉が詰まってしまった。

それだけ、現れた女性は魅力的だったからだ。

 

「貴官は既に知っているだろうが私はそうではないので、紹介させてもらう。ビスマルク級2番艦、ティルピッツだ」

「もう立っても大丈夫なのか?」

「えぇ、お陰様で」

 

以前、色々と因縁のあった北方で自沈寸前の彼女を保護、明石に預け療養させていた。

 

「私は貴官に問いたい」

「いきなりだな…答えられる範囲なら」

「こんな、弾を撃つためでは無い砲を備えた艦をどうするつもりだ」

 

彼女の境遇はプリンツから聞いていた。

永く北に放置されていた彼女は、心を閉ざしてしまっている。

 

「うちで戦ってもらう為だ。見ての通り戦力が居ない」

「そう。今更期待はしないわ」

「…それは、同意ととるが?」

「構わないわ。貴官…貴方がそれに値するか、見させてもらうわ」

 

そう言って、踵を返して出ていった。

 

「…おっかな。セレンさんみたいだな」

「セレン?誰よそれ」

「ん?ああ、俺に生き方を教えてくれた人」

「ふぅん?女?」

「…まぁ…プリンツ。帰ってきてたなら一言…てかお前らノックしろよ」

 

いつの間にかプリンツが隣に立っていた。

本日の秘書艦は彼女だ。

 

…最近皆ノックを忘れている気がする。

俺一応ここの最高責任者なんだけど。

 

「そんな事より、そのセレンって言うのは何、前の女?」

「そんな事っておま…違うから。先生みたいなもんだ」

 

通信機越しに放たれる罵詈雑言を思い出し、遠い目をする。

 

「ふぅん…まぁいいわ。ティルピッツ、もう快復したのね」

「その様だ。最も、まだ戦闘は無理だろうが」

「説得、するの?」

「はい、そのつもりです」

「なにそれ」

 

プランD、所謂滑りですね。

 

「…ちょっと、難しいかな」

「どんな困難も達成してきた傭兵サマでも?」

「からかうな…男女の事は専門外だ」

「…なら、私で専攻する?」

「やめろっての」

 

舌なめずりしながらプリンツがマウントを取ろうとするので抑える。

 

「やめっ、力強いな!?」

「今度は私がアンタを味わう番よ…」

「今度ってなんだ一度もねぇよ!!」

「指揮官、言い忘れていたが…」

 

そこに、ちょうど先程出ていったティルピッツが戻ってきた。

 

「…」

 

…流石氷の女王、真顔が怖い。

 

「うわっ、ちょっ、おまっ、艦装無言で展開すんな!?」

「ハァイ、ティルピッツ。元気」

「…えぇ、お陰様で」

「ふふふ、こっちの生活はどうかしら?」

「…どこも、あの氷の中と一緒よ」

「…」

 

押し黙る。

 

彼女の闇は、深い。

 

 

________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここで問題となるのが『アズールレーンがティルピッツを所有する事について』となる。

鉄血から亡命してきた訳でもなく、北に放置されていた艦船を引き取ったと言うシナリオなのだが、如何せんこれ以上戦力を割かれたくない鉄血からの圧が掛かっている。

 

「正直、鉄血に殴られたら流石に勝てないんだよなぁ…」

「赤城は指揮官様を絶対に死なせたりなんてしません…けど、重桜の戦力が使えないのが痛いですわ」

「ロイヤルのジジイ共は恐らく漁夫の利を狙うつもりよ」

 

母港に置かれた作戦室に、リンクス指揮官、ネルソン、赤城、ティルピッツ、クリーブランドがそれぞれ集まっていた。

 

「相変わらずロイヤルは腹が黒いな…両方が損耗した所を一気に掻っ攫うつもりか」

「指揮官、やっぱりユニオンからはエンタープライズを所持ているなら負ける筈が無いの一点張りだ」

「練度を考えてくれよ本国…」

 

先日建造されたエンタープライズは、窓の外にある訓練場でふっ飛ばされていた。

建造されたばかりなので当然練度などない。

 

艦船の練度は、どれだけ戦闘を重ねたか、どれ程の艦船と戦闘を共にしたかで決まる。

 

アズールレーンは元々多国籍軍だ。

レッドアクシズと分裂してもユニオンとロイヤルの2つの国の船が共同で作戦に臨む。

当然国柄の戦闘スタイルもあるため、最初は混乱する。

 

そのため、この2つを習熟している艦船は前線指揮を円滑にするために重宝がられるのだ。

今、エンタープライズは加賀とロドニーによってしごかれている真っ最中であった。

 

閑話休題。

 

「ユニオンとしてはエンタープライズをもって迎え討て、守るに値する理由があれば一考する。だそうだ」

「そうか…」

「指揮官様、ネクストで制圧すれば宜しいのでは?」

 

サラッと赤城が極論を投げてくる。

 

「赤城…そんな事をしてみろ。俺は世界中から後ろ指指されるぞ」

 

対セイレーン限定の傭兵、アーマードコア・ネクスト。

この破壊力と抑止力はこの世界に置いて計り知れない。

だが、これを人間や艦船に対して発揮する事は出来ない。

いや、してはいけないのだ。

 

「…申し訳ありません指揮官様。出過ぎた真似をしました」

「フン、これだから力を誇示すれば良いとか思ってる脳筋は」

「周りくどい物言いでしか話せない臆病者に言われたくありませんわー?」

「あんたの国だってそうでしょ!?」

「…指揮官。一つ良いか」

 

この場に居て一言も話さなかったティルピッツが手を上げた。

口論に発展していた二人もすぐに黙る。

 

「どうした?」

「ネクストとは…あの白い鳥の事か?」

「鳥…そう見えたのか」

「ふむ…プリンツが言っていたのはそういう事か」

 

何やら一人勝手に納得している。

何かが彼女の中で合致したのだろう。

 

「指揮官。私はあくまで鉄血の船だ。だが…」

 

ひと呼吸挟み、

 

「貴方が真に、アズールレーンを統合しセイレーンの脅威を退けると証明するならば…鉄血との間を取り持とう」

「…何だって?!」

 

ティルピッツから放たれた言葉に耳を疑う。

 

「どういう風の吹き回しよ」

「何、興味を持った…と言う事でどうだ?白い鳥」

「………信用していいのか?」

「証明するならば」

 

証明、か…。

 

「証明してみせよう。俺達には、それが出来る筈だ」

「断言したか」

 

ここで、初めてティルピッツが笑った。

…しかし、それはとてつもなく獰猛な笑顔。

 

「見せてみろ。お前の力を」

「ああ」

 

ティルピッツとの、奇妙な協同関係がスタートする事となる。

 

(やってやるさ。こんな所で躓いていられない)

 

鉄血と協定を結ぶ事ができるなら、重桜にも揺さぶりを掛けることができる。

 

「方針が固まった。作戦を説明しよう」

 

まだ、プランは始まってすらない。

 

「頼んだぜ、お前達」

 

 




北の氷の女王、アズールレーンへと合流。

この首輪付き、fAだけでなく色んな作品の電波を拾うので妙に性格が安定しない。

…鉄血の吸収への流れ、果たして上手くいくのだろうか。
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